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臨床分子栄養医学研究会

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宮澤賢史

根本原因とデトックス

宮澤賢史 · 2020年9月2日 ·

何を解毒するべきなのか

免疫を上げるには、睡眠や食事などのライフスタイル、つまり「環境」を改善することが大切といわれています。

デトックスも同じで、どの会社のどんなデトックスサプリメントを使うかよりも、どのようにデトックス環境を整えるかが重要となります。

下のピラミッド図をご覧頂くと分かるように、デトックスは様々な要因の影響を受けています。

  • 低血糖による自律神経の緊張→デトックス効率の低下
  • 炎症→胆汁分泌やミトコンドリア機能の低下、白血球の活動による過剰な活性酸素による抗酸化力の抑制
  • 有機水銀の80%は、便排泄
  • 解毒にはATPを大量に消費

では、一体何を解毒すべきなのでしょうか?

①脳に蓄積し、障害を引き起こしやすいもの

・脂溶性である水銀、カビ毒は脳に蓄積しやすい(『アルツハイマー病 真実と終焉』デール・ブレデセン著)

・アマルガムが自閉症、発達障害慢性疲労、繊維筋痛症、化学物質過敏症、精神疾患の原因となる(『Amalgam Illness』 アンドリュー・カトラー著)

②ミトコンドリアを障害するもの

フッ素、水銀、ヒ素、アンチモン、アルミニウムは、TCAサイクルの働きを止め、ミトコンドリア機能を阻害してしまいます。

TCAサイクルだけではなく、右上の図のように電子伝達系にも影響を与えます。特にNADHが関わっている複合体一番の細胞膜にあるSH基とS基の間に水銀が入り込んで、タンパク質の構造を変化させてしまいます。

これらを調べるには、有機酸検査を受けることをお勧めします。

有機酸検査の結果から、29番のクエン酸と28番のアコニット酸を比べてみます。クエン酸がアコニット酸に変わるのには、アコニターゼという酵素が必要ですが、このアコニターゼが水銀やヒ素に阻害されてしまいます。アコニット酸よりイソクエン酸が低くなっている場合には、アコニターゼが阻害されていると考えられ、水銀のデトックスが必要だと推測できます。

水銀は硫黄との親和性が非常に高く、硫黄と硫黄の間にあるSS結合の間に水銀が入りこみ、タンパク質の構造全体を狂わせてしまいます。

逆にそれを利用して、硫黄を含んだ食事やサプリメントを使って水銀と結合させて解毒することが可能になります。

水銀中毒の症状

上記は、ハル・ハギンス博士の『本当に怖い歯の詰め物』という書籍からの抜粋になります。

水銀中毒の症状にはイライラや、うつ、しびれがありますが、一番顕著な症状は疲労感で、これはミトコンドリア機能の低下からきていると考えられます。

その原因は他にもあり、尿中のポルフィリン検査をするとヘムの合成過程が水銀によって妨害されるということがわかります。

ヘモグロビンが合成される過程で、いくつかのポルフィリン経路を経由します。その経路を水銀や鉛、カドミウムが阻害します。水銀が蓄積すると、途中で反応が止まりコプロポルフィリンやプレコプロポルフィリンが増えてしまいます。

水銀はヘムの合成を阻害し、貧血を引き起こします。

また、1つの分子につき酸素を4つ結合する分子構造を持つヘモグロビンは、鉄と酸素の親和性よりも鉄と水銀の親和性の方が強いので、一旦そこに水銀がくっつくとなかなか離れません。

酸素は肺でくっついて、末梢の臓器で離れることによって循環しますが、ヘモグロビンに水銀がくっついてしまうと使い物にならなくなってしまいます。

赤血球の寿命は120日なので、少なくとも120日間は水銀が結合した赤血球ということになります。

実際にこのような状態であってもヘモグロビン自体が少なくなるわけではないので、見た目上は貧血ではなく、むしろ酸素飽和度が低下するために体はもう少し酸素が必要だと判断して造血を行います。

その結果、ヘモグロビンの数値が高くなるというのが水銀中毒の人の一般的なデータとなります。

このためヘモグロビンの数値より、注目すべきは酸素飽和度となります。ハル・ハギンス博士のデータによると、アマルガム除去をすると酸素飽和度は上昇します。

ミトコンドリアがヒ素毒性の重要なターゲット

水銀はこのように様々な悪さをして、貧血を起こしたりミトコンドリア機能も障害しますが、実はヒ素もメチル水銀と同じく血液脳関門を通過します。

ミトコンドリアがヒ素毒性の重要なターゲットです。ミトコンドリア豊富な臓器である脳は、ミトコンドリア機能に大きく依存していて、ミトコンドリア異常=脳機能低下ということになります。

下記は、ミトコンドリア機能がヒ素の暴露によって低下しているという毛髪検査のレビューです。(PMID: 26510484)

ヒ素や水銀が一緒に多く出る場合は、海産物の摂取量が多いと推測できます。

脳に蓄積して障害を起こすものは水銀、ヒ素、カビ毒で、ミトコンドリア機能を障害するものは、水銀と重金属ではヒ素です。

揮発性毒物のトックス検査をすると、ミトコンドリアのDNAがどれくらい障害されているかを見ることができます。

ミトコンドリアDNAの障害の指標となるのは、チグリルグリシンというTOX検査の一番最後の項目です。もしその数値が上がっていたら、積極的なデトックスをしたほうがいいだろうということになります。

日本人の毛髪水銀濃度は、世界中でも飛び抜けて高いですが、その理由は魚が汚染されているからで、世界の水銀の排出量のうち47.4%が東アジアに集中しています。

これは火力発電所が沢山あるためで、魚の水銀汚染の主な起源というのは、石炭火力発電所から大気中に排泄された水銀です。

内分泌かく乱物質とホルモンの関係

次にPMSや乳がんを引き起こす内分泌かく乱物質を取り上げます。

内分泌撹乱物質は、一般に環境ホルモンと言われていますが、受容体で結合してホルモンのふりをし、その働きを邪魔して、内分泌の一連の働きを乱す物資のことをいいます。

PCBのようにすでに製造中止になったものもありますが、今話題になってるのはビスフェノールAというプラスチックの原料や、ゴミの焼却の時に排出されるダイオキシン、それと水銀、鉛、カドミウムです。

水銀の論文によると、甲状腺、副腎、卵巣、精巣機能など様々な内分泌臓器に影響を及ぼします。

アンドリュー・カトラー先生の『Amalgam Illness』によると、甲状腺も副腎も性ホルモンも様々なところの受容体をブロックしたり、ホルモンの分泌を障害したりしますが、甲状腺の場合は、TSHの分泌も、甲状腺の受容体も、そして T 4から T 3への変換も全て阻害してしまいます。

つまり甲状腺機能の低下があったら、水銀の害を考えた方がいいということになります。

女性ホルモンには悪玉と善玉と言われるものがありますが、善玉が2-ヒドロキシエストロン(2-OHE1)で、悪玉が16-ヒドロキシエストロン(16a-OHE1)です。

外因性の環境ホルモンや、ホルモン補充療法で使われるホルモンの原料は馬の尿ですが、これはバイオアイデンティカル(人体が作るものと全く同じ化学構造を持つもの)ではないので、人間のホルモンと違い代謝がゆっくりです。女性ホルモンは薬の場合はすぐに代謝されないように作られているので、エストロゲンもプロゲストロンも体内に長く留まります。

ピルを飲むと99%の確率で排卵させない分体内に長く留まるので、発がんリスクも高まります。それに比べて天然のホルモンは、半減期が短いバイオアイデンティカルのため代謝しやすいです。

天然のホルモンは効きを良くするために、経口ではなく経皮でゆっくり補充します。

善玉のエストロゲンを増やすためには、DIM、インドール-3-酢酸、亜麻仁油、ブロッコリーを摂ると良いです。

腸内環境への影響もあり、水銀は消化酵素のDPP-Ⅳを阻害するため、グルテン・カゼインの分解が悪くなり、カンジダの悪性度を増します。

水銀が蓄積しているとカンジダが増殖形態になりやすいので、私はカンジダを除菌した後は、ほぼ全員の人に水銀のデトックスを勧めています。

水銀の種類

水銀の種類には、金属水銀・有機水銀・無機水銀の3つがあります。

金属水銀はアマルガムの他に、アフリカなどの採掘所では金属水銀の塊を使って金をろ過することに使われています。これらの金属水銀は蒸発して蒸気水銀になるため、採掘所で働く子供が水銀中毒になる問題を抱えています。

左下の図は、カルガリー大学の実験でアマルガムを擦って、水銀蒸気を出させる実験です。(YouTube動画)

このように金属水銀は簡単な刺激によって蒸発します。蒸気水銀になると吸入して肺から入り、脳で酸化して蓄積し、脳から出られなくなってしまいます。

水銀の中で害になるのは、この蒸発する金属水銀と、有機水銀です。

メチル水銀はシステインと結合すると腸管から吸収され、 blood-brain barrier, BBB(血液脳関門)を通過して脳に届きます。

アマルガムとは

アマルガムについて説明を加えておきます。

アマルガムは水銀を多く含む歯科材料です。加工が容易で丈夫なので、20世紀を中心に歯の詰め物として使われてきました。殺菌作用が強く長持ちするため、水銀の害を除けば歯科材料としては最適です。

『乳歯のアマルガム修復』という50年くらい前の本によると、当時は乳幼児にも積極的にアマルガムが使われていました。

今は保険適用外ですが、2016年までは日本政府公認の歯科材料として使われていました。とても便利なため、いまだに自費診療で使用している歯科医師もいます。

日本人の場合は、水銀の源の大半は、魚か歯ではないかと言われています。

この二つの暴露源がないかをチェックし、もしあればそれを避けることが大切になります。

アマルガムは無機水銀で有機水銀ではないため、BBB(血液脳関門)を通過せず、脂肪にも移行しないので安全であるというのがアメリカの歯科学会の主張ですが、実際には無機水銀は口腔内や腸内でメチル化するので、BBBを通過します。

アマルガムは蒸発して肺から吸入し、目や脳、神経、肺、そして血中で酸化したものが口の中から胃腸を通過後にメチル化して胎盤、内分泌、細胞膜にも届きます。

上記はハル・ハギンス先生に頂いたポスターで、どの水銀が体のどこに影響してるかという図です。左から金属水銀、イオン化している無機水銀、メチル水銀ですが、この金属水銀とか無機水銀に比べて、メチル水銀の人は頭がぼやっとしていて、ブレインフォグを起こしてます。

手と足に痺れがあることからみても、BBBを通過してCentral nervous system(中枢神経系)、免疫系、生殖器系にも影響を及ぼしていることがわかります。

水銀蒸気は血液脳関門を通過し、無機水銀は通過しないので安全と言われていますが、メチル化して全てのバリアを通過し、胎盤を通過するので、母親が水銀に暴露していると子供の毛髪にも水銀が検出されます。そして内分泌かく乱も引き起こすので、どれだけ排泄できているかということがすごく大事になってきます。

上記は歯にアマルガムがある人の体内の水銀分布図です。

Tooth alveolar bone(歯槽骨)と、Gum mucosa(歯肉歯槽粘膜)の水銀濃度が高いのは当然ですが、胃の濃度が非常に高いことから、水銀が体内にも影響を与えていることが分かります。そして便中の濃度や、腎臓と肝臓という排泄機関の濃度も高いです。胃腸の濃度が高いことから、腸内細菌に影響を及ぼしていることも想像できます。

繰り返しになりますが、アマルガムや魚の水銀はもともとメチル水銀です。メチル水銀というのは、システインという必須アミノ酸と結合すると、メチオニンと同じく腸管から100%吸収されます。

メチル水銀はデトックスで胆汁排泄されますが、胆汁から排出されたメチル水銀はメチオニンと間違えられて再度吸収されるので腸管循環を繰り返してしまいます。

つまりデトックスは腸管循環を少なくして、便中にいかにメチル水銀を排出させるかということがポイントになります。

ハル・ハギンス先生のセミナーでは、アマルガムが開発されてから ALS(筋萎縮性側索硬化症)の発症率が異常に上昇しているというデータや、1832年にアマルガムがフランスで発明されてからしばらくして白血病の発症率も増えてきたというお話しがありました。

Multiple sclerosis(多発性硬化症)の発症率は、特に毒性が高いアマルガムが発明された1976年以降に、急に発症率が上がっているという話もありました。

水銀は骨髄の中に入り込みやすいため、骨髄の免疫を壊して自己免疫疾患や白血病が発症しやすくなるのだろうとのことでした。

溜まっているものを知る方法

体内に何がどのくらい溜まっているのかを、どのように調べるかということをお話しします。そもそも毛髪で水銀レベルを見るというのは、恐らくイラクで1971年に起こった水銀中毒事故のデータをベースにしていると思います。

メチル水銀を使用している農薬を使って栽培した小麦で作ったパンを食べて、6,500人が水銀中毒になり、500名が死亡するという衝撃的な事故がありました。妊婦も多く罹患し、当時の血液中と毛髪中のデータが多く残っています。

血中の水銀レベルは半減期が短く、暴露して3日もすると測定感度以下になってしまいますが、毛髪中の水銀のレベルは、血中レベルの250倍あります。

上記は内閣府の食品安全委員会の資料ですが、例のイラクの事故を分析すると、母親の毛髪中の水銀モードが上がれば上がるほど、子供への発達の影響があるということがわかります。

母親の毛髪中の水銀モードが10〜20ppmを超えると胎児に影響があったため、それをもとに国立水俣病の胎児に影響を与える母親の最小値が11ppmとみなされました。

このイラクの暴露事故から計算して、耐容摂取量、つまりこれを超えない限り影響はないと考えられる摂取量を5ppmに設定しました。

水銀の暴露量と排泄力を比較する

副腎疲労と思われる45才女性の毛髪検査をしたところ、1.1 ppmしか水銀が検出されませんでした。厚労省の設定した耐容摂取量5ppmの1/5だから問題はないだろうと考えがちですが、実際には歯の中に9本のアマルガムがあったので、水銀の暴露量は非常に多いと言えます。

水銀にこれだけ暴露しているのにかかわらず、毛髪から1.1ppmしか出ないということは、水銀の排泄の障害があると考えられます。

水俣病のように大量の暴露をしたら、さすがに毛髪に出るとは思いますが、中には排出できない人がいるということが問題なのです。

実際に上記左側の34歳の慢性疲労の人は、アマルガムが歯の中にあって水銀が10ppm出ているので、明らかに水銀中毒です。ただ逆の見方をすれば、この人は水銀の排泄能力が保たれているということです。

毛髪中の水銀濃度というのは、有機水銀メチル水銀の排泄能力とイコールだと考えていいと思います。実際、この方はアマルガムを除去だけで元気になりました。

それに対して右側の45歳の方は、アマルガムが何本も入っているにもかかわらず、水銀濃度が1.1ppmしかありません。排泄能力が低下しているため、アマルガムを除去しただけでは疲れが取れませんでした。

宮澤医院の150人の副腎疲労の患者さんを、アンドラー・カトラー博士が開発したカウンティングルールに基づいて調べたところ、56%の人はミネラルの輸送障害がありました。

副腎疲労の人は水銀を排泄する力が弱いため、ミトコンドリア機能が低下していることが多いです。残り半分の人は水銀レベルがとても高く、水銀の害が全くないと思われる人は1%しかいませんでした。

調べてみると皆さんことごとく水銀だったので、疲労感が強い人は水銀レベルを見た方がいいだろうと私は思います。

自閉症と水銀

自閉症の子供に関しては、水銀のレベルは低ければ低いほど重症です。なぜならば毛髪検査というのは蓄積量ではなくて排泄量をみるものだからです。

母親の歯にアマルガムがあったり、高レベルの水銀の暴露歴があるにも関わらず、自閉症の子供からは毛髪中の水銀が出ていませんでした。

子供の場合は母親の暴露歴も聞いてください。メチル水銀は胎盤を通過します。

水銀をターゲットに話していますが、そもそもデトックスのために何か特別な治療をやらなければいけないのかというと、必ずしもそういうことではありません。

人間はもともと水銀を排泄する力があります。

水銀の生物学的半減期、つまり体の中にある水銀が半分になるまでの期間は、50〜60日です。そのため正常な排泄する力を持っている人なら、魚を食べなければ150日あれば水銀は体から排泄されます。

上記を見ても分かる通り、水銀を出す力には個人差があります。平均は70日ぐらいですが、40日の人もいるし、100日を超える人もいます。

100日以上かかる人はとても代謝が遅いので、暴露量が微量でも体内に溜まってしまいます。そのような人は、デトックス体質になるかデトックス治療をしないと水銀の有害性が出てくる可能性があります。そこを見極めるために検査します。

解毒の仕組み

解毒の方法の話をする前に、人の解毒の仕組みを解説します。

人の解毒は3段階になっています。

Phase1・2・3となっていて、Phase1は「活性化」、Phase2は「抱合」、Phase3は「輸送」です。

Phase2の「抱合」は、グルタチオン・グルクロン酸・硫酸などと抱き合わせることによって、細胞の外に出る準備をし、MRP1輸送体という受容体を通って細胞の中から外に出て行きます。

その先のPhase3の「輸送」ですが、輸送をする時に無機水銀は水溶性なので腎臓を通って尿へ、そして有機水銀の場合は、脂溶性のため肝臓を通って胆汁から便へ排泄されることになります。

蓄積量と排泄力をみる検査

何がどれぐらい溜まっていて、どれぐらいの排泄能力があるかを見ることが大切です。溜まっている量を見るのはオリゴスキャン、排泄能力を見るのは毛髪検査や尿検査が良いでしょう。

腎臓からの排泄量は尿検査で直接分かりますが、胆汁からの便排泄の量というのは、直接見にくいのでメチル水銀を排泄している毛髪検査で代用します。

毛髪はシステインを含んでいるため、メチル水銀がシステインと結合して肝臓の胆汁排泄を代表する代わりになるのが毛髪検査と言われています。

つまりオリゴスキャンでは蓄積量と対処法。そして毛髪ミネラル検査では排泄量と「カウンティングルール」で主に把握することができます。

水銀が元々体内にないのか、それとも排泄できずに低いのか、それを見分けるのが「カウンティングルール」です。水銀レベルからではなく、ミネラルのバランスから判断します。

ミネラルバランスが左の表のようではなく、真ん中や右側のように、左側や右側に偏りすぎてる場合、ミネラルの輸送障害が考えられます。

ミネラルの輸送障害があるということは、水銀が溜まっているということを示唆します。

このカウンティングルールは、アンドリュー・カトラー先生の本に書いてありますが、今のところエビデンスはほとんどありません。

ただ、他のアメリカの代替療法のセミナーでも、このカウンティングルールを使っていて、毛髪検査だけで水銀の蓄積量を完全に推定するのは不確定なので、オリゴスキャンで俯瞰するのが有力な方法ではないかと考えています。

実際に治療をすると、このミネラルバランスが戻ってくる人が多いので、治療経過としても使えると思います。

先ほどの48歳の慢性疲労の女性のように、ミネラルのバランスが崩れている場合、水銀をある程度出すと症状も良くなりミネラルバランスが改善します。

どこまでデトックスを続けるか

水銀レベルを0にすることはできないので、どこまでデトックスを続けるかについては、ミネラルのバランスを取り戻すまでを治療期間にして、その後は自然デトックス、例えばサウナや運動に切り替えるようにしてもらっています。

できればオリゴスキャンをしてご自分の毛髪検査と比べてみてください。排泄障害がない場合、排泄量と蓄積量は反比例していることが多いです。

この人の場合はミネラルの輸送障害がないので、例えばヒ素が多く出ている場合、ヒ素の溜まりは少ないといえます。

オリゴスキャンの良いところは、Phase2とPhase3が働いているかを見る指標にもなってくれることです。

酸化ストレスがあるかどうかは、Phase2がうまく働いているかどうかを見る指標となります。Phase2のセンターピンは細胞内グルタチオン濃度です。

細胞内のグルタチオン濃度を保つためには、抗酸化力がとても重要です。有機酸検査のグルタチオン濃度がきちんと働いているかどうかをみるためには58番(ピログルタミン酸)、59番(2-ヒドロキシ酪酸)に注目します。

水銀は硫黄と結合することによって、体外に排出されやすくなるので、オリゴスキャンで硫黄との結合性をみてPhase3の輸送の評価もできます。

グルタチオン濃度を知るには有機酸検査

グルタチオン濃度を詳しく見たのが上記です。

グルタチオンの指標物質の58番ピログルタミン酸は、グルタチオンの欠乏で上昇します。

59番の2-ヒドロキシ酪酸は、このメチレーション回路が働いてグルタチオンが出来る時に副産物としてできるので、これが上昇していたら解毒回路が働いているということが分かります。

つまり解毒で体内が忙しい時には、59番が上昇するということです。

この2つの上昇でグルタチオン不足だと急いでグルタチオンを補充するのではなく、まずは原因追及をして、なぜグルタチオンが足りないのか、なぜ解毒で忙しくなっているのかを突き止めることが大切です。

そうしないといくらサプリがあっても足りなくなります。特に炎症があると、グルタチオンは全部使われてしまいます。

Phase1から3は、オリゴスキャン、毛髪ミネラル検査、血液検査などをみて把握してください。

自分のどこが詰まっているのかを解明して、そこをターゲットにアプローチしていくのが正しいデトックス法です。

どうやって解毒していくか〜人の解毒の方法を知る方法

どうやって解毒していくかというと。本来の人間の解毒システムを知って、それを強化してあげる方法がベストだと思います。

最初に暴露源を除去することです。

毛髪検査をして特にヒ素・カドミウムが高い人は、水と米を変えましょう。

カビ毒がある人は、空気清浄機を買いましょう。もしかしたら引っ越しした方が良いかもしれません。

マグロをサンマにしましょう。アマルガムを除去しましょう。

胎児に影響を及ぼさない母体中の毛髪水銀濃度は11ppmですが、そこから計算するとどれぐらい水銀を摂取しても大丈夫かという耐容週間摂取量は、2μg/kg/週になります。

普通に魚の摂取をしていると週に2μg/kgを優に超えてしまいます。食品安全委員会は、マグロの代わりにサンマを食べるとこれを超えずに済むと提唱しています。恐らくマグロをサンマに変えるのは意味のあることだと思います。

食物連鎖の上にある魚ほど、水銀が沢山溜まっています。

 Phase1は、シトクロムP450による酸化のことで、つまり活性化のことをいいます。酸化して活性化させて安定化している脂肪の中の毒物を出す準備をすることです。

Phase2がグルタチオンによる抱合ですが、まず最初に準備することは、暴露物をなくすことなので、マグロをサンマに変えたり、アマルガムを外すことになります。

アマルガムは安全に除去する

アマルガムは危険なので外した方がいいですが、防御しないで外すと、脱力、頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状が出ることがあります。

特に水銀を排泄する力がない人、カウンティングルールでミネラルの輸送障害がある人は、アマルガムを外す時は気をつけたほうが良いと思います。

なぜならアマルガムを削ると大量の水銀が一気に蒸発するため、急性水銀中毒になるからです。刺激なしの時の100倍の水銀の蒸気が脳に行ってしまうため、特にアマルガムが大きい場合はきちんと防御をして除去してくれる歯科医院に相談をしましょう。

キレーション療法

キレーション療法とは「蟹のはさみ」という意味で、現在色々なクリニックで取り入られている治療法です。

金属イオンをはさみこんで結合して、有害物質を体外に排出しやすくする方法です。

キレートミネラルというサプリメントが体内に入り込みやすいのは、ミネラルではなくアミノ酸の扱いになるからです。

アミノ酸の扱いになると、体の中に入るのも、出すのも容易になります。だからミネラルはキレートとして入れたり、キレートして出したりするのです。

キレートによく使われる薬が、EDTAです。

EDTAは、このような形の構造をしているアミノ酸で、中に金属を挟み込むことができます。

EDTAのサプリメントは、経口摂取しても腸管からの吸収が悪いため、点滴で取り込むのが一番です。

その代わりEDTAを飲めば、腸管の金属は除去することができます。慢性の副鼻腔炎の患者に使用している経鼻スプレーにはEDTAが入っていますが、これは金属を除去するのと、バイオフィルムを除去するという働きがあるからです。

ただし体内には吸収されないので鼻腔や腸管啌などに使い、体内に入れたい場合は点滴をします。

その他、有名なのは DMSAやチオラですが、問題点は水銀を吸着することができないことです。

水銀以外のカドミウムやアルミニウムはものすごく入りますが、水銀をターゲットとして出すためにはSH基やヒドロキシル基を持った薬剤やサプリメントを使います。

DMSAはSH基は2つ付いていて、5年ぐらい前までi herbでも買えたましたが、日本では輸入できなくなりました。現在DMSAは薬剤扱いです。

日本で購入できるチオラは鉛中毒の薬で、SH基が1つです。これでも結構水銀も鉛も出ると思いますが、キレーションを行っている一部の医師の中ではSH基が2つないと水銀との親和性が低くなって途中で離してしまうので、DMSAだけを使う先生もいます。

どちらにしても重要なのは血中濃度を保つことで、血中濃度が下がると水銀をキャッチしても途中で離してしまうので、体の中で他の場所に再分布してしまいます。

血中濃度をうまく保てるように、私の場合はチオラを使うなら3時間おきに5回、1日5回摂ってもらうようにしています。

私の医院では行っていませんが、カトラー先生は、5時間おきに睡眠中も子供を起こしてチオラを摂取させる強行的なプログラムを行なっています。それほど血中濃度を保つことが大切ということになります。

こういった薬を組み合わせて、挟み込んでくっつけて外に出す治療をキレーション治療と言いますが、この治療の問題点は、Phase3にしかアプローチできないことです。

41歳男性で倦怠感、風邪をひきやすく、アマルガムがある方を、 先ほどのEDTAという薬を点滴してキレーション治療をしたところ、鉛は出ましたが水銀はあまり出ませんでした。

カルシウム入りEDTAとDMSAの点滴版を入れたら、沢山出るようになってかなり頭が冴えるようになりました。このように細胞の外に水銀を出せる人の場合は良くなります。

私の場合マグロを食べているせいか、毛髪中の水銀濃度がものすごく高いです。ミネラル輸送障害はなかったので、点滴治療で良くなりました。

33歳の歯科医師の男性で、疲れやすく、痺れや痒みがある方にはやはり歯にアマルガムがあったのですが、食物アレルギーがあってデトックスしてもあまり上手くいきませんでした。

ミネラル輸送障害があって、細胞の中から外に出す力がないためPhase3のキレーション治療だけ行ってもうまくいかなかったと考えられます。

毛髪検査や尿検査でうまく排泄できている人は、必要に応じてキレーション治療を行えば良くなると思いますが、暴露量と排泄量が一致していない人は 、Phase1・2・3の評価をして、この機能を上げてあげるほうが良いだろうということです。

解毒の3Phase〜1.活性化、2.抱合

上記は私の遺伝子検査の結果ですが、物事を活性化する酵素というのは半分遺伝子によって決まります。

私の場合はCYP2D6が++になっているので、ここは少し弱いところです。CYP1A2も+/−になっていますが、これはカフェインの解毒に関係しています。

もし遺伝子検査をすぐにやりたいという方は、ジェネシスと検索してみてください。

確か15,000円くらいだったと思いますけども、唾液の採取で検査できます。結果が分かるのに1ヶ月近くかかりますが、非常に結果が分かりやすいです。

私の場合は飲酒量が多い、ワインはやや好き、喫煙量は標準と出ています。

この飲酒量の有無は、アセトアルデヒド脱水素酵素から推測しているようです。カフェインの消費量は少ない傾向になっていますが、それは僕の場合はCYP1、CYPA2があまりよくないからだと思います。

つまりこの第一相のシトクロムP450対策は何かと言うと、事前に検査をして自分の排泄しづらいものは食べない、入れないということになります。

CYPA1Aが排ガス、CYP2D6がSSRIとか抗うつになるので、僕はこの薬は飲まないようにしようという話です。

該当するもの暴露を避けるという意味では、第2相も同じです。エストロゲンの代謝はCOMTです。このCOMTの補酵素がビタミンB6です。COMTがある人はエストロゲンの暴露を避けると良いと思います。

また、グルタチオンは「抱合」といって、毒物と抱き合わせますが、そのための酵素がグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)です。ここにSNP(スニップ:一塩基多型)があったら解毒しづらいということです。

同じようにグルタチオンは活性酸素があると働かないので、 SODスーパーオキサイドディスムターゼという酸化ストレスを中和してくれるところにSNPがあるかどうかを見ると良いと思います。

上記、ジェノバ社のデトックスプロファイルは値段が高いのであまりお勧めしませんが、一生に一度と思って検査しておいても良いかもしれません。何が溜まりやすいか分かるので、該当するものを下げられます。

Phas1を処置したら、次はPhase2(抱合)です。Phase2のポイントは、グルタチオンです。

グルタチオンというのは、アミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)からなるトリペプチドで、抗酸化と抱合の二つの役割をしています。

どちらの役割が高いかと言うと抗酸化です。細胞内濃度が極めて高く、細胞内の酸化還元環境を維持しているトップはグルタチオンです。

グルタチオン濃度をいかに保つかということが、全てと言ってもいいと思います。

細胞中の還元型と酸化型グルタチオンの比率が、細胞毒性の評価の指標です。還元型と酸化型グルタチオンが混在していますが、98%以上が還元型として存在しているので、このバランスが狂っているとまずいということです。

酸化されてもすぐにナイアシンによって還元されます。Phase2のセンターピンは細胞内グルタチオン濃度を適切に保つことです。

センターピンというのはボーリングの一番前のピンのことで、そこを倒せば全部残りの9本も倒れます。

グルタチオンが活性酸素H2O2を組み合わせると、酸化されて水ができます。上記の下の式が酸化型グルタチオンですが、これはナイアシンによってまた元のグルタチオンに戻してくれます。

この抗酸化の働きをするためには、グルタチオンペルオキシダーゼという反応を触媒するものが必要で、ペルオキシダーゼの活性中心が有名なセレンです。

さっきのオリゴスキャンにPhase2の抗酸化力とありましたが、抗酸化力が何故ミネラルの測定で分かるかというと、グルタチオンペルオキシダーゼの活性中心のセレンを測定しているからです。

セレン、マンガン、亜鉛などが、高酸化酵素の活性化中心としてとても必要なのです。そう言った意味で、ミネラルは抗酸化力の維持に関わっています。

細胞内グルタチオン濃度を測定するのは難しいので、血漿中のグルタチオン濃度を調べようというのがこのメチレーション検査です。

メチレーション回路がうまく回ると、体内で適切にグルタチオンが産生されます。

このメチレーション検査では、グルタチオンの中でも酸化型と還元型のグルタチオン濃度を測ることができます。

上記はHDRI社のメチレーション検査です。この方の場合、酸化型(oxisidised)グルタチオンは基準範囲内ですが、還元型(reduced)グルタチオン濃度がちょっと低めなので、抗酸化能力が少し低くなっていて、恐らくメチレーション回路がうまく回ってないからだろうというのが分かります。

グルタチオン以外にもグルクロン酸抱合や硫酸抱合などがあり、グルクロン酸はOHが沢山あるため水溶性だということが分かります。

抱合というのは水溶性にして外に出させるようにすることです。ビリルビン、ステロイドホルモンなど一部の薬は、グルクロン酸抱合でPhase2を引き起こします。このグルクロン酸抱合を起こすUDPグルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)を活性化するのが、ブロッコリースプラウトです。

スルフォラファンを摂取したら、ビリルビンやモルヒネを活性化して解毒が進むので、スルフォラファンを摂取したら自閉症のお子さんの症状が改善したというデータがあります。

グルタチオンを増やす方法は、

・サプリで増やす

トリペプチドで分解されやすいので、リポソーム・タイプのものが細胞膜を通過して細胞内に入ることができる

・メチレーション回路を回す

体内のグルタチオン濃度を保つ

・炎症を取る

・抗酸化サプリを摂る

ビタミンCを沢山摂ることで、抗酸化をビタミン C に任せ、グルタチオンを温存することができる。

ApoE4とアルツハイマー

5年前にハル・ハギンス先生を訪ねた時に聞いたのですが、実は先生がコロラドに行った理由は、コロラド州は比較的医療に関して寛容だからだそうです。6年前にすでにコロラド州とニューヨーク州では医療大麻が解禁されていました。

医療大麻は、小児のてんかんに限って使用が認められたのですが、アマルガムを除去したり、水銀をデトックスするというのは、異端の医療で他で禁止されていて、先生も歯科免許を一回剥奪されたことがあるそうです。

そのため一時期はサン・ディエゴに住んで、オフィスはメキシコにおいて、話を聞くのはサンディエゴで、治療はアメリカでなくメキシコでやってたりしたそうです。今はさすがにもう大丈夫だと思いますが、栄養療法の最先端のことをやっている人は、迫害されたりすることはよくあります。

先生によると、アマルガムを取って良くなる人とそうじゃない人の違いは、アポリポ蛋白E のアイソザイムの違いだろうとおっしゃっていました。ApoE4が1つもない人に比べて、ApoE4が1つある人っていうのは、炎症促進してアルツハイマーになりやすいです。

ApoE4がひとつもない人に比べて、ApoE4がひとつだとアルツハイマーの発症率が30%、ApoE4が2つ以上だと50%以上になります。

このApoE対策も抗酸化です。グルタチオンを摂るのに先駆けて、ビタミンCやビタミンEを摂ることによって、ApoE4を持っていても発症のリスクを抑えられるので、これは十分調べる価値がある検査だと思いますね。

このような人は、脳の抗酸化であるフェルガードとか、リポゾームのビタミンCを摂ることをお勧めします。

抗酸化はデトックス治療の一部です。phase2の細胞内グルタチオン濃度を上げるからですね。細胞内グルタチオン濃度上げる方法をまとめると、まず暴露量を減らすこと。DMSAなどは細胞外液の水溶性分画にしか作用しないのでまず炎症を止めること、抗酸化治療をすること、そしてメチレーション回路を回すことです。

自閉症の治療をするアメリカのDAN!という組織が、このプロトコールを推奨していました。

解毒の3Phase、デトックスのセンターピン

最後、Phase3ですが、これは輸送です。

Phase3は Phase 2に先駆けてやっておくことです。便秘をしないこと、そして腸管循環を抑制するために水溶性食物繊維を摂ること、キレーションもこのPhase3に入ります。

細胞の中から外に出すためのMRP 蛋白を活性化してあげること、あとはメタロチオネインというカドミウムをくっつける蛋白を作るのもPhase3の要素の一つになります。

MRP タンパク質というのは細胞の外から中に変な化合物が入ってきた場合にガバッと口を開けて、また排出させる蛋白のことです。 Multi-drug resistance; MDR蛋白、つまり薬が入ってきてそれを出させるタンパクで、抗がん剤が効かないのはこのMRPたんぱく質が原因なので、現在ものすごく研究されています。

デトックスの場合は、MRPたんぱく質を活性化させなければいけないのですが、抗癌剤を効かせるためにはこの MRPタンパク質を阻害しなければならないので、その阻害剤というのが研究されているわけです。

デトックス目的の場合は、このMRPタンパク質を活性化させたほうがいいんですけども、そもそもデトックスをすると疲れる理由は、ATPを消費するからです。

ファスティングのメリットは、消化に使うATPを全部デトックスに回せるからです。デトックスすると次の日尿が濃いのは、MRP蛋白質がきちんと働けるからですよね。

メチル水銀の排泄経路は90%は胆汁排泄で腸から出ますから、便秘をしないことです。

最後になりますが、メタロチオネインとは、重金属(特に銅、カドミウム、水銀)を結合するタンパク質のことで、これは亜鉛を摂ることで生成されます。

だからウィリアム・ウオルシュは、このメタロチオネインをプロモーションする治療を推奨していて、それはアミノ酸と亜鉛を摂ることです。

亜鉛の血中濃度を上げるためには

それで重要になってくるのが、亜鉛の血中濃度です。メタロチオネインを作るためには、亜鉛の血中濃度を100μgに上げることをウオルシュ博士は推奨しています。じゃあ、どれぐらい亜鉛を摂ったら100μgになるかというと、下記の9パーセントルールを使用してください。

9%ルールというのは、亜鉛を摂る量を2倍にすると、亜鉛の血中濃度が9%上昇するということです。これを計算するとどれくらい亜鉛を摂ったら血中濃度が100になるかが分かります。例えば血中濃度が70の人っていうのは、食事からの亜鉛が10mgとすると、亜鉛を150mg摂らなければいけないことになります。

150mgというのは食事で摂るととてつもない量ですが、普通の薬では150mgなので、このような目的によっては使用するのが良いと思います。ただ亜鉛を100mg以上摂る場合は、特に銅の欠乏が問題になってくると思います。

銅は成長に必要なので多すぎても少なすぎても問題です。亜鉛と銅はブラザーイオンなので亜鉛を沢山摂る場合は、血中濃度をモニタリングしながら専門家のもとでやってください。

デトックスというのは、特に脂溶性のものは抱合して、胆汁から排泄させるもの、肝機能を高めるミルクシスルとかリポゾマルグルタチオン、還元型グルタチオン、あとはウルソとか、タチオンとか使うのもいいでしょう。

そして出てきた毒素をキャッチして、再吸収による腸管循環を防ぐためには、クロレラとかクレメジンという活性炭の薬を使うのもいいでしょう。これらの2つをうまく組み合わせることで、自然デトックスのPhase2とPhase3をコントロールすることができます。

全体の中でデトックスを考えるとしたらまず炎症を取ること、そして腸内環境を良くして除菌をすること。その後にデトックスするといいと思いますね。

最後にデトックスのセンターピン(物事の本質を見つけること)は何かというと、詳しくは与沢翼さんの『ブチ抜く力』という本を見てください。

根本原因ピラミッドPhase1というのは自分の排泄しにくいものを避けることでした。そしてPhase2は、細胞内グルタチオン濃度を上げること、そして炎症を抑えること。Phase3は腸内環境を改善して腸管循環を抑えること、そしてミトコンドリア機能を改善することでした。

やはり根本原因の色々な物を超えたアプローチをして、炎症とか腸内環境とかエネルギーとかを総合的にみることが、結果としてデトックスになるということが分かります。

センターピンについて勉強したい人はこの本を読んで下さい。センターピンを1つに絞ること、そして選択と集中という考え方ですけども、そうやってやり遂げることが重要と書いてあります。

理論が分かってもなかなか実行できないので、とにかく1つやることを絞って、最低3週間続けてみることです。

3週間続けると習慣化するからです。

ちなみにこの与沢翼さんは、秒速で1億稼ぐと言われながらも破産して、マレーシアで投資に成功して今億万長者になった人です。億万長者になって暇になったので生命保険に入ろうとしたのですが、太り過ぎという理由で生命保険から拒否されたそうです。

お金の事になると急にモチベーションが上がって、2ヶ月で10 kg 減量に成功したという人です。ダイエットのセンターピンは食べないで鬼動くことと書いてありますけども、このダイエットの仕方は間違っているので、ここだけは真似しないようにしてください。他は参考になると思います。

自閉症が増えた本当の原因と葉酸活性化経路の関係

宮澤賢史 · 2020年3月26日 ·

米国では、ここ20年自閉症の発症率の伸びが止まりません。

アメリカ疾病予防管理センターの自閉症監視ネットワークによると、2016年現在、54人の子供に約1人が自閉症スペクトラム障害(ASD)と特定されています。

これは、2000年の調査における150人に1人と比べて3倍の数字です。

監視年有病率それは何人に一人?
20006.7150人にひとり
20048.0125人にひとり
200811.388人にひとり
201214.569人にひとり
201618.554人にひとり
CDCの自閉症と発達障害の監視(ADDM)ネットワークからの推定

1970年には1万人に1人だった自閉症発症率がここまで上昇した原因は一体なんなのでしょう?

  • 認知されたこと?
  • 自閉症の診断基準が変わったこと?
  • 環境が悪化したこと?
  • ワクチン接種?
  • 農薬?

諸説ありますが、私は「妊娠期間中の母体にのみ葉酸サプリメント摂取が奨励されたこと」が大きな要因だと考えています。

葉酸サプリが二分脊椎を激減させた

葉酸はビタミンB群に分類される生理活性物質で、DNAの合成に必要であり、欠乏すると妊娠の継続に深刻な影響を与えます。

例えば「二分脊椎」です。これは生まれつき脊椎の一部が形成されない状態で、運動麻痺、感覚障害、死産などを引き起こします。

葉酸と「二分脊椎」のような神経管閉鎖障害の症例対照研究は1980年代に多く行われ、その結果、英国、米国が1992年に、カナダ、アイルランド、ニュージランド、ノルウェーなどが1993年に強化食品、サプリメントによる1日0.4mgの葉酸摂取を勧告するに至りました。

その後多くの国で二分脊椎の発症率の大幅な低下が報告されましたので、日本の厚労省もその流れに乗り2000年に葉酸サプリメントの摂取を推奨しはじめたのです。

これによると、妊娠を計画している女性は、障害の発症リスクを減らすために、「妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間、葉酸をサプリで摂ること」と勧告されています。

葉酸サプリを開始したら自閉症が増えた?

というわけで、1990年代前半から始まった葉酸サプリメント摂取の推奨は、各国の二分脊椎の発症を減少させました。

この成果は素晴らしいものですが、その時各国政府はまだ気が付いていなかったのかもしれません。同時期から、自閉症の発症率が増加し始めることに・・・

実際に、様々な国、年代で行われた自閉症の発症率調査をまとめると、1990年ころから劇的な増加を示しているのがわかります。

葉酸サプリ摂取が、「二分脊椎発症率の低下」と「自閉症の発症率の上昇」を同時に起こした?

なぜ、神経の発達に必要な葉酸の摂取で自閉症の発症率があがるのでしょうか?

これを理解するには、葉酸回路を理解する必要があります。ここからが本題です。

二分脊椎を予防できる葉酸はフォリン酸のみ

さて、先ほど「葉酸不足が二分脊椎の原因」と言いましたが、葉酸には種類があり、全ての葉酸が二分脊椎を予防できるわけではありません。

葉酸は大きく作用別に3種類の葉酸に分けられます。Folic acid(サプリの葉酸)、Folinic acid(フォリン酸)、MTHF(メチル葉酸)の3つです。

一つ目は、Folic Acid(サプリの葉酸)です。ほとんどのサプリや葉酸強化食品に入っている葉酸です。

二つ目は、Folinic acid(フォリン酸)で、DNAを合成し、神経を成長させてくれるため二分脊椎を起こさなくなります。

3番目はMTHF(メチル葉酸)です。これが自閉症に密接に関わります。

これらは全て別物です。サプリに入っているのがFolic Acid(サプリの葉酸)、二分脊椎を防止するのがFolinic acid(フォリン酸)、自閉症を防止するのがMTHF(メチル葉酸)です。

それで、ここが重要なポイントなんですが、なぜフォリン酸でなく、サプリ葉酸のFolic Acidで、二分脊椎が予防できるのかというと、Folic Acidは体内でフォリン酸に変化するからです。 これを活性化と呼びます。サプリの葉酸は、Folinic Acid(フォリン酸)、 MTH Folate(メチル葉酸)へと活性化されていきます。

この経路のことを葉酸経路とか葉酸の活性化経路とか呼んでいます。

要は、葉酸の活性化経路が滞って、Folinic Acidが作られなければ二分脊椎になるし、MTH Folateができなければ自閉症になります。

「活性化の流れが悪い人でも、サプリの葉酸の摂取量を多くすることで、二分脊椎を予防するフォリン酸の量を確保できる」というのが、サプリで二分脊椎が予防できる仕組みです。

葉酸は大きく3種類に分けられる
非活性型のFolic acid (日本で作られるサプリはこれ)
半分活性型 Folinic acid (神経の発達に重要、お母さんのお腹の中で必須)
完全活性型methyl folate(ドーパミン合成、解毒に重要、生まれてから必須)

実は、葉酸には10種類以上のバリエーションがあります。DNA合成に関わるのはプリン体を生合成する10-ホルミルテトラヒドロ葉酸と、ウラシルをチミンに変換する5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸ですが、ここでは話を簡略化するために、これらを全てフォリン酸の仲間としています。

自閉症とメチル葉酸の関係

自閉症の原因は様々な説がありますが、葉酸との関わりは特に深いと言えるでしょう。

フォリン酸がさらにもう一段階活性化される時にメチル化という化学反応が起こります。メチル基という化学物質が結合することでMTH Folate(メチル葉酸)になるのです。

さらにメチル葉酸はメチル基を他の物質に渡す事ができます。こうしてメチル基が様々な物質に次々と受け渡されることをメチル化経路と呼びます。

乳幼児が言葉をしゃべり始めるようになるために、メチル化経路は非常に重要な役割を担っています。この経路が回らなければ、神経伝達物質が作られないので、脳の発達が十分進まず、言語の習得に困難が生じます。

他にも様々な物質がメチル化されることで、
・DNAが合成されたり、
・神経伝達物質をつくったり、
・炎症を抑えたり、
・解毒をおこなったり
することができるようになります。

自閉症の予防、治療には葉酸をうまく働かせ、メチレーション回路を回すことが大変重要です。

神経発達の栄養療法の権威、ウイリアム・ウォルシュ博士によれば自閉症児の98%にメチレーション回路の低下が見られるそうです。

体内でメチレーション回路の出発点になるのが、葉酸のメチル化で、フォリン酸がメチル葉酸に変換される反応です。

この変換するのはMTHFRという酵素ですが、自閉症児の多くは、この酵素を作る遺伝子に変異を持っています。

つまり、この酵素が上手く働かないというのが、自閉症が増えた第一の理由として考えられます。

自閉症が増えた第一の理由

このMTHFR酵素遺伝子変異の強い人はMethyl folate(3番目)への変換がうまくできません。

遺伝子変異があるとどの位酵素の力が弱まるのでしょうか?

片方だけ変異していると30%、両方変異していると70%酵素活性が低下します。つまり、この場所の遺伝子変異を片方の親から貰えば30%、両親からもらえば70%葉酸を活性化できなくなるということです。

MTHFRの677番目の塩基配列が酵素活性に重要です。ここの塩基はシトシン(C)ですが、これがT(チミン)に変異していると226番目のアミノ酸がアラニンからバリンに変換されるため、熱に不安定となります。

こんな人がたくさんいれば、自閉症児がたくさん生まれちゃいますよね。

でも、あなたは疑問に思うはずです。
メチレーション回路が弱い人がそんなにいるの?

いるんです。
アジア人の45%はMTHFR酵素の片方が遺伝子変異していることがわかっています。

さらに問題は、メチレーション回路が低い人同士が結婚すると、メチレーション回路が弱い子供が生まれやすいということです。

メチレーション回路が弱いことを「低メチレーション」と言います。

低メチレーションの人の特徴は「高学歴」「完璧主義」「強迫的行動」です。つまり、毎日同じことをコツコツ続けることを苦にしない努力型タイプで、高学歴、高収入のことが多いです。医師、経営者に多く、そのような人たちは同タイプの人たちと付き合い、結婚することを選ぶことが多いと言われています。

だからそのような低メチレーションタイプの人同士から生まれる子供は注意をすべきだという人もいます。

確かに近年そういった傾向があるかもしれません。
自閉症児が低メチレーションなのも納得です。

でも仮にそうだとしても、それだけの理由で自閉症の発症率が20年で3倍に増えるでしょうか?他にも理由がありそうです。

メチレーション(メチル化)とは?
さまざまな基質にメチル基(CH3)が置換または結合することを意味する化学用語です。メチル化することで物質が活性化したり不活化したりします。
メチル基を与えるものをメチル基供与体、受け取るものをメチル基受容体といいます。代表的なのは、SAMeとナイアシンです。例えば、SAMeはノルエピネフリンにメチル基を与えることでエピネフリンに変換します。
他にもセロトニンをメラトニンに変換したり、グルタチオン、ホスファチジルコリン、ミエリン、クレアチン、COq10、カルニチンの合成に関わったりします。
メチレーションは様々な病態に関わっています。以下はそのほんの一例。
先天性障害、習慣性流産(DNA合成、DNAメチル化)
脳梗塞(ホモシステイン)
精神疾患、やる気、集中力(神経伝達物質の合成、代謝)
統合失調症、発達障害 、うつ、ADHD、副腎疲労
解毒、抗酸化、アレルギー

サプリの葉酸の問題点

葉酸サプリが乳がんの元になるというお話を聞かれた事がありますか?

葉酸と乳がんの関係については以前から賛否両論があって、葉酸が乳がんに対する防御効果を持つが、一方で高用量の場合は逆に乳がんの成長を促進するという報告もあります。

カナダ・トロント大学のキム博士ら研究グループは、2014年2月に「高用量の葉酸サプリメントの摂取が、ラットの乳腺組織にあるがん細胞の成長を促進する」と発表しました。

キム博士は、「このことは非常に重要な意味あいを持っています。なぜなら、北米の乳がん患者は、葉酸強化食品やサプリメントによって大量の葉酸を摂取することが多いからです。彼女らは、ビタミンをはじめとしたサプリメントを使うことが多く、その割合は乳がん患者がもっとも高いのです。」とコメントしています。

さてここで、ひとつ疑問が生じてきます。

前回お書きしましたように、葉酸はDNAの合成に関わるビタミンです。だから、葉酸が欠乏したままでは細胞分裂がうまくいかなくなります。

理屈で考えれば、葉酸を補充することは正常な細胞分裂を助け、がんを予防するように思えます。

なのになぜ、葉酸サプリメントががんを増やしてしまうのでしょうか?

理由は、「サプリメントの葉酸の多くは未活性型の葉酸だから」です。

前述のように葉酸には活性型と未活性型があります。緑黄色野菜のサラダには、活性型と未活性型の両方の葉酸が含まれています。それに対してサプリメントの葉酸は、すべて未活性型です。

未活性型の葉酸が活性化されるためには、いくつもの過程が必要です。酵素や補酵素が十分でなかったり、うまく働かない場合、活性型葉酸は十分つくられず、未活性の葉酸が体内にたまってしまいます。

また、活性化葉酸が働くのには、葉酸結合蛋白(FBP)が必要ですが、非活性型の葉酸サプリメントを摂った女性の体内の葉酸結合蛋白は激減することがわかっています。

Am J Clin Nutr. 2009 Jan;89(1):216-20.

つまり、葉酸の活性化がうまくいかない人が、葉酸サプリメントを摂取すると、活性化葉酸の働きも邪魔されてしまう恐れがあるのです。

これが葉酸サプリでがんや自閉症が増える理由です。

まとめと対策

近年自閉症が増えている原因の一つに葉酸が関わっていると考えられます。

・遺伝子変異があるとメチレーション回路を回すのに必要なメチル葉酸ができにくい
・人工の葉酸サプリの大量摂取によってメチル葉酸が上手く働かない

自閉症は、1990年以降、妊婦に対して世界各国が葉酸サプリメント摂取を推奨し始めてから劇的に増加しています。皮肉なことに、「通常なら死産になる子供が葉酸のおかげでちゃんと生まれることができるようになったから」というのが理由の一つです。

神経管異常を起こす遺伝子と、自閉症を起こす遺伝子が一部共通していることが近年の研究でわかっています。妊娠中に葉酸を投与する事で神経管異常のリスクは逃れることができるようになりました。

しかし、残念ながら現時点では各国の対応は出生時の神経異常の防止のみにとどまっており、生まれた後のフォロープログラムはありません。

また、神経系に問題を引き起こすMTHFR遺伝子変異はアジア系に多いという事がわかっています。今後もアジア圏における自閉症の発症頻度に注意する必要があります。

ただ「活性化葉酸サプリ」をとればいいという単純なものではありません。サプリメントをとることでかえって問題が複雑になる場合もあります。

今後出産を予定している方(特に高齢出産や流産の既往のある方、遺伝的に心配のある方)、お子さんが自閉症と診断された方に、私がお勧めするのは、MTHFRをはじめとした遺伝子検査を受けてみることです。

そこで遺伝子変異があるなら、まずは、この分野について勉強してみるのがよいと思いますもちろんこの分野に詳しいドクターに相談してみるのもよいでしょう。

この葉酸活性化の問題ですが、解決手段の一つとして、すでに活性化されている葉酸サプリメントを使うという方法があります。すでに活性化されているのでMTHFRの遺伝子変異があっても、その問題を回避することができます。

しかし、使い方を間違って問題を起こしているかたが多数います。

・サプリメントが効かない、サプリメントで症状が悪化する
・爆発的行動、突然怒り出す
ということを経験された方は特に気を付けてください。

この分野に詳しいドクターの間では、活性型葉酸は全体の回路を整えた後に使うのが常識です。

「自分のトリセツの作り方」 ミネラルの吸収と生体利用性について

宮澤賢史 · 2020年1月24日 ·

前の記事:  ビタミンのドーズレスポンス

今回は、ミネラルの吸収と生体利用性に関する話です。

水溶性ビタミンはとにかくいっぱい摂ればいいです。

ビタミンは受動拡散と言って、濃度を上げれば濃度差で、濃度の高いところから低いところに浸透して吸収されていきます。

しかし、ミネラルは生体利用性を上げてやる必要があります。亜鉛・鉄・マグネシウムはもともと吸収があまりよくないんです。

ミネラルを吸収するためには、腸内環境が大事

ミネラルは細胞の中にイオン化、もしくは有機酸によってキレート化されて入らないといけないので、吸収されるためには腸内環境を整えなければいければいけません。

炎症があると動きが止まってしまいます。代表的なのは鉄です。炎症がある人は、鉄をいっぱい入れても吸収利用できません。

肝臓からヘプシジンという物質が出て、鉄の吸収を止めるからです。それでもヘム鉄なら少し入っていってしまうんですが。

本来、炎症がある時には鉄を入れてはいけません。炎症に火を注ぐことになるからです。

炎症を止めてあげて、ミネラルの代謝を正常化すると、鉄サプリメントがなくても鉄は上がってきます。上咽頭炎をちゃんと治すとフェリチンが上がっていく人は何人もいました。

重金属が出るのも同じです。炎症があるとデトックスが止まってしまいます。抱合するためのグルタチオンが消費されてしまうからです。だから、いいミネラルを体内に取り入れるのにも、悪いものをデトックスするのにも、環境を整えてあげることが必要です。

カンジダに鉄サプリは禁忌

腸内環境治療で1番やっかいなのはカンジダです。カンジダは人に近いからです。細菌というより、人に近いんです。

人とカンジダは鉄を取り合います。

カンジダがある人は鉄サプリメントは禁忌です。カンジダは糖質も鉄も大好きですから、鉄があるとどんどん成長して増殖します。鉄サプリを摂ってお腹の膨満感が強くなる方、いらっしゃいます。そういう場合は鉄を使えないように、抗菌用の乳性タンパク質であるラクトフェリンを使います。

ビタミンとミネラルの性質の違い

ビタミンとミネラルはまったく違う性質を持っています。

ビタミン:易吸収性であり有機物
ミネラル:難吸収性の無機物

ミネラルは体内では作れません。ビタミンは腸内細菌でまかなえたりするんですが、ミネラルに関してはあり得ません。ミネラルを作れたら錬金術になってしまいます。
水溶性ビタミンはドーズレスポンスですから、効かなければ、基本的には量を増やせばいいです。

ミネラルは生体利用性とバランスが命です。

マグネシウムは、吸収が良くないことを利用して、下剤として使われます。他のミネラルとのバランスを考えなければいけません。相互作用があるので、一つのミネラルを入れると、対抗するミネラルが枯渇してしまったりします。だから、ビタミンよりもミネラルの方が難しいです。ミネラルがうまくいかなくてミトコンドリアが回っていない人も多いです。

 ミネラルのバランスは周期表を見る

ミネラルのバランスは、周期表にエッセンスが閉じ込められています。

周期表は、原子の電子配列を集めたものです。

原子があって、その周りを電子がグルグル回っています。電子がまわっている軌道には定員があります。一番内側は2個、その外側は8個、8個、18個、18個となっています。原子の外側の電子軌道をあらわしたものが周期表です。

なぜこんな並べ方をするかというと、最外殻の電子の数が、ミネラルの性質を決めているからです。

 例:アルカリ金属

例えば1番左側のアルカリ金属を例に取りましょう。

リチウム・ナトリウム・カリウムは、それぞれ内側の電子の数は異なりますが、最外殻の電子の数は1個です。

リチウムとナトリウムとカリウムは同じ性質を持っています。同じように動くし、体内で反発しあいます。それをうまく表して、きちんと見られるようにしているのが毛髪ミネラル検査です。

この方の場合は、ほとんどのミネラルは左側、不足を表しています。

ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウムは右側を向いています。

同じような性質を持つので、体内で同じように動くんですね。

ビタミンB12が足りない人、働かせたい人はリチウムをたくさん入れたらいいですが、入れすぎると逆にビタミンB12が枯渇します。

この方の場合は、コバルトが最下段になっています。体内でコバルト、というとビタミンB12(コバラミン)のことを表しています。この人の場合はリチウムが余っていて、ビタミンB12が足りていないので、ビタミンB12をほどよく足してあげたらいいです。

リチウムを摂りすぎると、カリウムが下がってきます。拮抗ビタミンなので、リチウムとカリウムは一緒に入れてあげなければなりません。(ナトリウムはたくさんあるので例外)リチウムとカリウムを入れすぎると、今度はルビジウムが下がってきます。ルビジウムが足りなくなると、攻撃性が高まります。

だから、ミネラルの場合はバランスがとても大事です。

ミネラルの生体利用率に関わる腸の問題

これは宮澤医院の患者さんの初診時のアンケートです。

一番多い主訴は倦怠感、慢性疲労です。

慢性疲労の次に多い主訴は、腹部膨満感です。慢性疲労の人はお腹が悪い、ということですね。

副腎疲労の方150名の腸内環境検査を見てみると、77%の人に乳酸菌が少なく、腹部膨満感、炎症、免疫異常がありました。惨憺たる結果ですね。

腸の炎症を自覚できる人は少ないです。

腹痛、もしくは腹部膨満感が半年以上前からあるというのは、過敏性腸炎の診断基準です。

一般的にはいろんな下痢・便秘など様々な症状があっても、腸を調べると何ともない、というのが過敏性腸炎です。

しかし、実際に腸内細菌を調べてみると、大いに狂っています。症状がある人は自覚できるのでいいんですが、症状がない人もたくさんいます。統計上、実際に炎症があって、かつ自覚症状がある人は、40歳以上だと3人に1人という計算になります。

バナナみたいな便が毎日出ていてもそういうことがあります。バナナのような黄褐色で無臭の便が毎日1~2回出ることが最低限のラインです。そうなっていない人は、まずそこからやっていったらいいと思います。腸内環境を治すことは、ミネラルの吸収のためにとても重要です。

ミネラル吸収のポイントは土壌

今は、畑を耕すのに農薬をたくさん使います。すると、微生物がいなくなって、野菜が栄養的にすかすかになってしまいます。窒素を入れると大きくはなるんですが、すかすかになります。今、畑の野菜に足りない栄養素はマグネシウムなんだそうです。野菜のミネラルは減ってきています。ミネラルを吸収させるための微生物がいなくなっているからです。微生物が作り出す有機酸が、野菜にミネラルを吸収させます。

これは腸内にもあてはまり、腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り出すと、その短鎖脂肪酸がミネラルを吸収させてくれるんです。だから、健全な発酵が必要です。そのためには食物繊維と乳酸菌です。

だから僕の場合は、ミネラルの吸収が悪い人に対しては便検査で短鎖脂肪酸をチェックしています。

「自分のトリセツの作り方」ビタミンのドーズレスポンス

宮澤賢史 · 2020年1月21日 ·

前回は、ビタミンとミネラルの考え方について説明しました。今回はドーズレスポンスについてです。ドーズレスポンスとは、量と反応の関係ですね。

歩行とふらつき、意識障害をもつ45歳男性

5日前から独り言が多くなり、会話が成り立たなくなった。また歩行がふらつくため、自宅内を這って移動していた。本日からほぼ寝たきり。

既往歴なし。喫煙歴20本x25年。飲酒ビール2.5リットル毎日。食事は不規則。バイタルサインほぼ安定。 診断と治療はなんでしょうか?

5日前からおかしくなって、すぐに寝たきり。普通は脳卒中などを考えますよね。

でも、特記すべきは1日ビール2.5リットル、食事は不規則でおつまみ程度というところです。

検査結果は、肝機能はお酒のせいで悪いですが、特に生命に関わるようなところはありません。

脳のMRIを撮ると、まんなかのところに少し炎症が見られます。

これは、ウェルニッケ脳症という極端なビタミンB1不足を原因とする中枢性障害です。眼球運動麻痺、歩行失調、意識消失をきたします。

大事なのは、拮抗栄養素の過剰な摂取によって、対立する栄養素が失われてしまうことです。

いったんこうなったら、ビタミンB1サプリを摂るのではなく、点滴でビタミンB1を大量に入れます。

ビタミンの欠乏症は現代でも存在する

脚気、ウェルニッケ脳症、壊血病は昔の病気ではありません。

現在でもあるんです。

現代の脚気は、こういったアルコール中毒か、子供の清涼飲料水の飲みすぎなどが主な原因です。 清涼飲料水は異常に糖質が多いので、それによってビタミンB1が消耗してしまうんです。

脚気心といって、動悸が激しくなって運ばれ、救急外来で肺高血圧症と診断されるも、最終的に脚気による心不全だということがわかる、ということはよくあります。

欠乏状態においては、十分な量の栄養を確保しましょう。

ビタミンC

欠乏症と言えば、壊血病です。

トーマス・スティーブンスの航海記を引用します。

これが壊血病の様子をあらわしています。

先ほどのウェルニッケ脳症のように、完全に不足したら点滴で入れないといけません。

でも特に問題がなければ、そんなにビタミンCを入れなくてもいいんじゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ビタミンCの抗がん作用

ビタミンCを点滴すると、血中濃度が経口で摂取する場合の70倍になります。レモン1250個分です。

点滴で入れると、経口摂取に比べ、血中濃度が通常の70倍になります。

僕がビタミンC点滴を習ったリオルダン・クリニックの、リオルダン先生が2000年に発表した論文です。

ビタミンCの血中濃度が400mg/dを超えるとがん細胞が死ぬ、という論文です。

2005年にWHOが追加実験を行うと、本当にがん細胞がなくなったので、そこから一気に広まりました。

これはビタミンCを経口摂取した場合と点滴した場合の、血中濃度のグラフです。

400mg/dというのは結構な濃度で、経口摂取では絶対にたどりつけない濃度なんです。点滴でしかこの濃度に達することはできません。

抗がん作用を期待するなら、点滴しなければなりません。これもドーズレスポンスですね。

ビタミンCの至適量は状況や目的によって変わる

ビタミンCの至適量は、状況や目的によって変わります。

怪我を治りやすくする、コラーゲンを作る(100mgで大丈夫)、壊血病を予防する、風邪の予防ではグラム単位で必要です。

副腎疲労は風邪と同じように、数十g摂るといいです。ビタミンCを点滴すると、てきめんにいいです。

ビタミンCサプリメントは頻回摂取が有効

サプリメントを摂るなら、1gずつ1時間ごとの頻回摂取が有効です。

ビタミンCは一度に大量に摂ると、吸収が落ちます。

60mgだと100%、100mgだと90%、1000㎎だと75%、2000㎎だと44%と、どんどん減っていきます。

ですから、1000mgが最もコスパが良いですね。

30分で血中濃度は上がりますが、4時間で下がります。4時間おきだと血中濃度が上がったり下がったり、血中濃度が安定しません。

ですから、1時間おきに、血中濃度が下がっていないうちに次々入れていくと、どんどん上がっていきます。

ビタミンCの効果は血中濃度に比例しますから、ビタミンCを1時間おきに摂るだけで、効果が3倍近くなります。

ビタミンCを自分で作れる動物

ビタミンCを自分で作れるものもいます。

左側が作れないグループ、右側が自分で作れるグループです。

犬と猫も作れますが200mg程度だそうです。自分で作れるとはいえ、少ないですね。動物病院ではビタミンC点滴はよくやることです。ストレスが多くて全然足りないからです。

野生のヤギは14mg/日ですが、病気になると100mg/日です。需要に応じて産生量が増すのです。

自分で作れない動物は、状況に応じて摂取量を増やした方がいいのではないか、という話です。

ビタミンDの血中濃度と効果

同様に、ビタミンDにもドーズレスポンスがあります。

ビタミンDの血中濃度が20ng/mlと低くても、くる病は予防できます。

様々ながん、糖尿病、多発性骨髄腫などはだいたい40~60ng/mlで予防できます。ほとんどの疾患ではこの濃度にしておくと、いいことがおきるということです。

日本人の平均ビタミンD血中濃度は20程度と言われています。

日焼けしていて、すごくビタミンDがありそうに見えても血中濃度が低い人もいます。逆の人もいます。ビタミンDの体内合成力によります。

低い人は、サプリメントを摂ると、確実に上がっていきます。血中濃度を上げるためには、できれば1日2000IU以上摂ると良いでしょう。

しかし、ビタミンDはビタミンAと同じく脂溶性ビタミンなので、1日5000IU以上摂取する場合は血中濃度を測定しながらやることが重要です。ビタミンDサプリメントを毎日摂っていて腎不全を起こしたという症例報告があります。

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「自分のトリセツの作り方」ビタミンとミネラルの考え方

宮澤賢史 · 2020年1月17日 ·

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今回は、ビタミン・ミネラルのお話です。

ビタミンとミネラルに関しては、これは、と思う知識を集めたものになっています。

栄養素を効かせるカギ

これまでお話ししてきたことを振り返り、栄養素を効かせるカギをまとめてみました。

ドーズレスポンス

ドーズレスポンスとは、栄養素は投与量によって効果が変わってくるということです。

栄養素は欠乏症をいやすだけのものではありません。

ビタミン類はそもそも、欠乏症を治すための薬として開発され、使われてきました。今でも偏った栄養の教科書には、欠乏症を治すためにごく微量あればじゅうぶん、と書かれているものもあります。

しかし、量を増やすことによって、様々な医学効果が期待できるというのが最近になってわかってきました。

ドーズレスポンスをうまく使うと、栄養で思わぬ効果が期待できます。

個体差

脳は他の臓器に比べて栄養への依存度が高いです。

患者さんが薬を欲しがる時、睡眠薬や安定剤のような、効果がすぐにわかるものを欲しがる方が多いです。

コレステロールの薬を飲んですぐに効果がわかる方はほとんどいません。

アルコール、カフェインなどを考えても、食べ物はものすごく脳に影響します。

脳へのアプローチでは、食事・栄養コントロールをすることはとても重要です。

メチレーションの例で出てきたように、ある栄養を摂ったら体に害があるものもあります。特に脳への影響は強いので、脳へのセレクションは「すごく」考えるべきです。SAMeやナイアシンなど、メチレーションに関して逆の働きをするものを間違えると、悪化します。

局在を考える

同位同食という中国の考え方では、肝臓が悪い場合は鶏レバーを食べればいい、と言われます。

同様に、副腎の機能が落ちている人は、牛や豚の副腎をすりつぶしたものをサプリメントとしてとるという考え方があります。

細胞レベルのでの場合も同じように、細胞膜が悪かったら、細胞膜の原料をたくさん摂ったらいいです。

副腎を治したかったら副腎に多く存在する栄養素を摂ればいいです。ビタミンCが体内で最も多いのは副腎、ついで脳です。何故多いかというと、需要が多いからです。何故需要が多いのかを考えると、ビタミンCがどんな働きをしているかということがわかってきます。

栄養素の種類と性質

これに関しては後ほどまたお伝えします。

You are what you digest.

栄養は消化吸収して初めて役に立つので、消化できない量のサプリメントや食事をとることはやめましょう。

消化できても代謝できない場合もあって、サプリメントの摂り過ぎで肝臓を壊している方も多いです。そういう場合はきちんと代謝できていません。薬と同様、サプリメントの代謝も体に負担が大きいです。

特に代謝酵素で代謝されるものを、サプリメントと薬で同時に摂ってしまうと、薬の血中濃度が上がってしまって薬の副作用が強く出てしまったりもします。気を付けるべきです。

食事

サプリメントは食事の代わりにはなりえません。

効かない理由を考える

栄養素の局在について考える必要があります。重要なのは、効かせたい場所に元から多く存在する栄養を多く摂ることです。

ビタミンCの場合

例えば、日本の厚生労働省が指示しているビタミンCの摂取量は、レモン5個分です。レモン1個分は20mgと規定されているので、ビタミンCの標準摂取量は100mg、壊血病を予防するためには大人の場合100mgだと言っているということです。

アメリカのNational Academy of Scienceは、最低のビタミンC摂取量を60mg(現在は75mg)だと言っています。

ビタミンC標準摂取量の根拠となる実験

ではなぜ、100mgや60mgなのかというと、囚人を使った実験がもとになっています。

まず、ビタミンC欠乏食を2週間食べさせて、ビタミンCを完全に欠乏させます。それからビタミンCを5mg、10mgと毎日増やしていって、どれくらい摂ったら尿中に出てくるかというのを調べたところ、60mgだったそうです。ということは、60mgで体内で飽和したんだろう、という根拠なんだそうです。

でももし人間がそんな単純なバケツのような構造をしているのであれば、ビタミンCを大量にとっても、60mg以上は尿中に排泄されてしまうので無駄になるはずです。

ビタミンC排泄量の比較実験

これは、実際にビタミンCを1000mg摂った場合と、2000mg摂った場合の尿中の排泄量の比較です。もし60mg以上が尿に排泄されるなら、1000mgだと940mg出るはずですね。2000㎎だと1940mg排泄されるはずです。しかし、実際には1.5倍しか出ませんでした。ですから、この説は間違っているだろうということです。

では、その差はどこに消えたのでしょうか?

ビタミンCの局在

これはモルモットです。モルモットは人間と同様に体内でビタミンCを作ることができない、数少ない動物のうちのひとつです。

人間は進化の過程で、ビタミンCを体内で作る能力を失いました。ビタミンCを果実などで豊富に摂れる環境があったからだと思われます。

進化の過程で、周囲から豊富に摂れる栄養は、自分で作る能力が退化していきます。必須脂肪酸、必須アミノ酸、摂らなければばならないビタミンが多すぎますね。人は、外から摂取しなければいけない栄養だらけです。

ビタミンCの実験には一般的にモルモットが使われます。外から入れたビタミンCがどこに行くのか見るのには、モルモットが最適だからです。

これは1950年頃のビタミンCの実験の写真です。

摂ったビタミンCは、体内に均等に分布しているわけではありません。需要が高い臓器に集まっているのがわかると思います。ビタミンCの需要がどこで多いかというと、目玉、副腎、脳です。

分子栄養学の生みの親のひとり、ライナス・ポーリング博士の実験は、ハエを使ったものでした。

1日で死んでしまうハエでしたが、死ぬときには白内障になっているそうです。でも、ビタミンCを摂らせた場合は、死んだときにも白内障になっていませんでした。

水晶体にはビタミンCがたくさん含まれていて、抗酸化の働きで白内障になるのを予防しています。

同様に、副腎、脳での蓄積が高い理由もあると考えることができますね。

ビタミンCが脳脊髄内に少ない人は、うつ病の発症率が高いんです。

副腎では、ビタミンCはコルチゾールの合成に関与しています。

血中のビタミンCを1とすると、脳には20倍、白血球中には80倍、副腎には150倍存在しています。

風邪にビタミンCが聞く理由は、白血球の遊走性を上げる働きがあるからです。免疫が上がります。

副腎疲労の人はビタミンCを摂ったほうが良い、というのはこれだけでもわかりますね。

副腎から出るコルチゾール合成の、おおもとの命令は脳の下垂体から出ています。この副腎皮質刺激ホルモンを出す下垂体のビタミンC濃度は、非常に高いです。

脳・副腎・肝臓には優先的に供給されている

同じくモルモットで、ビタミンCをたくさん撮ると、臓器別の濃度がどうなるかを調べた論文があります。

ビタミンCは副腎とか肝臓や脳に多いですが、投与量を増やしていくと、どんどん上がっていきます。

ビタミンCの投与量が減ると、どんどん減るかと思いきや、ぎりぎりまで脳と副腎、肝臓の濃度は保たれます。他を差し置いても優先的に供給されているということです。

ちなみに、濃度別で考えた時に一番濃度が高いのは副腎・脳下垂体ですが、総量として一番多いのは、肝臓です。

肝臓ではビタミンCは解毒に使われます。解毒のフェーズ1、活性化のところで使われています。

お酒を飲んだ次の日、ちょっとボーっとしているときにビタミンC点滴をやるとリセットされます。僕はよくやります(笑)

ビタミンE

ビタミンEも、濃度が一番高いのは副腎です。

亜鉛

亜鉛が一番多いのは、膵臓です。

亜鉛は細胞分裂のキーミネラルです。

膵臓は消化酵素を大量に作るので、細胞がたくさん分裂するのに亜鉛が使われます。

肌もそうです。ですから、アトピー性皮膚炎には絶対必要です。

腸粘膜の修復にも大事です。人間の体内で細胞分裂が一番早いのは腸粘膜です。

骨髄もそうですね。白血球が2週間毎に入れ替わります。

口腔粘膜もターンオーバーが早いです。修復に必要な、細胞分裂に関わる亜鉛やビタミンAが豊富です。

ですから、効かせたい場所に元から多く存在する栄養を多く摂ることを意識してください。どこの臓器にどんな栄養が多いのかはご自分で調べてみてくださいね。

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