こんにちは、宮澤です。
Orthomolecular Newsによれば、いま世界中で使われているGLP-1受容体作動薬(オゼンピック®、ウゴービ®など)の「まれだけど重い副作用」として、視神経の血流障害によるNAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)のリスクが、各国の規制当局や論文でシグナルとして上がってきているそうです。まだ「因果関係が証明された」わけではないけれど、欧州医薬品庁や英国MHRAが「急な視力の変化が出たらすぐ受診を」と警告し、背景には糖尿病・高血圧・脂質異常・睡眠時無呼吸などの“代謝・血管トラブル”があること、そしてオーソモレキュラー医学的には「体重は結果であって、根本の代謝環境を整えないと安全で長続きする減量にはならない」というメッセージが強調されています。
—
この前、友人と映画を観ていたとき。
登場人物が、細くなって別人みたいになったのに、表情の疲れ方とか、目の奥のテンションがまったく変わってないのを見て、ふと違和感を覚えたんです。
「見た目は軽くなってるのに、エンジンはずっとレッドゾーンで回してない?」みたいな。
で、そのあとカフェに移動したら、別の友だちが
「最近、例の“痩せる注射”打ち始めたんだよね〜。食欲ぜんっぜん湧かなくてラク」
って、さらっと言うわけです。
一瞬、空気がフリーズする僕。
頭の中では、こんなイメージがぐるぐるしてました。
– 体重だけ急カーブでストンと落ちるグラフ
– でも、
– 血管
– 神経
– ホルモン
– ミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)
みたいな「インフラ」は、そのスピードに追いついてない
→ 高速道路は制限速度80kmなのに、車だけ200kmで走らされてる感じ。
一見、目的地(減量)には早く着くけど、
ブレーキやタイヤにどんな負荷がかかってるかまでは見えていない。
今回のOMNSの記事で出てきた、
「視神経の血流障害」「代謝・血管の負荷」「急な血糖変動」
って話を読んだとき、僕の頭の中で、この映画とカフェのシーンがピタッと重なりました。
—
僕から見ると、GLP-1製剤の問題は「薬そのものが悪」とかいう単純な話じゃなくて、**“代謝という大きな生態系の一部だけを、薬の力で急カーブさせるリスク”**の話なんです。
臨床経験から言うと、
GLP-1を使っても使わなくても、「根本の代謝環境」を整えないまま体重だけをいじると、結局こんなパターンになりがちです。
– 体重は落ちた
→ でも疲れやすさ、眠気、脳のクリアさは改善していない
– 数値は良くなった
→ でも、肌・髪・爪・集中力・メンタルはボロボロ
– 食欲は抑え込んだ
→ でも、栄養失調ぎみで細胞レベルではエネルギー不足
つまり、
「見た目のシルエット」や「一部の検査値」にフォーカスしすぎて、
**“生命としての設計図”そのものを整える発想が抜け落ちている**ってことなんです。
オーソモレキュラー的な栄養療法は、ここが真逆。
– カロリーよりも、「細胞がちゃんと回るだけの材料が足りているか」を見る
– 体重よりも、「ミトコンドリアの元気さ・血管のしなやかさ・脳のクリアさ」を見る
– 薬で“ねじ伏せる”より、「代謝の土台をじわじわ修正する」ことを重視
だから、同じ「痩せる」でも、
– 体重が落ちるのはあくまで**おまけ**で、
– メインは「体のOSアップデート」みたいな感覚なんです。
—
記事のなかで出てきた“IOM(Integrative Orthomolecular Medicine)流の減量”を、
実際の患者さんの頭の中にあるイメージに近づけて、もう少し噛み砕くと、こんな感じになります。
—
### 「ちゃんと食べて痩せる」ってどういうこと?
多くの人の頭の中:
> 「痩せる=食べない・我慢・根性」
でも、代謝の現場で起きていることは、むしろ逆で、
> 「必要な栄養をちゃんと入れる → 細胞が安心する →
> 無駄な食欲と炎症が落ちる → 自然と余計な脂肪が減っていく」
って流れなんです。
ざっくり整理すると…
**1. 代謝の柔軟性を取り戻す**
→ 「糖しか燃やせない体」から
「糖も脂肪も自在に切り替えられる体」へ。
– 白米・パン・砂糖・ジュースを減らす
– 加工食品と植物油(サラダ油・マーガリンなど)を控える
– タンパク質と良質な脂質をしっかりとる
– 間食をダラダラやめて、食間に“休み時間”を作る
ポイントは、
「インスリンをずっと出しっぱなしにしない」ってこと。
**2. ミトコンドリアに“エネルギーの材料”を渡す**
→ エネルギー工場に、
– ビタミンB群
– マグネシウム
– 鉄・亜鉛
– コエンザイムQ10
などの材料が届いていないと、ガス欠みたいにだるくなって、結局また甘いものに手が伸びる。
だから、
– 肉・魚・卵
– 旬の野菜
– ナッツ類
をベースにしながら、不足している栄養素は血液検査を見てサプリで補う。
**3. 血糖は「じわじわ」落とす**
→ 急ブレーキをかけると、一番弱いところ(細い血管・神経)にしわ寄せがくる。
– 一気に糖質ゼロ!ではなく
→ 数週間〜数ヶ月かけて、量と質をコントロール
– 有酸素運動+筋トレで、筋肉に“血糖の逃げ場”を作る
– 睡眠・ストレスケアで、コルチゾール過多を抑える
**4. 体内時計とホルモンを整える**
→ 「夜遅くまでだらだら仕事→寝不足→朝から甘いカフェラテ」
このループこそ、代謝をぶっ壊す王道パターン。
– できれば0時前に寝る
– 寝る2〜3時間前には食事を終える
– 朝イチで太陽光を浴びる
**5. 炎症と酸化ストレスを下げる**
→ 慢性炎症は、
– 血管を硬くし
– 神経を傷め
– インスリンを効きにくくし
– 老化を早める
なので、
– オメガ3脂肪酸(魚、亜麻仁、えごまなど)
– 抗酸化成分(ビタミンC、E、ポリフェノール豊富な野菜や果物)
を意識して、
– 揚げ物
– スナック菓子
– 焦げた食べ物
を「たまのお楽しみ」レベルにする。
—
こうやって“土台から代謝を組み替える”と、体重はどうなるか。
→ 僕が見ている限り、
– すごいスピードでは落ちないけど
– 筋肉を守りながら
– 皮膚もツヤを保ちながら
– メンタルも安定したまま
じわじわと「ちょうどいい自分のライン」にすべり込んでいく人が多いです。
これが、薬で**食欲だけ**を急に切るのと決定的に違うところ。
—
まとめると、
– GLP-1製剤には、体重や血糖コントロールという明確なメリットもある
– ただし、「まれだけど重い」視神経トラブルを含め、急激な代謝いじりのリスクも見えてきている
– 糖尿病や肥満は“カロリーの病気”というより、“代謝OSの不具合”
– オーソモレキュラー的な栄養療法は、このOSそのものをアップデートするアプローチ
だから、
**「楽に痩せる薬」か「つらいダイエット」か、の二択で悩む前に、
“代謝の土台を学んで、食べ方・暮らし方からOSを整える”って視点を持つべきなんです。**
薬を否定するつもりはまったくなくて、
– どうしても薬が必要なフェーズでは上手に併用しつつ
– 中長期的には、薬に頼らなくても回る代謝環境を作る
この「出口戦略」を最初から描けるかどうかが、
10年後、20年後の目と血管と脳の状態を分けると、僕は思っています。
ここから先は、
→ どんな検査で自分の代謝OSの状態を見ればいいか
→ どの栄養素から整えていくと効率がいいか
なんかも、少しずつ書いていきますね。
また書きますね!