• Skip to primary navigation
  • Skip to main content

臨床分子栄養医学研究会

あなたのサプリが効かない理由教えます

  • コース一覧
  • もう一本読む?
    • 分子栄養学基礎マスターコース 食事とサプリメント編
    • 分子栄養学の基礎 検査と根本原因
    • 分子栄養学アドバンス・コース
    • まごめじゅんの栄養講座
  • サクセスパス
    • 治療方針を決める
    • 必要な治療と順番を決める
    • 検査を行って確認する
    • 治療の実際
  • ごあいさつ
  • 受講者の声
    • 医療関係者
    • 一般の方
  • クリニック紹介
    • 分子栄養学の検査・治療を受けられるクリニック
    • 指導認定医・認定医一覧
    • 認定指導カウンセラー
    • 認定カウンセラー
    • PNTトレーナー
  • 会員サイト
    • 総合案内
    • 研究会会員サイト
    • 第24期会員サイト
  • Show Search
Hide Search
現在の場所:ホーム / アーカイブサプリと食事

サプリと食事

栄養素がDNAに及ぼす影響

宮澤賢史 · 2020年1月7日 ·

細胞の中に核があって、その核の中には染色体が23対入っています。この染色体をひもとくと、長さ2mのDNAになります。ヒトのDNAはすべて解析され、その結果チンパンジーとヒトのDNAの違いは1.4%しかないことがわかりました。確かにDNAは設計図ですが、読み取り方によって完成品のタンパク質は全く異なるものになります。同じ楽譜でも、演奏家が違うと違う曲に聞こえますよね。それと同じようなです。DNAに基づいてタンパク質が作られることをタンパクの発現と呼んでいます。

遺伝子の発現に重要なヒストン

核の中の染色体はDNAからできています。DNAは定期的にヒストンという糸巻き上のものにくるまっています。このヒストンがあるおかげで、長いDNAが核内にコンパクトに収納されています。

ヒストンとDNA

遺伝子を発現するとき、ヒストンは外れたり位置がずれたりして、遺伝子の情報が読み取られ、たんぱく質が作られます。ヒストンは、DNAが絡まらないようにするためだけでなく、遺伝子の発現に重要な役割を持っているということが分かってきました。

タンパク質が作られる仕組み

DNA図書館(核)の中にある設計図(DNA)は持出禁止なので、RNAにコピーしてリボゾームに持ちだす

タンパク質はすべて細胞の核の中にある遺伝子の設計図情報をもとに作られます。図書館です。タンパク質はその場で作れないので、この設計図をRNAにコピーして、RNAとして持ち出さないといけません。このコピーすることを一般的に転写といいます。

転写された鋳型のRNAは、タンパク質の製造工場・倉庫である小胞体のリボゾームに持ち込まれます。RNAがリボゾームに設計図を持ち込み、その設計図通りにアミノ酸をつなげていく翻訳作業が行われます。だから、たんぱく質が作られるためにはまずDNAがRNAに転写される必要があります。

転写の仕組み

エンハンサー領域に転写因子タンパクが結合することがはじまり

DNAの長い鎖は、全体が設計図なわけではありません。設計図の場所と、設計をコントロールする場所にわかれています。設計図の場所を構造遺伝子、それ以外を転写調節領域といいます。

転写調節領域の中で、特にエンハンサーというところにRNAがくっつくと転写が始まります。プロモーターというのは、タンパク質の構造遺伝子がどこから始まるかを示しています。ここから読み取れば良いんだ、という目印になります。

エンハンサーであるRNAポリメラーゼというタンパク質がくっつくと、転写が始まって、タンパク質が作られます。(実際にはこの構造遺伝子が切り取られると、その中からイントロンという要らない遺伝子が切り落とされます。これをスプライシングといいます。)重要なのは、エンハンサー領域にタンパク質がくっつくと転写が起こるということです。

クロマチン構造が変化して転写を司る

ヒストンにDNAが巻き付いたものをクロマチン構造という

ヒストンにDNAが巻き付いたものをクロマチン構造と言います。クロマチン構造が変化することによって、転写が起こったり起こらなかったりします。ヒストンとヒストンの間が空くと、間に転写遺伝子が入ってこれるので、転写が始まります。逆にヒストンとヒストンの間が狭くなると、転写因子が入ってこれず、タンパク質の合成が起こりません。だから、合成がおこるかどうかはヒストンの間の距離次第です。ヒストンの間の距離は、ヒストンにアセチル基がつくか、メチル基がつくかで決まります。

メチレーションという概念があります。メチレーションが亢進しているときはメチル基がたくさんあるので、遺伝子の発現が止まります。がん遺伝子の発現もこれで阻止しています。メチレーションがうまくいかない人はがん遺伝子の発現を止めることができずにがん化する、という説があります。

メチル化は転写を抑制、アセチル化は転写を亢進

ヒストンにアセチル基がつくとクロマチン構造が疎になり、転写因子がエンハンサー領域に結合できるようになります。

身体がメチル化状態だとヒストンの間が狭くなり、転写が起こりません。メチル基がたくさんつくと、ヒストンとヒストンの間が短くなって、遺伝子の発現が起きません。ここだけ頭に入れておいてください。

ナイアシンは、転写因子を活性化させることでタンパク質をたくさん作らせます。その結果、ドーパミンが下がってきます。これが、統合失調症に効く理由です。反対に、SAMeというメチル基をたくさん持ったサプリメントは、遺伝子の発現を阻害して、結果的にセロトニンを増やします。重要なのは、ヒストン間の距離によって、たんぱく質の合成が動いたり止まったりするということです。

遺伝子の発現には栄養が重要

細胞の核に関しては、遺伝子の発現に関係する、遺伝子の発現には栄養がすごく絡んでいる、ということを覚えておいてください。遺伝子の設計図ではなく、発現が大事です。最も重要な遺伝子の発現は、栄養と環境でいくらでもコントロールすることができます。ですから、一卵性双生児でも環境と食事が違うと、遺伝子の発現が違うので、まったく違った人間になるということです。

ミトコンドリアへのサプリケア

宮澤賢史 · 2020年1月3日 ·

人間は約37兆個の細胞でできています。その細胞ひとつひとつが元気であることが健康状態を保つ上で必須で、その中は細胞内器官という中身がつまっていて、重要なのはこの4つです。

  • ミトコンドリア
  • 核
  • 細胞膜
  • 小胞体

他にもゴルジ体などもありますが、さしあたってこの4つを抑えておけば、栄養療法を考える上では事足ります。重要なのは、「細胞の どの部位の どんな働きのために どの栄養素が必要か」ということを、関連付けて頭に入れておくことです。例えば、ミトコンドリアならビタミンB群が必要ですよ、といったことです。

また「毒性物質が 細胞のどの部位の働きを損なうか」も重要です。例えば、ミトコンドリアは重金属でやられますし、トランス脂肪酸が入ってくると細胞膜の働きが失われます。トランス脂肪酸は直鎖状で、油の塊である細胞膜を固めてしまう働きがあります。その細胞内器官4つを、これから1つずつ解説していきます。

ミトコンドリアとは

ミトコンドリアは数ある細胞内小器官のうちのひとつで、すべてのエネルギーをATPという形で産生しています。各細胞に300から数千個存在していて、人間全体では1京個存在します。なんと、人間の体重の10%はミトコンドリアです。

血球や皮膚細胞にはほとんど存在しません。もし赤血球にミトコンドリアがあれば、酸素を運搬するのではなく、酸素を自分で使ってしまうからです。卵子には10万個あるので、ミトコンドリアが受精・着床に影響を及ぼします。

ミトコンドリアの祖先は細菌である、という話は最近有名になりました。もともとは別の生物だったのが、20億年ほど前に寄生したんです。リケッチアという細胞とウイルスの間のようなものが細胞内に寄生したのをきっかけに、エネルギーをたくさん作れるようになって進化した、という話です。つまりもともとは別の生き物ですから、細胞の核とは別に、独自のDNAを持っています。

ミトコンドリアはエネルギー産生装置

ミトコンドリアはエネルギーを産生する装置です。これは、糖質(グルコース)からエネルギーがどのように産生されるかという経路の図です。

前に出てきたクエン酸回路が、この中に入っています。ミトコンドリアの外側にあるのが解糖系という、ブドウ糖をピルビン酸に変える経路です。酸素を使わないので無酸素代謝と言われます。ミトコンドリアの中は酸素をたくさん使う、有酸素代謝です。

この無酸素代謝では、1分子のグルコースから2分子のピルビン酸ができます。その間に、ATPを使って、ATPが作られます。つまり、1分子のグルコースから、差し引き2つのATPが作られます。ATPができるほど、エネルギーが産生されているという意味です。

できたピルビン酸はミトコンドリアの中に入ってきて、TCAサイクル、クエン酸回路に入ってぐるぐる回ります。ここでも2ATPが作られます。クエン酸回路はNADをNADHにして、次の電子伝達系に水素を渡す役割をしています。NADというのはビタミンB3、ナイアシンのことです。つまり、ナイアシンは水素を奪っているんですね。この水素を奪う箇所が、3か所あります。

クエン酸回路は確かにATPも作っていますが、一番大事なエネルギー回路である電子伝達系に水素を渡すのが一番の役割です。水素の運び役になっているのがこのNAD、すなわちナイアシンなんです。

このクエン酸回路で得られた水素は電子伝達系に行来ます。電子伝達系では、NAD・コエンザイムQ10・鉄などが電子や水素を受け渡して、細胞の外にどんどん水素を出すんですね。そして水素が外から中に入っていく過程で、水車が回って、その水車を回す力でATPが作られるという仕組みです。

本当はもっと複雑ですが、初めての場合はこういった理解でいいと思います。大事なのは、電子伝達系で他と比べても格段に多い、34個のATPができるということです。解糖系とTCAサイクルは前段階の準備をしてくれるところ、というふうに考えたらいいと思います。

もちろんすべての回路が回らないとエネルギーは作れません。エネルギーがつくれない、ミトコンドリア機能が低下しているという場合は、これらの回路のうちのどこが止まっているのかを考えてください。一般的にはミトコンドリアサプリメントはナイアシン(NAD)・コエンザイムQ10、鉄などが含まれます。

ミトコンドリアのDNA

ミトコンドリアは細胞の核にあるDNAとは別に、独自のDNAを持っています。ミトコンドリアのDNAは、核のDNAと比べて、活性酸素の害を受けやすいのが特徴です。ミトコンドリアでは中で電子を受け渡していますから、酸化還元反応が活発に行われているということです。

ミトコンドリアは酸化反応の宝庫ですから、不完全燃焼のすすが2%くらい出るといわれています。ですから、年をとればとるほど、ミトコンドリアをきちんと動かすには抗酸化対策が必要です。抗酸化対策が不十分だと、ミトコンドリアのDNAが傷つきやすいです。ただでさえ活性酸素が多いのに、ミトコンドリアの遺伝子は核のDNAと違って、DNAを守るヒストンがなく、環状で丸裸です。損傷を受けやすいうえ、修復能力もとても劣ります。

さらに活性酸素・重金属・有機溶剤の影響で、DNAが直接障害されます。活性酸素の発生源でありながら、活性酸素に弱いという非常にデリケートなものです。抗酸化対策は必須です。

ミトコンドリアへのアプローチ1:必要な栄養を取る

ミトコンドリアを駆動する栄養素を摂ると、ミトコンドリアが動きやすくなりそうですね。コエンザイムQ10、NADH(還元型のNAD)、鉄などです。特に、電子伝達系で働くコエンザイムQ10、NADH(還元型のNAD)は積極的に摂っていくと良いと思います。マグネシウム・亜鉛も、ミトコンドリアの基本的な動きに重要なので、摂った方がいいですが、ミネラルは吸収が悪いので摂り方に工夫が大事です。

鉄はとても重要な栄養素ですが、酸化されやすく活性酸素の発生源になりやすいので、取り扱いに注意が必要です。鉄が足りないからと鉄サプリメントをたくさん摂るのは、害が大きいです。ヘム鉄の多い赤身肉をたくさん食べると、がんになりやすいという相関性についての論文はたくさんあります。ミトコンドリアを動かすためには、必要な栄養素と抗酸化対策が必要です。

ミトコンドリアへのアプローチ2:抗酸化対策

これは抗酸化物質として有名な、ビタミンCの構造式です。抗酸化、というのは相手を還元してあげるということです。還元するということは、水素をあげること、電子をあげることです。つまり抗酸化力が強いということは、電子を離しやすいということです。ビタミンCは非常に抗酸化力が強いというのは、エンジオール基の水素のひとつが構造上、非常に離れやすいからです。

一般的に、ヒドロキシ基(-OH)・フェノール基は抗酸化力を持っています。化学式を見ると、抗酸化力が強いかどうかがわかります。クルクミン、レスベラトロール、カテキンなどのポリフェノールは、この離れやすいOH基がたくさんついているから、抗酸化力が強いということになります。だから、ミトコンドリアを動かすためにはこういったポリフェノールを一緒に入れてあげるといいんです。

ミトコンドリアサプリの具体例

実際に、ミトコンドリアサプリの例を見てみましょう。これはPure Encapsulations社という有名なサプリメントメーカーの、mitcondria-ATPというミトコンドリアサプリです。Pure encapsulationsはアメリカの代替療法医の中で、人気ナンバー2です。(ナンバー1は Metagenics 社)

何が入っているかというと、上からチアミン、リボフラビン、ナイアシンです。そして抗酸化のビタミンCとE、マグネシウムが入っています。理屈にかなっていますよね。

ビタミンCとEはあわせて入れておくといいです。ビタミンCは、還元した時に自分自身は酸化されますから、ビタミンEに還元してもらうんです。ビタミンEは酸化されますから、グルタチオンに還元してもらうんです。次々つながっていまして、抗酸化ネットワークといいます。抗酸化ネットワークに入っている栄養素を組み合わせて摂ると、抗酸化能力が非常に高まります。

カルニチンの効果

カルニチンも入っています。カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアの中に入れるのに必要な栄養素です。痩せる、と言われていたりしますが、脂肪を燃やすためのものです。エネルギー代謝に関しては、脂質と糖質がとても重要です。ふだん、脂質もたんぱく質も糖質も、すべてエネルギーにすることができます。しかしエネルギー代謝の柱はやはり、脂質と糖質です。

たんぱく質はアミノ基を持っているので、代謝の中でできる窒素は有害で、排泄するのにアンモニアを経由したりして手間がかかります。エネルギーとしては向いていません。できればCとHしか使いたくないので、炭水化物か脂質をエネルギーとして使いたいんです。糖質制限をしている人は脂質がエネルギーのメインになってきますね。

しかし、エネルギーの性質で比べると、脂質と糖質ではエネルギー供給のパイプの太さが違います。糖質はパイプが太く、エネルギーの効率がとても良いです。脂質は脂肪細胞にあるものを一回たんぱく質の単体に載せて、細胞内まで運んでこないとエネルギーとして使えないので、エネルギーの供給パイプが非常に細いです。そこが一番違うところです。

ふだん私たちがぼーっと座っていたなら、脂質のエネルギーの方が使われています。歩いたりすると、だんだん糖質の割合が増えてきます。マラソンは42キロ走りますが、42キロすべてを糖質では賄えないんです。糖質からできるグリコーゲンはせいぜい1500カロリーしか貯められないので、脂質エネルギーもうまく入れるんです。それがペース配分です。

うまく走れる時は脂質エネルギーを使って走って、スパートの時に糖質を使うんですね。だから、それまでに糖質を使い果たしていると最後のスパートがうまくできないんです。脂質はエネルギー源としてとても重要なのですが、その脂質を細胞内に入れるのに重要なのが、カルニチンです。

抗酸化物質

他に、トランスレスベラトロール、グレープエクストラクト、このあたりは抗酸化物質です。N-アセチルシステインとかαリポ酸とかがあります。αリポ酸は解毒と抗酸化に役立ちます。αリポ酸は脂の抗酸化も水の抗酸化もできます。ビタミンCとEの両方の特性を持っています。

あとはカネカ・ユビキノールが入っています。カネカ、というのはコエンザイムQ10の有名なメーカーです。鐘淵化学工業というところで開発されたのがコエンザイムQ10で、ユビキノールというんですが、1日30mgではまったく効きませんでしたが、200mg使うと心不全に効果があるとアメリカで火がついて、逆輸入されたような栄養素です。抗酸化とエネルギーの療法に効果があり、ミトコンドリアには必須です。

ミトコンドリアを動かすにはこんな栄養素が必要だ、という見本のようなものですね。

ミトコンドリアサプリの具体例2

もうひとつ、Seeking Health社のサプリメントをご紹介します。これは非常にシンプルですね。コエンザイムQ10とNADHだけ。これだけでも効くぐらいですから、コエンザイムQ10とNADHの重要性がわかりますよね。

疲れやすい人は、こういったサプリメントから始めてください。ただし、それはあくまで対症療法なので、その下に何があるかということが大事です。

ミトコンドリアはがんにも関わる

これはミトコンドリアサプリの話の続きですが、がんは遺伝疾患か代謝疾患かという議論が昔からあります。がんは遺伝子に傷がついて、そこから発症します。傷がついた遺伝子が分裂して増えていく、という仕組みなんです。

だから、アンジェリーナ・ジョリーさんは遺伝的に、変異型のBRCAという乳がんの因子があったので、予防的に乳房をとってしまいました。これはがんが遺伝疾患だという発想に基づいた行動だと思います。

しかし、本当にがんは遺伝疾患なのでしょうか?がんは100年前にはほとんどありませんでした。もし遺伝疾患なら、昔からもっとあったはずです。

これは、「Cancer as a Metabolic Disease」がんは代謝疾患である、という内容の本にあった図です。正常細胞が分裂すると、正常細胞になります。腫瘍細胞が分裂すれば、当然腫瘍細胞になります。しかしそれは、何が原因なのでしょうか。正常細胞に腫瘍核を入れても、正常細胞になりました。逆に、腫瘍細胞に正常な核を入れ込んでも、腫瘍細胞ができたんです。ということは、核内の遺伝子に起因するものではないはずです。

がんの腫瘍抑制因子はミトコンドリア

がんの究極の主要抑制因子はミトコンドリアです。だから、ミトコンドリアの機能が低下するとがんになりやすいです。ミトコンドリア機能の低い人、疲れやすい人、低体温の人はがんを発症しやすいです。がんを治すためには、ミトコンドリア機能を上げて、身体を暖めるといいという話があります。これはミトコンドリアだけではなく、もう一つの細胞機関である小胞体と重ね合わせて考えると理解が進むと思います。このあたりはとても大事な話です。

人間には、古くなったり傷ついた細胞に自殺してもらう機能があります。この作用をアポトーシスといいます。ミトコンドリアはエネルギーの産生がメインの仕事ですが、アポトーシスのコントロールにも一役買っています。エネルギーの低下とアポトーシスコントロールの低下は同時に起こります。だから、エネルギーの低下は発がんやアルツハイマーにも関係してきます。

アポトーシスは、ミトコンドリアと小胞体が協同してシグナルを出すことによってはじめて行われます。だから、ミトコンドリアと小胞体のどちらかの機能が低下するとアポトーシスが行われなくなって、不要な細胞が出ていかず、デトックスできなくなってしまいます。よって、腫瘍細胞が生き残ってしまうわけです。もともと外部から来たミトコンドリアと、正常な細胞を結びつけているのは小胞体です。小胞体は、たんぱく質の製造工場です。

疲労系疾患はミトコンドリア機能を改善させる

大事なのは、疲労系疾患はミトコンドリア機能を改善させることが大事だということです。俯瞰的に、ズームを変えて、同時に考えていってください。代謝のどこが止まっているのかも同時に考えます。

副腎疲労もミトコンドリア機能低下です。全身症状としては、疲れやすい。臓器レベルとしては副腎機能低下。細胞の状態としてはミトコンドリア機能低下です。

甲状腺機能低下症も、臓器レベルで言えば甲状腺機能の低下ですが、細胞の状態としてはミトコンドリアの低下です。甲状腺ホルモンにはミトコンドリアの数を増やし、機能を高めることがわかっています。

鉄欠乏性貧血も同じです。臓器レベルでは、赤血球数低下、質の悪化ですが、やはりミトコンドリア機能低下です。鉄には、赤血球の中で酸素を運ぶ働きと、ミトコンドリアの中での働きがあります。酸素を運ぶのも、ミトコンドリアの中での働きもエネルギーに関係するので、鉄欠乏性貧血はものすごくエネルギー不足になります。

鉄はエネルギー源ですから絶対に必要ですが、多すぎると活性酸素発生のもとになります。コツは、少量使って、利用効率を最大限まで上げることです。

サプリメントを使わないミトコンドリアアプローチ

ミトコンドリアの働きを良くする方法は、サプリメントを使うか使わないかで大きく2通りに分けられます。サプリメント以外では、運動が重要です。運動刺激によってミトコンドリアは増えます。

新しいミトコンドリアを作り出すために重要なのは、断食です。空腹時間を作ると、脂肪が燃えるようになります。脂肪が燃える時に、ナイアシンが体内で作られます。実はナイアシンがミトコンドリアを新生するスイッチになっています。

DNAの修復もナイアシンです。DNAの修復は寝ている間に行われるので、寝る前に少量飲むといいです。多すぎると肝機能障害やナイアシンフラッシュを起こしたりします。ナイアシンは量によって効果が変わる、とても興味深いビタミンです。

小胞体ストレスを解消すること、については、また次回の小胞体のところで詳しくご説明します。

 治療には順番がある

宮澤賢史 · 2019年12月27日 ·

根本原因(が及ぼす体内のシステムの不具合)の治療は、ピラミッドの下層から上にかけて順番に行うのが原則です。ここではなぜこのような順番で治療を行うべきなのか、その理由をお話しします。

脳機能は様々な影響を受ける

脳機能、メチレーションの調整がピラミッドの最上段にあるのは、それだけ脳機能が様々な影響を受けやすいことを表しています。色々なことを全部終ってからでないと、脳の調整を何度もやり直すことになります。

例えば、脳は最もエネルギーを使う臓器の一つです。ですから、脳にアプローチする前に、必ずミトコンドリアをある程度動かしておく必要があります。

副腎も非常に脳機能に関係します。HPA軸といって、コルチゾールが多すぎると海馬という記憶に関する部分が委縮します。また、副腎疲労のせいで活発な性格が隠れていることはよくあります。このような場合、治療が進むにつれてだんだんと性格が変わっていきます。人格が変わったように元気になって、躁病のようになってしまうこともあります。ですから、治療開始時のサプリメントと、副腎が回復されてきた時のサプリメントでは処方を少し変えなければなりません。

炎症も脳機能に大きな影響を与えます。炎症がうつ病の原因だという報告は多いです。特に自閉症、子供の場合は炎症の影響をすごく受けやすいです。自閉症の場合は最初から脳の炎症を止めるようにアプローチするのを意識します。食事指導がすごく厳しくなります。グルテンフリー・カゼインフリーに加えて、グルタミンフリーにもします。グルタミンは、興奮性の脳の神経伝達物質であるグルタミン酸の前駆体です。

重金属などの毒素もかなり影響しています。歯にアマルガムが入っている人は、様々な経路で体内から脳に入ってきます。アマルガムの水銀は、常に蒸発していますから蒸気水銀としても脳に入ります。血行にも乗りますし、三叉神経を逆行して直接脳にも行きます。

低血糖はエネルギー不足を引き起こす

低血糖対策はとても大事です。これは血糖曲線です。これは糖負荷試験といって空腹時にブドウ糖を75g飲んで、血糖値とインスリンの量を測る検査ですが、普通の人は血糖値が緩やかに上って下がります。

しかし、この方は急激に130まで上がって、急激に57まで下がっています。ジェットコースターのようですね。下がった時に、イライラしたり眠くなったりします。これを低血糖症と言います。エネルギーレベルがめちゃくちゃになって、脳にかなり影響します。ですから、エネルギーレベルを平坦化して、落ち着かせてから脳にアプローチしないといけません。

副腎ホルモンケアがミトコンドリアを安定させる

低血糖症はもともとは副腎疲労が原因で起きます。副腎はコルチゾールを出して、血糖値を保ってくれる働きをしています。副腎疲労がある人は、きちんとエネルギーが供給できません。ですから、ミトコンドリア対策をする前に、ホルモンの方を根本的にやるということです。

エネルギーとデトックスの関係

これはミトコンドリアの中でぐるぐる回っているクエン酸回路というものです。ミトコンドリアの中でこの回路がぐるぐる回って、そこからエネルギーが作り出されています。必要な栄養素が黄緑色で示されています。亜鉛、鉄、ビタミンB群などですね。

回路が滞りなくまわるためには、様々な栄養が必要です。一方でこの黒いところは、それを邪魔するものです。クエン酸からシスアコニチン酸になるために使われる酵素がありますが、これはフッ素・水銀・ヒ素・アンチモンによって阻害されます。アルミニウムによって阻害されるところもあります。

クエン酸からαケトグルタル酸に至るまでのこの部分は(山手線でいうと駒込から東京駅くらいまで)は、非常に活性酸素の害を受けやすいです。重金属によって活性酸素がたくさん発生すると、このあたりはすべて止まってしまいます。

この状態をみるのが、先日ご紹介した尿有機酸検査です。まずミトコンドリアをちゃんと動かそうと思ったら、栄養を入れるだけでなくデトックスもしようということです。ですから、デトックスがエネルギーよりもピラミッドの下層になります。

性ホルモンより副腎ホルモンのケア

ホルモンの中にもヒエラルキーがあります。性ホルモンよりも副腎ホルモンを先に治療するのには理由があります。コレステロールからホルモンができるんですが、コルチゾールと性ホルモン、両方ともコレステロールからできます。コルチゾールが少なくなる副腎疲労の段階になると、コレステロールの多くがコルチゾールの生成に回ってしまい、性ホルモンに行かなくなってしまいます。

生命維持に大事なのはコルチゾールですから、生命反応を少なくしてすべてコルチゾールに傾けます。これをコルチゾール・スティール症候群といいます。わかりやすくいうと、コルチゾールが性ホルモンにまわるはずの材料をを盗んでいってしまうのです。(正確には異なりますが、そう理解して頂くのがわかりやすいと思います。)

副腎疲労ではPMSなど、女性ホルモン・男性ホルモン低下の症状が頻発します。これに対して性ホルモンの補充だけしてもだめでしょう。最初にするべきは、副腎へのアプローチです。コルチゾールを正常に戻してあげることです。そうすると、性ホルモンの方も自然と元に戻ってくる人が多いです。

環境毒素がホルモンに与える影響

次は、ホルモンと水銀の関係です。副腎ホルモン・性ホルモンをはじめ、すべてのホルモンはその受容体をことごとく、水銀によってブロックされます。これは、アンドリュー・カトラー先生の書かれた「Amalgam Illness」という本に載っていた図を日本語化したものです。アマルガムの害について書かれた本です。

甲状腺機能がもし低下していたら、天然の甲状腺ホルモンなどで補充してあげることも身体の代謝にとっては必要なのかもしれませんが、デトックスをちゃんとやったら、それが必要なくなる可能性があるということです。重金属はホルモンを支配しています。

デトックスの前に腸内環境を整える

人間の解毒というのは、3段階にわかれています。フェーズ1は活性化で、脂に溶けて安定している毒素を活性化して水に溶けやすくする段階、フェーズ2は抱合といって、水溶性のグルタチオンと抱き合わせてやはり水溶性にする段階、そしてフェーズ3は排泄で腎臓や肝臓から腸を通って体外に出す段階です。

体の中の毒が抜けないのは、脂の中で安定化してしまっているからです。血液中の毒や腸内の毒は、人間は排泄することができます。出せないのは、脂の中の毒です。ですから、脂肪がたくさんある人は毒が溜まりやすいです。

これらの3つのフェーズのすべてに関わるのは腸です。デトックスは腸内環境に大きく左右されます。だから、まず最初に腸内環境を治さないと解毒がうまくいきません。

水銀には有機水銀と無機水銀があります。有機水銀の80%は肝臓から胆汁に乗せて腸から排出されていきますから、腸内環境が悪ければまた腸から吸収されてしまうし、毎日排便がない人はなかなか体外に出ていきません。本格的なデトックスの前に腸内環境を治すことが大切です。

デトックスの前に炎症を抑える

デトックスの前には、炎症を治すことも大事です。体内に炎症があると、抱合に必要なグルタチオンがすべて持っていかれてしまうからです。

グルタチオンは抱合に関わる最も強力な因子ですが、同時に、強力な抗酸化物質でもあるので、体内に酸化ストレスがあるとそちらを還元するためにすべて使われてしまいます。ですから、体内でグルタチオンが十分に使えるように炎症を押さえ込んでからデトックスに入ることが大切です。

具体的には、腸内環境を整えながら、耳鼻科や歯科いってくださいね、とアドバイスします。耳鼻科で上咽頭炎を、歯科で根尖感染を治してきていただきます。特に脳のデトックスをするには、首から上の炎症を完全にとってしまうことです。脳に近い炎症がとても関係してきますから。

リーキーガットとリーキーブレイン

腸と脳はどちらを先にアプローチすべきかというと、両方です。脳がちゃんとした人でないと食べ物がちゃんとできないですよね。栄養療法は食事療法です。食事療法ができないと、腸が治りません。腸が治らないと、全て上手く行きません。ですから、対症療法的に脳にアプローチしてあげることは重要です。ただし、根源的には下から登っていかないといけません。

リーキーガットとは、腸に穴が開いてしまうという概念です。たんぱく質の中のグリアジンというものがあります。小麦を避けてほしい理由は、グリアジンがゾヌリンタンパク質を作らせて、そのゾヌリンが腸のタイトジャンクションを開いてしまうからです。タイトジャンクションとは、粘膜細胞と粘膜細胞の間に存在するバリアのことです。タイトジャンクションが開くと、余計なものが体内に入ってしまい、様々な免疫反応を引き起こしてしまいます。これがリーキーガットです。

入ったゾヌリンはそのまま脳の方まで行きます。問題なのは腸のタイトジャンクションと脳の血液脳関門(BBB: blood brain barrier )はほぼ同じ構造をしているということです。血液脳関門は脳の中に異物が入らないようにしているバリアですが、腸と同様にゾヌリンで開きます。だから、ゾヌリンが頭の方に行った場合、そのまま脳の中に入ってしまいます。だから、リーキーガットがリーキーブレインも引き起こします。

もちろん小麦アレルギーもあるかもしれませんが、それだけでは説明しきれないグルテンの問題点があります。特に子供は感受性が高いので、グルテンフリーにすると異常行動が治まったりします。

アルツハイマー病の原因と対策

アルツハイマー病に効く薬はありません。アルツハイマー病はβアミロイドの蓄積が原因だと言われて、ベータアミロイドを減らすための薬が全世界でたくさん開発されましたが、ことごとく失敗しました。どこの国の政府も主張していて、フランスは半年前にアルツハイマーの薬を保険外適用にしました。理由は、効かないからです。

アメリカのアルツハイマー病学会も薬は効かないと公式声明を出しています。薬をたくさん使っているのは日本くらいです。なぜ薬が効かないかというと、ベータアミロイドの蓄積は原因ではなくて結果だからです。アルツハイマーの原因には個体差があるからです。原因は人によって様々で、毒物のせい・栄養不足のせい、炎症のせいなどです。だから、アルツハイマーも個体差を見据えた栄養療法で治していかないとうまくいかないんです。

それをうまく説明しているのが、この「アルツハイマー病の真実と終焉」という本です。アルツハイマー病の原因は、この本によると大きく3つに分かれていて、この3つのうちのどれにあたるのかを突き詰めて、それにアプローチしていくといいよ、と書かれています。書かれていることはかなり複雑に見えますが、根本治療のピラミッドを理解していれば、治療の順番に困ることはありません。

治療のステップ

ピラミッドは5段階ありましたが、重症な人ほど4段目(デトックス)と5段目(炎症、腸内環境)、そして低血糖の治療に時間をかけた方がいいです。

栄養療法はサプリメントと食事ですが、栄養の吸収が悪い人は、全然うまくいきません。時間をかけて、吸収できるような素地を作ってあげるのが、結果的には近道です。消化できない栄養は腸を荒らすだけです。代謝が低く、消化酵素が出ていないわけですから。腸が荒れて、お腹が膨れて、まったく治りません。まずは、合わない食べ物をやめることです。

胃腸のケアに集中すること、副腎ケアに集中して低血糖をなくすこと。それだけでだいぶ、人の持っている自然治癒力が働いてきます。

サプリメントとしては副腎サプリと乳酸菌と消化酵素などで様子を見ます。ある程度素地が出てきたら、代謝が高くなってくるので、デトックスを始めようか、ということになります。デトックスは基本的に攻めの治療です。ここからはサウナや運動を混ぜていってもいいと思います。散歩したら疲れて動けなくなっちゃう、という人はまだそこまでやらない方がいいということです。

サプリメント、どうやって決めていますか?

宮澤賢史 · 2019年2月27日 ·

自分の勘やたまたまテレビで見たCM、もしくは、雑誌の広告やネット口コミから、安易にサプリメントを決めることは血糖値を測らないでインスリン注射をすること、血圧を測らずに降圧剤を飲むことと同じです。

臨床分子栄養医学研究会は、近年広く認知されるようになった分子栄養学を元に、貴方にはどのようなサプリメントがあっているのか?を決めるための様々な方法論を研究しています。

分子栄養学の歩き方

分子栄養学(オーソモレキュラー療法)は、サプリメントなどの栄養素で医療効果を得るための方法論です。

今や、日本国内でもサプリメントを扱う医療機関は、個人クリニックを中心にして優に1000は超えており、多くの医師・歯科医師が分子栄養学の理論を取り入れたサプリメント処方を行っています。
この講座では、分子栄養学の基礎を解説しています。

無料メール講座


[btn href=”https://orthomolecularmedicine.tokyo/basic/supplement/kouritsu” class=”flat7″]サプリメントは効率の道具[/btn]

定期的メール配信により、分子栄養学のトピックを中心にお伝えします。

「ビタミンの必要量と個人差について」
「サプリメントは効率の道具である」
「栄養療法の可能性」

「なぜ、血液検査をする必要があるのか」
「ビタミンAの栄養所要量」
「うつ病=低血糖=糖質制限のわな」

「歯科と医科のジレンマ」
「副腎疲労の回復期に注意せよ」

等、興味深い話題が満載です。

[sen]

[btn href=”https://orthomolecularsociety.teachable.com/p/afsbasic” class=”flat7″]副腎疲労私の治し方[/btn]

副腎疲労をどのように考え、どのように治していくのかをご紹介しています。

「副腎疲労は確実に存在する」
「ビタミンの必要量と個人差」
「貴方の副腎疲労もなおせます」
「私の治療法」
「血液検査でわかる副腎疲労」
「ビタミンCの正しい摂り方」
「栄養の消化について」
「重金属が諸悪の根源」

などを定期的に配信します。

無料動画講座

初心者向け

[btn href=”” class=”flat7″]公開を休止しています[/btn]

 

 

 

自閉症治療における最大のポイント

宮澤賢史 · 2019年2月26日 ·

異常なスピードで増えている自閉症

数年前になりますが自閉症に関しての勉強会に参加しました。

かつて米国で1万人に1人といわれた自閉症ですが、2012年にはアメリカ疾病管理予防センターはその割合は88人に1人との推定を発表しています。

日本と米国で全く違う治療の実情

日本での治療は、トレーニング、家族のサポートと薬物治療が主です。

もちろん、薬は必要ですが、その目的は日中の精神状態の平穏を確保するためのものであり、根本治療ではないところが歯がゆいところです。

残念ながら、保険診療の範囲では、自閉症に対する根本原因を見つけるのは困難といわざるを得ません。

日本に比べると、米国には多くの自閉症治療機関や、患者さんの団体があります。自閉症の治療に関しては、日本と欧米では大分知識量に差が出ているとのことでした。

エイミー・ヤスコの治療方法

そんな中で、エイミー・ヤスコ先生は自閉症の根本治療を遺伝子レベルからアプローチする事で、多くの患者を改善に導いている先生です。

彼女によると、自閉症は原因がほぼ確定されています。

遺伝子変異、神経興奮毒素、連鎖球菌の感染、有害重金属の負荷、慢性ウイルス感染、性別・血液型・HLAタイプなどです。

これらが複雑に影響しあって、自閉症が生じます。

「なぜうちの子だけが自閉症になってしまったのか?」

という両親の質問に対して、彼女はダイアナ妃の事故を例にあげて説明するそうです。

あの時、車があれほどスピードを出してなかったら?
あの時、パパラッチがあれほど追いかけてこなかったら?
あの時、運転手がお酒を飲んでいなかったら?
あの時、シートベルトをちゃんとしていたら?

自閉症はそれらの多くのパズルのピースが組み合わさったときに発症します。

自閉症を治療するためには、まず体内の炎症、特に腸の炎症を抑えなくてはなりません。
ですから、サプリメントに加えて、食事の内容を様々な形で制限していくことが必要です。

結構大変なことだと思います。

自閉症治療の最大のポイント

これは講師の先生が教えてくれたのですが、

「2年以上かなり治療を頑張っていたのに結果がいまいちだった子供がいる。」とのこと。

何で治療が効かないんだろうと、思っていたが、つい最近、「実は、甘いものをやめさせることが出来なかった」とご両親から告白されたという事でした。

そのときは、そうなんだ、やはり大変なんだなと、あまり考えなかったのですが、先日、衝撃的な出来事があったのです。

発達障害の児童を教育する学校の校長先生と面談しました。

そこは、全寮制でお子様を預かることで、単に勉強を見るだけでなく、生活を全般にわたってみているということです。

驚いたのはいままで100%の人が留学もしくは復学を果たしていることです。

これはすごいことです。

食事、腸内環境が重要

なぜ、こんな効果がでるんだろう?といろいろ聞いてみてわかりました。

大きな理由のひとつは、「子供達に対するお菓子、甘いものの徹底禁止」だと思います。

これをするだけでも、子供の場合は格段に腸内環境がよくなります。
ここは全寮制なので、完全な指導ができるんですね。

食事を厳格にしないとなかなかよく治らない病態があります。
それは、腸内環境が絡む問題です。

特に子供の場合は顕著です。
甘いものや添加物、食物アレルギーをおこす食物は未熟な腸内環境を悪化させます。

サプリを含む様々な治療をしているのに自閉症が治らない人もいるのに、食事、生活指導でも改善する人もいる。

最近、測定した自分の検査結果がかなり低血糖になっているのをみて、改めて思いました。

「食事は大事です」

今回の話は一部の人にとっては当たり前だと思いますが、私を含め出来ていない人は食事の大切さを自覚しようね、という話でした。

  • « Go to Previous Page
  • ページ 1
  • ページ 2
  • ページ 3
  • ページ 4
  • ページ 5
  • Go to Next Page »

臨床分子栄養医学研究会

Copyright © 2025 臨床分子栄養医学研究会

  • プライバシーポリシー
  • 会員規約および会員規定
  • 利用規約
  • 特定商取引法に基づく表記