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「自分のトリセツの作り方」 LDLコレステロール

宮澤賢史 · 2019年12月3日 ·

前の記事:ドーズレスポンス

最初にお話しした栄養療法ガイドラインの方針「4.根本原因を追求する」の第2段階、個体差についてお伝えしていきます。

最初のうちは血液検査の結果を見て、足りないものを補充していくというやり方を覚えるのが良いと思います。

これから血液検査の結果の、LDLコレステロール、GOTとGPT、MCVの見方についてお話していきます。栄養療法的には、一般的な医療の観点だけではなく、何故この数値になっているのかという根本原因まで考える必要があります。

今回はLDLコレステロールについてです。GOTとGPT、MCVについては次回お伝えします。

もくじ

  • LDLコレステロール=胆汁とステロイドホルモンの材料
    • コレステロールの80%は胆汁酸になる
    • コレステロールの20%はホルモンになる
  • コレステロールが低い場合
    • コレステロールが低いと、コルチゾールが出にくくなる
    • コレステロールが低い人はうつの傾向が強い
    • コレステロールが低い人はコエンザイムQ10も作れていない
    • コレステロールが低い場合の対策
  • LDLが低くなる根本原因
    • LDL低下の原因1:タンパク質の代謝が悪い
    • LDL低下の原因2:ミトコンドリア機能の低下

LDLコレステロール=胆汁とステロイドホルモンの材料

LDLコレステロールというのは、コレステロールの一つです。(詳しく言うと、本当はタンパク質のことですが。)健康診断でよく測りますよね。

HDLは、いわゆる善玉コレステロールです。全身の余ったコレステロールを回収する掃除屋なので、一般的にそう呼ばれています。

一方で、LDLというのは、いわゆる悪玉コレステロールです。

LDLは、肝臓から全身にコレステロールを配る役割を担っています。配る途中で、血管の壁について酸化されると、動脈硬化の因子になります。

したがって、一般的にはLDLは低いほうが動脈硬化を起こしにくいので良いとされています。高ければ下げるのが一般的な医療方針です。そのための薬はたくさん発売されています。

しかし、分子栄養学的な解釈は少し違います。

分子栄養学的には、LDLは胆汁とステロイドホルモンと細胞膜の原料として、とても重要な役割を担っています。

コレステロールの80%が胆汁酸になり、20%がホルモンになります。

コレステロールの80%は胆汁酸になる

胆汁酸はとても重要です。

胆汁酸は肝臓から分泌されて、胆汁になり、脂肪の吸収に役立ちます。胆汁が出ない人は脂肪の吸収ができません。

脂肪を分解するためには、肝臓から出る胆汁と、膵臓から出る脂肪分解酵素のリパーゼが必要です。

脂肪は水に溶けませんので吸収するためには脂肪をを乳化させて、水に溶けるようにする必要があります。胆汁が出なければ脂肪が吸収できないので、便が白くなります。

それだけではありません。

脂肪酸が足りない人は、脂溶性ビタミン(A、D、E、Kなど)の吸収ができず、見た目にカサカサしてきます。ビタミンAなどは体内では作れないので、大問題です。

コレステロールの20%はホルモンになる

LDLコレステロールの20%はステロイドホルモンになります。

ステロイドホルモンというのは、化学的に言えばステロイド骨格を持ったホルモンのことです。いわゆるステロイドホルモンの他、性ホルモンもステロイドホルモンです。

コレステロールが低い場合

コレステロールが低いと、いったいどうなるのでしょうか。

胆汁が出ないので脂溶性ビタミン不足になり、ストレスに弱くなり、コエンザイムQ10が作れないのでエネルギー不足になります。

コレステロールが低いと、コルチゾールが出にくくなる

コルチゾールは炎症時やストレスを受けたときに出るホルモンです。

コルチゾールが出にくくなってくると、炎症が長引いたり、ストレスに弱くなったり、いったん引いた風邪が治りにくいといった症状が出てきます。

コレステロールが低い人はうつの傾向が強い

総コレステロールが140以下の人、LDLが100以下の人など、一般的にコレステロールが低い人はうつ傾向が強いことが多いです。

コレステロールが低い人はコエンザイムQ10も作れていない

また、コレステロールが低い人はコレステロールの合成系が弱いことが多いです。その場合、一緒に作られるコエンザイムQ10も作られなくなります。

コエンザイムQ10はミトコンドリアを動かす重要な栄養素なので、足りなくなるとミトコンドリアが働かなくなります。

40歳以上になると製造力ががくっと落ちるので、サプリメントで補充する人が多いです。

自分でコエンザイムQ10が作れているかどうかは、血中のコエンザイムQ10を見ればいいのですが、測りにくいです。

そこで、血中のコレステロールで代用することができます。コレステロールはコエンザイムQ10と同じ経路で作られるからです。

コレステロールが低い場合の対策

このようなわけで、分子栄養学的に言えば低コレステロールは大問題です。

胆汁が出ないので脂溶性ビタミン不足になり、ストレスに弱くなり、コエンザイムQ10が作れなくなってミトコンドリアが働かなくなります。

悪いことばかりですね。

対策は脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)と、コエンザイムQ10と、ストレス対策として副腎サプリメントを摂ってあげればいいです。

もちろんこれは個体差ですが、LDLが低い人はこのようなサプリメントを摂るといいと思います。

LDLが低くなる根本原因

LDLが下がっていた場合、対策としてはビタミンやコエンザイムQ10や副腎サプリを飲めばいいんですが、根本原因を考える必要があります。

そもそも何故LDLがが低下しているんでしょうか?

LDL低下の原因1:タンパク質の代謝が悪い

LDLは、正確にはlow density lipoprotein(ロー デンシティ リポプロテイン)と言います。つまり、LDLは正確に言えばコレステロールではなく、タンパク質なんです。

LDLが低くなるのは、タンパク質の代謝が悪い人です。

タンパク質は体の中でリサイクルを繰り返されていますが、外から摂らなければなりません。

特に消化酵素や胆汁が出ていない人、胃酸の分泌が悪い人はタンパク質が消化吸収不良になり、その結果LDLが下がってきます。

LDL低下の原因2:ミトコンドリア機能の低下

もう一つは、ミトコンドリア機能の低下です。ミトコンドリアはエネルギーの産生工場です。ATPという体内のエネルギーをたくさん作っています。

コレステロールは糖質・脂質から合成されますが、その合成過程でエネルギーをたくさん使います。だから、エネルギー不足(ミトコンドリア機能低下)だと、コレステロールがうまく作られません。

だからつまるところは、ミトコンドリア機能を上げて消化吸収能力を上げてあげようということです。そうすると徐々にコレステロールが上がってきます。コレステロールが上がれば、ビタミンA・D・E・Kを飲まなくても良くなってきます。

次の記事:GOTとGPT、ASPとALT

ガイドライン

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