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臨床分子栄養医学研究会

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根本治療ピラミッドの使い方

宮澤賢史 · 2019年12月13日 ·

いろいろな原因を見ていくと、栄養が不足する原因は共通したいくつかのものに収束してくるということにお気づきだと思います。これらの、いくつかの根本原因にアプローチすると、なぜか他のことが芋づる式によくなってきます。

大事なのは、根本原因を考える癖をつけることです。根本原因を考える癖をつけると、症状からデータを推測できるようになってきます。慣れてくると本当にわかるようになってきます。

もくじ

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    • 6つの根本原因治療を積み重ねていく
    • 治療には順番がある
    • 症状と根本原因の関係
    • 検査と根本原因の関係
  • 実際の例
    • 1. アレルギー体質へのアプローチ
      • 1-1.ステロイドの問題は免疫抑制してしまうこと
      • 1-2. アレルギー性疾患の根本的な治療
      • 1.3 副腎ケアも忘れずに
      • 1.4 免疫寛容を起こさせる
    • 2. 疲労が主訴の場合
      • 2.1 ミトコンドリアが多い場所
      • 2.2 ミトコンドリアに必要な栄養
      • 2.3 副腎と甲状腺ホルモン

6つの根本原因治療を積み重ねていく

多くのオーソモレキュラー医が様々な意見を持っていますが、彼らが主張する根本原因で共通しているのは脳機能、エネルギー(ミトコンドリア)、ホルモン、肝臓(デトックス)、腸内環境、炎症の6つです。

これは私が普段の治療に用いている治療ピラミッドです。過去の経験から、治療内容と治療の順序を大きく5つにわけました。下から治療を積み上げていくのでピラミッドと勝手に命名しました。

なぜピラミッド状になっているかというと、下にあるものの方がより深い根本原因になりやすいからです。下から治療を組み上げていくと、私の経験上うまくいくことが多いです。エネルギーはミトコンドリアの改善法です。あとは、ホルモンバランスを鍛えましょう。解毒をしましょう、腸内環境を整えて身体の炎症を取りましょう。だいたいこんなところだと思います。

治療には順番がある

根本原因の治療としては、下から順番に積み上げていきます。宮澤医院の治療は実際にこのようにやっています。大事なのは、腸内環境を整えて炎症を抑えたらこの治療は終わり、というわけではなく、その治療を維持しながら上に積み上げていくことです。自分なりの治療のピラミッドを完成させていただきたいです。

症状と根本原因の関係

まずは腸内環境と炎症からチェックしましょう。問診で腹部膨満や下痢などにチェックがたくさんつく人は、腸内環境が悪いんだとわかりますね。想像がつくのではないかと思います。

次は環境毒素のチェックです。環境毒素が周囲に多く、解毒力が弱まっている場合は、デトックスが必要です。例えば水銀なら魚と歯。歯はアマルガムです。子供の場合は少量のワクチンも関係するかもしれません。鉛なら水道管、ヒ素なら海産物や飲料水です。

あと多いのは、カビ毒と有機溶剤です。カビ毒は築100年以上の家や、洪水などで一度浸水した家、クーラーの掃除を5年以上していない人は注意が必要です。なかなか治らなかった人が、家を掃除してカビを除去したら急に良くなったという話もあります。有機溶剤は排気ガス、ガソリン、クリーニング、農薬などです。

朝が起きられない人、疲れが取れない人、ストレスを前より感じやすくなった人は副腎に疲れがあります。

次はホルモンです。甲状腺は身体の代謝を司っていますから、甲状腺機能が低下すると、低体温とむくみ、そしてうつ症状がきます。体の痛みが出る人もいます。早朝の基礎体温が36.5度いっていない人は、何らかの代謝の低下があります。甲状腺機能をチェックしてみてください。

女性ならPMSや生理不順があると性ホルモンへの影響が出ている兆候と言えます。性欲の低下も分かりやすい指標です。あと、エネルギーは疲れやすさの指標ですから比較的わかりやすいでしょう。

検査と根本原因の関係

検査とピラミッドの関係はこのようになっています。問診と自己診断である程度あたりがついたら、そこが本当なのかどうか検査で確かめてみるといいですね。

例えば、腸内環境を調べるのには尿有機酸検査が良いと思います。僕が普段行っているのは、尿有機酸検査と、包括的便検査です。包括的便検査は本当に具合が悪い人はやったほうが良いですが、ちょっと専門的すぎるので、普通は尿有機酸検査で良いと思います。

尿有機酸検査は腸だけではなく、ミトコンドリアも、ビタミン・ミネラルの不足、三大栄養素の代謝、メチレーション、ドーパミン・セロトニン、すべてわかるので、尿有機酸検査はすごくお得な検査です。

重金属に関しては、ぜひ毛髪ミネラル検査を受けてください。毛髪ミネラル検査は髪の毛を300本とるだけなので、比較的簡単です。毛髪ミネラル検査でわかるのは、ミネラルのバランスと重金属の蓄積、排泄力です。腸内環境やストレス状態もわかるので、見方を覚えると非常にわかりやすい検査です。

この表に載っている毛髪ミネラル検査を見ると、ミネラルが左によっています。足りないということです。ミネラルが全般的に足りていないということは、腸内環境が悪くてミネラルの吸収が悪いということです。毛髪ミネラル検査を見るだけで、この方は腸が悪いな、とわかりますね。

脳やホルモンなどは、いろいろな検査があります。参考程度に見ておいてください。尿中ホルモン検査は副腎と性ホルモンが見られて良い検査で、一番正確な検査です。しかし、24時間尿を容器に貯めなければならないとか、女性の場合は生理から3日目にやらないといけないとか、いろいろな制約があってかなり大変です。副腎が元気になってきて、乳がんの予防等に興味がある場合にはすごく良い検査です。

副腎に関しては、唾液中のコルチゾール検査というものがあります。血中のコルチゾールはなかなか下がりませんが、唾液中のコルチゾールは敏感です。副腎疲労を測ることができるので、やれる方はやってもいいかもしれません。比較的手軽にできます。

甲状腺に関しては血液検査でTSH、T3、T4を測れば大体わかります。基準値と正常値は違います。日本の検査会社の基準値はすこし広すぎるので、基準値の範囲内なら安心だと思わないでください。TSHを測っている人は、0.5から2までの間に入っているか確認してください。2以上は明らかに甲状腺機能が低下していると思います。基準値は0.5から5くらいですが、5だと多すぎます。

特に脳機能を改善する指標として、メチレーション遺伝子検査というものがあります。脳に関しては遺伝子の影響が比較的強いので、脳機能を極めたい方は遺伝子の検査をしてもいいかもしれません。

実際の例

根本原因ピラミッドの使い方を実際の症例で見てみましょう。今回はアレルギー体質の改善をゴールとした場合のお話です。目的によって、ピラミッドのどこを重点的に抑えるべきかとが見えてきます。

根本原因ピラミッドの使い方を実際の症例で見てみましょう。今回はアレルギー体質の改善をゴールとした場合のお話です。目的によって、ピラミッドのどこを重点的に抑えるべきかとが見えてきます。

1. アレルギー体質へのアプローチ

1-1.ステロイドの問題は免疫抑制してしまうこと

これはステロイド発売後のアトピーの有病率を調べると意外なことがわかります。1970年代には5歳以下に多く、年齢が上がるとともに減りました。20歳を越えると、ほとんどいませんでした。しかし、1990年代になるとより高い年齢で有病率が上がるようになりました。

ステロイド外用剤が発売されてから、ステロイドが世の中に浸透すればするほど、高年齢のアトピー性皮膚炎の有病率が高くなっているということがわかります。なぜなら、ステロイドはアトピーの根本的な治療薬ではないからです。ステロイドは免疫抑制剤です。アトピー性皮膚炎は炎症なので、炎症は抑えなくてはいけないのですが、ステロイドの問題点は免疫まで抑えてしまうことです。

1-2. アレルギー性疾患の根本的な治療

アレルギー性疾患の根本的な治療は何でしょうか。

答えは免疫の正常化です。そして、免疫を正常化させるためには、免疫を抑制してはいけないのです。アトピー性皮膚炎に限らず、自己免疫疾患・アレルギー疾患・アレルギー体質をより改善させようと思ったら、根本原因として、免疫を正常化させようと考えてください。

免疫は何もなくて、ただ発動するということはありません。何らかの発動原因があります。例えば炎症です。風邪やリウマチのようなわかりやすい炎症だけではなく、身体の中には潜在的な見えない炎症がたくさんあります。炎症は万病の元、と言われるようになってきました。炎症があるから免疫が亢進してしまうんです。身体の炎症を抑えましょう。

これがアレルギー体質の改善に対する根本的なアプローチです。特に免疫疾患に対するアプローチとして有効なのが、上咽頭と腸です。体の末梢神経の大部分が集中しているからです。

特に腸は、末梢神経の70~80%が集中しています。腸は免疫の塊です。食べ物が敵なのか味方なのかを判別しなければならないので、免疫が異常に発達しています。パイエル板が敵と味方を判別しています。

同様の仕組みが上咽頭にもあります。口を開いて見えるのは中咽頭までです。上咽頭は鼻のちょうど奥の方です。上咽頭はアデノイドといって、鼻からくる空気と口からくる空気の交差点になっていて、免疫が完全にむき出しになっているところがあります。上咽頭と腸の炎症は臨床上症状が出にくく、わかりにくいことも問題です。

腸の炎症は、40歳以上だと、半数以上は自覚できません。若い人は過敏性腸炎のような症状が出ることもあります。上咽頭炎も、自分では気が付かない炎症のひとつです。

  • いつも口を開けている
  • 慢性の鼻炎がある
  • 食べるときに音を立てる
  • 口を閉じると梅干しのようなしわができる
  • 鼻咽頭から喉にたんが流れる
  • 口呼吸である
  • 朝起きると喉がひりひりする

特に最後の3つの症状がある場合、99%以上の確率で上咽頭炎があります。耳鼻科で検査を受ける必要があるでしょう。

上咽頭や腸は免疫が集中しているところですから、ここに炎症があると、炎症性物質・反応性の免疫物質が全身をまわります。この仕組みをリンパ球のホーミングと言います。ひとつの炎症が全身に飛び火して、全身が炎症体質・自己免疫体質になってしまうんです。だから、免疫を正常化するためにはまず、炎症を止めることが重要です。

濃くなっているところは、特に重点的にアプローチしなければならないところです。

アレルギーを治したいなら、腸を念入りにやってください。炎症を念入りに止めてください。

1.3 副腎ケアも忘れずに

もうひとつアプローチしないといけないのは、副腎です。副腎はコルチゾールという炎症を止める物質を出しています。薬で言うとプレドニン(ステロイド)があります。

ステロイドを体に投与すると副作用が心配だという人もいると思います。しかし、ステロイドは体内でも作っているんです。体内で作る量だと適切な量だけ出ているので、副作用がありません。コルチゾールは身体に必要な物質なんですが、副腎疲労だと分泌できません。だから、炎症が抑えきれないんです。

アトピーでも慢性の喘息でも、副腎疲労を起こしていますから、炎症を抑えきれていません。だから、副腎アプローチが重要です。

1.4 免疫寛容を起こさせる

もう一つの手段は、免疫寛容を起こさせるということです。免疫寛容とは、わざとアレルギーの物質を与えてあげて、自分の免疫が発動するのを毎日繰り返すうちに、自分の体のほうがその物質に慣れて反応しなくなってくる、という現象です。

免疫寛容を起こさせるためには、一過性に免疫を上げなければなりません。一般的な抗アレルギー薬や、免疫抑制剤であるステロイドを使っていると、免疫が上がらないので、免疫寛容が永久に起こりません。

どうしても治らない場合は、免疫に対する体の準備をちゃんと作っておいてから、一過性に免疫を上げて、免疫寛容を起こさせるという手を使います。宮澤医院では、リウマチの人にこの方法を使っています。

2. 疲労が主訴の場合

疲労改善の場合はどこにアプローチすればいいかというと、ミトコンドリアです。ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーを作っているところです。ミトコンドリアの流動的に形は変わるようです。このたくさんあるひだになっているところでエネルギーを作っています。疲れやすいということはすなわち、細胞のミトコンドリアの働きが悪いということです。

2.1 ミトコンドリアが多い場所

臓器別に言うと、ミトコンドリアは脳と筋肉に多いのです。ミトコンドリア病といって、遺伝的にミトコンドリアの働きが落ちてしまいう病気があります。昔はミトコンドリア脳筋症と言いました。脳のうつのような症状と、筋力低下の両方が起きます。

ミトコンドリアは心臓と肝臓にも多いです。シトクロムという赤茶色の鉄の酵素があるので、赤く見えます。焼鳥のレバーやハツを見ると赤いですよね。ミトコンドリアが多いからです。

ミトコンドリアが最も多いのは卵子です。肝細胞には5000個ですが、卵細胞には10万個もあります。不妊の一番の原因は、ミトコンドリア機能の低下症と、自律神経の過緊張です。自律神経の過緊張があると、ホルモンバランスに不具合が生じるからです。

人工授精をしてもうまく行かないのは、卵の元気がないからです。卵がそのものが元気でないと、着床して産まれるだけの力を持っていないと、どれだけくっつけてもだめです。関西の方ではミトコンドリア移植手術をやっているクリニックもありますね。

疲労体質改善の根本はミトコンドリアです。しかし、疲労回復はミトコンドリアサプリだけ飲んでも良くなりません。

なぜならミトコンドリアは、いろいろな影響を受けているからです。全部やっていった方が良いです。

2.2 ミトコンドリアに必要な栄養

ミトコンドリアは栄養で動いています。ビタミンB群、COQ10、鉄、などなど。大事なのはミネラルです。亜鉛、マグネシウム、鉄が重要です。ミネラルは、サプリメントなどで摂ればすぐ効くというものではありません。ミネラルの代謝が追いついていなくてミトコンドリアが動いていない人は多いです。ミネラルは生体利用性とバランスを考えなければなりません。

ビタミンは摂れば摂っただけ結果が出ます。しかし、ミネラルは吸収が悪いので、そのまま下って下痢になったりします。腸が悪いとミネラルは効きません。ミネラルが足りないと思ったら、最初にやることは、ミネラルの補給ではなくて、腸内環境改善です。食物繊維をちゃんと摂って、腸内で発酵させるようにします。すると、短鎖脂肪酸ができます。この短鎖脂肪酸がミネラルをキレート、捕まえて腸の中に引き込んでくれるんです。

ミネラルは、バランスを考える必要があります。ミネラルは拮抗します。例えば、亜鉛と水銀は体内で反発します。だから、水銀が体に溜まっている人は亜鉛の働きが悪いということです。すると、マグネシウムの働きも悪くなります。特に水銀は、いろいろな金属と合金を作りやすいです。いろんなミネラルとくっついて、その働きを止めてしまうのです。ですから、デトックスしてあげたら急にミネラルの働きが良くなって、色々うまく回り始めるということはよくあります。

2.3 副腎と甲状腺ホルモン

そして、ホルモンもすごく大事です。ミトコンドリアに鞭を打っているのは、副腎、特に甲状腺ホルモンです。甲状腺機能が低下していたら、いくらミトコンドリア対策をしていてもうまくいきません。そして、甲状腺機能に影響が出ている人は、重金属などの有害物質に暴露していたりします。

何度も言うように、下から順番にやっていく必要があります。ホルモンにもヒエラルキーがあります。順番が決まっているので、副腎から甲状腺、性ホルモンの順にやるのが一番いいと思います。対症療法的にやってもいいんですが、根本的に変えるには下から積み上げなければなりません。副腎症状が出ている場合は、対症療法として副腎サプリを摂っても良いんです。しかし根本的には下からやっていかないと、ずっと副腎サプリがやめられない、ということになります。

問診票と検査からピラミッドを組み立てて、甲状腺と毒物蓄積の問診や検査に該当しなければ、そこは抜いていけば良いんです。下層のケアを行いながら、上のケアを積み上げていきます。

だいたい見えてきたでしょうか。デトックスのやり方や、腸内環境の整え方は、ネット上にたくさんあります。いい動画もたくさんありますので、参考にしてみてください。

個人差と根本原因

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