こんにちは、宮澤です。
この前、夜中に配信で昔の映画を流し見していたら、登場人物が「眠れないから」と軽く睡眠薬を増やしていくシーンがあって、妙にリアルだな…と感じました。
現場でも「ちょっと寝たいだけなんです」「不安が消えればいいんです」と言いながら、いつの間にか抗精神病薬(その一つがクエチアピン=セロクエル)を長期で飲み続けている方は少なくありません。
Diane Ridaeusによれば、セロクエルは本来、統合失調症や双極性障害の躁・うつ発作、うつ病の補助療法のための抗精神病薬ですが、実際には不眠や不安、PTSDなど「オフラベル」で広く使われています。そして、数カ月〜年単位で飲み続けると、脳が薬に“慣れる”ことで身体的依存が起こり、急にやめると反跳性の不眠・躁状態・離脱性の精神症状(元々なかった精神症状が出ることさえある)、自律神経症状(動悸、発汗、めまい、吐き気など)が一気に噴き出す「セロクエル離脱症候群」が起きやすくなる、というのがこの記事のポイントです。
離脱はだいたい
→ 最初の数日〜4週間の「新しい離脱」
→ もともとの症状より強く出ることもある「リバウンド」
→ 数週間〜数カ月続く「PAWS(遷延性離脱症候群)」
という3フェーズで語られていて、だからこそ「いきなり中止(コールドターキー)はほぼNG。超ゆっくりの減薬+栄養・運動・デトックスなどの自然療法を組み合わせて、脳と体の回復を支えよう」というメッセージでした。長期的には、抗精神病薬を続けた人より、早めに減薬・中止した人のほうが回復率が高かったという20年追跡研究も紹介されていて、「薬だけに頼らない選択肢を準備しておこう」という流れになっています。
僕自身、昔は睡眠不足が続くと、とりあえずカフェインでごまかして、結果的にもっと眠れなくなる…というしょうもない悪循環をよくやっていました。
人間って、「いま苦しい」を消してくれるものがあると、それが長期的に自分を縛る鎖になっていても、なかなか気づけないんですよね。
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## 映画や日常から見える「ちょっとだけ薬に頼りたい」心理
例えば、こんな人って多いです。
– 仕事のストレスで眠れなくなったAさん
→ 心療内科で「少し楽になりますよ」とセロクエルを25mg処方
→ よく眠れるので「助かった」と思う
→ 3カ月後、「飲まないと眠れない気がする」
→ やめようとすると眠れない・イライラ・動悸で、「やっぱり自分は薬がないとダメ」と思い込む
– 子育てと仕事のダブルワークでパンク寸前のBさん
→ 不安とイライラが強くて、夜になるとスマホで「不安 薬」「セロクエル 安全」と検索
→ 「依存性はない薬」と見て、少し安心して飲み始める
→ でも体はちゃんと“存在”を記憶するので、やめるときにツケがくる
多くの人の頭の中は、だいたいこんな感じになっています。
> 「今すぐ眠れないと明日の仕事が終わる」
> 「とりあえず今日を乗り切りたい」
> 「ネットには“安全”って書いてあるし、先生も『大丈夫』って言ってたし…」
> 「減らすのが怖い。悪化したらどうしよう」
ここでポイントなのは、
– 「薬が悪い」「飲むな」という話ではなくて
– 「短期の“楽”を買うために、長期の“回復力”を売ってしまっていないか?」
– 「薬をやめるシナリオ(出口)を最初から設計しているか?」
という視点なんです。
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## 僕のフランクな自己開示から言うと…
僕、もともとメンタルがめちゃくちゃ強いタイプではなくて、寝不足と栄養の乱れでメンタルが一気に崩れる体質です。
だからこそ、自分自身も「薬を足す前に、どこまで土台を整えられるか」をかなりシビアに見ています。
– 睡眠
– 血糖値(甘いもの・精製炭水化物の量)
– 炎症(腸、食品添加物、アルコール、タバコ)
– 運動量と日光
– 重金属や化学物質への暴露(職場、住環境)
ここがガタガタのまま、「とりあえずセロクエルで寝ておきましょう」とやると、たしかに一時的には楽なんだけど、
→ 「自分の脳の回復力」を鍛えるチャンスを逃してしまう
→ そして、減薬するころには「薬なしの自分」がすごく不安に感じられてしまう
ってことになりやすい。
特に、離脱のタイミングでよく出るのが、
– 眠れない
– 食欲がなくなる
– 不安・焦燥感が強くなる
– 「これ、もとの病気が戻ってきただけじゃない?」という恐怖
なんですけど、ここで多くの方は
> 「あ、やっぱり自分は一生薬が必要なタイプなんだ」
と結論づけてしまう。
でも実際には、
– 脳が「薬あり前提の設定」から「薬なしモード」への再調整をしている途中だったり
– ドーパミンやセロトニンの受容体が“揺り戻し”を起こしていて
– 栄養や睡眠・運動でサポートすれば、もう一段階落ち着いたところまでいける
ってケースがかなりあるんです。
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## 栄養療法の視点でセロクエル離脱を見ると…
ここが本題です。
セロクエル離脱の背景には、ざっくりいうと、
– ドーパミン・セロトニンなどの神経伝達物質のバランス変化
– それに対する受容体側の「慣れ(=過敏化)」
– 自律神経の揺れ(交感神経優位へ)
があって、それを支えているのが
– 栄養状態(タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、マグネシウム、オメガ3など)
– 炎症レベル(腸内環境や血糖値)
– ミトコンドリアのエネルギー産生
なんです。
離脱症状がきつい人ほど、
– 朝はパンとコーヒーだけ
– 昼はコンビニ弁当+甘いドリンク
– 夜は炭水化物+アルコール
– 野菜と魚の摂取はかなり少ない
みたいなパターンが多い。
これだと、そもそも神経伝達物質を作る「材料」が足りないんです。
僕から見ると、セロクエル離脱の栄養療法は大きく分けてこの3本柱になります。
1. **「脳の材料」をしっかり入れる**
– 毎食、手のひら1枚分くらいのタンパク質(肉・魚・卵・大豆)
– ビタミンB群、マグネシウム、亜鉛を意識(サプリも選択肢)
– オメガ3(青魚、亜麻仁油、サプリ)で神経の膜を安定させる
2. **血糖値ジェットコースターをやめる**
– 白パン・白米・砂糖たっぷりのお菓子を「普段使い」から外す
– 主食は玄米・雑穀・全粒粉パンなど、“ゆっくり効く炭水化物”へ
– おやつはナッツ+高カカオチョコなど、血糖が乱高下しにくいものに
3. **炎症と毒素を減らして、神経のノイズを下げる**
– アルコール、加工食品、添加物の多いスナックをしばらく本気で絞る
– 腸内環境を整える(発酵食品、食物繊維、必要に応じてプロバイオティクス)
– 場合によっては、重金属や環境毒を検査して、段階的にデトックスする
これをやると何が起こるかというと、
– 離脱の「波」はゼロにはならなくても
– 波の高さと幅がだんだん小さくなって
– 「揺れても戻ってこれる自分」ができてくる
ってことなんです。
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## 臨床経験から言うと…
臨床経験から言うと、セロクエルをはじめとした抗精神病薬の減薬・離脱でいちばん大事なのは、
– 「減薬スピード」より「準備」と「土台作り」
– 「薬をどれだけ抜いたか」より「日常生活の質がどれだけ上がったか」
なんです。
よくある失敗パターンは、
– 医師「そろそろ減らしてみましょうか」
– 本人「はい」
– → いきなり半分、あるいは中止
– → 1〜2週間は意外と平気
– → そのあと一気に不眠・不安・動悸・思考の暴走
– → 「やっぱりダメだ」と元の量に戻す(もしくは増量)
これを何回も繰り返すと、
> 「減薬=怖い」
> 「自分の脳は壊れている」
というイメージがどんどん強化されてしまう。
なので僕は、
– 減薬を始める前に、最低でも1〜3カ月は「栄養・睡眠・運動」の土台作りをやる
– 減らす量は“本人がほぼ気づかないくらいの差”から始める
– 波がきたら「失敗」ではなく、「体の反応を観察する期間」として扱う
– メンタル症状だけでなく、食欲・排便・体温感覚・エネルギー量も一緒に観察する
という進め方をおすすめしています。
栄養療法は「魔法のサプリを飲めば離脱が一切なくなる」という話ではありません。
でも、
– ただ我慢する
– とりあえず他の薬を足してしのぐ
だけよりも、
> 「自分の体と脳がちゃんと回復する方向に向かっている」
という実感を持ちやすいのが大きな違いです。
僕の感覚としては、
– 減薬そのもの →「ブレーキをゆるめる作業」
– 栄養療法 →「エンジンのパワーを上げる作業」
で、この両方がそろってはじめて、
> 「ゆっくりだけど、そのうち薬なしでも走れる車になるよね」
っていう現実的なイメージが持てるんだと思っています。
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## だから「栄養でメンタルを支える」という発想を学ぶべき
ここまでをざっくりまとめると、
– セロクエルは短期的には眠りや不安の軽減に役立つことがある
– でも、数カ月〜年単位で続けたあとに急にやめると
→ 強い離脱症状
→ 反跳性の精神症状
→ 長引く不調(PAWS)
につながりやすいってこと
– 離脱のつらさには「脳と身体の栄養状態」や「炎症」がかなり関わっていて
– 減薬前から、タンパク質・ビタミン・ミネラル・オメガ3・腸内環境・デトックスなどを整えておくと
→ 波はあっても「戻ってこられる自分」になりやすいってこと
– そして、薬の量だけじゃなくて
→ 睡眠
→ 食欲
→ エネルギー
→ 人間関係
といった“生活そのもの”が回復しているかを一緒に見ていく必要があるってこと
です。
だから、もしあなたが
– セロクエルを飲んでいて、いつかは減らしたいと思っている
– すでに減薬にチャレンジして、離脱で挫折したことがある
– 自分や家族が、薬ありきのメンタルケアに不安を感じている
なら、
> 「栄養でメンタルを支えるって、具体的にどうやるのか?」
をちゃんと学んでおく価値はかなり大きいと、僕は思っています。
減薬を急ぐ前に、「自分の体を味方につける」という発想を持てるかどうかで、その後の数年〜数十年が変わってくるからです。
また書きますね!
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参考にした記事:
[Seroquel Withdrawal: Symptoms, Timeline, and Support](https://www.alternativetomeds.com/blog/seroquel-withdrawal/)

