分子栄養学的アトピー治療法

今日はアトピーの話です。

今日来院されたアトピーの患者さん、分子栄養学実践講座を受講中の方でした。

10年以上前から、様々な病院でいろいろな治療法を試されたそうです。

糖質制限、マクロビオティクスから千差万別な食事療法も各病院でいわれるままにやってみた。

でもいっこうによくならず、みんな言う事がちがうから訳が分からなくなっていたところ、自分の状態がわかるという分子栄養学の考え方を耳にして、受講することにしました。

その知識をもとに、自分なりの治療と食事法を確立して一時期よりだいぶよくなられたようです。

来院理由は「自分の今の状況を把握したいので、腸内環境検査を受けたい」との事でした。

その言葉を聞いて「今後この人はもっとよくなる」と確信できました。

アトピーは内臓疾患

現在まで多くのアトピー患者さんを診させていただきました。それを踏まえて言うと、私はアトピーは皮膚疾患ではなく、内臓疾患であると考えています。

もちろん皮膚の炎症はありますが、病態の主要因は副腎や腸内環境、体内の炎症にあります。今まで、副腎疲労を伴っていない重症アトピーの方に会った事がありません。副腎疲労が進行するとコルチゾールが出せなくなりますから、炎症が治まらないんですね。

また、副腎疲労は低血糖発作を起こしやすくし、それがかゆみを誘発します。副腎ケアは、全てのアトピーの人が行うべきです。

また、アトピー性皮膚炎では皮膚の過剰な炎症と、免疫の過活動がおきています。

過剰な炎症の要因の一つは食べている油です。炎症は「体に火事を起こすシステム」と「起こった火事の自動消火システム」が一緒になったようなものであり、なくてはならないものです。しかし、食事中の「炎症を起こすω6系の油」に対する「炎症を抑えるω3系の油」が少なすぎると消化システムの方が働かなくなります。

アトピー性皮膚炎の患者さんでは皮膚のバリアと腸のバリアどちらも壊れていることが多く、ほこりなどの外からの異物、食事による中からの異物の両者に大きく反応してしまいます。

アトピーの人は自分で皮脂を出してバリア機能を保つのが苦手なので、皮脂を出せる体作りが重要ですが、それには時間がかかることが多いです。できるようになるまで適切な保湿は必要です。

さらに、アトピーの人では腸内バリアが破壊されるリーキーガット症候群を起こしていることも多く、この場合、食事中の未消化たん白などの異物が腸をすり抜けて、皮膚にやってきて炎症を引き起こします。また、腸など体内で起きている炎症の炎は全身に飛び火して、さらにアトピーを悪化させます。

以上から、副腎ケア、腸内環境ケア(特にリーキーガットの治療)、炎症体質を止め、低血糖を防止する食事療法、皮膚の保湿などが基本的な治療戦略になります。

もちろん、人によってそれぞれの程度や原因が異なりますから、これらを一つ一つ調べていき対処します。

治療の順番が大切

これらの治療の順番にも配慮が必要です。腸内環境改善には食事療法が不可欠ですが、低血糖を起こしやすい人はいくら禁止されていても発作的に菓子パンが食べたくなります。

糖質制限食も時には有効な時がありますが、状況を考えてその時その時にあう食事を随時考えていく必要があります。

そして、強い皮膚や腸づくりにはタンパク質が欠かせません。タンパク質の合成機能が弱い方は、タンパク質量を減らさない方が良いでしょう。しかし、消化酵素や胃酸分泌が弱い方はタンパク質の過剰摂取により、消化不良を起こし腸内環境が悪化しますので、まずは酵素の補充から行うべきです。

また同じ人でも、環境や治療時期によって推奨の食事やサプリは異なります。重症の副腎疲労の人は低血糖の調整が落ち着くまで、極端な糖質制限を行わない方が良いでしょう。

一番大切な事

正直、これらの治療方針が100%正しいかというと、そんな事はないです。でも、どんな人が治りやすいかはわかります。

アトピー性皮膚炎がなおりやすい傾向の人は「自分で治療計画を立てて行動してる人」です。

反対に治りにくい人は「病院に対する依存心が強すぎる人」です。

考えてみればこれは当たり前で、医師と話して治療方針を相談する時間は1か月(43800分)に30分しかないのです。(「話しあう時間が時間が足りない!」といつも思っていますが、保険診療だともっと短いです)

残りの43770分は、毎日変わる体調と相談しながら、自分の知識と経験から自分なりに対処法を決めていかなくてはなりません。

アトピー性皮膚炎の病因は単純ではなく、複数の要因が絡んでいます。食事や環境、ストレス要因やトラウマなどを細かく探り、対策を立てるには少なくとも数時間はかかるでしょう。すべてのを医師にゆだねるのは絶対に無理があります。

自分の体の「トリセツ」は自分しか作れないのです。

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追伸

自分の娘にも両肘のアトピーがありました。

いつもは目立たないのですが、明らかにお菓子を食べた後に悪化してるんですね。転校した小学校のストレスもあるのかもしれません。

でも、家族内のアドバイスって本当に難しい。サプリと食事のアドバイスをすればするほど、怒って部屋に閉じこもってしまいます。

でもそれから半年くらい経って娘の部屋の本棚を移動していた時に、私の栄養療法の本が入っているのをみつけました。

「どうしたのこれ?」

「興味あるから見てた」

ふと娘の肘を見たら湿疹が全くなくなっていました。

言いたいことはたくさんありましたが、ここはあえて何も言わず、まだ薄い「トリセツ」のページを増やす作業は娘自身にゆだねる事にしました。また、娘も決して「ありがとう」とは言わないんですが、最近何も言わないのに家の手伝いをしてくれるようになりました。

冒頭に出てきたアトピーの人ですが、なんで私が「今後この人はもっとよくなる」と確信できたのか、もうわかって頂けましたよね。

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