
今日は、サプリが効かない理由に気づいた個人的なきっかけについてお話します。
私は高濃度ビタミンC点滴療法学会という、まさにビタミンCの点滴を研究する学会を立ち上げその理事をやっています。
実は正直に告白しますが、この会を立ち上げていながら、自分で点滴をしても効果があまりわかりませんでした。
今までに点滴をゆうに200回はやっていますが、本当に効果がわかるようになったのはここ1年半くらいです。
効果を実感するようになったきっかけ
きっかけは、忙しすぎてうつ病になりかけたことです。まさに副腎疲労症候群でした。
私の持論では、高濃度ビタミンC点滴療法が一番効果的なのは副腎疲労です。
2週間毎日の様に点滴をして、サプリメントも摂取して、なんとか診療ができるようになりました。
しかし、劇的に完治した!というほどの自覚はなかったのです。
そんなある時、友人のアドバイスで便検査をしてみたのですが、ひどい腸の炎症がありました。
勧められるままに、腸内環境改善サプリを試してみました。すごかった。
2日で便の形状が全く変わり、2週間でうつ症状が完全に治りました!
(もちろん、ビタミンCを摂っているベースがあったからかもしれませんが)
その時に、「腸内環境がサプリメントの効き具合を左右する」が印象に残りました。
そして、それから数年後、もう一つのきっかけは私が弟(歯科医)に歯を治療してもらっていたときにおこりました。
以前治療した歯の中からアマルガムのかけらが見付かったのです。
ということは、もしかして、「水銀が体内に蓄積しているかもしれない」と考えました。
まさかとは思ったのですが、重金属検査をしてみて愕然としました。
水銀の値が振り切れていました。
本当に焦って、まじめに重金属のデトックス治療に取り組みました。
これまた結果がすごかったです!
運動時の動悸が全くなくなりました。
手と足に2ヵ所あった乾癬がなくなりました。
しかし、なんといっても脳機能が改善しました。高校生のときの集中力がよみがえりましたね。
(後で勉強するといかに重金属がビタミン、ミネラルの働きを阻害するかを知ることとなりました。)
これをきっかけに、「分子栄養学の勉強会を開こう」と言う気になりました。
そして、その際には、私自身の経験をも生かして、
単に足りない栄養を補おうということではなく、足りない栄養が足りなくなる原因を考える
栄養素が効く邪魔をするものが何かを考える
という講座にしようと思ったのです。
そんなわけで2012年の10月から「分子栄養学実践講座」を始めて今に至っています。
最近、ビタミンC点滴をやると、やっている際中から眠くて眠くてしょうがなくなります。
もし点滴をした後に眠くなる方がいたら、それは健康な証です。
ビタミンCが脳や副腎に行き届いて、緊張が緩和され、リラックス状態になっている証拠です。
ビタミンC点滴を行っても、
・眠くならない
・リラックスできない
・腸がグルグル動いてこない
という人は、「ストレスが高度」「副腎疲労が高度」「腸内環境が悪い」「重金属がたまっている」
などの 「栄養素が効かない原因」が必ず存在します。
是非、一度検査をお勧めします。
ところで、最近そういう話ばかりな物だから、私の分子栄養学講座(テキスト配信版)では、
「サプリそのものの話をしていない」とか「分子栄養学ではない」というご批判を頂くようですが、全くそんなことはありません。
ドーズレスポンスや個体差などの分子栄養学の基礎を押さえた上で、血液検査データの読み方練習などを基礎から積み上げて議論していきますので。
これは、現在受けている治療に疑問を感じているとのことで読者の方から頂きましたメールです。(許可を得て転載させて頂きます)
「初めにサプリメントありき、ではない栄養療法」栄養が足りなくなる、根本原因を見つけ出す。
これは、患者として栄養療法を受けている私が今まさに学びたいことです。
現在、治療を開始してから3年になりますが、栄養が足りなくなる原因を探ったことは一度もありません。
診察も同じサプリを処方してもらうだけで数分で終わります。
この様な状況から、現在私は診断を受けて以来再びこの病気のことが分からなくなっています。」
このようなメールを頂くことは、実はかなり頻繁にあります。
非常に狭い分子栄養学の医療の世界ですが、その中でも、自分の受けている治療に疑問を感じている患者様、医師、歯科医師の方は、意外と多いのです。
しかし、多くの方は、疑問を感じながらも周囲の圧力や様々な事情で抜け出せないようです。
私の言っていることが100%正しいというつもりはありません。
しかし、人はそれぞれ考え方があります。
大事なのは、「実際にいろいろな意見を聞いてみて比べ、自分なりの答えを見つけ出す」ことだと思います。
「自分に一番あう学びを得る事」、「自分病気の根本原因を知る事」に関しては、誰にも制約を受けることはないはずです。
分子栄養学に関する知見が集積され、多くの議論が交わされ、正しい方向で発展する事を願ってやみません。