ロードマップというのは、実践講座で紹介している分子栄養学の勉強の順番を示した道案内の役割をする地図です。膨大な分子栄養学の世界を一段ずつ確実に上がっていけるために作りました。もうすでに分子栄養学マスターの方は、自分の抜けている場所のチェックリストとして使ってください。
ステップ1:基本的な考え方を身につける
まずは体の仕組みを知ることから始めてください。これを理解しないことには体の不調に対処できないからです。
例えば、エネルギーが生まれる仕組みを知らずに慢性疲労に対処することはできないし、炎症を起こす仕組みと抑える仕組み、両方を知らずして慢性炎症を治すことは難しいでしょう。
ビタミンとミネラルは似ているようで全く異なる性質を持っています。それを知って実際にサプリメントを試すところから始めましょう。
モジュール1 分子栄養学の基本的な考え方
| どのような状況で、どのくらいの量のサプリを摂ったら良いか理解していますか? | 栄養素は摂る量により効果が異なる事を理解してください | 
| 必要な栄養の量が人によって異なることを知っていますか? | なぜある人にとっての栄養になるものが他の人にとって毒になるのか、その仕組みを知りましょう | 
| なぜ栄養が不足するのか、理解できていますか? | 根本原因の定義を知り、どのようなものが当てはまるかを考えてみましょう | 
| ある人にとってその栄養素が必要かどうか疾患の場所から推定できますか? | 栄養素の局在について理解してください | 
モジュール2 細胞について理解する
| 人がエネルギーを生み出す仕組みと必要な栄養素を理解していますか? | ミトコンドリアの構造とエネルギー産生の仕組みを知りましょう | 
| 情報のやり取り、炎症を起こしたり静めたりする機序を知っていますか? | 細胞膜とそれを構成する栄養素、その代謝を押さえてください | 
| 栄養、食事をはじめとした環境で作られるタンパク質が変わってくる仕組みをご存知ですか? | 体内でタンパク質が作られる仕組みとそれにメチル化が及ぼす影響をマスターしましょう | 
| 無駄なタンパク質を作らない方法、ミトコンドリアを若返らせる方法をマスターしていますか? | 小胞体とミトコンドリアの関係を学び、小胞体ストレスを軽減させる方法を習得してください | 
モジュール3 ビタミン、ミネラル、アミノ酸の使い方
| 水溶性ビタミンの性質を踏まえた効果的な摂り方を実践していますか? | ビタミンCを効果的な方法で摂ってみましょう | 
| 脂溶性ビタミンの使い方をマスターしていますか? | ビタミンAを摂ってドライスキンの改善を体験します | 
| ミネラルがどのような効果をもち、どのように人体に貢献するかご存知ですか? | マグネシウム・亜鉛の効果的な摂取方法について学び、実際に使ってみましょう | 
| アミノ酸をうまく使う方法をマスターしていますか? | グルタミンやBCAAの体内での働きを知り、実際に摂ってみましょう | 
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ステップ2:サプリと食事の基本をマスターする
次に目指すのはフードマスターです。
ビタミンやミネラルは三大栄養素の調整を行っていますが、食事の量や質が悪ければ、効果は期待できません。血糖値が乱高下しない食べ方や、脳のパフォーマンスを最大限にあげるための脂質の種類の選び方と調理方法、腸の炎症をとり疲れ知らずになる食事メニューなど、誰もが目指すべき食事内容について学んでください。症例検討会参加までにここまではマスターしておかれると話がスムーズになります。
モジュール4 三大栄養素の代謝をマスターする
| 食事を摂っていない時に血糖値が保たれる仕組みを理解していますか? | 解糖系・糖新生について理解しましょう | 
| 血糖値が乱高下しない糖質の種類や摂り方を知っていますか? | 補食の摂り方(タイミング、量、質)について学んでください | 
| 体内でタンパク質が作られる機序を理解していますか? | タンパク質の作られ方について復習しましょう | 
| 体内のタンパク質の種類が頭に入っていますか?(機能性タンパク質と構造タンパク質) | 特に機能性タンパク質の種類と働きについて一通り押さえてください。 | 
| 摂るべき油と避けるべき油の区別がつきますか? | 油の構造式から性質が読み取れるようになりましょう。 | 
| コレステロールが体内でどのような働きをしているか知っていますか? | コレステロールの生成、コレステロールを原料にして作られるものを押さえます。 | 
| 中性脂肪とリン脂質の違い、働きを理解していますか? | 中性脂肪がエネルギーに使われる機序、リン脂質の細胞膜における代謝を学んでください | 
モジュール5食事療法の基本をマスターする
| 引き算の栄養学を体験しましたか? | カゼイン・グルテン・カフェイン・アルコールフリー生活を2週間やってみましょう | 
| カンジタを減らす食事をマスターしていますか? | カンジダ除菌中に摂るべきものと控えるものを知りましょう | 
| グルテンとは何か?どのような影響を体に与えるかご存知ですか? | グルテンの性質、交差反応について学びましょう | 
| 食物アレルギーと過敏症、不耐症の違いを理解していますか? | それぞれの対処法についても理解してください | 
| 食事への依存はないですか? | 食事制限がうまくいかない場合は考えるべきです。 | 
ステップ3:個体差を見極め対処する Personalize
ある人にとっての薬は他の人にとって毒になり得ますが、サプリや食事にも同じことが言えます。ここでは自分にあったサプリや食事を検査データから見分ける方法を学びます。結果を元にして必要なサプリメントと食事を細かく選んでいきます。
まずは足りない栄養素の補給法、そして次に体が受けているダメージをデータから読み取り、その対策をしていきます。血液検査だけでもわかることはたくさんあります。
モジュール6 足りない栄養素を知って補充する
| 自分に足りない栄養を把握できていますか? | 栄養素別のアンケートにチェックをして、どんな栄養が足りないのかあたりをつけましょう | 
| 自分に足りない栄養を検査したことがありますか? | 既定の血液検査を受けましょう | 
| 検査結果で足りないビタミン・ミネラルをチェックしてください | VB3,B6,B12,Mg,Zn,Fe,K,Dなどのチェックを行いましょう | 
| 糖質代謝は問題なかったですか? | 低血糖のチェックにはALT,TGが特に有用です。 | 
| エネルギー状態はどうでしたか? | ミトコンドリアが動いていない場合、代償的に解糖系が亢進します。 | 
モジュール7体のダメージを知って対策する
| 体に起こっているダメージを把握していますか? | 活性酸素、炎症、インスリン抵抗性、タンパク異化の状態とその対応 | 
| 炎症マーカーは上昇していますか?対策としては | CRPだけでなく、フェリチンや血小板、ガンマグロブリンなどもチェックしてください | 
| インスリン抵抗性はありましたか? | たとえ痩せていてもインスリン抵抗性は存在します。もれなくチェックしてください。 | 
| タンパク異化はどうですか?その程度は? | データチェックと体感から読み取り対策しましょう | 
| 自律神経の緊張度はどうですか? | 自覚のない緊張にも注意しましょう。低血糖と合わせて理解してください。 | 
ステップ4:根本原因にアプローチ1 Rootcause
問診と検査結果から自分にどのような根本原因が潜んでいるかを知り、それをどのような順番で対処するか計画を立てて実行します。
ここで重要なのはアプローチの順番です。人がどのように病気になるかを理解することで、アプローチの方法が見えてきます。まずは副腎、神経、ミトコンドリアを同時にケアすることで気分、体調を上げましょう。
モジュール8 病気になる順番、直す順番を理解する
| 頭の中に自分の治療モデルが描かれていますか? | モデルの雛形に沿って自分のを作りましょう | 
| 多くの人が病気になる流れを掴んでいますか? | 全体像を学びましょう(生活習慣、腸内環境、ホルモンバランス、解毒) | 
| 多くの人に有効な治療の順番を知っていますか? | 自分の順番を組み上げましょう | 
モジュール9 副腎疲労の原因と対策
| 低血糖症状はないですか? | リブレと合わせて低血糖の有無を確認し、あれば補食から始めましょう | 
| 自分のストレスを把握していますか? | ストレス問診と唾液、血液検査結果、から自分のストレスタイプを決定し、対処法を考えます | 
| 睡眠は良好ですか? | 炎症と低血糖、ストレス状態を確認します | 
| 副腎ホルモンは低下していませんか? | コルチゾール検査で日内リズムと覚醒反応を確認し、それに応じたサプリケアを始めましょう | 
モジュール10 神経伝達物質とミトコンドリアケア
| 気分の落ち込み、不安などの神経症状がありますか? | 検査と症状からセロトニンレベルを推定し、対策しましょう。(程度により病院受診が必要) | 
| やる気の低下、もしくはイライラが強いなど症状がありますか? | 検査と症状からドーパミンレベルを推定し、対策しましょう | 
| 疲れやすさがありますか? | ミトコンドリアの状況を有機酸検査から把握し、それに応じた対策を取りましょう | 
ステップ5:根本原因にアプローチ2Rootcause
副腎やミトコンドリアケア、抗炎症アプローチを終え、やっと腸内環境をきちんと治療する準備が整いました。いよいよ最終的な根本原因にアプローチしていきます。
感染症や毒素などの重大な根本原因は腸や肝臓などに存在しています。ここでもプロトコールに沿って順番に進めていきます。
モジュール11 腸内環境の改善
| 自分の腸内環境を知る方法を知っていますか? | 腸内環境検査をオーダーし、結果を解析しましょう | 
| 腸内環境は良好でしたか? | 結果に応じてサプリと食事内容で対処しましょう | 
| 消化不良はありませんか? | 採血検査と自覚症状から確認の上、サプリケアをしましょう | 
| リーキーガット(腸漏れ)は起きていませんか? | リーキーガットの程度に応じてケアを行います | 
| 腸にカンジダや悪性菌が増殖していませんか? | 便検査や有機酸検査で確認し必要に応じて対処しましょう。 | 
モジュール12 解毒、ファスティング
| 検査で重金属が蓄積していましたか? | 毛髪検査で体内毒素の排泄力を推測します | 
| 問診で体内にカビが蓄積していそうですか? | 体内のカビ毒蓄積を確認して対処します | 
| 検査で毒素が溜まっていそうですか? | セルフデトックスをしましょう | 
| 一通りデトックスが終わりましたか? | デトックス体質に変換していきましょう | 
| ファスティングをしたことがありますか? | ファスティングにトライしてみましょう | 
