統合失調症に対するナイアシンの効果

今回は、サプリメントを高用量投与した治療についてお話します。

ナイアシン(ビタミンB3)をご存知ですか。

ビタミンB群には、B1,2,3,5,6,12などがあります。これ、間の数字がいっぱい抜けています。

なぜかというと、生体内で作ることが出来ない栄養素をビタミンと言っているのですが、本当は体内で作られていることが後から分かったり、他のビタミンと実は同じだったりして、欠番になっているものがあるんですね。

ナイアシンも元々はビタミンB3だったのです。
しかし、体内でごく少量ですが作られていることがわかり、それで最近ではビタミンでなく、ナイアシンと呼ばれることが多いようです。

厚労省による、大人のナイアシンの1日あたりの許容上限摂取は30mgです。

しかし、実際に精神疾患にナイアシンを使う場合、その100倍にあたる1日3000mgを使用する事は少なくありません。

そこで、ナイアシンを高用量使用し、6000人の統合失調症患者を社会復帰させたエイブラハム・ホッファー医師の研究についてご紹介します。

現在、精神疾患の診断方法は精神疾患の診断マニュアルによります。

診断マニュアルとは、

DSM-IV(アメリカ精神医学会が発行する精神疾患の診断・統計マニュアル)や第4番ICD-10(WHOの疾病及び関連保健問題の国際統計分類)などのことです。

これらの中には例えば、気分変調症(うつ病)のチェックリストがあり、

・抑うつ気分が存在する
・食欲減退
・不眠
・気力の低下
・集中力の低下

などの項目が並んでいます。

そのうち、いくつか以上当てはまれば、うつ病と診断できるわけです。

つまり、エピソード、問診、症状から診断するのですが、この診断方法のいいところは、情報工学的、統計的な分類手法を使っているので、経験の浅い医師でも、経験豊富な医師と同様な診断ができることです。

この場合、病気の原因について追及しなくても診断が可能で、すぐに治療を始めることができます。

しかし、残念ながらこの方法論には大きな欠点もあります。

疾患に隠された原因を見極めていないので、その場限りの対症療法になりがちですし、場合によっては薬が効かないこともあります。

精神疾患の発病メカニズムについては

ドーパミン仮説
アドレノクロム仮説
グルタミン酸仮説
遺伝的要因

このように、諸説ありますが、分子栄養学の創始者エイブラハム・ホッファーはアドレノクロム仮説で有名です。

ホッファーは農生化学者から精神科医になったという経歴を持っています。

彼は統合失調症の研究でメスカリンに注目しました。

メスカリンは麻薬の一種です。メキシコのウイチョル族が宗教儀式の際用いていたものです。なぜならば、統合失調症の症状とメスカリン中毒の症状は似ているのです。

どちらも、

感覚障害
運動障害
思考障害
幻覚
離人症
気分障害

が出ます。

彼がそれに気がついたのは変色した喘息の薬(アドレナリン)が、同様の心理的経験を起こしたという報告からです。

腐ったアドレナリンが怪しい → アドレナリンは体内でも作られる
と思ったわけです。

ホッファーはその後も研究を続け、統制研究(1952-1954年)にて、幻覚と妄想30人の統合失調症患者に対して、1日あたり3000mgのナイアシンを投与し、2年後90%以上が改善しました。

ナイアシンにアドレナリンの劣化を抑える要素を見出したわけです。

その後、ホッファーは精神疾患をもつがん患者を多く診ていくことになりますが、その過程で、栄養療法で精神疾患を治療すると、がんもよくなることに気がつきました。

「ビタミンを投与するだけで90%以上の統合失調症の患者さんを治した」

この数字、冷静に考えてすごくないですか?

分子栄養学が今一番応用されているのは精神科ですが、それにはこのように精神疾患に非常に効くというエビデンスがあってのことなんですね。

もちろん、ホッファー先生はビタミンB3だけをつかって治療をしていたのではありません。

ほかにも食事内容などが精神疾患の治療には深く関連しています。

このことについては、ホッファー先生の著書「統合失調症を治す―栄養療法による驚異的回復!」に詳細があるので、興味がある方は見てみてください。

分子栄養学は疾患の根本原因を理解し、そこに対して自然で体に優しい治療を施していくというものです。

このように細胞の働きや分子構造、酵素の働きなどの注目して治療をするので、全身的な効果があります。

だから、上に挙げた例の様に精神疾患に対してアプローチするとがんもよくなったりすることがあるんですね。

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