
もくじ
私の栄養療法を巡る旅
2001年栄養療法を知ったとき、初めて疾患の根本原因に言及した治療法に出会いました。自分のパートナーの潜在性鉄欠乏が改善しました。
2004年に高濃度ビタミンC点滴をはじめたときに、栄養素を高用量使う事をメリットを実感しました。うつ、適応障害の症状をもつ副腎疲労患者さん68名中、66%の人に改善効果をもたらすことができました。
2008年に自分の腸内環境検査を行い、栄養の吸収障害があればサプリメントの効果が落ちる事を身をもって知りました。腸内改善をしたら便の形がよくなるにつれストレスに対する耐性が強まっていくことを感じました。
2011年に自分の歯の中からアマルガムのかけらがみつかり、重金属検査を行ったところ毛髪から水銀が振り切れるほど検出されました。
水銀排出治療を行ったところ、アマルガムの入っていた歯と同じ側の乾癬が消失、運動時にも動悸がしなくなりました。夢をカラーで見る事が出来るようになり、朝からコーヒーを飲んでも胃が痛くなくなりました。
振り返ってみると、「自分と周りの人をよくするために今までやってきたんだなあ」と実感する今日この頃です。
医師になって20年以上になりますが、正直なところ、今が一番体調がよいです。
口腔内診察はマストです
私の所には一生懸命栄養療法に専念しているのに治らない人からの問い合わせが毎日の様に来るのです。おそらく根本原因が見つかっていないのでしょう。私は様々な質問をして原因を探っていきます。
私が診察をする際には、必ず口の中を診させていただきます。喉や舌の状態はもちろん見るのですが、さらには歯の状態も観察します。そして、口の中に金属の詰め物があるか、根っこの治療をした歯がないかを聞き出します。
難治性の副腎疲労の患者さんが歯に問題を抱えている割合は7~8割です。関節リウマチで相談にいらっしゃる患者さんでは、その割合は9割以上です。
歯科との連携なしには私の治療は全く成り立ちません。
歯科との連携が「必然」なんです。
様々な慢性疾患の根本原因を突き詰める際には医科と歯科の連携が必須です。
根本原因を探求していくと必ずそうなります。
他に何か原因があるのではないか? 皆さん、薄々気がついています。
アマルガムを中心とした歯科領域の金属、口腔内の感染。これらは難治性、原因不明と言われる内科疾患に深く関与しています。
しかし、私が患者さんに歯科領域の問診をしたり、口の中を見せてください、と言うと決まって「内科の先生にそんな事を言われたのは初めてです」と言われるのです。
なぜ、このようになってしまうのでしょうか?
実際にはまだ連携できていない
一般的にも、心筋梗塞の大きな原因を占めているのが歯周病であることは周知の事実です。
糖尿病と歯周病の関連も健康に多少興味を持つ人ならば常識になりつつあります。
しかし、それを実際に認識して、「歯周病の疑いがないか歯科でチェックしてもらってください」という医科の先生がどのくらいいるのでしょうか。
私の二人の弟は一人が循環器内科、一人が歯科としてお互いに同じ街の中で開業しています。
しかし、お恥ずかしい話ですが、兄弟間でもそのような連携がほとんどないのが現状です。
頭ではわかっていても、実際に行動に移せていない。漠然とした意識の中にあって、大脳皮質まで上ってきていないんですね。これらは、医科の考えからすっぽりと抜け落ちている領域なのです。
このような現状になっている原因はいくつか考えられます。
それは、
- 医師が歯科領域の事について知識が殆どない事。
(私が学生の時は歯科学の講義は6年間で2時間だけでした) - 歯科が医科領域の事について知識が乏しい事
- 患者さんが医科と歯科にまたがった疾患について受診できるしくみが整っていないこと
ではないかと私は考えています。
医科歯科連携の重要性
そこでこの原因を打破するべく、「医科と歯科が概念を共有する事」「患者がその間をスムーズに連携受診する事ができるしくみを作ること」を目標に、2013年11月に医科歯科連携診療普及協会を発足させました。
医科の様なことに興味を持っていただける医師、歯科医師の方を求めています。
・ 慢性疾患の治療の一環としての治療をして頂くこと
・水銀暴露を限りなく防ぐアマルガム除去
・パラジウムも含む金属の適合性テスト、メタル除去治療
・ 関節リウマチ等の原因となる感染根管の同定、治療
・全身のカンジタ感染症における口腔内除菌治療
・ 難治性歯科疾患の治療の一環として全身状態を診て頂けること
・歯周病治療のためのインスリン抵抗性まで含めた糖尿病コントロール
・ 歯周病治療における腸管内、膣などのカンジタ除菌
現在も続いている分子栄養学実践講座では、毎回の症例検討会で、医科と歯科がひとつのテーブルについて熱いディスカッションを繰り広げています。
分子栄養学実践講座
臨床分子栄養医学研究会
https://www.bunshieiyou.com/
これによって、多くの人たちが概念を共有しはじめています。さらに推し進めるために、協会ではお互いの知識を広げる勉強会の開催を予定しています。また、全国の「副腎疲労難民」の患者さんにこのことを知らしめる体制づくりが必要です。
多くの方々が、連携医療の重要性についてのウェブサイト、ブログを立ち上げていらっしゃいます。そこで、皆さんのあいだをうまくつなぐことが出来るようにプロジェクトをたちあげました。
この連携診療がうまくいくためには、治療の主役である患者さんに「医科と歯科はつながっている」という認識をして持ってもらうことが大事なんです。
副腎疲労で苦しむ患者さんが一人でも減るように
サプリメントをいくら摂っても効かない患者さんを減らすために
全身のカンジタを克服できる人を一人でも増やすために
この目的の達成のためには、私と「根本治療を目的とした概念」を共有して頂ける皆さんのお力添えがぜひとも必要です。
この考え方に共感頂ける多くの患者さんにお集まり頂き、皆様のクリニックにスムーズに受診できる仕組みづくりに是非ご参加ください。