疲労改善の場合はどこにアプローチすればいいかというと、ミトコンドリアです。
ミトコンドリアとは
ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーを作っているところです。
ミトコンドリアの模式図は左図ですが、実際の形は右図のような感じで、流動的に形は変わるようです。このたくさんある、ひだになっているところでエネルギーを作っています。
疲れやすいということはすなわち、細胞のミトコンドリアの働きが悪いということです。
ミトコンドリアが多いのは、脳・筋肉・心臓・肝臓・卵子
臓器別に言うと、ミトコンドリアはどこに多いか知っていますか?
脳と筋肉に多いのです。
ミトコンドリア病といって、遺伝的にミトコンドリアの働きが落ちてしまいう病気があります。昔はミトコンドリア脳筋症と言いました。脳のうつのような症状と、筋力低下の両方が起きます。
ミトコンドリアは心臓と肝臓にも多いです。
シトクロムという赤茶色の鉄の酵素があるので、赤く見えます。
焼鳥のレバーやハツを見ると赤いですよね。ミトコンドリアが多いからです。
ミトコンドリアが最も多いのは卵子です。肝細胞には5000個ですが、卵細胞には10万個もあります。
不妊の一番の原因は、ミトコンドリア機能の低下症と、自律神経の過緊張です。自律神経の過緊張があると、ホルモンバランスに不具合が生じるからです。
人工授精をしてもうまく行かないのは、卵の元気がないからです。卵がそのものが元気でないと、着床して産まれるだけの力を持っていないと、どれだけくっつけてもだめです。関西の方ではミトコンドリア移植手術をやっているクリニックもありますね。
疲労体質改善のために
疲労体質改善の根本はミトコンドリアです。
しかし、疲労回復はミトコンドリアサプリだけ飲んでも良くなりません。
なぜならミトコンドリアは、いろいろな影響を受けているからです。全部やっていった方が良いです。
ミネラルの代謝を上げるため、腸内環境改善
ミトコンドリアは栄養で動いています。ビタミンB群、COQ10、鉄、などなど。
大事なのはミネラルです。亜鉛、マグネシウム、鉄が重要です。
ミネラルは、サプリメントなどで摂ればすぐ効くというものではありません。ミネラルの代謝が追いついていなくてミトコンドリアが動いていない人は多いです。
ミネラルは生体利用性とバランスを考えなければなりません。
生体利用性を上げる
ビタミンは摂れば摂っただけ結果が出ます。しかし、ミネラルは吸収が悪いので、そのまま下って下痢になったりします。腸が悪いとミネラルは効きません。
ミネラルが足りないと思ったら、最初にやることは、ミネラルの補給ではなくて、腸内環境改善です。
食物繊維をちゃんと摂って、腸内で発酵させるようにします。すると、短鎖脂肪酸ができます。
この短鎖脂肪酸がミネラルをキレート、捕まえて腸の中に引き込んでくれるんです。
バランス
ミネラルは、バランスを考える必要があります。ミネラルは拮抗します。
例えば、亜鉛と水銀は体内で反発します。だから、水銀が体に溜まっている人は亜鉛の働きが悪いということです。すると、マグネシウムの働きも悪くなります。
特に水銀は、いろいろな金属と合金を作りやすいです。いろんなミネラルとくっついて、その働きを止めてしまうのです。
ですから、デトックスしてあげたら急にミネラルの働きが良くなって、色々うまく回り始めるということはよくあります。
甲状腺ホルモン
そして、ホルモンもすごく大事です。ミトコンドリアに鞭を打っているのは、副腎、特に甲状腺ホルモンです。甲状腺機能が低下していたら、いくらミトコンドリア対策をしていてもうまくいきません。そして、甲状腺機能に影響が出ている人は、重金属などの有害物質に暴露していたりします。
何度も言うように、下から順番にやっていく必要があります。
ホルモンにもヒエラルキーがあります。順番が決まっているので、副腎から甲状腺、性ホルモンの順にやるのが一番いいと思います。対症療法的にやってもいいんですが、根本的に変えるには下から積み上げなければなりません。
副腎症状が出ている場合は、対症療法として副腎サプリを摂っても良いんです。
しかし根本的には下からやっていかないと、ずっと副腎サプリがやめられない、ということになります。
問診票と検査からピラミッドを組み立てて、甲状腺と毒物蓄積の問診や検査に該当しなければ、そこは抜いていけば良いんです。
下層のケアを行いながら、上のケアを積み上げていきます。
だいたい見えてきたでしょうか。
デトックスのやり方や、腸内環境の整え方は、ネット上にたくさんあります。いい動画もたくさんありますので、参考にしてみてください。