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臨床分子栄養医学研究会

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宮澤賢史

治療方針を決める

宮澤賢史 · 2019年11月1日 ·

私が行っている診療についてご説明します。

宮澤医院を受診される方の多くは「慢性疲労」など疲労性疾患、
「アトピー」「リウマチ」「掌蹠膿疱症」「脱毛」など免疫疾患、
「うつ」「ADHD」「発達障害」など精神疾患の方です。

これに当てはまらない、高血圧や糖尿病といった疾患にももちろん栄養療法は有効です。ただし、上に挙げた疾患は現在薬で完治が難しく、薬の副作用がでやすいなどの問題が多く、栄養が特に効果を発揮しやすい分野です。

サプリメントを摂る事は目的ではない

栄養療法クリニックを受診したり、いろいろな治療を試しているのにも関わらず上手くいっていない人や、思うような結果が得られていない人が増えています。

よく見るのは、サプリメントを摂る事が目的?と思えるくらい大量のサプリを摂っている人です。しかも、現在進行中でどんどん増えていっています。

サプリを摂る事が楽しみだったり、生き甲斐だったりする人もいるかもしれませんが、通常、健康状態が戻るにつれ必要なサプリは減っていくはずです。

栄養療法をうまくいかせる治療方針は「最終的にサプリが要らなくなる体作り」です。

血液データをよくする事は目的ではない

確かに栄養状態には個人差があるため、血液検査を行って足りない栄養を知ることは重要です。しかし、それはあくまでも手段です。

それなのに、いつの間にか血液データをよくする事が治療方針になっている人がとても多いです。

自覚症状と血液データで見る栄養状態は多くの場合一致しません。

データを見たら、「鉄と亜鉛とビタミンDが足りない」だけでなく、「なぜ鉄や亜鉛やビタミンDが足りないんだろう?」と考えてください。

多くの場合は栄養素の摂取不足が原因ではないのです。

なにも考えずに足していくとサプリは際限なく増えていきます。

足りない栄養の原因を考えよう

「アカパンカビ」というカビを知っていますか?
様々な生物実験で頻繁に使われるカビの一種です。

このカビは自分が生きるために必要な栄養素をすべて自分でまかなえるため 「完全栄養生物」 と呼ばれます。

このカビは進化のたびに、自ら栄養を作り出す機能を捨てていきました。

じつは、栄養を自分で作るのは体にとって大きな負担です。周りの環境に豊富に果物があれば、ビタミンCを作らなくても済むかもしれません。

トヨタが車の部品を一から作るのをやめてから大会社になったように、生物の進化とは、自ら栄養を作るシステムの断捨離と言えます。

結局、カビから数億年を経て進化したヒトは多くの栄養素を作れなくなりました。 このように栄養がないと生きられない動物を「従属栄養生物」といいます。

ヒトの栄養素には必須脂肪酸、必須ミネラル、必須アミノ酸、ビタミンなど、栄養には「必須」と名のつくものが多いです。

これらは全て体内では作れず、食物として外部から取り入れる必要があります。

つまり、ヒトは究極の「従属栄養生物」なのです。

人間という生き物は、生まれながらに食事、環境の変化、ストレス、感染症などで大きく栄養バランスを崩しやすい宿命を持っています。

つまり、何が言いたいかというと「人は従属栄養生物だから、足りない栄養素に着目すると病気の根本原因がわかる」ということです。

根本原因を見ずに足りない栄養をサプリを補うだけでは、治療効果が頭打ちになったり、サプリを減らしたら症状が逆戻りしたりします。

しかし、根本を治療していけば、サプリで過剰な栄養を摂らなくても体内の代謝が回るようになってきます。

栄養療法のゴールは「サプリが要らない体になる事」「何でも食べられる体になる事」です。

これを忘れないでください。

治療方針は病態から決める

じゃあ実際にはどのように方針を立てるのか?
私の方法を説明していきます。

おおまかな治療方針を決めるには自分の病態を知る必要があります。まずは、自分の病態が次の栄養療法が効果的な3つの分野のどれにあたるのかを確認しましょう。


  • 「疲労系」その名の通り、疲労を主訴とする疾患(不妊症もここ)
  • 「免疫系」 リウマチやアトピーなど、通常ステロイドが用いられる疾患
  • 「精神神経系」統合失調症、うつなど神経伝達物質が問題になる疾患

栄養療法を行うときの考え方の枠組み

宮澤医院を受診する患者さんの殆どは上の3つの分野のどれかに当てはまります。

大事な事は、病態がわかればセットで治療方針も決まるという事です。

疲労系はミトコンドリア機能障害

慢性疲労の症状は体のエネルギー不足で現れます。では体のエネルギーはどこから作られるのでしょうか?

人は37兆個の細胞から成り立っています。その細胞一つ一つの中には、 ミトコンドリアが 数百個〜数千個も含まれていますが、これがエネルギーを作る工場です。このミトコンドリアの働きが低下していたり、ミトコンドリアが働くための栄養が不足していると「疲れやすい」という症状が出てくるのです。

そこで、疲労を主訴とする疾患のことを「疲労系」疾患と呼ぶことにします。「免疫系」「精神神経系」の疾患は通常診断がつきやすいのに対して、「疲労系」疾患は原因不明とされている事が多いです。また、効果的な薬がほとんどない事も疲労系疾患の特徴です。疲労系疾患の治療方針はミトコンドリア機能の改善です。

「疲労系」の疾患を疑ったら、ミトコンドリア機能を評価すると同時に、疲労を起こしうる疾患の鑑別をしていきます。

慢性疲労症候群では重症なほど、ミトコンドリアの性能が落ちていることがわかっていますが、他にも 若い人に多い起立性調節障害、鉄欠乏性貧血など、疲労を症状とする疾患はみんな「疲労系」疾患と考えてよいでしょう。

また、甲状腺と副腎はミトコンドリアに大きな影響を与えています。だから、甲状腺機能低下症や副腎疲労症候群も「疲労系」疾患と考えます。


  • 副腎疲労症候群は、臓器レベルでは副腎の問題ですが、全身症状は「疲れやすい」、細胞の状態は「ミトコンドリア機能低下」です。
  • 甲状腺機能低下症は、臓器レベルでは甲状腺の問題ですが、全身症状は「疲れやすい」、細胞の状態は「ミトコンドリア機能低下」です。
  • 鉄欠乏性貧血は、臓器レベルでは、赤血球の問題ですが、 全身症状は「疲れやすい」、細胞の状態は「ミトコンドリア機能低下」です。

つまり、慢性疲労、副腎疲労、起立性調節障害、甲状腺機能低下、貧血は、臓器レベルで考えると一見別々の疾患ですが、全身症状は「疲労」で共通しており、細胞レベルでみると「ミトコンドリア機能の低下症」とひとくくりにできます。

病態が「疲労」である疾患は「ミトコンドリア機能改善」が共通の治療方針になります。

ミトコンドリア機能の低下と慢性疲労症候群の重症度が比例する

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2680051/

もちろん、副腎疲労では副腎ケア、甲状腺機能低下症では甲状腺ケア、慢性疲労症候群では感染症のケアが必要ですが、細胞単位で考えた場合にはこれらの疾患にはミトコンドリア機能改善という共通項があるということになります。

線維筋痛症も疲労症状が出ますが、体の痛みを伴うため免疫系疾患としての側面も持っています。このように、2つの病態にまたがっている場合もあります。

上記の表に入れていませんが、不妊症は疲労系疾患です。なぜなら、卵子は体内でミトコンドリアを一番多く含む細胞だからです。つまり、妊娠にはエネルギーが必要です。

不妊症をチャートで見るとこのようになります。

不妊症対策で重要なのはミトコンドリア機能とホルモンバランス、そして自律神経の過緊張をとる事なのです。

「疲労系疾患」

  • 慢性疲労症候群
  • 起立性調節障害
  • 鉄欠乏性貧血
  • 甲状腺機能低下症
  • 副腎疲労
  • 線維筋痛症
  • 不妊症
  • その他、疲労を伴う疾患

癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎など、いくつかの疾患と症状がミトコンドリアの機能不全と関連する事がわかっています。必ずしも疲労症状がなくとも、ミトコンドリアを治療する事はいつでも重要です。

免疫系疾患は免疫を正常化させる

関節リウマチやアトピー性皮膚炎などはステロイドや免疫抑制剤を数年~数十年にわたり継続して使用する事が多く、完治が難しい病気です。このような免疫異常による病気を「免疫系」疾患と呼びます。免疫系疾患の治療方針は免疫の正常化です。

関節リウマチは、臓器レベルでは関節の問題ですが、根本病態は「免疫異常」です。アトピー性皮膚炎は、臓器レベルでは皮膚の問題ですが、根本病態は「免疫異常」です。自己免疫疾患の根本病態は「免疫異常」です。

免疫系疾患の特徴は、治療にステロイドや免疫抑制剤が用いられる事です。ステロイドは強い抗炎症効果、および免疫抑制効果を持っています。

免疫疾患は免疫の正常化が根本治療です。そのためには、免疫を抑制せず、むしろ向上させることで一時的に体内で戦いが起き、その結果免疫が学習し、最終的に免疫寛容をおこさせる必要があります。

関節リウマチに対して、軟骨成分である非変性Ⅱ型コラーゲンサプリメントを投与する治療はその典型例です。

免疫寛容と免疫抑制は全く異なるものです。ステロイドを使用して免疫を抑制している間は免疫寛容は起きません。

免疫系疾患を起こす人は長年炎症が続いていることが多く、副腎が疲労しています。だから体内で十分なステロイドを作れないため、アトピーなどでは特によくみられるのですが、つまり炎症が長引くのです。

そういうこともあり、免疫系疾患の治療方針は免疫の正常化と副腎機能の回復になります。

免疫系疾患

  • アトピー性皮膚炎(免疫低下で炎症がいつまでもおさまらない)
  • 関節リウマチ(関節に対する自己免疫)
  • その他の膠原病
  • セリアック病(腸の粘膜に対する自己免疫)
  • グルテン運動失調症(小脳に対する自己免疫)
  • 掌蹠膿疱症
  • 女性の脱毛(毛根に対する自己免疫)

注意:リウマチやアトピーなど、免疫疾患には炎症性疾患という側面も存在します。医学的に炎症を抑制しなければならない状態というのは常に存在します。(例えばリウマチの炎症を止めなけば関節の破壊は進行します。)実際の治療は臨床的な判断が優先されます。

精神系疾患は神経伝達物質調整

うつ病やパニック障害など脳に関わる病気は非常に食事や栄養の影響を受けやすいため、栄養療法の良い適応になります。また、アルツハイマー病は、効果的な治療薬がない典型的疾患であり、やはり栄養療法の有効性が多く報告されています。これらの病気を「精神系」疾患と呼びます。

「精神系」の疾患は栄養療法での改善報告が一番多い分野です。精神系疾患の治療方針は神経伝達物質のバランスをとることです。

脳は、神経細胞間の神経伝達物質によって情報を伝えています。

うつ病の原因仮説はいろいろありますが、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質が少なくなってしまうモノアミン仮説が有力なものの一つです。

今使われている多くの抗うつ薬は、この神経伝達物質の不足を補う仕組みです。
例えば、うつ病ではセロトニンが不足しているのが一因なので、セロトニン再取り込み阻害薬というものを使います。

ちなみに栄養療法では、薬の代わりに、セロトニンそのものを増やそうと考えます。脳の中でセロトニンを増やすために、材料と補因子をすべて補うのです。

例えば、「セロトニン」は「トリプトファン」から「5HTP」を経由して脳内で合成されますが、「トリプトファン」から「5HTP」の変換には、補酵素として「鉄」、「ナイアシン」、「葉酸」そして「5HTP」から「セロトニン」の変換には「ビタミンB6」が必要です。

セロトニン不足が疑われる患者さんに対しては、主原料になるたんぱく質に加えてこれらの栄養をサプリメントで摂るというのが、モノアミン仮説に基づいた栄養療法の基本です。

基本の方針が1つだけではなく、2つや3つにまたがる事もあります。

もちろん、実際の病態はもっともっと複雑なのかもしれません。でも病態が複雑になっているほど、単純化して治療の骨子を決める必要があるんです。

いろいろな事をいっぺんにやろうとして失敗したり、自分が今どこにいるかわからなくなったりする方がとても多いです。単純化して一つずつみていくことです。

方針の目途がついたら、次のステップ2に行きましょう。

STEP2:必要な治療と順番を決める

ドーズ・レスポンスの本当の意味

宮澤賢史 · 2019年4月25日 ·

分子栄養学を学んだことのある方なら、だれでも「ドーズ・レスポンス」という言葉を聞いたことがあると思います。

これは直訳すれば「栄養の投与量と反応の関係」です。

分子栄養学において、その反応は正比例の一直線のグラフにはならず、S時のカーブを描がきます(ドーズ・レスポンスカーブと言われています)。

15年前、分子栄養学を習い始めの事に、

「枯れかけている鼻に、スポイトで水をかけてもなかなか生き返らないので、じょうろでたっぷり水をあげましょう。」

「荷車を押すとき、動きはじめにはたくさんの力が要る」

などと説明を受けたことがあります。

個体差とドーズレスポンス

ビタミンは欠乏症を補う最低限の量と、補酵素として働く量があります。
一般に、補酵素としての必要量は欠乏症を補う量の数倍~数十倍になります。

分子栄養学では、補酵素として栄養を使うために、「メガドーズ」と言われるような量を使用することが特徴です。
特に水溶性ビタミンは、個体差によって、また使用目的によって、通常の数百倍の量が必要になることがあります。

特に顕著なのはビタミンCです。

ビタミンCは時に、点滴でしか達成しえない量を投与することがメリットになります。

脳は栄養の影響を受けやすい

ところで、この「個体差とドーズレスポンス」の特徴が一番顕著な臓器をご存知ですか?
答えは

「脳」

です。
脳の特徴について、認知症治療のエキスパート長尾和宏先生が医事新報に記事を書いていらっしゃいますので、一部引用します。

脳はネットワーク臓器なので、細分化手法だけでは当然限界がある。従って、臓器別縦割りに拘らない総合診療的な思考が必須。

私は脳の病気こそが個別化医療の対象だと思う。

がん治療や高血圧治療における使用薬剤の個体差は、せいぜい2~3倍で多くも数倍程度であろう。
一方、がん性疼痛に使用されるオピオイドの至適容量の個体差は、10倍、いや数百倍にも及ぶ。

たとえば繊維筋痛症という病気の疼痛閾値の個体差も百倍単位に及ぶはずだ。

脳というネットワーク臓器の薬剤感受性には想像以上の個体差があるはずだ。

しかもその差は、同一個体であっても病気や日にちや日内でも大きく変動することは容易に想像できる。

しかしそうした個別性を無視した認知症医療には疑問を感じる。

脳の治療こそ、「個体差とドーズレスポンス」が大切なのです。
これは、認知症に限らず、うつや統合失調症など全ての脳疾患に言えます。
さらに、薬を用いた治療でも、栄養療法でも同じことです。

脳だけは特別に扱った方がいい

ところで、すでにお気づきかもしれませんが、脳に対するドーズレスポンスは、最初に述べたドーズレスポンスと違う点が2つあります。
ひとつは、「脳への治療の場合、ドーズレスポンスカーブの閾値のラインが、かなり手前にくる事」もう一つは、「適正量を超えると比較的早期に副作用が出る事」です。

抗うつ薬の副作用の問題がこれだけ騒がれていますので、副作用についてはご理解いただけると思いますが、

「ドーズレスポンスカーブの閾値が、手前にくる」とはどういう意味でしょうか?

実は、先ほど引用させて頂いた長尾和宏先生のお話しは、

「コウノ・メソッド」という認知症の周辺症状を抑える薬物治療法を評価する記事にて書かれたものです。

このメソッドは、開発者の河野先生自らの経験をもとに、新しい診断基準を提唱し、認知症を細かく分類していること、そして、周辺症状を抑えるために、認知症治療薬をガイドラインよりも少量使用することなどが特徴です。

例えば、アリセプトなどは、量を多くしても中核症状をほとんど改善しないのに、周辺症状が悪化するそうです。
ですから、最低限の量をだして、反応を見ながら徐々に増やしていくという考えです。

まさに、個体差とドーズレスポンスを踏まえた方法論であり、その点は非常に素晴らしいと思います。
マニュアルが公開されていますので、ご参考にして下さい。

コウノメソッド2014
名古屋フォレストクリニック
http://www.forest-cl.jp/method_2014/kono_metod_2014.pdf


つまり、脳に対する薬は、「効きすぎに注意しながら、おっかなびっくり増やしていった方がいい」のです。

実際の例

例えば、自閉症の例をみてみましょう。

アメリカ自閉症研究協会が行った患者の両親による治療評価アンケートによると、

自閉症に効果が見られたと両親が評価したサプリメント第1位はSAMe(66%が効果が見られたと評価)ですが、
悪化した(と両親が評価した)サプリメント第1位もSAMe(15%)でした。SAMeは神経伝達物質の代謝を促し、解毒を促進する強力なメチル供与体です。

自閉症児の多くはメチル基が不足していますので、投与により劇的な効果が見られる場合もあります。しかし、外来でSAMeを処方されたお子さんが翌日に、家の車をボコボコにしてしまったという話もあります。SAMeにより興奮性神経伝達物質が増えすぎたために起きた現象です。

これは、「認知症にアリセプトを多く出したら、徘徊がひどくなった」というのと全く一緒の話です。
他にビタミンB12(63%)や、葉酸(42%)も同様に効果が見られる栄養素ですが、これらは全てメチレーション回路を回し、メチル基を作り出します。
ですからこれらの栄養素は、1種類ずつ足しながら、少しずつ増量しなくてはなりません。

デパケンや、テオフィリン等の薬を投与するときは、血中濃度を測定することがあります。
これらの薬は、有効量と中毒量が接近しているため、血中濃度をモニタリングしながらでないと危険なのです。
同様に、脳に対するサプリメントは、効果をモニタリングしながら使うのが安全です。自閉症などの精神疾患に対するメチレーション治療こそ、検査結果をもとに治療サプリや量を決めるべきだと思います。

例えば、HDRI社のメチレーション検査は、葉酸、SAMe、グルタチオン等を測定することにより、体内の回路がどこで滞っていて、それを解消するためにはどの栄養素を使うべきかを教えてくれます。

The Methylation PathwayHealth
Diagnostics and Research Institute
http://www.hdri-usa.com/tests/methylation/

分子栄養学の始まりは、1968年、ポーリングがサイエンス誌に発表した「分子整合精神医学」という論文です。

その中の一節には、こうあります。

他の臓器と比べて脳は 組成している分子化合物や その構造に深い依存傾向がある。

つまり、脳は栄養素が効きやすい臓器だという意味ですが、その気になってみると、「脳に対して多すぎる栄養素は害を及ぼす可能性があるので、気を付けるべき」という注意も含まれているように感じられるから不思議です。

「充分な量を摂って、生体の利用に任せる」
「なるべく少ない量から徐々に使い、モニタリングしながらバランスをとる」

全く異なる治療方針ですが、どちらもドーズ・レスポンスと言えるでしょう。

サプリメント、どうやって決めていますか?

宮澤賢史 · 2019年2月27日 ·

自分の勘やたまたまテレビで見たCM、もしくは、雑誌の広告やネット口コミから、安易にサプリメントを決めることは血糖値を測らないでインスリン注射をすること、血圧を測らずに降圧剤を飲むことと同じです。

臨床分子栄養医学研究会は、近年広く認知されるようになった分子栄養学を元に、貴方にはどのようなサプリメントがあっているのか?を決めるための様々な方法論を研究しています。

分子栄養学の歩き方

分子栄養学(オーソモレキュラー療法)は、サプリメントなどの栄養素で医療効果を得るための方法論です。

今や、日本国内でもサプリメントを扱う医療機関は、個人クリニックを中心にして優に1000は超えており、多くの医師・歯科医師が分子栄養学の理論を取り入れたサプリメント処方を行っています。
この講座では、分子栄養学の基礎を解説しています。

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定期的メール配信により、分子栄養学のトピックを中心にお伝えします。

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等、興味深い話題が満載です。

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副腎疲労をどのように考え、どのように治していくのかをご紹介しています。

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「ビタミンの必要量と個人差」
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水銀暴露の原因は魚と歯

宮澤賢史 · 2019年2月26日 ·

様々な環境毒素への暴露は現代人の慢性疲労の大きな原因です。その中でも重金属の影響は大きく、特に、WHOが懸念される主要化学物質のトップに水銀をあげています。ここでは、水銀の歯の詰め物アマルガムと毛髪ミネラルの関係について説明します。

歯科医師ハル・ハギンス(Hal A. Huggins, D.D.S.)は、アマルガムが全身に及ぼす影響に関する第一人者です。彼が初めて見たのは、歯にアマルガムを詰めてから、胸痛、過呼吸、ニキビが出た17歳の少女でした。心臓専門医などからすべて問題なしといわれ、最終的に精神科に入院させられそうになったのです。彼女の母親の要請でアマルガムを除去した後、彼女は劇的に良くなり、博士のもとに1ヶ月5000件ものアマルガムの相談の電話がかかってくるようになったそうです。

アマルガムとは

歯科アマルガムは、金に変わる材料として150年前に開発された歯の詰め物の材料で、水銀を高度に含んでいます。

アマルガムは、一般的には、安定して合金であると考えられており、日本でも2016年までは保険適用の材料として使用されていました。

しかし、様々な研究から、アマルガム中の水銀が絶えず蒸発して体内に吸収されていることがわかってきています。

アマルガムは簡単な刺激で蒸発する

アマルガムの水銀は温度変化(例えばコーヒーを飲む)や簡単な刺激(例えば、ガムをかむ)によって容易に蒸発をおこします。

体温と同程度の加温や消しゴムでこすっただけでも、このように水銀が蒸気化します。

アマルガムの歴史

1820年代にアマルガムがフランスで用いられたのが初めといわれています。

アマルガムは1840年にアメリカ歯科医師会から危険性を指摘され、いったんは使用禁止になりました。

しかし、現在、アメリカ歯科医師会は逆にアマルガムの使用を指示し続けています。

歯科医師は特に危険です

1998年、34名歯科医が対象の調査では、不眠症、食欲不振、イライラ、興味減退などの訴えが多くみられた。

1992年、98名の歯科医師に対する調査では、健常者と比較して、運動速度、視覚運動強調、集中力などが損なわれていた。

1982年 歯科医師による水銀吸収により神経生理学的傷害の危険性が示唆された。

体内動態

歯に入った詰め物のうち最大80%が10年以内に腐食し、体内に吸収されます。

口腔内にはガルバニー電流とよばれる電流が流れており、唾液が電解質液として作用する。

また、酸性食品なども影響すると言われています

ガルバニー電流について

カエルの足の筋肉に電気を通じると筋肉が活動することを発見した解剖学者ルイージ・ガルヴァニの名前を取ったのガルバニ電池です。

ガルバニ電池は2種類の金属が電解質溶液の中にあり、電気の流れをつくっています。

同様の事が口内でおきています。

口腔内の金属と唾液が、ガルバニ電池の様な環境を作り出すためです。

これを口内ガルバニ電流と呼びます。

口内で起きる電流は大きなストレス源になりますが、それだけにとどまりません。

ガルバニ電池の電解質液に金属が析出してくるのと同様に、口内のアマルガムからは水銀が析出してくるのです。

有機水銀と無機水銀

無機水銀にメチル基がついたものをメチル水銀といいます。
水俣病で有名なメチル水銀は無機水銀の100倍の毒性があります。

有毒なのはメチル水銀をはじめとして有機水銀です。なぜなら、メチル水銀は、脂溶性であり、細胞膜を通過し、細胞内に蓄積しやすい。

しかし、アマルガムが無機から有機に変わる可能性についてはあまり触れられていません。

歯科のアマルガムに使用されているのは無機水銀だから安全だという主張がありますが、本当にそうでしょうか。

スウェーデン、ルンド大学のハインツ博士によると、

「多くの人の口腔内に存在するストレプトコッカス・ミュータンス菌が水銀をメチル化する」

と報告しています。

また、口腔内電流が多いほど、メチル化は加速するという報告もあります。

高銅型アマルガム

高銅型アマルガムは安定しているといわれます。
しかし、銅が多いということは電流を良く通すということでもあります

ハル・ハギンス博士は、水銀の放電量は混合される金属の割合によって影響を受けるといっています。

また、ある研究によると、銅が多いアマルガムは旧来の(3~6%)アマルガムに比べて水銀を50倍早く放出するそうです。

中毒の治療

アマルガムを除去し、場合によってはキレーション(解毒治療)を行います。
ただし、アマルガム除去にはかなり危険が伴う事があります。

除去時にアマルガムが流出し、体内に大量に入る可能性があるからです。

免疫にも影響する

ハルハギンス博士によると、3500人以上に対して二重盲検試験を行った結果、多くの歯科材料に対して免疫反応が見られたとのこと。

しかもその確率は極めて高いものです。

銅 95.29% 亜鉛94.04% 水銀90.02% 銀66.86% すず 62.51%

歯科材料は人間の免疫にかなり影響していると考えなくてはなりません。

毛髪から水銀が出ました!私は水銀中毒ですか?

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こんな質問を頂きましたので、今回は毛髪からの排泄量と水銀中毒の関係について考えてみます。

国立水俣病総合研究センターでは、このような資料を出して、多くの人に毛髪検査を呼びかけています。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 国立水俣病総合研究センター-1.jpg

この図では、日本人男性の平均値が2.5ppm、女性が1.6ppm、胎児影響が疑われる母親の最小値が11ppm、成人で神経症状が疑われる最小値が50ppmになっています。

これで見ると、毛髪中の水銀量が高いほど重症という印象を受けますね。

「毛髪中の水銀量が高いほど、水銀中毒も重症である」

一元的にこのように考えてよいのでしょうか?

毛髪から水銀を排泄できない子供こそ重症

自閉症と毛髪中の水銀蓄積量の関係を調べた論文があります。自閉症とそうでない子供の毛髪中の水銀レベルを見たものです。

それによると、結果はなんと、自閉症の子供の毛髪からの排泄はそうでない子供に比べて明らかに少なかったのです。

しかも、毛髪の水銀レベルが低いほど、自閉症が重症だとわかりました。

これからわかることは、毛髪は水銀の排泄器官だということです。排泄が出来ない子供ほど、水銀がたまって症状が出ているわけです。

ですから、毛髪検査では、2つの事を読み取らなければなりません。

1 水銀の排泄能力
2 水銀の蓄積量

1が正常でも大量の水銀が体内に入ってきている場合は2が増えて水銀中毒になります。(水俣病パターン)

1に異常があれば、、水銀の暴露が決して多くなくとも2が多くなり、水銀中毒になります。(発達障害に多く見られるパターン)

水銀関係の事故が起きない限り、圧倒的に多いのは後者のパターンです。
水銀の排泄能力がない人が水銀中毒に苦しんでいるのです。

〈毛髪から水銀がたくさん出ている人〉
毛髪から水銀がたくさん出ている人は、排泄量が多いほど暴露量も多いということです。
暴露源をみつけて、侵入経路をシャットアウトしてください。
症状により、デトックス治療を検討してください。

〈毛髪から水銀が出ていない人〉
毛髪から水銀が出ていない人は、水銀排泄障害の可能性があります。
症状とあわせて考え、デトックス治療を検討してください。
一般的に治療も長期間かかることが予想されます。

毛髪検査の結果だけで全てを決めることはできません。

  • どのくらいの排泄量だったら、どうするのか。
  • 今あるどの症状が重金属と関連しているのか。
  • 他にどのような検査をするのか。

この答えは、この場ではかけません。

なぜなら、一人ひとり対応はまったく異なるからです。

お勧め書籍の紹介です。
★の数はおすすめ度です。

★★★本当に怖い歯の詰め物―誰も知らなかった病気の原因

アマルガムの危険性について世界で初めて言及し、様々な研究、診療、講演活動を行ったハル・ハギンス氏の著書。

アマルガムが体内にどのように害を及ぼすか、理論的な説明に加えて、独自のエビデンスも豊富。

また、アマルガムの危険性を世に知られては困るアメリカ歯科医師学会との確執に関してもつづられています。

必須本。翻訳もよいです。
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[sen]

★★その銀歯がメタボと心臓病の原因だった―口の中に水銀があった!!

アマルガムが心機能障害、メタボリックシンドロームなどを引き起こすことがよくわかります。
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[sen]

★★口の中に潜む恐怖―アマルガム水銀中毒からの生還

誤ったアマルガム除去を行うと、どのように具合が悪くなるかがわかる。
著者の体験をつづった本。
安全なアマルガム除去法についても記述あり。

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[sen]

★★ハーブでガンの完全治癒

がん対策の本ですが、歯科的な毒を取り去ることについて非常に細かく書かれた本です。
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[sen]

★歯科治療に潜む致命的な危険性
ハルA.ハギンズ , トーマスE.レビー

アマゾンのレビューにもあるが、翻訳が最低レベル。
しかし、それを補っても余りある非常に濃い内容です。いっそのこと英語版を買うのもあり。

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自閉症児が増えた本当の原因その2

宮澤賢史 · 2019年2月26日 ·

前回は、「遺伝的に弱い赤ちゃんは、生まれた後もフォローが必要」という話でした。

https://orthomolecularmedicine.tokyo/cause/

今回は、葉酸とがんの関係の話からはじめたいと思います。

葉酸とがんの関係

葉酸の乳がんの成長と進行に対する影響については以前から賛否両論があります。

乳がんに対する防御効果を持つという報告もありますが、一方で高用量の葉酸は乳がんの成長を促進するという報告もあります。

カナダ・トロント大学のキム博士ら研究グループは、2014年2月に「高用量の葉酸サプリメントの摂取が、ラットの乳腺組織にあるがん細胞の成長を促進する」と発表しました。

キム博士は、

このことは非常に重要な意味合いを持っています。
なぜなら、北米の乳がん患者は、葉酸強化食品やサプリメントによって大量の葉酸を摂取することが多いからです。
彼女らは、ビタミンをはじめとしたサプリメントを使うことが多く、その割合は乳がん患者がもっとも高いのです。

とコメントしています。

前回お話しした政府の政策によって、北米における葉酸の消費量は過去15年間にドラマチックに上昇しています。

PLOS ONE
Folic Acid Supplementation Promotes Mammary Tumor Progression in a Rat Mode
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0084635

なぜ、葉酸を補充するとだめなのか?

さてここで、ひとつ疑問が生じてきます。

前回お話ししたように、葉酸はDNAの合成に関わるビタミンです。

葉酸はプリンとピリミジンの生合成に必須の補酵素であり、DNA合成に重要な働きをしています。

だから、葉酸が欠乏したままでは細胞分裂がうまくいかなくなります。
理屈で考えれば、葉酸を補充することは正常な細胞分裂を助け、がんを予防するように思えます。

なのになぜ、葉酸サプリメントががんを増やしてしまうのでしょうか?

前回にご紹介したベン・リンチ博士がこの疑問に対しても明確に答えをだしています。

理由は、「(一部を除く)サプリメントの葉酸は未活性型の葉酸だから」です。

前回お話ししましたように葉酸には活性型と未活性型があります。

https://orthomolecularmedicine.tokyo/cause/

緑黄色野菜のサラダには、活性型と未活性型の両方の葉酸が含まれています。それに対してサプリメントの葉酸は、すべて未活性型です。未活性型の葉酸が活性化されるためには、いくつもの過程が必要です。

その活性化を行う酵素や補酵素が十分でなかったり、うまく働かない場合、活性型葉酸は十分つくられず、未活性の葉酸が体内にたまってしまいます。

また、活性化葉酸が働くのには、葉酸結合蛋白(FBP)が必要ですが、非活性型の葉酸サプリメントを摂った女性の体内の葉酸結合蛋白は激減することがわかっています。

Am J Clin Nutr. 2009 Jan;89(1):216-20.

つまり、葉酸の活性化がうまくいかない人が、葉酸サプリメントを摂取すると、活性化葉酸の働きも邪魔されてしまう恐れがあるのです。

自閉症と葉酸とメチレーション

話は、自閉症に戻ります。

乳幼児が言葉を喋り始めるようになるために、葉酸は非常に重要な役割を担っています。

活性化葉酸が、様々な物質をメチル化することによって、

  • DNAが合成されたり
  • 神経伝達物質を作ったり
  • 炎症を抑えたり
  • 解毒をおこなったり

することができるようになるからです。

メチル化というのは、化学反応のひとつで、この一連の反応の事をメチル化経路、もしくはメチレーション回路と言います。

葉酸が活性化されないと、神経伝達物質が作られないので、脳の発達が十分進まず、言語の習得に困難が生じます。

自閉症の予防、治療には葉酸をうまく働かせ、メチレーション回路を回すことが大変重要です。

葉酸がうまく働いていない人

「葉酸がうまく働いていない人が、葉酸サプリメントを飲んだら悪化する可能性がある」

ということですが、葉酸サプリが悪影響を及ぼしそうな人は葉酸の活性化がうまくいかない人です。

だから、葉酸の活性化ができるかどうかというのは、非常に重要な話なのです。

そういうわけで前回の繰り返しになりますが、葉酸活性化酵素(MTHFR)の遺伝子を測定することが大切です。葉酸の活性化のカギを握る遺伝子であり、日本人の40%以上に変異が見られることがわかっています。

MTHFR遺伝子の型によって、血液中の活性化葉酸と未活性型葉酸の濃度に違いが出ることも報告されています。

J. Nutr. December 1, 2012 vol. 142 no. 12 2154-2160

2000年以降、遺伝子検査の価格崩壊が進みました。そのおかげで、この分野の研究はかなりすすみました。

今までお話しした

  • 実は、サプリメントの葉酸(folic acid)と食事中葉酸(folate)は異なるものである
  • サプリメントの葉酸は、食事の葉酸より活性化されにくく、蓄積されやすい
  • サプリメントの葉酸は、活性化葉酸の働きを弱める
  • MTHFRの遺伝子変異は多くの人に見られる(アジア人では40%以上)
  • 遺伝子変異があると最高70%活性化の働きが落ちる
  • 自閉症児の多くにMTHFR遺伝子の変異が見られる

という話は、ここ10年で明確になってきた、サプリメント業界の最新情報です。

自閉症がこれほどまでに増えた原因は、統計的にみるとおそらく化学物質による汚染が第1の原因かもしれません。

しかし、今回ご紹介した

葉酸摂取によって、本来は死産であった胎児が無事に生まれるようになったこと
しかし、出生後は遺伝的な弱さをカバーしてくれるしくみがないこと
葉酸サプリメントは実は葉酸の活性化を邪魔すること

という要素は現状に少なからぬ影響を与えているのは間違いのないところです。

まとめ

自閉症は、1990年以降、妊婦に対して世界各国が葉酸サプリメント摂取を推奨し始めてから劇的に増加しています。

皮肉なことに、「通常なら死産になる子供が葉酸のおかげでちゃんと生まれることができるようになったから」というのが理由の一つです。

神経管異常を起こす遺伝子と、自閉症を起こす遺伝子が一部共通していることが近年の研究でわかっています。

妊娠中に葉酸を投与する事で神経管異常のリスクは逃れることができるようになりました。

しかし、残念ながら現時点では、各国の対応は、出生時の神経異常の防止のみにとどまっており、生まれた後のフォロープログラムはありません。

また、神経系に問題を引き起こすMTHFR遺伝子変異はアジア系に多いという事がわかっています。

以上の事から考えて、今後もアジア圏における自閉症の発症頻度に注意する必要があります。

ただ「活性化葉酸サプリ」をとればいいという単純なものではありません。

サプリメントをとることでかえって問題が複雑になる場合もあります。

遺伝子検査のすすめ

今後出産を予定している方(特に高齢出産や流産の既往のある方、遺伝的に心配のある方)、お子さんが自閉症と診断された方に、私がお勧めするのは、MTHFRをはじめとした遺伝子検査を受けてみることです。

そこで遺伝子変異があるなら、まずは、この分野について勉強してみるのがよいと思います。

もちろんこの分野に詳しい医師に相談してみるのもよいでしょう。

さて、この葉酸活性化の問題ですが、解決手段の一つとして、すでに活性化されている葉酸サプリメントを使うという方法があります。

すでに活性化されているのでMTHFRの遺伝子変異があっても、その問題を回避することができます。

しかし、使い方を間違って問題を起こしている方が多数います。

 サプリメントが効かない、サプリメントで症状が悪化する
 爆発的行動、突然怒り出す

ということを経験された方は特に気を付けてください。

この分野に詳しいドクターの間では、活性型葉酸は全体の回路を整えた後に使うのが常識です。

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