
第6次改定日本人の栄養所要量によると、ビタミンCの所要量は1日100mgです。
体内ビタミンC貯蔵量は1500 mgで、1日の代謝率が3%なので、1500mgx3%で45mg、安全マージンをとって50mgというのが根拠だそうです。(1999年に100mgになりました)
しかし、代謝率はヒトによって大いに異なります。
糖尿病、がん患者、喫煙者、高齢者、アルコール常飲者などは血中ビタミンC濃度が低下しています。
ビタミンCが飽和していれば血中濃度も安定するはずです。
血中濃度が低いということはビタミンCの需要が亢進しているため、「飽和しきれない」ということです。

ビタミンCは体内に均一に存在しているのではなく、需要の多いところに集中的に分布しています。
体内でビタミンC濃度が一番高いのは副腎(血中濃度の150倍)です。
この事実から、
「ビタミンCはアドレナリンやコルチゾールの産生に不可欠であり、ビタミンCの不足は副腎機能の低下をひき起こす」
ことが類推できます。
また、白血球中のビタミンC濃度が高い(血中の80倍)のも有名です。ビタミンCは白血球の遊走性を高め、免疫力をあげる効果があります。
ストレスなどで副腎を酷使しているときや、感染があるときはビタミンCの需要は亢進しています。
だから、そのような時は特に十分量のビタミンCを補給して飽和させてあげることが必要です。
また、さらに十分量のビタミンCをとることで、副腎の機能を上げたり、感染症の治療に使ったりする事ができます。
では、どの位の量をとればベネフィットが得られるのでしょうか。
例えば、Gortonらによる風邪にたいする二重盲検試験(1999)では、テストグループでは平常時から1日3回、1回1000mgのビタミンCを摂取してもらい、風邪の症状がでたら速やかに、1時間おきに1回1000mgの摂取、その後は平常時と同じ量を続けるというトライアルを行いました。
その結果、プラセボグループに比べて、85%もの症状減という結果が得られました。
その他、ポリオウイルス、ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、コクサツキーウイルス、狂犬病ウイルスなどもビタミンC10gの経口摂取で不活化が実証されています。
また、さらに高用量のビタミンC(50~75g以上)を点滴で入れることにより、がん細胞を殺傷できます。
ビタミンCを高用量で投与すると細胞外でヒドロキシラジカルを発生させ、選択的な抗腫瘍効果を示すことがNIHの研究チームによって確認、発表されています。
残念ながら、大規模な臨床試験では、高用量のビタミンC投与によるがんの縮小効果は未だ確認されていないのですが、既存の抗がん剤に比べて遥かに毒性や副作用が少ないことから多くの方面から期待がよせられています。
「ゴリラは、新鮮な植物を主に摂取しており、量的には一日に約4.5グラムのビタミンCに相当する。農業が発達する以前は、人も同じ物を食べて生活していた。
だからビタミンCの適正摂取量について、1日100mgだ、いや200mgだと論議するのではなく1gなのか、2gなのかを論議すべきである」
ライナスポーリング
コレだけの量をとるには、やはりレモンやアセロラでは難しいわけです。それを効率よく摂るのがサプリメントの役割になってきます。