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「自分のトリセツの作り方」ビタミンとミネラルの考え方

宮澤賢史 · 2020年1月17日 ·

前の記事:小胞体

今回は、ビタミン・ミネラルのお話です。

ビタミンとミネラルに関しては、これは、と思う知識を集めたものになっています。

もくじ

  • 栄養素を効かせるカギ
  • ドーズレスポンス
  • 個体差
  • 局在を考える
  • 栄養素の種類と性質
  • 食事
  • 効かない理由を考える
  • ビタミンCの場合
  • ビタミンC標準摂取量の根拠となる実験
  • ビタミンC排泄量の比較実験
  • ビタミンCの局在
  • ビタミンE
  • 亜鉛

栄養素を効かせるカギ

これまでお話ししてきたことを振り返り、栄養素を効かせるカギをまとめてみました。

ドーズレスポンス

ドーズレスポンスとは、栄養素は投与量によって効果が変わってくるということです。

栄養素は欠乏症をいやすだけのものではありません。

ビタミン類はそもそも、欠乏症を治すための薬として開発され、使われてきました。今でも偏った栄養の教科書には、欠乏症を治すためにごく微量あればじゅうぶん、と書かれているものもあります。

しかし、量を増やすことによって、様々な医学効果が期待できるというのが最近になってわかってきました。

ドーズレスポンスをうまく使うと、栄養で思わぬ効果が期待できます。

個体差

脳は他の臓器に比べて栄養への依存度が高いです。

患者さんが薬を欲しがる時、睡眠薬や安定剤のような、効果がすぐにわかるものを欲しがる方が多いです。

コレステロールの薬を飲んですぐに効果がわかる方はほとんどいません。

アルコール、カフェインなどを考えても、食べ物はものすごく脳に影響します。

脳へのアプローチでは、食事・栄養コントロールをすることはとても重要です。

メチレーションの例で出てきたように、ある栄養を摂ったら体に害があるものもあります。特に脳への影響は強いので、脳へのセレクションは「すごく」考えるべきです。SAMeやナイアシンなど、メチレーションに関して逆の働きをするものを間違えると、悪化します。

局在を考える

同位同食という中国の考え方では、肝臓が悪い場合は鶏レバーを食べればいい、と言われます。

同様に、副腎の機能が落ちている人は、牛や豚の副腎をすりつぶしたものをサプリメントとしてとるという考え方があります。

細胞レベルのでの場合も同じように、細胞膜が悪かったら、細胞膜の原料をたくさん摂ったらいいです。

副腎を治したかったら副腎に多く存在する栄養素を摂ればいいです。ビタミンCが体内で最も多いのは副腎、ついで脳です。何故多いかというと、需要が多いからです。何故需要が多いのかを考えると、ビタミンCがどんな働きをしているかということがわかってきます。

栄養素の種類と性質

これに関しては後ほどまたお伝えします。

You are what you digest.

栄養は消化吸収して初めて役に立つので、消化できない量のサプリメントや食事をとることはやめましょう。

消化できても代謝できない場合もあって、サプリメントの摂り過ぎで肝臓を壊している方も多いです。そういう場合はきちんと代謝できていません。薬と同様、サプリメントの代謝も体に負担が大きいです。

特に代謝酵素で代謝されるものを、サプリメントと薬で同時に摂ってしまうと、薬の血中濃度が上がってしまって薬の副作用が強く出てしまったりもします。気を付けるべきです。

食事

サプリメントは食事の代わりにはなりえません。

効かない理由を考える

栄養素の局在について考える必要があります。重要なのは、効かせたい場所に元から多く存在する栄養を多く摂ることです。

ビタミンCの場合

例えば、日本の厚生労働省が指示しているビタミンCの摂取量は、レモン5個分です。レモン1個分は20mgと規定されているので、ビタミンCの標準摂取量は100mg、壊血病を予防するためには大人の場合100mgだと言っているということです。

アメリカのNational Academy of Scienceは、最低のビタミンC摂取量を60mg(現在は75mg)だと言っています。

ビタミンC標準摂取量の根拠となる実験

ではなぜ、100mgや60mgなのかというと、囚人を使った実験がもとになっています。

まず、ビタミンC欠乏食を2週間食べさせて、ビタミンCを完全に欠乏させます。それからビタミンCを5mg、10mgと毎日増やしていって、どれくらい摂ったら尿中に出てくるかというのを調べたところ、60mgだったそうです。ということは、60mgで体内で飽和したんだろう、という根拠なんだそうです。

でももし人間がそんな単純なバケツのような構造をしているのであれば、ビタミンCを大量にとっても、60mg以上は尿中に排泄されてしまうので無駄になるはずです。

ビタミンC排泄量の比較実験

これは、実際にビタミンCを1000mg摂った場合と、2000mg摂った場合の尿中の排泄量の比較です。もし60mg以上が尿に排泄されるなら、1000mgだと940mg出るはずですね。2000㎎だと1940mg排泄されるはずです。しかし、実際には1.5倍しか出ませんでした。ですから、この説は間違っているだろうということです。

では、その差はどこに消えたのでしょうか?

ビタミンCの局在

これはモルモットです。モルモットは人間と同様に体内でビタミンCを作ることができない、数少ない動物のうちのひとつです。

人間は進化の過程で、ビタミンCを体内で作る能力を失いました。ビタミンCを果実などで豊富に摂れる環境があったからだと思われます。

進化の過程で、周囲から豊富に摂れる栄養は、自分で作る能力が退化していきます。必須脂肪酸、必須アミノ酸、摂らなければばならないビタミンが多すぎますね。人は、外から摂取しなければいけない栄養だらけです。

ビタミンCの実験には一般的にモルモットが使われます。外から入れたビタミンCがどこに行くのか見るのには、モルモットが最適だからです。

これは1950年頃のビタミンCの実験の写真です。

摂ったビタミンCは、体内に均等に分布しているわけではありません。需要が高い臓器に集まっているのがわかると思います。ビタミンCの需要がどこで多いかというと、目玉、副腎、脳です。

分子栄養学の生みの親のひとり、ライナス・ポーリング博士の実験は、ハエを使ったものでした。

1日で死んでしまうハエでしたが、死ぬときには白内障になっているそうです。でも、ビタミンCを摂らせた場合は、死んだときにも白内障になっていませんでした。

水晶体にはビタミンCがたくさん含まれていて、抗酸化の働きで白内障になるのを予防しています。

同様に、副腎、脳での蓄積が高い理由もあると考えることができますね。

ビタミンCが脳脊髄内に少ない人は、うつ病の発症率が高いんです。

副腎では、ビタミンCはコルチゾールの合成に関与しています。

血中のビタミンCを1とすると、脳には20倍、白血球中には80倍、副腎には150倍存在しています。

風邪にビタミンCが聞く理由は、白血球の遊走性を上げる働きがあるからです。免疫が上がります。

副腎疲労の人はビタミンCを摂ったほうが良い、というのはこれだけでもわかりますね。

副腎から出るコルチゾール合成の、おおもとの命令は脳の下垂体から出ています。この副腎皮質刺激ホルモンを出す下垂体のビタミンC濃度は、非常に高いです。

脳・副腎・肝臓には優先的に供給されている

同じくモルモットで、ビタミンCをたくさん撮ると、臓器別の濃度がどうなるかを調べた論文があります。

ビタミンCは副腎とか肝臓や脳に多いですが、投与量を増やしていくと、どんどん上がっていきます。

ビタミンCの投与量が減ると、どんどん減るかと思いきや、ぎりぎりまで脳と副腎、肝臓の濃度は保たれます。他を差し置いても優先的に供給されているということです。

ちなみに、濃度別で考えた時に一番濃度が高いのは副腎・脳下垂体ですが、総量として一番多いのは、肝臓です。

肝臓ではビタミンCは解毒に使われます。解毒のフェーズ1、活性化のところで使われています。

お酒を飲んだ次の日、ちょっとボーっとしているときにビタミンC点滴をやるとリセットされます。僕はよくやります(笑)

ビタミンE

ビタミンEも、濃度が一番高いのは副腎です。

亜鉛

亜鉛が一番多いのは、膵臓です。

亜鉛は細胞分裂のキーミネラルです。

膵臓は消化酵素を大量に作るので、細胞がたくさん分裂するのに亜鉛が使われます。

肌もそうです。ですから、アトピー性皮膚炎には絶対必要です。

腸粘膜の修復にも大事です。人間の体内で細胞分裂が一番早いのは腸粘膜です。

骨髄もそうですね。白血球が2週間毎に入れ替わります。

口腔粘膜もターンオーバーが早いです。修復に必要な、細胞分裂に関わる亜鉛やビタミンAが豊富です。

ですから、効かせたい場所に元から多く存在する栄養を多く摂ることを意識してください。どこの臓器にどんな栄養が多いのかはご自分で調べてみてくださいね。

次の記事: ビタミンのドーズレスポンス

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