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臨床分子栄養医学研究会

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現在の場所:ホーム / アーカイブ宮澤賢史

宮澤賢史

検査を行って確認する

宮澤賢史 · 2019年11月1日 ·

STEP1:治療方針を決める
STEP2:必要な治療と順番を決める

ステップ2の続きです。
さて、治療方針と順番が決まりましたか?

しかし、その方針は病態から推測したものであり、仮説にすぎません。本当にその方針があっているか、様々な検査を使って確認していきます。

日本の病院で行われる検査は5mmのがんや、2mmのポリープなど「目に見えるもの」を見つけるのは得意ですが、「目に見えないもの」(ホルモンの微妙な変化や体内に貯まっている水銀の量など)に関しては感度がとても悪い、もしくは検査そのものがないのが実情です。

だから、脳の神経伝達物質やミトコンドリアの状態、ホルモンバランスや重金属、非金属の体内蓄積など特殊な検査に関しては海外の会社を頼ることになります。

重要:サプリメントを用いた自然治療が適応となるのは、器質的な疾患がない場合に限ります。必ず、一般的な治療を行っている病院でも診察を受けて、器質的な疾患がない事を確認してください。

まずは基本の血液検査

最初に欠かせないのは基本の血液検査です。

これは、栄養状態の過不足、酵素活性、ストレス度合いなどを血液検査から推定し、栄養処方の一助とするものです。この方法は実際に、日本国内の多くの分子栄養学医に活用されているものであり、私もこの方法を用いて、15年間で12,000人以上のデータを解析してきました。

栄養状態を知るなら一般的な健診項目だけではなく、以下のような項目も測っておくと便利です。

  • フェリチン・・・貯蔵鉄を評価するのに最適な指標。ミトコンドリア機能も反映します。
  • 亜鉛、銅・・・脳の栄養という観点から言えば、亜鉛と銅の数値が同じ位の数値が理想的です。銅の過剰は不安な気持ちを強くします。
  • ペプシノーゲン1・・・胃酸の分泌量を反映します。胃酸や消化酵素が十分出ているかどうかは栄養状態に大きく影響します。
  • ホモシステイン・・・動脈硬化の因子としても、メチレーション回路が回っているかを知る手がかりとしても有益です。
  • ビタミンD・・・ビタミンDの効果は血中濃度に比例します。免疫増強を求めるなら40 ng/mL 以上を目指しましょう。

この血液検査から栄養状態を読み取る方法論は一般の医療界には認められていないものであり、勿論、大規模試験に基づくエビデンスなどはありません。あくまでも、生化学的な理論および、経験から推察されるものです。栄養状態を読み解く大きな手がかりを得られる反面、生体における病態の根本原因を探る手段としては、不十分な点もあります。

スクリーニングに最適な有機酸検査

朝一番の尿を取るだけで、腸内環境、ミトコンドリア機能、脳神経伝達物質のバランス、炎症の程度など、広い範囲で体を知ることができるのが米国のグレートプレーンズ研究所が提供している有機酸検査です。

スクリーニングというのは最初のふるい分けを意味する言葉で、とにかく検査でわかる範囲が広いので、「詳しい状況はよくわからないけど、とにかく調子が悪いので検査をやってみたい」という方にもオススメです。

ビタミンやミネラルの欠乏、イーストやクロストリジウム菌の過剰増殖、糖質、脂質、たん白代謝。毒性物質の解毒状況なんかもわかります。

どのようにして尿検査で腸内環境がわかるのでしょうか?

腸に住んでいる酵母菌の産生物は分子量が小さいため、正常の腸からもある程度は吸収され、肝臓、腎臓を経由して、尿として排出されます。その排泄物を分析しているのです。

また例えば、多くの精神疾患で脳内のドーパミンレベルが高いことが報告されています。過剰のドーパミンは神経細胞を傷つけるので、順次ノルエピネフリンに転換されるのが普通です。有機酸検査では、尿中のドーパミン、ノルエピネフリン代謝物を測る事で、これらの量を推測することができます。

それだけではありません。ミトコンドリア機能障害の評価もできますし、解毒に重要なグルタチオンのレベルもわかります。新生児スクリーニングでも行われるアミノ酸代謝異常もカバーしています。

迷ったら有機酸検査です。

腸内環境を評価する

腸内細菌はビタミンB群やビタミンKを作り出し、栄養の吸収を助け、食物繊維を発酵させてエネルギーに変えたりとさまざまな働きを行っていますが、中でも最重要なのは腸のバリア機能を保つことです。

腸管は自分に必要な栄養は十分に吸収し、細菌や毒物、未消化のタンパク質などは取り込まないように選択的なバリアを作っています。この見事な機能は「神の手」と称されてきました。

現代の食生活や環境のせいで、このバリア機能が破綻してしまっている人が増えており、これをリーキーガット症候群と呼びます。これがおきてしまうと、腸に空いた穴から有害物質が血管に侵入し、いたるところで免疫反応が起き、慢性炎症を引き起こししてしまいます。

リーキーガットの模式図

ここで、腸のバリアを構成する因子を再確認しましょう。バリアは大きく細菌学的バリア(乳酸菌とかビフィズス菌)、免疫学的バリア(粘膜免疫のIgA)、物理的バリア(細胞と細胞の間を結合しているタンパク)の3つに分けられます。これらのバリアが壊れて腸に炎症を起こしていないか、タンパク質を分解する消化酵素は十分か。

これを調べるのに最適なのが Doctors Data(ドクターズ・データ)社の(包括的便分析検査(Comprehensive Stool Analysis)です。

Comprehensive(包括的)というだけあって、カンジダなどイーストの有無、消化酵素の分泌、炎症の程度、腸管免疫、短鎖脂肪酸の生成など様々な情報を与えてくれます。

検査結果に応じて、乳酸菌が足りなければ乳酸菌、消化酵素が足りなければ消化酵素を足し、カンジダ菌がいれば除菌治療、炎症が強ければグルタミンやケルセチンを足していく事でかなりの確率で腸内環境がよくなっていくのを実感されるでしょう。

腸内フローラは人や地域によって大きく異なり、どの菌が良くてどれが悪いとは簡単に決め付けられない現状ですが、ビフィズス菌と乳酸菌は多くの研究から良い事が示唆されており、その量が推測できるのは大きなアドバンテージです。

但し問題点もあります。腸内細菌は嫌気性が多く、空気に触れると死んでしまいます。ですから培養検査が難しいのです。実際に培養検査で検出できる菌は全体の30%以下です。

それを解決するのが腸内細菌のDNA検査です。名の通り、腸内細菌のDNA解析を行うため細菌が生きてるかどうかに関係なく検査可能です。最近は日本でも腸内細菌DNA分析をすることができるようになりました。

自覚症状はあてにならない

「自覚症状があれば、 検査なんて必要ない」と思う方もいるかもしれません。しかし、腸の炎症を自覚できる人は少ないことを覚えておいてください。

宮澤医院で上記の便検査を行った50名の患者さんに繰り返す便秘や下痢、腹痛などの自覚症状があるか聞いたところ、40歳未満では3分の1、40歳以上になると3分の2の方は症状がないと答えました。

毛髪で重金属の排泄力を評価する

アジア地域の工業における水銀排泄量は世界的に見てもかなり多く、火力発電所で使用される石炭中の水銀が大気中に放出、海に落ちて生物濃縮され、魚に蓄積しています。

体が大きく寿命が長い魚ほど濃縮は大きくなります。現在、マグロやクジラに含まれる水銀量は無視できないほど多くなっているのが現状です。

いくら避けようとしても、現代に生きている限り、体内に入ってくる金属の量をゼロにする事はできません。重要なのは、入ってきた金属を排泄する能力です。

自閉症児は健常な子供に比べて、水銀を排泄する力が弱い事がわかっています。毛髪検査は水銀の排泄能力が保たれているかどうかを簡単に調べられる優れた検査です。

検査で重金属を排泄する力が弱い場合、解毒治療が必要になります。逆に多少金属の蓄積があっても、排泄する力が保たれていれば積極的な解毒治療は必要ありません。

また、この検査からは、有害金属だけでなく必須ミネラルのバランスや体のストレス具合など多彩な情報を読み取る事ができます。

副腎疲労を評価する唾液検査

副腎疲労は、ストレスにより副腎機能が低下してホルモン分泌量が低下する病態ですが、その低下量は難病として知られるアディゾン病と比べれば僅かです。

だから、血中のコルチゾールを測定してもほぼ正常範囲と出てしまいます。検査が正常なのに症状があるので問題なわけで、それを解決するためにはより感度の高い検査を行い、コルチゾールが低下している事を確かめる必要があります。

一番簡単なのは、唾液中コルチゾール検査です。唾液のスピッツを持っていればどこでも検査ができます。

血中のコルチゾールは実際には働いていない非活性のコルチゾールもまとめて測れてしまいますが、唾液中コルチゾール検査では活性型のコルチゾールだけを測る事ができるため、非常に鋭敏です。

唾液中コルチゾール濃度は血清中の非結合コルチゾール濃度に比例する
Ann Clin Biochem. 1983 Nov;20 (Pt 6):329-35.

唾液中コルチゾール検査

人のコルチゾールは1日の中でも分泌量がだいぶ異なり、朝には多く出ますが、夕方から夜にかけてはほとんど出なくなります。それに合わせて、8時、12時、16時、24時と1日4回唾液を取って検査を行います。

婦人科系疾患の人がまず治療すべき臓器

乳がんや子宮筋腫、子宮内膜症、PMSなど、エストロゲンという女性ホルモンの過剰が原因になっている病気を持つ人が優先的に治療する場所は肝臓です。

なぜなら、余ったエストロゲンは肝臓で分解、解毒されるからです。特に悪玉と呼ばれる16OHエストロゲンの過剰が婦人科疾患に大きく影響しています。

Rhein consulting laboratories社が提供している尿中ホルモン検査はコルチゾールだけでなく、テストステロンやエストロゲン、DHEAなど女性ホルモンや男性ホルモンのすべての項目を一度に測ることができます。

24時間尿をためて行う検査ですので、やや面倒に感じるかもしれませんが、測定の正確さ、情報の多さはピカイチです。これからホルモン補充療法を行う計画がある人も必ずやっておきたい検査です。

脳機能の評価に使える遺伝子検査

うつや統合失調症、ADHDなどの疾患では脳内の神経伝達物質のバランスが問題になる事が多いです。ドーパミンやノルエピネフリン、セロトニンの量に関しては有機酸検査や血液検査で推定する事が可能です。

しかし、発達障害の子供の場合は、それ以外に遺伝子検査をすることが有用かもしれません。言語の習得に必要なドーパミンや解毒が十分に行われるためには体内のメチレーション回路がうまく回る必要があります。ほとんどの自閉症児はこれがうまく働いていませんが、その原因の多くは遺伝子変異にあります。

これは、ドクターズ・データ社のDNAメチレーション検査。メチレーションに関わる遺伝子の変異の殆どをカバーしています。

子供の脳神経は4歳までに80%完成してしまいますから、時間との勝負です。気が付いたら早めに始めることです。

まとめ

これでようやく、治療ピラミッドを構成する要素が固まりました!
あとは、原則下の段から治療を行っていきます。

宮澤医院ではご紹介した検査を全て取り扱っています。ご希望の方は検査キットをお送りする事も出来ます。(一部できないものがあります)

ここまでできたらいよいよ治療にとりかかります。

STEP4:実際の治療

必要な治療と順番を決める

宮澤賢史 · 2019年11月1日 ·

前回は「ステップ1_治療方針を決める」ということをお話ししました。

さて、大まかな治療方針が決まったら、次はそれを達成するために必要な治療とその順番を決めていきます。

私は栄養療法や分子生物学、栄養学のテキストを30冊以上持っていますが、そのうちほとんどは「病気を診ずに人を診よ」などの信念的な事と、95%の人が読み飛ばすビタミン代謝の化学式などに多くのページを割いています。

これらは本当はすごく重要なのかもしれませんが、ここを読んでいるあなたはそれを求めていないでしょう。求めているのはもっと実用的ですぐつかえる知識に違いありません。私も「まずは自分に向き合う」といった抽象論は好きではありません。

ですから、図やチャートを用いて、理論に沿って治療方針の決定をする方法をご紹介することにしました。この方法のよいところは再現性です。理論通りに進めれば、だれがやっても同じ治療法にたどり着けるはずです。

これは私が普段の治療に用いている治療ピラミッドです。過去の経験から、治療内容と治療の順序を大きく5つにわけました。

一番上は脳機能の治療。神経伝達物質の調整や、脳の細胞膜の抗酸化治療が含まれます。2番目のエネルギーというのはミトコンドリア機能改善です。3番目はホルモンバランス調整です。同じホルモンの中でも優先順位があり、下の副腎からアプローチしていきます。4番目は解毒(デトックス)治療で、臓器としては特に肝臓をケアしていきます。一番下は腸内環境および体内の炎症を抑える治療になります。

ポイントは、上の段の要素は下の段の要素の影響を受けやすい事です。だから、原則的にこれら5つの治療は下の段から行っていきます。

ピラミッドのように下から積み上げていく感じです。下の段の治療がうまくいっていないのに上の段の治療だけをやると、崩れてしまいます。

疲労疾患に必要な治療とその順番

例えば、疲労疾患の治療方針は、ミトコンドリア機能改善でした。しかし、ミトコンドリア機能だけに目を向けると失敗します。上から2段目のエネルギー(ミトコンドリア機能)には、3段目の副腎や甲状腺ホルモンが影響しています。

また、エネルギーを生み出す体内の回路は、4段目の要素「重金属」(特に水銀やヒ素、鉛)などによって容易に機能低下を起こします。だからもし重金属が貯まっているなら、ミトコンドリア機能を改善するために重金属のデトックス(解毒)治療が必要になります。

ミトコンドリア内でエネルギーを生み出すクエン酸回路は、ヒ素、水銀、アルミニウムが体内に貯まると簡単に止まってしまいます。

さらに、5段目の要素「腸内環境」が悪いとミトコンドリアを動かすのに必要なミネラル類の消化吸収がうまくいきません。

このように、2段目のミトコンドリア改善のためには、2,3,4,5段目の全てにアプローチしなくてはならない可能性があります。

免疫系疾患に必要な治療とその順番

免疫系疾患に必要な治療は、免疫の正常化と副腎疲労の改善です。

これだけ多くの人が花粉症になっている事実は多くの日本人の免疫機構が大変なことになっている、と言うことを示しています。特に問題なのは腸内環境です。

腸には抹消の免疫の60%が集中していますので、食生活が悪かったり、腸が炎症を起していれば当然のように免疫異常を起こします。腸内環境改善は免疫を正常化させるのに絶対必要な治療です。

ちなみに、2番目に免疫が集中している場所はどこでしょうか?

それは、咽頭です。扁桃腺は巨大な組織ですが、それは鼻と口、両方から入ってくる異物を見分け、せき止める関所の役割を担っているからです。

咽頭部の炎症を抑えるのは免疫系疾患の治療に欠かせないファクターです。

このように、体内の隠れた炎症を見つけ出し治療するのは治療計画の中でも優先的に行われるべきで、治療ピラミッドの第5段目にあたります。

次に免疫系疾患治療に必要なのは副腎アプローチです。

治療ピラミッドの法則にしたがうと、3段目の副腎疲労改善のためには、4段目、5段目の治療が必要になります。重金属解毒にはかなりの副腎に負担がかかるし、体内に隠れた炎症がある場合、これも副腎からコルチゾールが24時間出っ放しになります。

精神系疾患に必要な治療とその順番

精神系疾患の治療方針は脳神経伝達物質のバランス調整です。

ウイリアム・ウォルシュ博士は20年、2800人のうつ病患者の分析から、うつ病患者の脳内の状態を大きく5種類に分けました。

彼は脳内の生化学状態を調べる事で、5つの分類のどこに当てはまるのか、そしてどのような治療をするのかを明確にしました。

これは大変重要な事ですが、その前にやらなくてはならないことがあります。

ここまで読み進めていたら、もうお分かりだと思いますが脳の治療ピラミッドは最上部の第1段目にあります。つまり、脳はミトコンドリア、副腎、甲状腺、デトックス、腸内環境など全ての影響を強く受けます。

ミトコンドリアの働きが低下することが原因でおこる病気をミトコンドリア病と呼んでいて、 多くは生まれながらにしてミトコンドリアの働きを低下させるような遺伝子の変化を持っている方が発症します。

物事を見聞きしたり、理解する能力など「脳」の機能と、心不全、運動障害など「筋肉」の機能が主に障害を受けます。ミトコンドリアは特に脳と筋肉に多いため、ミトコンドリア機能の低下は脳と筋肉に症状が出やすいです。(昔ミトコンドリア病は「ミトコンドリア脳筋症」と呼ばれていました)

また、ホルモンとの関係も大きいです。脳は視床下部-下垂体-副腎軸によって副腎と強く結びついていますし、甲状腺機能低下症でうつ症状が出るのは有名です。

そして重金属やその他の毒素に脳はとても弱いです。マグロに多く含まれるメチル水銀は、体が必要なアミノ酸メチオニンと勘違いして、腸から容易に取り込まれ、脳神経や脂肪細胞に貯まっていきます。

さらに、腸内環境と脳機能が相関している事はもう半ば常識的に語られるようになりました。腸内細菌は迷走神経を通して脳に信号を送っています。また、グルテンが腸粘膜に働きかける事で起こるリーキーガット症候群は、同時にリーキーブレイン(脳血液関門の破たんのこと)をも引き起こすことが明らかになってきました。

つまり、精神系疾患の治療をするためには、神経伝達物質の調整治療(第1段目)の他に、炎症を抑え、腸を治して(第5段目)、デトックスをして(第4段目)、副腎ケアを行い(第3段目)、ミトコンドリア機能を改善させる (第2段目) ことが必要なのです。

アルツハイマー病の栄養による根本治療で一躍脚光を浴びたデール・プレデセン博士の治療法を記した「アルツハイマー病真実と終焉」は脳機能改善を栄養で行うすべての人にとっての必読書です。

プレデセン博士はアルツハイマー病を3種類に分類しました。炎症による1型タイプ、栄養、ホルモン不足による2型タイプ、水銀やカビ毒が脳に蓄積して起こる3型タイプです。

アルツハイマー病やその前段階の初期認知症が疑われる場合、まず最初にすることは3型のうちどのタイプなのかを見抜く事です。タイプがわかれば、治療法と順番が見えてきます。

アルツハイマー病の場合は、ピラミッドの2段目~5段目を順序良く治療する事で、第1段目に効果があらわれてくるのです。

ちなみに、この治療法はアルツハイマーだけでなく、全ての脳疾患の人に応用できます。脳機能をあげるため、受験生にも推奨できる治療です。

このようにして、治療方針が決まり、治療の順番のめどがついたら、実際にその治療を行うべき原因が本当に存在するのか、検査をして確かめていきます。

次のステップ3は実際の検査についてです。

STEP3:検査を行って確認する

治療方針を決める

宮澤賢史 · 2019年11月1日 ·

私が行っている診療についてご説明します。

宮澤医院を受診される方の多くは「慢性疲労」など疲労性疾患、
「アトピー」「リウマチ」「掌蹠膿疱症」「脱毛」など免疫疾患、
「うつ」「ADHD」「発達障害」など精神疾患の方です。

これに当てはまらない、高血圧や糖尿病といった疾患にももちろん栄養療法は有効です。ただし、上に挙げた疾患は現在薬で完治が難しく、薬の副作用がでやすいなどの問題が多く、栄養が特に効果を発揮しやすい分野です。

サプリメントを摂る事は目的ではない

栄養療法クリニックを受診したり、いろいろな治療を試しているのにも関わらず上手くいっていない人や、思うような結果が得られていない人が増えています。

よく見るのは、サプリメントを摂る事が目的?と思えるくらい大量のサプリを摂っている人です。しかも、現在進行中でどんどん増えていっています。

サプリを摂る事が楽しみだったり、生き甲斐だったりする人もいるかもしれませんが、通常、健康状態が戻るにつれ必要なサプリは減っていくはずです。

栄養療法をうまくいかせる治療方針は「最終的にサプリが要らなくなる体作り」です。

血液データをよくする事は目的ではない

確かに栄養状態には個人差があるため、血液検査を行って足りない栄養を知ることは重要です。しかし、それはあくまでも手段です。

それなのに、いつの間にか血液データをよくする事が治療方針になっている人がとても多いです。

自覚症状と血液データで見る栄養状態は多くの場合一致しません。

データを見たら、「鉄と亜鉛とビタミンDが足りない」だけでなく、「なぜ鉄や亜鉛やビタミンDが足りないんだろう?」と考えてください。

多くの場合は栄養素の摂取不足が原因ではないのです。

なにも考えずに足していくとサプリは際限なく増えていきます。

足りない栄養の原因を考えよう

「アカパンカビ」というカビを知っていますか?
様々な生物実験で頻繁に使われるカビの一種です。

このカビは自分が生きるために必要な栄養素をすべて自分でまかなえるため 「完全栄養生物」 と呼ばれます。

このカビは進化のたびに、自ら栄養を作り出す機能を捨てていきました。

じつは、栄養を自分で作るのは体にとって大きな負担です。周りの環境に豊富に果物があれば、ビタミンCを作らなくても済むかもしれません。

トヨタが車の部品を一から作るのをやめてから大会社になったように、生物の進化とは、自ら栄養を作るシステムの断捨離と言えます。

結局、カビから数億年を経て進化したヒトは多くの栄養素を作れなくなりました。 このように栄養がないと生きられない動物を「従属栄養生物」といいます。

ヒトの栄養素には必須脂肪酸、必須ミネラル、必須アミノ酸、ビタミンなど、栄養には「必須」と名のつくものが多いです。

これらは全て体内では作れず、食物として外部から取り入れる必要があります。

つまり、ヒトは究極の「従属栄養生物」なのです。

人間という生き物は、生まれながらに食事、環境の変化、ストレス、感染症などで大きく栄養バランスを崩しやすい宿命を持っています。

つまり、何が言いたいかというと「人は従属栄養生物だから、足りない栄養素に着目すると病気の根本原因がわかる」ということです。

根本原因を見ずに足りない栄養をサプリを補うだけでは、治療効果が頭打ちになったり、サプリを減らしたら症状が逆戻りしたりします。

しかし、根本を治療していけば、サプリで過剰な栄養を摂らなくても体内の代謝が回るようになってきます。

栄養療法のゴールは「サプリが要らない体になる事」「何でも食べられる体になる事」です。

これを忘れないでください。

治療方針は病態から決める

じゃあ実際にはどのように方針を立てるのか?
私の方法を説明していきます。

おおまかな治療方針を決めるには自分の病態を知る必要があります。まずは、自分の病態が次の栄養療法が効果的な3つの分野のどれにあたるのかを確認しましょう。


  • 「疲労系」その名の通り、疲労を主訴とする疾患(不妊症もここ)
  • 「免疫系」 リウマチやアトピーなど、通常ステロイドが用いられる疾患
  • 「精神神経系」統合失調症、うつなど神経伝達物質が問題になる疾患

栄養療法を行うときの考え方の枠組み

宮澤医院を受診する患者さんの殆どは上の3つの分野のどれかに当てはまります。

大事な事は、病態がわかればセットで治療方針も決まるという事です。

疲労系はミトコンドリア機能障害

慢性疲労の症状は体のエネルギー不足で現れます。では体のエネルギーはどこから作られるのでしょうか?

人は37兆個の細胞から成り立っています。その細胞一つ一つの中には、 ミトコンドリアが 数百個〜数千個も含まれていますが、これがエネルギーを作る工場です。このミトコンドリアの働きが低下していたり、ミトコンドリアが働くための栄養が不足していると「疲れやすい」という症状が出てくるのです。

そこで、疲労を主訴とする疾患のことを「疲労系」疾患と呼ぶことにします。「免疫系」「精神神経系」の疾患は通常診断がつきやすいのに対して、「疲労系」疾患は原因不明とされている事が多いです。また、効果的な薬がほとんどない事も疲労系疾患の特徴です。疲労系疾患の治療方針はミトコンドリア機能の改善です。

「疲労系」の疾患を疑ったら、ミトコンドリア機能を評価すると同時に、疲労を起こしうる疾患の鑑別をしていきます。

慢性疲労症候群では重症なほど、ミトコンドリアの性能が落ちていることがわかっていますが、他にも 若い人に多い起立性調節障害、鉄欠乏性貧血など、疲労を症状とする疾患はみんな「疲労系」疾患と考えてよいでしょう。

また、甲状腺と副腎はミトコンドリアに大きな影響を与えています。だから、甲状腺機能低下症や副腎疲労症候群も「疲労系」疾患と考えます。


  • 副腎疲労症候群は、臓器レベルでは副腎の問題ですが、全身症状は「疲れやすい」、細胞の状態は「ミトコンドリア機能低下」です。
  • 甲状腺機能低下症は、臓器レベルでは甲状腺の問題ですが、全身症状は「疲れやすい」、細胞の状態は「ミトコンドリア機能低下」です。
  • 鉄欠乏性貧血は、臓器レベルでは、赤血球の問題ですが、 全身症状は「疲れやすい」、細胞の状態は「ミトコンドリア機能低下」です。

つまり、慢性疲労、副腎疲労、起立性調節障害、甲状腺機能低下、貧血は、臓器レベルで考えると一見別々の疾患ですが、全身症状は「疲労」で共通しており、細胞レベルでみると「ミトコンドリア機能の低下症」とひとくくりにできます。

病態が「疲労」である疾患は「ミトコンドリア機能改善」が共通の治療方針になります。

ミトコンドリア機能の低下と慢性疲労症候群の重症度が比例する

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2680051/

もちろん、副腎疲労では副腎ケア、甲状腺機能低下症では甲状腺ケア、慢性疲労症候群では感染症のケアが必要ですが、細胞単位で考えた場合にはこれらの疾患にはミトコンドリア機能改善という共通項があるということになります。

線維筋痛症も疲労症状が出ますが、体の痛みを伴うため免疫系疾患としての側面も持っています。このように、2つの病態にまたがっている場合もあります。

上記の表に入れていませんが、不妊症は疲労系疾患です。なぜなら、卵子は体内でミトコンドリアを一番多く含む細胞だからです。つまり、妊娠にはエネルギーが必要です。

不妊症をチャートで見るとこのようになります。

不妊症対策で重要なのはミトコンドリア機能とホルモンバランス、そして自律神経の過緊張をとる事なのです。

「疲労系疾患」

  • 慢性疲労症候群
  • 起立性調節障害
  • 鉄欠乏性貧血
  • 甲状腺機能低下症
  • 副腎疲労
  • 線維筋痛症
  • 不妊症
  • その他、疲労を伴う疾患

癌、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎など、いくつかの疾患と症状がミトコンドリアの機能不全と関連する事がわかっています。必ずしも疲労症状がなくとも、ミトコンドリアを治療する事はいつでも重要です。

免疫系疾患は免疫を正常化させる

関節リウマチやアトピー性皮膚炎などはステロイドや免疫抑制剤を数年~数十年にわたり継続して使用する事が多く、完治が難しい病気です。このような免疫異常による病気を「免疫系」疾患と呼びます。免疫系疾患の治療方針は免疫の正常化です。

関節リウマチは、臓器レベルでは関節の問題ですが、根本病態は「免疫異常」です。アトピー性皮膚炎は、臓器レベルでは皮膚の問題ですが、根本病態は「免疫異常」です。自己免疫疾患の根本病態は「免疫異常」です。

免疫系疾患の特徴は、治療にステロイドや免疫抑制剤が用いられる事です。ステロイドは強い抗炎症効果、および免疫抑制効果を持っています。

免疫疾患は免疫の正常化が根本治療です。そのためには、免疫を抑制せず、むしろ向上させることで一時的に体内で戦いが起き、その結果免疫が学習し、最終的に免疫寛容をおこさせる必要があります。

関節リウマチに対して、軟骨成分である非変性Ⅱ型コラーゲンサプリメントを投与する治療はその典型例です。

免疫寛容と免疫抑制は全く異なるものです。ステロイドを使用して免疫を抑制している間は免疫寛容は起きません。

免疫系疾患を起こす人は長年炎症が続いていることが多く、副腎が疲労しています。だから体内で十分なステロイドを作れないため、アトピーなどでは特によくみられるのですが、つまり炎症が長引くのです。

そういうこともあり、免疫系疾患の治療方針は免疫の正常化と副腎機能の回復になります。

免疫系疾患

  • アトピー性皮膚炎(免疫低下で炎症がいつまでもおさまらない)
  • 関節リウマチ(関節に対する自己免疫)
  • その他の膠原病
  • セリアック病(腸の粘膜に対する自己免疫)
  • グルテン運動失調症(小脳に対する自己免疫)
  • 掌蹠膿疱症
  • 女性の脱毛(毛根に対する自己免疫)

注意:リウマチやアトピーなど、免疫疾患には炎症性疾患という側面も存在します。医学的に炎症を抑制しなければならない状態というのは常に存在します。(例えばリウマチの炎症を止めなけば関節の破壊は進行します。)実際の治療は臨床的な判断が優先されます。

精神系疾患は神経伝達物質調整

うつ病やパニック障害など脳に関わる病気は非常に食事や栄養の影響を受けやすいため、栄養療法の良い適応になります。また、アルツハイマー病は、効果的な治療薬がない典型的疾患であり、やはり栄養療法の有効性が多く報告されています。これらの病気を「精神系」疾患と呼びます。

「精神系」の疾患は栄養療法での改善報告が一番多い分野です。精神系疾患の治療方針は神経伝達物質のバランスをとることです。

脳は、神経細胞間の神経伝達物質によって情報を伝えています。

うつ病の原因仮説はいろいろありますが、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質が少なくなってしまうモノアミン仮説が有力なものの一つです。

今使われている多くの抗うつ薬は、この神経伝達物質の不足を補う仕組みです。
例えば、うつ病ではセロトニンが不足しているのが一因なので、セロトニン再取り込み阻害薬というものを使います。

ちなみに栄養療法では、薬の代わりに、セロトニンそのものを増やそうと考えます。脳の中でセロトニンを増やすために、材料と補因子をすべて補うのです。

例えば、「セロトニン」は「トリプトファン」から「5HTP」を経由して脳内で合成されますが、「トリプトファン」から「5HTP」の変換には、補酵素として「鉄」、「ナイアシン」、「葉酸」そして「5HTP」から「セロトニン」の変換には「ビタミンB6」が必要です。

セロトニン不足が疑われる患者さんに対しては、主原料になるたんぱく質に加えてこれらの栄養をサプリメントで摂るというのが、モノアミン仮説に基づいた栄養療法の基本です。

基本の方針が1つだけではなく、2つや3つにまたがる事もあります。

もちろん、実際の病態はもっともっと複雑なのかもしれません。でも病態が複雑になっているほど、単純化して治療の骨子を決める必要があるんです。

いろいろな事をいっぺんにやろうとして失敗したり、自分が今どこにいるかわからなくなったりする方がとても多いです。単純化して一つずつみていくことです。

方針の目途がついたら、次のステップ2に行きましょう。

STEP2:必要な治療と順番を決める

ドーズ・レスポンスの本当の意味

宮澤賢史 · 2019年4月25日 ·

分子栄養学を学んだことのある方なら、だれでも「ドーズ・レスポンス」という言葉を聞いたことがあると思います。

これは直訳すれば「栄養の投与量と反応の関係」です。

分子栄養学において、その反応は正比例の一直線のグラフにはならず、S時のカーブを描がきます(ドーズ・レスポンスカーブと言われています)。

15年前、分子栄養学を習い始めの事に、

「枯れかけている鼻に、スポイトで水をかけてもなかなか生き返らないので、じょうろでたっぷり水をあげましょう。」

「荷車を押すとき、動きはじめにはたくさんの力が要る」

などと説明を受けたことがあります。

個体差とドーズレスポンス

ビタミンは欠乏症を補う最低限の量と、補酵素として働く量があります。
一般に、補酵素としての必要量は欠乏症を補う量の数倍~数十倍になります。

分子栄養学では、補酵素として栄養を使うために、「メガドーズ」と言われるような量を使用することが特徴です。
特に水溶性ビタミンは、個体差によって、また使用目的によって、通常の数百倍の量が必要になることがあります。

特に顕著なのはビタミンCです。

ビタミンCは時に、点滴でしか達成しえない量を投与することがメリットになります。

脳は栄養の影響を受けやすい

ところで、この「個体差とドーズレスポンス」の特徴が一番顕著な臓器をご存知ですか?
答えは

「脳」

です。
脳の特徴について、認知症治療のエキスパート長尾和宏先生が医事新報に記事を書いていらっしゃいますので、一部引用します。

脳はネットワーク臓器なので、細分化手法だけでは当然限界がある。従って、臓器別縦割りに拘らない総合診療的な思考が必須。

私は脳の病気こそが個別化医療の対象だと思う。

がん治療や高血圧治療における使用薬剤の個体差は、せいぜい2~3倍で多くも数倍程度であろう。
一方、がん性疼痛に使用されるオピオイドの至適容量の個体差は、10倍、いや数百倍にも及ぶ。

たとえば繊維筋痛症という病気の疼痛閾値の個体差も百倍単位に及ぶはずだ。

脳というネットワーク臓器の薬剤感受性には想像以上の個体差があるはずだ。

しかもその差は、同一個体であっても病気や日にちや日内でも大きく変動することは容易に想像できる。

しかしそうした個別性を無視した認知症医療には疑問を感じる。

脳の治療こそ、「個体差とドーズレスポンス」が大切なのです。
これは、認知症に限らず、うつや統合失調症など全ての脳疾患に言えます。
さらに、薬を用いた治療でも、栄養療法でも同じことです。

脳だけは特別に扱った方がいい

ところで、すでにお気づきかもしれませんが、脳に対するドーズレスポンスは、最初に述べたドーズレスポンスと違う点が2つあります。
ひとつは、「脳への治療の場合、ドーズレスポンスカーブの閾値のラインが、かなり手前にくる事」もう一つは、「適正量を超えると比較的早期に副作用が出る事」です。

抗うつ薬の副作用の問題がこれだけ騒がれていますので、副作用についてはご理解いただけると思いますが、

「ドーズレスポンスカーブの閾値が、手前にくる」とはどういう意味でしょうか?

実は、先ほど引用させて頂いた長尾和宏先生のお話しは、

「コウノ・メソッド」という認知症の周辺症状を抑える薬物治療法を評価する記事にて書かれたものです。

このメソッドは、開発者の河野先生自らの経験をもとに、新しい診断基準を提唱し、認知症を細かく分類していること、そして、周辺症状を抑えるために、認知症治療薬をガイドラインよりも少量使用することなどが特徴です。

例えば、アリセプトなどは、量を多くしても中核症状をほとんど改善しないのに、周辺症状が悪化するそうです。
ですから、最低限の量をだして、反応を見ながら徐々に増やしていくという考えです。

まさに、個体差とドーズレスポンスを踏まえた方法論であり、その点は非常に素晴らしいと思います。
マニュアルが公開されていますので、ご参考にして下さい。

コウノメソッド2014
名古屋フォレストクリニック
http://www.forest-cl.jp/method_2014/kono_metod_2014.pdf


つまり、脳に対する薬は、「効きすぎに注意しながら、おっかなびっくり増やしていった方がいい」のです。

実際の例

例えば、自閉症の例をみてみましょう。

アメリカ自閉症研究協会が行った患者の両親による治療評価アンケートによると、

自閉症に効果が見られたと両親が評価したサプリメント第1位はSAMe(66%が効果が見られたと評価)ですが、
悪化した(と両親が評価した)サプリメント第1位もSAMe(15%)でした。SAMeは神経伝達物質の代謝を促し、解毒を促進する強力なメチル供与体です。

自閉症児の多くはメチル基が不足していますので、投与により劇的な効果が見られる場合もあります。しかし、外来でSAMeを処方されたお子さんが翌日に、家の車をボコボコにしてしまったという話もあります。SAMeにより興奮性神経伝達物質が増えすぎたために起きた現象です。

これは、「認知症にアリセプトを多く出したら、徘徊がひどくなった」というのと全く一緒の話です。
他にビタミンB12(63%)や、葉酸(42%)も同様に効果が見られる栄養素ですが、これらは全てメチレーション回路を回し、メチル基を作り出します。
ですからこれらの栄養素は、1種類ずつ足しながら、少しずつ増量しなくてはなりません。

デパケンや、テオフィリン等の薬を投与するときは、血中濃度を測定することがあります。
これらの薬は、有効量と中毒量が接近しているため、血中濃度をモニタリングしながらでないと危険なのです。
同様に、脳に対するサプリメントは、効果をモニタリングしながら使うのが安全です。自閉症などの精神疾患に対するメチレーション治療こそ、検査結果をもとに治療サプリや量を決めるべきだと思います。

例えば、HDRI社のメチレーション検査は、葉酸、SAMe、グルタチオン等を測定することにより、体内の回路がどこで滞っていて、それを解消するためにはどの栄養素を使うべきかを教えてくれます。

The Methylation PathwayHealth
Diagnostics and Research Institute
http://www.hdri-usa.com/tests/methylation/

分子栄養学の始まりは、1968年、ポーリングがサイエンス誌に発表した「分子整合精神医学」という論文です。

その中の一節には、こうあります。

他の臓器と比べて脳は 組成している分子化合物や その構造に深い依存傾向がある。

つまり、脳は栄養素が効きやすい臓器だという意味ですが、その気になってみると、「脳に対して多すぎる栄養素は害を及ぼす可能性があるので、気を付けるべき」という注意も含まれているように感じられるから不思議です。

「充分な量を摂って、生体の利用に任せる」
「なるべく少ない量から徐々に使い、モニタリングしながらバランスをとる」

全く異なる治療方針ですが、どちらもドーズ・レスポンスと言えるでしょう。

サプリメント、どうやって決めていますか?

宮澤賢史 · 2019年2月27日 ·

自分の勘やたまたまテレビで見たCM、もしくは、雑誌の広告やネット口コミから、安易にサプリメントを決めることは血糖値を測らないでインスリン注射をすること、血圧を測らずに降圧剤を飲むことと同じです。

臨床分子栄養医学研究会は、近年広く認知されるようになった分子栄養学を元に、貴方にはどのようなサプリメントがあっているのか?を決めるための様々な方法論を研究しています。

分子栄養学の歩き方

分子栄養学(オーソモレキュラー療法)は、サプリメントなどの栄養素で医療効果を得るための方法論です。

今や、日本国内でもサプリメントを扱う医療機関は、個人クリニックを中心にして優に1000は超えており、多くの医師・歯科医師が分子栄養学の理論を取り入れたサプリメント処方を行っています。
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