こんにちは、宮澤です。
Kara Fitzgerald, NDによれば、今回紹介する「How Medicine Got Menopause Wrong | Dr. Kelly Casperson」では、更年期を「生理が止まるイベント」ではなく「卵巣ホルモンの欠乏=生理的な低ゴナド状態」として捉え直すべきだ、という大きなパラダイムシフトが語られています。WHI(Women’s Health Initiative)以来の誤解でエストロゲンが必要以上に悪者にされてきた歴史、膣エストロゲンのブラックボックス警告がいかに根拠乏しいもので、外すまでにどれだけの年月とデータと声が必要だったか。さらに「証拠に基づく医療」とはRCTだけではなく、エビデンス+臨床経験+患者の価値観の三つ巴だという原点、テストステロンが「男性専用ホルモン」どころか女性の脳・気分・ミトコンドリア機能にも深く関わること、そしてホルモン療法は単独の魔法ではなく、運動・睡眠・アルコール制限などのライフスタイル基盤があってこそ最大限に機能する…といったポイントが、具体的な研究と現場感覚を交えながら語られています。
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僕、この前たまたま深夜に昔の邦画を見てたんですね。
50代の女性が、更年期のしんどさを「女の宿命だからさ」と笑い飛ばしながら、こっそりワインをあおるシーンがあって。
演出としては切なくて良いんだけど、栄養やホルモンの視点で見ると「うわ…それ逆方向に振り切ってるやつ…」って頭を抱えたくなりました。
日常の外来でも同じ構図をしょっちゅう見ます。
– ホットフラッシュ
– 夜中の覚醒
– 体重増加
– 脳の霧(思考のキレが鈍る感じ)
– 性欲低下と膣の違和感
– 謎のイライラ
こういう症状を抱えた方が
「年齢だから仕方ない」
「薬には頼りたくないから、とりあえずサプリで」
って自己完結してるケースが本当に多い。
頭の中のイメージはだいたいこんな感じです。
> 更年期=老化の始まり
> → もう“下り坂”なんだから、我慢するか、なんとなくサプリ飲んで様子見るしかない
> → 本気で立て直す対象だとは思っていない
でも、さっきのカラ・フィッツジェラルドとケリー・キャスパーソンの議論を前提にすると、見方がガラッと変わります。
> 更年期=卵巣ホルモンが足りなくなった、ある意味「臓器機能低下」
> → 甲状腺機能低下症とか糖尿病を放置しないのと同じで、ちゃんと評価して介入する対象
> → 「もう終わり」じゃなくて、「ここから先の健康寿命を設計し直すタイミング」
ってことなんです。
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私から見ると、更年期の栄養療法って「ホルモン補充 vs. サプリ」みたいな二元論になりがちなんですが、本質はそこじゃないんですよね。
臨床経験から言うと、うまくいっている人ほど「ホルモン+栄養+生活習慣」をセットで組んでいます。どれか一つを神格化していない。
例えば、僕がよく頭の中で描いている設計図はこんな感じです。
1. ベース:土台づくり
– 食事:
– タンパク質 体重×1.0〜1.2g/日(できれば体重1kgあたり)
– 彩りのある野菜と果物 → 抗酸化+ポリフェノールで炎症と酸化ストレスを抑える
– 良質な脂質(オメガ3、オリーブオイル、ナッツ)
– 生活:
– 週2〜3回のレジスタンストレーニング(筋肉=代謝とホルモン感受性のインフラ)
– アルコールは「例外」にするくらいまで減らす
– 7時間前後の睡眠確保
2. 微調整:栄養療法(サプリ)
– ビタミンD(骨・免疫・筋肉)
– マグネシウム(睡眠・血管・神経)
– オメガ3脂肪酸(炎症・血管・脳)
– B群・葉酸・コリン(メチル化・脳・エネルギー産生)
→ ここは本当は検査しながら組み立てたいところ
3. 中核:ホルモン戦略(必要に応じて)
– エストロゲン:
– 経皮パッチ or ジェルが第一候補(血栓リスクを最小にしつつ、脳・骨・血管・膣を守る)
– 適切なタイミングで始めると、骨量低下や脳のエネルギー低下をかなり抑えられる
– プロゲステロン:
– 子宮がある人は子宮内膜保護として必須
– 経口ミクロ化プロゲステロンは睡眠改善にも役立つことが多い
– テストステロン:
– 「性欲の薬」というより、気分・エネルギー・集中力・筋肉・ミトコンドリアの燃料
– 血中濃度より「本人の体感+副作用の有無」で調整していくのが現実的
→ 栄養療法だけでこの「ホルモンの穴」を全部埋めようとすると、正直かなり苦しいです。
一方、ホルモンだけ入れておいて食事と運動がグダグダだと、せっかくのホルモンが持つ「健康寿命を伸ばす力」を取りこぼしてしまう。
だから、僕の結論はすごくシンプルで、
> 更年期を「我慢の季節」にするのか、
> 「これから30〜40年の健康寿命をデザインし直すプロジェクト」にするのかは、
> ・ホルモン
> ・栄養
> ・生活習慣
> この3つをどれだけ“本気で組み合わせるか”で決まる
ってことなんです。
「自然だから放っておく」よりも
「自然に起こる変化を理解して、医学と栄養の力でうまく付き合う」方が、よっぽど“自然体”じゃない?
と僕は思っています。
だから、栄養療法を学ぶ時も、
・ホルモンの生理学
・更年期のエビデンス(エストロゲン・プロゲステロン・テストステロン)
・運動と睡眠のデータ
を一緒に押さえておくべきなんです。
サプリの名前だけ覚えても、更年期の本当のポテンシャルは引き出せないから。
また書きますね!
参考にした記事:
How Medicine Got Menopause Wrong | Dr. Kelly Casperson

