
もくじ
ハル・ハギンス博士のセミナーに出席しました
米国コロラド州で行われた、ハル・ハギンス博士の2日間のセミナー行ってきました。
ビタミンC点滴の方法、キャビテーションの診断と治療、アマルガム除去のプロトコールなど内容は盛りだくさんでした。
歯科のテクニカル的な要素もかなり多かったのですが、内科医としてもかなりインパクトを受けました。
先生がセミナーで強調されていた事は、「歯科治療がいかに全身に影響を与えるか」です。
確かに、ヒギンズ・プロトコールの最初のページには、「First, do no harm 」という文字が大きく書かれています。
もう一つは、「血液検査の重要性」です。
「いい歯科治療をすれば、まず血液データが改善し、次に病気が治る」との事。
ハギンス先生はデータをよくするために、何を食べたらいいのかを50年間考え続けています。
アマルガムを外しただけでよくなる人とよくならない人の違いは何ですか?
さて、セミナーの前後でもハギンス博士とプライベートな時間を共有することができたため、
多くの質問をする機会に恵まれました。
今日はそのうちの一つをご紹介します。
ハギンス博士を囲んで、ホテルのレストランで夕食会において、ステーキをほおばりながら私がした質問は、
「アマルガムをはずしただけで全身状態が良くなる人もいるし、それだけでは(さらに重金属のデトックス治療を行わなければ)良くならない人もいる。両者の違いは何ですか? 」
でした。
ハギンス博士の答えは、
「それは、アポリポ蛋白Eのアイソフォームの違いだろう。」
でした。
聞いている私達は、みな一様に、よくわからない、という顔をしたので、彼は食事を中断して、ナプキンに丁寧に図を書いて説明をしてくれました。
アポリポ蛋白Eとは
アポリポ蛋白E(ApoE)はVLDL、IDL、HDLなどのリポ蛋白を構成している蛋白の一つです。脂を運ぶトラックの様なものと考えるとわかりやすいでしょう。
コレステロールや中性脂肪などの脂質を血中で安定させるには、アポリポ蛋白が必要です。
アポリポ蛋白は、コレステロールや脂肪酸の運搬に関与し、脂質代謝を制御しているのです。これは、脳においても同様の働きをしています。
このApoEにはいくつかのアイソフォーム(構造は異なるが同じ機能をもつタンパク質)があり、それぞれ e2,e3,e4と呼ばれています。
どの人がどのApoEを持っているかは、遺伝によって決まっています。
e2,e3が正常型なのに対して、e4は油を運ぶ力が弱いと考えられています。
e4の人は抗酸化力が低く、水銀の害を受けやすい
水銀は細胞膜や脂質との親和性が非常にいいです。
脳は脂質の塊の様なものですから、水銀は脳に蓄積しやすい。入り込んだ水銀は脳神経を退縮させます。
e4タイプのタンパクを持つ人は、脂肪を分解して運ぶ働きが弱いので、脳に入り込んだ水銀を除去する力も弱い。
実際、e3のに比べて、e4のタイプを持つ人は家族型のアルツハイマーをもつ人たちに多いという報告もあります。
水銀+e4のアイソフォームは最悪の組み合わせなんですね。
「水銀を排泄できる人間は80歳で、できない人間は30代でアルツハイマーになる」
ハル・ハギンス博士