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臨床分子栄養医学研究会

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宮澤賢史

HPA軸機能異常(いわゆる副腎疲労)の検査と治療

宮澤賢史 · 2021年5月9日 ·

1 HPA軸機能障害の検査方法

1-1 血中コルチゾール

血中のコルチゾールの分泌量は、5~15mg/日ですが、生物学的に同じ一錠10gのコートリルという薬があります。これを飲むと一日のコルチゾールと同じくらいの量になります。コートリルを使う副腎疲労の治療もありますが、やはり副腎に負担をかけるので私はあまり使用していません。

1-2 唾液中コルチゾール

検査として一番優れていると思うのは、下記の理由により唾液中コルチゾールです。

  • ストレス研究と臨床で最もメジャーな存在
  • 活性化コルチゾールを測定できる
  • 侵襲がなく、特定の時間帯で測定できる
  • 血中濃度と密接な相関検査は唾液の流量、酵素による分解、凍結や解答による影響を受けない
  • 真夜中の唾液コルチゾールはクッシング症候群において信頼できる検査

その中でも、6回のコルチゾール検査をおすすめする理由は、CAR(Cortisol Awakening Response)を検出できるからです。健常人の唾液コルチゾールレベルは、起床時から30-45分後は35~60%上昇し、60分後までに低下します。このピークをコルチゾール覚醒反応と言います。CARはストレス関連HAP軸機能異常の臨床研究で最も多く用いられています。

コルチゾールはACTHに伴って朝上昇しますが、目覚めるまでは上昇がゆっくりしています。朝光が入って視交叉上核の刺激で、HPA軸が一気に活性化して上昇します。

皆さんも明日重大なイベントがあると考えて寝ると、パッと起きることがあると思います。何故かというと、人はストレスを予期する力があるため、そのイベントが過去の記憶と相まってコルチゾールアウェイクニングレスポンス(CAR)を高めるからです。朝のCARは平日と休日では違うため、この検査をするのは平日がお勧めです。潜在意識で明日は平日だから起きなくてはいけないと思っているとCARは上昇します。

このCARは非常に敏感なマーカーで、心理社会的燃え尽き、慢性疲労、PTSD、冬に下がったり、大きなストレスがあったり、鬱、排卵期、鬱で上がるなど微妙に変化します。女性の場合は排卵期の前後一日を避けて検査してください。

2 唾液中コルチゾール検査の読み方

2-1 CAR、日中リズムともに上昇しているパターン

青い線が正常として、正常よりもCARも高く日内変動も高いのは、高ストレス状態の人のパターンです。ストレス過多の人か、メランコリー型うつ病か、HPA軸機能異常でいえばステージ1です。予期ストレスでも上昇するというのが大きなポイントで、測定値は平日と休日では違います。

2-2 日中リズムが夕方に上昇しているパターン

このパターンの人は、コルチゾールが出続けているため、隠れた炎症が考えられます。この炎症が、睡眠障害を引き起こす可能性があるので注意が必要です

2-3 一見正常だが、症状がある場合

一見正常でCARも正常範囲に収まっていますが、疲れやすくて朝起きられないと言う人のパターンです。その場合、ステージ2の可能性があるのでDHEAを測ることをお勧めします。

DHEA/コルチゾール比率の重要性

DHEA /コルチゾール比率はHPA軸の機能を見る大切な要素で、多くの場合、コルチゾールレベルだけで判別するのは困難です。ステージ1の場合は、コルチゾールは上昇しますが、ステージ2では下降するので、一見コルチゾールレベルが正常と同じように見えますが、DHEAレベルは正常とは違います。もし症状と唾液中コルチゾール濃度が乖離するようだったらDHEAレベルも測ってみてください。

2-4 CARの低下、日中リズムは正常のパターン

日中は正常ですがアウェイキングレスポンスがない場合のパターンです。それを検出したくて新たに次の検査項目を増やしました。CARが低下している人は、下記のどれかに当てはまりますが、これらは通常の4回の唾液中コルチゾールでは検出できないポイントです。

  • PTSD
  • 慢性疲労症候群
  • 燃え尽き症候群
  • 季節性うつの冬季
  • 寝不足

2-5 全日で低下しているパターン

このパターンは、短期の強いストレスか長期の簡潔持続的ストレスにより起こります。短期のストレスの場合、PTSD、過剰フィードバックシステムによるコルチゾール低下なのでDHEAは低下しませんが、長期ストレス場合、多少のストレス増強があっても変化しません。まだコルチゾール検査をしたことがない人は、ぜひこの機会に一回計測してみてください。

3 HPA軸機能回復計画

HPA軸機能の回復方法ですが、副腎に関してはすでにケアされている方も多いと思います。今回強調したいのは、視床下部のストレス反応の正常化です。この4つを4つともケアするということが最終的に治療効果に影響しています。4つのうち1つでも欠けると、副腎疲労外来に長く通うことになるので是非この4つをケア率先してほしいというのが私からの提言です。

中枢神経副腎
視床下部のストレス反応の正常化
・低血糖対策
・知覚ストレスを減らす
・炎症対策
・概日リズム
副腎保護
・抗酸化
・アダプトゲン
フィードバック正常化
・PC(フォスファチジルセリン)
・アダプトゲン
ステロイドの原料補給
・ビタミンC
・ビタミンD
神経伝達物質のバランス
・神経伝達物質の前駆体、補酵素のサプリ補給
・DHEAやプレグネノロン
ステロイドの原料補給
・ビタミンC
・ビタミンB(B5,B3)
・ミネラル(Mg,Zn)
・副腎抽出物
副腎と脳を両方ケアすること

3-1 HPAとフィッシュオイル

副腎疲労が脳の問題だと分かると、フィッシュオイルの使用を試したくなると思います。実際、HPA軸にフィッシュオイル効果は、10年以上前から言われています。アダプトゲンやグネシウムも良いですが、検査でHPA軸障害を判別できたら、是非フィッシュオイルを使うことをお勧めします。ただ使用すべきフィッシュオイルの量は少し多めで、外人だと10gほどになります。あまり多いと辛いので、その場合は3gでも効果があると思います。

高城さんのメールマガジンで、C8だけの中鎖脂肪酸を使って一度他の食事を全部やめて油を使えるようにしてから、フィッシュオイルを使うと脳が入れ替わるということが書いてありましたが、副腎疲労の人には辛そうな治療だと思いました。ただ、脳機能を上げるためには重要だと思います。

3-2 運動でコルチゾールレベルが上がる

運動はコルチゾールレベルを上げるために大変重要で、ヨガ、太極拳、気功などで睡眠障害、フラッシュバック、怒りの爆発の大幅な減少など、PTSD症状の軽減ができます。マインドフルネスベースのストレッチと深呼吸運動8週間で、PTSD重症度が大幅に低下したり、認知行動療法・段階的な運動がコルチゾールを高めるとの報告が上がっています。

3-3 トラウマとHPA軸

HPA軸の調節不全は心理社会的ストレス、特に外傷性のライフイベントの結果として現れ、ストレッサーのHPA軸変化に対する適応反応は、CFSの素因となるアロスタティック負荷を与える可能性があります。

慢性疲労症候群の50%が子供の頃のトラウマ体験があり、そのトラウマにより、慢性疲労症候群の6倍のリスク増加というエビデンスがあります。ストレスにより母体の海馬のコルチゾール受容体のメチル化、その結果コルチゾールが上昇します。いろんな論文で散見されるのは、特に幼少期のストレスが、副腎疲労、HPA軸障害の発症に大きく影響しているということです。まだエビデンスは不足していますが、幼少期・若年期の経験や家族関係に取り組むセラピストが、とても重要な部分になる可能性があります。

この論文によると「脳はストレスへの反応の鍵となる器官である。何に脅威やストレスを感じるかだけでなく、適応できるのか損傷を与えるかといった生理学的、行動的反応まで決めてしまう」とありますが、生来の資質も非常に影響し、遺伝的素因、性格特性、内向性と低い自尊心、そして出生前と幼児期の経験はストレス反応を増幅します。この部分は、アプローチすべき必須の点だと思います。

4 まとめ

  1. HPA軸機能障害の病態鑑別に日中リズムとCARが有用
  2. 対策はコルチゾールの不適切な分泌をさせない事
  3. 心理学的アプローチ、トラウマ対策の重要性

病態の鑑別には日中リズムに加えて、コルチゾールアウェイキングレスポンス(CAR)を見ることで、PTSDやトラウマを発見でき、その場合は心理的アプローチが必要です。HPA軸が狂うのはコルチゾールの不適切な分泌があった場合に置きるため、それを予防することです。

心理的アプローチやトラウマ対策は重要だと思います。まず自分でできることは、自己肯定感を上げることです。色々な悩みは人が解決してくれるものではないので、自分自身が解決していくしかありません。何故解決しないかというと、勇気がないからかもしれないので、それを勇気づけてあげることはカウンセラーの仕事としてとても重要だと思います。

栄養外来に必要なコミュニケーション

宮澤賢史 · 2021年5月9日 ·

あなたは何のために栄養療法を学んでいますか?仕事に役立たせるためでしょうか?それともご自分と家族の健康のためでしょうか?もしくはその両方でしょうか?そんな方のために、今日は栄養療法外来で必要なコミュニケーションについてお話ししようと思います。栄養外来の成否は知識ではなく、コミュニケーション能力にかかっています。

1 まずは自分の健康を考える

栄養療法のプロになるという上で一番大事なことは、まず自分自身が健康になるということです。

一般医療の場合で抗がん剤を自分で試したことのあるガンの専門医や、向精神薬を全部飲んだことのある精神科の先生はあまりいないと思います。それに比べて栄養療法の医療というのは根本原因にアプローチするため、治療方法と健康増進の方法が一緒です。アプローチすればするほど病気は治り、健康の度合い(オプティマルヘルス)も上がっていきます。自分が健康でないと次のステップに行けないので、まず自分自身が健康になることが最重要課題で、全部自分で試してみるということがまず第一なんです。

医療関係者は貢献が求められがちなので、患者さんに貢献するために自分の健康を害している人が多数いらっしゃいます。徹夜で当直をして患者さんを救うことにより、多大なストレスがかかります。栄養療法は結果が出るのに時間がかかります。副腎疲労を完治するのに2年かかる人が多いです。生活習慣や食事を変えて、体が変わって、それに伴い意識が変わって、ストレスや食事、生活習慣が変わらないと駄目なんだと気がついて、そこから最短でも2年くらいかかります。

2年かけて人を治す間に自分が健康を害してしまったら話にならないので、自分の体をまず治して、長く続けられることをまず第一番に考えてください。

2 プロとしてやっていくのに必要な3つの知識

栄養療法の知識も得て、プロとして始める際必要な知識は下記の3つです。

  1. 栄養療法のスキル
  2. 経営のスキル
  3. コミュニケーション能力

2.の経営のスキルについてですが、最初はともかくそれで身を立てるということは、人からお金をもらうことなので副業で続けていても上手くいかないことが多いです。成功している人とそうでない人の違いは、本業か副業かということです。本業にしても数年かかるかもしれませんし、副業から本業に変えるタイミングが難しいですが覚悟を決めて腰を据えるしかないと思います。

そして一番大事なのが、3.のコミュニケーション能力です。普段の生活に於いては、コミュ障でもADHDでも問題はないですが、この職業の根本的なコミュニケーション能力というのは、患者さんの話をきちんと聞けるか、そして治療の需要性を患者さんに説明できるかということです。

3 コミュニケーション能力が売り上げを決める

私の最初のキャリアは、医者として保険診療という国に守られた診療で始まりました。保険診療と自費診療は少し事情が違っていて、栄養療法をするということは自費診療になるので、国の決まった治療ではない自分独自のサービスを提供するということになります。

保険診療とは定められた国の提供する医療の代理店みたいなものなので、国から約7割のお金が支払われます。それに比べ自費診療は全て自分で決めるため、例えるならば一戸建てを自分で買って、全部自分で内装を決めるという感じです。保険診療の中で栄養療法をすることももちろんできますが、賃貸物件の内装を一部変えてリフォームすることはできても、中にアイランドキッチンを作るなど内装を思い切って変えることはNGです。保険診療の中の栄養療法と、自費診療でやる栄養療法は違ってきます。全部自分で組み立てたいのなら、自費診療がいいです。自費診療とは、普通のセールスやオファーのように提供・提案することです。

栄養療法(オーソモラキュラーの三原則)は、次の3つです。

  • 個体差をみること
  • 生化学的なエビデンス(裏付け)をとること
  • 根本原因にアプローチすること

栄養療法の提供とは、検査をオファーし、その検査の結果から患者の根本原因を見つけ、その根本原因に合った食事を提案したり、サプリメントを販売することです。そのためセールスの技術は必要で、それは一般的には「教育」と言われたり、「コミュニケーション」と言われたりします。

クリニックとしての栄養療法の売上が悪いのは、患者さんが検査やサプリメントの重要性をきちんと理解できていないというのと全く同じです。栄養療法の知識がどれだけあっても、コミュニケーション能力が低いとそのことが患者さんにうまく伝わらないので、結果として売上が落ちて患者さんが来なくなって、口コミがなくなって、うまくいかなくなります。そのため、コミュニケーション能力はとても重要です。

4 コミュニケーションとは具体的に何か?

コミュニケーションとは、具体的に次の3つのことだと考えてください。

  1. 問診
  2. 教育
  3. コーチング

1.の問診とは患者さんの話を聞くことで、2.の教育とは患者さんに話をすることです。栄養療法はサプリメントを処方して終わりではなく、患者さん自身がやらなければいけないことが9割以上です。そのためコーチングというのは、ゴールの目標設定をしてそのゴールをよく見させて馬を走らせてあげることです。例えばグルテンフリーにしたら、どんなメリットがあるのかということを最初にきちんと説明すれば、毎日電話しなくても患者自身が努力してくれます。

ゴールというのは情報の塊なので、きちんとした情報・知識を教育をすれば、それ以上何も言わなくても勝手に行動してくれます。それが成功につながるので、そう言った意味でもコミュニケーション能力は非常に大切です。

5 どういう栄養外来にするか決めておく

栄養療法の知識だけでは不足だと思い、先日ドクター向けの栄養療法外来の養成支援講座を立ち上げましたが、これから始められる方向けに、問診に関しても最初に決めておいた方が良いことをいくつかお伝えします。

それは、まず「どういう栄養療法外来にするか」です。具体的には、お金と患者さんと時間の配分を決めるということです。栄養療法に100%の人生を賭けられる人がいたらそれでも良いですが、患者さんの難易度が上がると得られるお金が減って自分の時間も減ります。患者さんの難易度が下がると、経営的に上手くいって自分の時間も増えます。だからここをまずは具体的に、50%・50%にするのか、30%・70%にするのかを決めたほうが良いです。

栄養療法をされる先生方は保険診療と併用だと思うので、保険診療と自費診療との割合を決めなければなりません。どういう患者さんを診てどこまでは受けないのか、アレルギー、自閉症のお子さんはどこまで診るのか、検査はどこまでするのか、サプリメントの在庫はどこまで抱えるかなどです。自分が熱意を持って取り組める分野があれば色々なものを割いて用意したら良いですが、患者さんのニーズは多様なので自分ができる範囲とできない範囲の線引きをきちんとしておきましょう。

次に診察費用を決めましょう。自費診療外来にどのくらい患者さんが来るかは、開業する前までに流している情報量の多さによります。自費診療なので、プロになるとしたら1回の料金をどうするかということを自分で決めます。高すぎても誰も来ないし、安すぎると疲弊します。私は最初、自費診療の初診料を5,000円で始めたんですけど、今は30,000円にしています。

6 知る⇨好きになる⇨信頼する

自費診療とは需要と供給の関係なので、患者さんが増えてきたら当然価格も上げるものですが、その鍵は情報の発信量、つまりコミュニケーション能力です。まずは診療に来てもらうところからコミュニケーションは始まっています。そのあとは知る⇨好きになる⇨信頼するという流れになります。

信頼するというフェーズになって、初めてこの人に診てもらおうかという気になります。まず相手を知り、好きになって、信頼されるというところまで行くには、現状ならネット上でいかに沢山情報を出すかということです。情報を沢山出せば出すほど、価格は上げても大丈夫です。情報を出していない人は最初は無料にしてください。無料の情報をシェアすることで、コミュニケーションのネット上の仕組みができてきて、そこではじめてきちんと診療ができるようになります。

もちろん口コミや、保険診療で診察したことのある患者さんの付き合いが、ネット上よりベストです。保険診療の患者さんとコミュニケーションができていて信頼されているのであれば、自費診療の話をしても良いと思います。物事には順番があるので、どのようなスタイルでやるかを考えてみてください。私の場合は保険診療の患者さんに声をかけることはほとんどしていないため、ネット上で来た人が99%です。この信頼をネット上で得る仕組みを構築しています。

7 なぜ◯◯が必要なのかを伝える

栄養療法の勉強で一番勉強になるのは、他人に教えることです。他人をカウンセリングするというのが究極の形です。

検査をオファーしてサプリメントや治療を提案するときに、「何故この検査は必要なのですか?」「何故このメーカーのサプリメントでないとだめなんですか?」「何故一番最初にデトックスをやってはいけないんですか?」「何故最初に低血糖の治療からやらなければいけないんですか?」などの質問に答えられるでしょうか?自分でもきちんと理解した上で、クライアントに説明しないと当然上手く伝わりません。

例えば、メタジェニックス社の「グルテンダイジェスト」という製品は、消化酵素のサプリメントをお薦めする理由はこんな感じです。

「一般的に消化酵素はタンパク質の端から切っていきます。グルテンを端から切ることによって途中でモルヒネ様物質であるグリアドルフィンができます。そのためグルテンの消化が悪い子供がグルテンを摂ると、中途半端な消化によるモルヒネ様物質を脳内に作り出してしまいます。しかし、グルテンダイジェストにはグルテンタンパクを真ん中から切るという特殊な成分が入っています。真ん中を切ることで消化の効率も良くなりますしグリアドルフィンもできません。その成分を使っているのは、現在メタジェニックス社ともう一社だけです。」

このようにして、なぜこのサプリや検査が必要か、なぜこの順番でやらなくてはならないかなどを順番に説明していきます。

副腎疲労の正体はHPA軸機能異常

宮澤賢史 · 2021年5月9日 ·

副腎疲労は副腎から放出されるコルチゾールというホルモンが減って具合が悪くなるという疾患の概念です。

僕が2007年に副腎疲労という概念を知ったのは、「Adrenal Fatigue」という本を見たのがきっかけです。この本の著者のジェームズ・ウィルソンという方は自然療法医で、カイロプラクターでもありました。彼がストレス生理学の分野の研究に基づいて、1998年に副腎疲労という用語を作り出しました。21世紀のストレス症候群として副腎疲労がクローズアップされると確信していたんですね。

1. きっかけはビタミンC

1979年、分子栄養学の創始者ライナス・ポーリング博士は、レイベン病院の外科部長のイーワン・キャメロン先生と共著で「Cancer and VitaminC」という本を出版しました。末期ガンの患者にビタミンCを点滴したら、ガンは治らなかったけど、生活の質が上がって、生存期間が伸びたことを記した本です。

同時に論文も発表されましたが、その後すぐにメイヨー・クリニックが反対論文を発表したため、結局ビタミンCの効能は医学会から忘れ去られました。そんな中、たった1人ビタミンC点滴を治療として続けたのが人体機能改善センターのH・リオルダン医師です。彼は変わり者呼ばわりされながらも、30年間研究を重ねて、2000年に高濃度ビタミンCががん細胞を殺傷するという論文を発表しました。(2005年にWHOがこの論文を元に追加試験を行い、その後すぐに世界的なビタミンC点滴ブームがおきました。)

2004年、リオルダン医師の友人だった師匠の紹介で、僕はカンザス州の人体機能改善センター(現リオルダン・クリニック)にビタミンC点滴のやり方を習いにいきました。リオルダン先生は点滴の方法を教えてくれただけでなく、慢性疲労や自閉症の患者さんの診察にも立ち合わせてくれました。

僕はここを訪れるまで、点滴のビタミンCを「効果は強くないが副作用も少ない抗がん剤」だと考えていたので、がんをどの位小さくできるかという事にばかり関心がありました。でも、リオルダン先生は、自宅の裏にある湖(写真左上)のボートの上で「抗がん作用はビタミンCの多くの作用のうちごく一部にすぎない。もっと全身の事を考えなさい。」という話をしてくれました。

帰国してみると、クリニックにはビタミンC点滴の話を聞いた多くのがん患者さんが集まっており、早速治療を始めました。75g以上で抗がん効果があると聞いて、100gのビタミンCを週3回から6回点滴しました。静岡在住の患者さんに毎日新幹線で通ってもらって点滴していたら顔は真っ白になりました。ビタミンCの美白効果はてきめんでしたが、ガンはあまり小さくなりませんでした。多いときは月にビタミンCのバイアルを1000本以上使いました。

結局、4年間で700名のがん患者さんに点滴を行いましたが、がんが完全に消失したのは2人だけでした。でも、がんは消えないけど、みんな元気なんです。よく考えてみたら、末期がんの人が静岡から渋谷のクリニックまで週6回元気に通ってくる事はすごい事です。

ビタミンCには何か体を元気にする、特別な力があるんだと考えるようになりました。

2007年、再びリオルダン・センターに行きました。その時にクリニックの売店で見た本が、この「Adrenal Fatigue」だったのです。こんな病態があるのか!とても衝撃的だったことを覚えています。

2. ビタミンCは副腎に多い

帰国後ビタミンCの点滴を副腎疲労に利用しようと考えました。リオルダン・センターのロン先生の発表に「血管を1とすると、白血球には80倍、副腎の中には150倍の濃度のビタミンCが存在する」とあったので、ビタミンCは副腎に使えると思ったからです。

文献によれば、モルモットにビタミンC点滴をすると体内で脳や副腎、水晶体に偏って分布します(左上の図)。それなら、ヒトの副腎にもビタミンCは移行しやすいと考え、副腎疲労の患者さんに点滴を試してみたら、なんと63%に症状の改善効果が認められました。

ビタミンCは、無駄なコルチゾール分泌を抑え副腎の負担を取り去ってくれます。左上のグラフのパターンを示すのは過緊張の人ですが、このような人にビタミンCを点滴すると、緊張がとけてリラックスできます。ただし、元々コルチゾールが低めの人にビタミンC点滴を入れるとコルチゾールが激減して、立ちくらみを起こしてそのまま倒れてしまう場合があります。初めてのビタミンC点滴は、必ずリクライニング・チェアで受けることをお勧めします。

そんな経験から、副腎疲労とビタミンCの関係に確信を持ち、副腎疲労のホームページを作りました。 以来、グーグル検索で副腎疲労というキーワードで3年間1位を取りました。 おかげで患者さんがすごく増え、「副腎疲労とはなんぞや物語」という漫画を出版したり、2015年には副腎疲労脱出セミナーも開催しました。調子に乗ってたんですが、それは長続きはしませんでした。

3. アドレナル・ファティーグ神話

アドレナル・ファティーグをPubMed(論文検索サイト)で調べてみると一番上に出てくるのは「アドレナル・ファティーグは存在しない」と言う論文です。

例えば、筋肉疲労だったら乳酸が溜まったりしますよね。副腎に乳酸が溜まるわけでもないし、そもそも、副腎が疲れる事ってあるんでしょうか?

実は、ストレスで副腎が疲労する、もしくは機能しなくなるというエビデンスはありません。

4. ハンス・セリエのストレス反応

1952年に出版されたハンス・セリエ著の「適応症候群」。その中で、ラットにストレス負荷を与えて解剖してみると、副腎が腫れ上がり胸腺やリンパ節が小さくなり、免疫が低下した、とあります。彼は、副腎の腫脹と、リンパ節の萎縮、胃の出血を「セリエの三徴」と名付けました。

これがいわゆるストレス反応で、副腎疲労になると、副腎は萎縮するのかなと思いきや逆に腫れ上がります。なぜ腫れ上がるかの論文は見つからなかったのですが、恐らく副腎髄質のせいです。 副腎皮質はステロイドを作っていて、副腎髄質はアドレナリンを作っています。副腎髄質は作ったアドレナリンを貯めておけるのに比べて、副腎皮質はコルチゾールを貯めておくことはできず、ACTHの命令があったときにその場で作るのみです。

副腎疲労になると、足りないコルチゾールの働きを補うために、アドレナリンがいつも出るようになります。このような人は、副腎髄質が働きっぱなしなので副腎が腫脹します。足つぼ治療を受けた方はご存知だと思いますが、副腎の足のツボは真ん中にあります。副腎疲労の人はそこに痛みを感じますが、それはアドレナリンが出続けて副腎に負担がかかっているからです。

5. コルチゾールが減る理由

ではなぜ副腎ホルモンが減ってしまうのでしょうか。コルチゾールを出しているのは副腎の中でも皮質という部分です。副腎皮質が脳から受け取るACTHという信号と、副腎皮質内の酵素の2つがコルチゾールの出力を調整しています。コルチゾールが低下する原因は、外部信号が弱くなるか、酵素の活性が弱くなるかのどちらかなのです。副腎が疲れるからではありません。

下記の図は、脳にストレスがかかるとストレスホルモンが出続けてだんだん疲れてくるという副腎疲労の図ですが、私が独立したときに初めての副腎疲労の患者さんに作ってもらいました。Adrenal Fatigueの本の挿絵に擬人化された副腎が疲れているイラストがあったので、それを参考にしたんです。

でも正確には副腎が疲れることはありません。この図は正確ではないのに色々なところで真似されました。今でもネット上で似た様な図を沢山見かけます。繰り返しますが、疲労しているのは副腎ではなく脳(下垂体)です。この事実を踏まえて、図を書き直してもらいました。

ストレスがかかると脳からACTHというホルモンが放出され、それが副腎を刺激してコルチゾールが出ますが、副腎疲労の人では、ストレスがかかってもACTHが放出できません。つまり、副腎疲労の正体は下垂体疲労なんです。この様にストレスに対する下垂体の反応が悪い状態をHPA軸機能障害と呼びます。ストレスで副腎機能が低下するというエビデンスはありませんが、鬱などの様々な疾患でHPA軸の機能が低下するというエビデンスは沢山あります。

6. HPA軸機能障害

脳の視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が出て、下垂体がその命令を受けてACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を分泌します。それを受けた副腎がコルチゾールを出し、コルチゾールが出過ぎないように視床下部と下垂体にネガティブフィードバックをかけます。これによってCRHとACTHがバランスを保ちます。

これをHPA軸(hypothalamic-pituitary-adrenal Axis)と言います。

この視床下部、下垂体、副腎の連携が上手く取れないことをHPA軸機能障害と言います。コルチゾールが出過ぎるパターン、出にくいパターンがあります。

6-1. 鬱病ではACTH、コルチゾールが出過ぎる

鬱病の人は、CRHもACTHも放出されて、その結果コルチゾールも沢山分泌されてしまいます。コルチゾールが大量に出たら普通はネガティブフィードバックがかかって、視床下部と下垂体にこれ以上刺激ホルモンを出さないように抑制しますが、鬱ではそこがうまく機能しません。その結果、ACTHとコルチゾールが出続けてしまいます。報告によれば、うつ病患者の50%は、血中グルココルチコイド濃度上昇によるHPA軸の負のフィードバック機能障害が認められています。

6-2. 慢性疲労、PTSDではACTH、コルチゾールが出にくい

それとは反対に、会社の社長(視床下部)が部長(下垂体)に叱咤激励するのにも関わらず、部長がやる気がなくて、その結果部下(副腎)も全く働かないというのがPTSDや慢性疲労のパターンです。論文によると、慢性疲労症候群と線維筋痛症(FM)の女性に基礎コルチゾールの優位な減少が見られたり、概日周期及び朝のACTH分泌レベルが低下しているとかいうことが分かっていて、慢性疲労症候群の人は下垂体レベルから疲労しています。

様々なタイプの精神疾患とHPA軸機能障害の関係についてBaumeisterらがこのように報告しています。

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00127-014-0887-z

7. HPA軸が狂う4つの原因

副腎疲労の正体は、HPA軸機能障害です。HPA軸が狂う原因は、コルチゾールの過剰分泌にあります。コルチゾールの働きは6つあります。

  • 炎症抑制          
  • 血糖上昇
  • 抗ストレス効果
  • 日内変動
  • 免疫抑制
  • タンパク異化

そのため下記の4つの原因がコルチゾールの異常分泌を招きます。

  • 慢性炎症
  • 血糖の乱高下
  • 慢性ストレス
  • 慢性の夜更かし

副腎疲労を治すためには、つまりHPA軸異常を治すためには、この4つに切り込むことが必須であり、HPA軸機能障害の権威であるトーマス・ギリアム博士によればこの4つのストレスは十分修正可能ということです。

7-1. 慢性炎症

炎症性サイトカインがHPA軸を活性化し、コルチゾールを放出します。リウマチ、クローン、MS、喘息、皮膚炎などの炎症性、代謝生の炎症疾患でもHPA軸の低下が見られます。また、糖尿病の人もHPA軸が狂っています。長期の炎症はコルチゾール耐性を引き起こし、炎症を増加するので、炎症を治すことはとても重要です。

7-2 .血糖値の乱高下

炎症性サイトカインが過剰に分泌されると、インスリンの働きが悪くなり内臓脂肪が増えます。内臓脂肪は炎症性物質なので悪循環となります。ストレスに対してコルチゾールが過剰分泌されるHPA障害が、糖尿の原因の一つだと言われています。糖尿病に詳しい方はお分かりだと思いますが、血糖値を薬や食事、運動で一時的にコントロールをしても、気を抜くとすぐ血糖値上がります。このため糖尿病の完治はなかなか難しいですが、一つの可能性としてはHPA軸障害が挙げられます。HPA軸が障害されて、ちょっとしたストレスでコルチゾールが大量分泌されると、高血糖は治りません。

また、血糖値が50などの絶対値だけを問題視するのではなく、200から100に急に下がるといった変化量が大きい場合も、HPA軸に負担をかけます。

7-3. 夜更かし

睡眠障害とサーカディアンリズム(概日リズム)の低下は、強力なストレッサーとして機能し、HPA障害を起こしてとても疲れやすくなります。炎症も食事も気をつけているのに、深夜1時に就寝するという人は沢山います。副腎疲労をきちんと治そうと思ったら、11時までに寝ることが重要です。体を修復する成長ホルモンのピークが夜中の12時だからです。

なかなか概日リズムが治らない人は、とにかく朝起きて1度朝日を目に入れてください。視交叉上核という光を感じ取る脳の中に核があって、そこで概日リズムを調整しています。朝早く起きれば、この視交叉上核が光を感知してメラトニンの産生を止めます。朝メラトニンがダラダラ出てるからいつまでも眠くて、その結果夜にメラトニンが出なくて眠くならないので、その悪循環を止めることが重要です。どうしても眠かったらその後寝てもいいですが、朝に視交叉上核を起こすというのが大事です。

睡眠自体が難しい場合は、根本原因ピラミッド3つを考えてください。ホルモンと消化器と解毒です。ストレスと低血糖、 消化不良によるカルシウム・マグネシウム・亜鉛不足が睡眠不足を起こします。 また、トリプトファンがセロトニンを介してメラトニンになるので、タンパク不足も不眠の原因になります。肝臓の解毒のピークは午前1時から3時のため、解毒が上手くいってない人や毒物が沢山溜まっている人は、肝臓が働き過ぎて夜中に起きてしまう可能性があります。

概日リズムを積極的に整えて、それでも眠れない場合はこの3つを考えてみてください。特に不妊治療の人は、ミトコンドリア機能を上げていかないといけないため、夜10時には寝てください。ミトコンドリア機能を見る目安は基礎体温です。

7-4. ストレス(自分がストレッサーだと感じるものの存在)

ストレスの特徴の一つは、寒さや飢えなどの「本当の脅威」と精神的、感情的、心理社会的ストレスなどの「脅威と感じたもの」を区別出来ないことです。つまり森の中で熊にあったっていうストレスと、会社に行くのが嫌だというストレスの区別がつかずに、脳はどちらのストレスにも同じ反応をするということです。

2つ目のストレスの特徴は、脅威と感じるものは人によって異なるということです。過去のストレス経験やトラウマ、くせ、人格が神経伝達物質に大きく影響を与えます。ストレスは正式にはストレッサーといいます。飲み会は私にとってストレスだというのは、正しくは飲み会は私にとってストレッサーだ、となります。

ストレッサーに対する反応の大きさはストレッサーそのものではなくて、個人の認識に基づいています。そのため飲み会がストレスになる人とならない人がいるのです。同じように、人前で話すことをストレスに感じる人と感じない人がいます。僕はものすごく緊張して手先が冷たくなりストレスに感じます。みのもんたさんは朝の番組の前に必ず生ビールを一杯飲んでから話すと聞いて、みんな同じなんだと思って少し安心しました。

自分にとって何がストレッサーなのか知りたい方は「Percieved Stress Scale」という質問表をチェックしてください。他人にとってはほんの些細なことでも、自分がストレスと感じるものであれば、それはストレスになるのです。

8. コルチゾール分泌が続くと脳が萎縮する

慢性ストレスが続くと、コルチゾールが脳の分解をするため特に脳の海馬を含む組織が萎縮していきます。これを「アロスタティック負荷」と言います。これを防ぐためストレスがかかってもコルチゾールを分泌しないように身体が脳からの命令物質ACTHを出さない様に調整します。これをHPA軸のダウンレギュレーションと言います。副腎疲労は過剰なコルチゾールから身体を守るための、HPA軸のダウンレギュレーションなのです。

9. まとめ

副腎疲労の正体はHPA軸の機能障害です。僕も最近、診断書には「HPA軸機能障害」と書くように改めました。HPA軸機能障害の原因は、HPA軸に長期間にわたり負担がかかることです。

HPA軸障害の病態の鑑別には唾液中コルチゾールを測定して、日中リズムに加えて、コルチゾールアウェイキングレスポンス(CAR)を見ます。

HPA軸機能異常(いわゆる副腎疲労)の検査と治療

コルチゾール・スティールは存在しない

宮澤賢史 · 2021年3月17日 ·

副腎疲労は疾患の進行に伴い、コルチゾール・スティールという現象を引き起こすことが有名です。それに関連して「もともとエストロゲン過剰がある場合、副腎疲労でコルチゾール・スティールが行われたほうが、エストロゲンが減少してちょうどいいのでは?」とご質問がありました。コルチゾール・スティールとは何か?、本当に存在するのか?についてお答えします。

1 エストロゲン過剰について

まずは、エストロゲン過剰の話からです。生理周期に伴う二つの女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は、生理の周期にしたがって、下記の図のように絶妙なバランスの上に成り立っています。生理開始から2週間(卵胞期)はエストロゲンのみが上昇し、排卵後の後半の2週(黄体期)はエストロゲンとプロゲステロンの両方が上昇します。卵胞から排卵し、それが黄体に変化して、黄体からプロゲステロンが分泌されるため、図のような形の大きな山が形成されます。

エストロゲンとプロゲステロンは、身体の中で反対の働きをします。お互いに押さえ込むような働きをするため、この二つのホルモンが両方とも同じように分泌されるのが理想ですが、このバランスが崩れる原因は下記の4通りです。

1 無排卵(排卵後の卵胞である黄体からプロゲステロンが作られる)
2 ダイオキシン、水銀、アルミニウム
3 前更年期(閉経するとEレベルは40-60%、Pレベルは120分の1に低下)
4 高脂肪食

2 エストロゲン過剰の原因

では、これらを一つずつ詳しく見ていきましょう。

2-1. 無排卵

排卵しないと黄体ができないため、プロゲステロンが分泌されません。多嚢胞性卵巣症候群や、インスリン抵抗性が強めの女性に無排卵の人が多いと言われています。
無排卵かどうかの判別は、基礎体温の計測でわかります。基礎体温は排卵の時期だけを知るためのものではありません。プロゲステロンは、甲状腺ホルモンの働きを介して体温を上げるので、健康な女性であれば、卵胞期に比べて黄体期は0.3度以上上がっているのが普通です。黄体期に体温が上がらない場合は、黄体機能不全かミトコンドリア機能不全のことが多いです。血液検査をするよりも、基礎体温を測ることで自律神経の緊張度合いとミトコンドリア機能が分かるので、特に若い女性にとって計測は不可欠です。

2-2.前更年期

35歳-60歳の間の前更年期には、生理的に女性ホルモンが減少します。エストロゲンは40-50%減りますが、プロゲステロンはもっと減り幅が広く、90-95%減ります。プロゲステロンの方が多く減るために、相対的にエストロゲン過剰になります。

2-3.ダイオキシン、水銀、アルミニウム

プラスチックのボトルや魚、ダイオキシンなどの環境ホルモンなどのホルモン撹乱物質は、エストロゲン様の働きを持っているためエストロゲンを優位にします。

2-4.高脂肪食

ホルモンの規制の問題でアメリカの牛肉は日本の牛肉の600倍のエストロゲンが入っているため、エストロゲンの働きを狂わせます。

これらの原因により、女性のみならず男性もエストロゲンの海に浮かんでいると言われていて、この状態を「エストロゲン優勢症候群」と言います。エストロゲン優勢症候群になると、様々な問題が起きます。エストロゲンは女性らしさを保つためにとても重要なホルモンですが、過剰に分泌されると乳がん、子宮がん、子宮内膜症、子宮筋腫など女性特有の問題を引き起こすことになります。

PMSや生理痛が強いのも立派なエストロゲン優勢症候群です。生理痛が強いということは、つまり物理的に子宮を曲げる力が強いということです。子宮を収縮させるのはエストロゲンとプロスタグランジンE2で、これには食生活が影響します。

3 コルチゾール・スティールとは

次は、コルチゾール・スティールの説明です。コレステロールからプレグネノロンを得て、コルチゾールとエストロゲンが生成されます。ストレスなどによってコルチゾールの需要が高まり、ホルモンの材料が全てコルチゾールに奪われてDHEAやエストロゲンが減少することを、一般的に「コルチゾール・スティール」と呼んでいます。

プレグネノロンはすべてのステロイドホルモンの前駆体なので、ストレスによるコルチゾールの過剰分泌は必然的にDHEAと他の下流ホルモンを製造するための前駆体として利用されるプレグネノロンを奪ってしまいます。

こちらのグラフは副腎疲労のステージ表です。非常にストレスがかかった副腎疲労の抵抗期のステージ1では、コルチゾールは上昇しますが、性ホルモンであるDHEAは減っています。このグラフで見るとあたかもプレグネノロンがコルチゾールに奪われてDHEAが下がっているように見えます。

副腎疲労に伴い、女性ホルモンが少なくなることを「コルチゾール・スティール」と言います。それでは、コルチゾール・スティールはエストロゲン過剰と同時に起きればちょうどいいんじゃないでしょうかというのが、冒頭のご質問の意味でした。

4 副腎皮質と主な生成物

下記は、ウィキペディアに掲載されているコレステロールの代謝マップです。

一番左上にある図が、コレステロールです。コレステロールが、各代謝によって様々な物質に変化していきます。右上にあるのは、コレステロールから生成されるアルドステロンです。コルチゾールも同じくコレステロールからできます。右下のピンクの三角形にあるのは女性ホルモンです。エストロゲンは、E1(エストリオール)、E2(エストラジオール)、E3(エストロン)の3つの総称ですが、全てコレステロールから生成されます。DHEAなどの様々なホルモンは、コレステロール骨格を持っています。副腎をウィキペディアで調べてみると、4層構造に分かれています。

副腎皮質と副腎髄質、真ん中にあるのは副腎髄質です。副腎皮質は、さらに球状層、束状層、網状層による三層構造に分かれています。球状層から主にアルドステロン、束状層からコルチゾール、網状層からDHEAというホルモンが生成されます。アドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)を作っている場所が副腎髄質で、その外側に副腎皮質があり、3層構造に分かれています。束状層は6割の大きさがあり、コルチゾールを生成しています。副腎皮質の場所によって主な生成物が違うということがこの図から分かります。

副腎皮質からはアルドステロンが分泌されて腎臓に働きます。2層目の束状層からはコルチゾールが分泌されて肝臓に働きます。内側の網状層は性ホルモンなので、生殖器に働きます。副腎髄質からは、エピネフリンが分泌されて心臓や血管に働きます。

コレステロールの代謝マップは、すべての代謝を一度に記載しているので誤解を招きがちです。実際にこのように全ての臓器で色々なホルモンが均等に生成される臓器や組織はありません。代謝マップの緑の縦の棒が酵素です。臓器や組織によって発現している酵素が違うので、組織によって生成物は異なってきます。

4-1球状層の場合

球状層の主な生成物はアルドステロンですが、その特徴はアンギオテンシンⅡ受容体が発現していることです。つまりアンギオテンシンⅡ受容体が球状層にくっついて、酵素反応が起きます。例えばCYP11B2遺伝子が発現しているところで、CYP17遺伝子は欠損しているため、下層には反応がいかなくなります。アンギオテンシンⅡ受容体が働くと、コレステロールがプレグネノロンに変換されます。プレグネノロンは本来下層にも働くのですが、CYP17遺伝子の酵素が欠損しているため右にしかいけません。青枠で囲まれた酵素が発現してるので、一部コルチゾールもできまが、腎臓でナトリウムの再吸収をするアルドステロンが生成されます。

4-2 束状層の場合

束状層は、副腎皮質刺激ホルモンの受容体があるためACTH(副腎皮質刺激ホルモン)に反応します。球状層とは違って、CYP17遺伝子が発現しているため二段目まではいけますが、17,20 lyaseの発現がないので三段目の性ホルモンには到達できず、コルチゾールが主な生成物になります。

4-3 網状層の場合


網状層の場合は、球状層とか束状層には存在しない17,20 lyaseが発現してるので、一番下層まで到達できます。それとは逆に、CYP21A2とCYP11βの酵素の発現がないため、右にはいけません。そのため網状層ではDHEAが生成されます。右下の四角内の赤がミトコンドリアで、緑が発現小胞体です。コレステロールがプレグネノロンに変換されるのは、細胞のミトコンドリアの中で行われます。小胞体ではタンパク質が生成されます。小胞体でこれらの酵素がつくられるかどうかはエピジェネティクスによって違います。つまり細胞や組織によって小胞体で生成される酵素が違うため反応が異なるということになります。

上の図のようにACTHやアンギオテンシンⅡなどの細胞外からの刺激によりミトコンドリアに指令があると、コレステロールが外膜から内膜に移動し、プレグネノロンに変換されます。プレグネノロンに変換されるとミトコンドリアの外に出て、小胞体の酵素によって形が変わっていきます。このプレグネノロンは小胞体で生産される臓器特異的(組織特異的)な酵素によって各ホルモンに代謝され、最終的に細胞外に分泌されます。それをまとめたのが下の図です。

球状層でコレステロールのプレグネノロンに変換されるのは、それぞれの副腎皮質細胞のミトコンドリアで起こります。そのミトコンドリアの中で、コレステロールがプレグネノロンに変換されて、プレグネノロンが組織特異性のある酵素で、アルドステロンやコルチゾール、DHEAに変換されます。つまり球状層のコレステロールは、アルドステロン専用、束状層のコレステロールは、コルチゾール専用、網状層のコレステロールはDHEA専用ということです。

「コルチゾール・スティール」というのは、コルチゾールが足りなくなるため他のDHEAをつくるための材料のコレステロールが全部奪われるということですが、球状層や束状層でコルチゾールを作るために、網状層のプレグネノロンやエストロゲンが奪われ、細胞壁を超えて移動するというエビデンスは今の所出ていません。

繰り返しますが、Wikipediaのコレステロール代謝マップは、各ステロイド産生組織間で異なる酵素活性度を示していないため、混乱しないようにしてください。

5 コルチゾールスティールは神話である

下記は、1996年出版のブラックウィル先生の「必須内分泌学」第三版に載っている図です。コルチゾール・スティールの説明のために少し修正されていますが、左下の丸から腎臓、肝臓、卵巣、精巣となります。General circulationとあり、全身の流れでこのようなことが起きているということが教科書に書いてあるので誤解を招きます。 PubMedでコルチゾール・スティールを調べてみると、たった10件しか検索結果が出てきません。コルチゾール・スティールがいかに一般医学会からは異端扱いされているかということが分かります。

この図を見ると、いかにも共通のコレステロールプールがプレグネノロンプールがあるように見えますが、タンパク質はローテーションしていても身体にアミノ酸プールがないように、全身のホルモンに共通したプレグネノロンプールは存在しません。

6 ではなぜ、コルチゾール↑DHEA↓が起こるのか?

コルチゾール・スティールが起こらないとしたら、副腎疲労の第一期では、何故下の図のようにコルチゾールが上昇し、DHEAが下降するのでしょうか。現在考えられているのは、ストレスによる刺激応答への低下や、コルチゾール上昇に伴う耐糖能障害です。

高血糖が健常男性のDHEAレベルを急激に低下させます。コルチゾール↑、DHEA↓のコントロール不良2型糖尿病患者では、網状帯でのDHEA形成に必要な酵素(17,20リアーゼ)活性が低下。血糖コントロール改善後に、酵素活性が修正され、コルチゾール、DHEA、およびDHEA-Sレベルも正常化します。また、炎症性ストレス下では、網状帯がDHEA産生をダウンレギュレートします。

コルチゾールは血糖値を上げます。血糖値が上がると、DHEAは下がります。何故DHEAが下がるのかというと、コントロール不良2型糖尿病患者では、網状帯でもDHEA形成に必要な酵素である17,20リアーゼの活性が低下するからです。高血糖が一部の酵素活性を落とすということが明確になってきています。

もう一つDHEAのレベルを落とすのが、炎症です。炎症ストレス下では網状帯がDHEA産生をダウンレギュレーションします。その結果、コルチゾールが上昇して、DHEAが下降します。コルチゾールとDHEAの関係性は非常に大切で、コルチゾールはタンパクを異化するホルモンです。コルチゾール分泌が過多になると身体が分解していきますが、DHEAはその反対の働きをするアナボリック(タンパク同化)ホルモンなのです。コルチゾールが分泌されるとDHEAも同時に上がって、過剰なタンパクの異化を抑えるように身体の仕組みとしては働いているのですが、DHEAが急激に減少するということは、カタボリック(タンパク異化)が亢進するということなので、DHEAはとても大事になります。

7 コルチゾール・スティールがないと言えるもう一つの理由

そもそもコルチゾール・スティールが本当に存在するとしたら、朝コルチゾールが上昇するときに、エストロゲンの分泌が減るはずです。エストロゲンは日内変動はないのでここからもコルチゾール・スティールが当てはまらないと言うことが分かります。

エストラジオールとコルチゾールの血中濃度は、28.8~196.8pg/ml、コルチゾールは4.5万~21.1万pg/mlと、1000倍以上あることが分かりました。つまりコルチゾールは大量なので、エストラジオールが多少コルチゾールを盗んでも足しにはならないということが分かりました。

つまりコルチゾール・スティールは存在しませんが、エストロゲン過剰とコルチゾールの低下はそれぞれに対して個別に対処すべきというのが冒頭の質問の答えになります。

8 エストロゲン過剰への対処法

エストロゲン過剰に対しての対処法を知るのに参考になる本はプロゲステロンクリームを世に広めたジョン・リー先生の「医者も知らないホルモンバランス」という著書です。もうお亡くなりになられましたが、この本はとても有名で、今改訂版が出ているのでご興味ある方はぜひ読んでみてください。

「What your doctor may not tell you about」というシリーズで、「about Menopause」「about Psyroid」「about Oslo」などがあります。

「What your doctor may not tell you about」というシリーズで,日本語に訳されているのは3種類くらいですが、その中でもこれは良書です。この本には、プロゲステロンは大変万能な働きをしていて、その働きの一つには過剰なエストロゲンを抑えるとあります。だからエストロゲン過剰症候群が辛い人に、プロゲステロンクリームを使ったらいいのではないかと勧める本です。 ただなかにはプロゲステロンクリームの効果がない人もいます。そのような場合は、根本原因ピラミッドを遡って調べるのが良いと思います。根本原因ピラミッドの特に下の3つがとても重要です。ホルモン、消化器、デトックスです。

1.ホルモン

もしプロゲステロンクリームが効かない場合、まず最初に考えられるのは副腎疲労です。副腎ホルモンが、PMSや更年期症状などの女性ホルモン症状の主な原因となります。副腎ホルモンはホルモンヒエラルキーの一番下なので、女性ホルモンの問題を解決するためには、まず副腎をケアすることが鉄則です。

2. 消化器系

不安定な血糖値、炭水化物やお菓子の過剰摂取、消化機能の低下、食物過敏症はすべて、女性ホルモン問題の一因です。これらの原因により、血糖値が上下して腸の炎症が起きます。腸内細菌バランスもとても大切で、腸内細菌はエストロゲンを分泌しているので、腸内細菌バランスが崩れるとE1,E2,E3のバランスが崩れます。それがエストロゲン優勢症候群の原因とも言われています。

3. 解毒

副腎疲労も治したし、胃腸のケアもしているのにPMSが強い人は、デトックスをされてみてください。ピルの服用またはホルモン補充療法を受けた女性は、外部ソースからのホルモンを体が排除しようとする肝臓の解毒経路に余分な負担をかけます。エストロゲンは、肝臓でCOMTという酵素で代謝され、ビタミンB6がその補酵素となります。メチレーションが回っていない人や、ビタミンB6が不足している人は、エストロゲン過剰の症状が強く出ます。特にプロゲステロンクリームが効かない人、乳がん、子宮頸種、女性特有の問題を抱えている人が最初に取り組むべき栄養療法は、肝臓へのアプローチで女性ホルモンへの対処に大変重要です。 

プロゲステロンの働き

  • 妊娠の継続
  • 脳機能を保つ(脳細胞中のPレベルは血中の20倍、GABA-R に結合)
  • 体温を上昇させる
  • 過剰なエストロゲンの働きを抑える
  • 他のホルモンの前駆物質

分子栄養学で使われる検査

宮澤賢史 · 2021年3月15日 ·

血液検査

一般的な病院でも受けていただける検査ですが、ご相談は栄養療法を扱っているクリニックをお勧めいたします。

推奨項目
WBC RBC 血色素量 ヘマトクリット MCV MCH MCHC 血小板 網赤血球 白血球像
Fe TIBC UIBC フェリチン
HDL-C LDL-C TG FFA
GOT GPT γ-GTP ALP TTT T-BIL D-BIL LDH Ch-E
TP 蛋白分画 BUN Cre
Na K Cl Ca P  Mg CPK UA AMY CRP定量
亜鉛 銅 BS HBA1C インスリン
ヘリコバクタピロリ抗体 IgG
ペプシノーゲンⅠ ペプシノーゲンⅡ ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ比
TSH,FT3,FT4(甲状腺ホルモン検査)
ホモシステイン、血中ビタミンD(25OH-D)濃度

有機酸検査

尿中の有機酸(代謝の過程で生成される化合物)を調べる検査です。例えば、腸に住んでいる酵母菌の産生物を見ます。この産生物はサイズが小さいため、正常の消化管でもある程度は吸収され、門脈から肝臓、腎臓を経由して、尿細管から排出されます。これによって、尿の検査をすることで消化管で何が起きているかを間接的に見ることができるのです。

また、多くの精神疾患で脳内のドーパミンレベルが高いことが報告されていますが、ドーパミンが代謝されずに残っていないか?なぜ、代謝が妨げられているのか?(原因は、銅やビタミンC不足、そして腸内のクロストリジウム)など、神経伝達物質の代謝を見ることもできます。他に、細胞の代謝(糖質、タンパク質、脂質の代謝)や、ビタミンの過不足などもわかる総合的な検査です。

通常は栄養療法クリニックのみでの取り扱いです。腸内環境からミトコンドリア機能、ビタミン不足、三大栄養素の代謝など幅広い項目をカバーしている検査です。米国のグレートプレーンズ研究所が提供しています。

毛髪ミネラル検査

毛髪中に含まれるミネラルや重金属を測定する検査です。毛髪は便や尿、汗と同じく人間の大事な排泄経路のひとつです。血液中のミネラルはいつもバランスが自動調整されているため、体内蓄積量を正確には反映しません。その一方で、体内のミネラル類は、血流を通じて毛髪に付着しやすい性質を持っており、毛髪は日々の栄養バランスを継続的に記録しながら伸長するため、体内のミネラルバランスの傾向をみるのに最適な検査といえます。

毛髪の根元から1cmごとに1ヶ月分のミネラル状態を表していると言われています。有害重金属、必須ミネラルの排泄量を測定することで、有害重金属の排泄能力、ミネラルバランス、腸内環境に異常があるかどうかがわかります。有害重金属とは、水銀、アルミニウム、カドミウム、ヒ素、鉛、ニッケル、ベリリウムなどがあります。必須ミネラルとは、人間にとって必要不可欠なミネラルのことで、カルシウムや、マグネシウム、亜鉛、銅などのことです。

有害重金属は食事、水、空気、日用品などから体内に取り込まれ、多彩な症状を引き起こし、老化や体調不良、様々な病気の原因になります。通常は栄養療法クリニックのみでの取り扱いです。毛髪中の必須ミネラルや重金属を検出する検査です。ミネラルバランスを把握し安いドクターズ・データ社の検査を推奨しています。

尿中ミネラル負荷検査

体内に重金属が蓄積している場合、薬剤やサプリメント、点滴を使用して重金属を排泄する治療を行います。これをキレーション治療といいます。

その際、多くの金属は便や尿中に排泄されていきます。キレーション治療を始めるにあたっては、薬剤の治療効果を把握しておく必要があります。そのために行うのが尿中ミネラル負荷検査です。実際にキレート剤を内服もしくは点滴後、一定時間蓄尿していただき、尿中に排泄された有害重金属の量を測定します。ある程度以上金属が含まれていれば、治療効果が見込まれると判断します。この検査は、キレーション治療後の効果判定にも使用します。

オリゴスキャン

手のひらに光をあてて、体内に蓄積している有害重金属と必須ミネラルを測定します。毛髪ミネラル検査や尿中ミネラル検査と一番違う点は、これらの検査が体外への排泄量を測定しているのに対して、オリゴスキャンは、体内の蓄積量を直接測定できる点です。

IgG食物アレルギー検査

ある特定の食べ物に対して、アレルギー反応を起こすかどうかの目安になるのが食物アレルギー検査です。食物アレルギーには、即時型(IgE)と遅延型(IgG)の2種類があります。

即時型は、食物摂取後すぐに典型的な症状が出るため、原因となる食物がわかりやすいのが特徴です。遅延型は、食物摂取後、症状が出るまで場合によっては数日以上かかるため、アレルギーの発症を自覚するのが困難になります。

身体的なものから精神的なものまで多彩な症状が出ます。
遅延型のアレルギー反応が出ている場合、必ずしもその食物にアレルギーがあるとは限りません。IgG反応は腸のバリア機能が低下していることを意味しています。

総合便検査

腸内環境を調べる検査です。便を採取して、腸の良性、悪性細菌、カンジタの有無(カンジタに効く抗生剤の種類もわかります)、炎症、消化酵素、免疫、エネルギー状態などを調べます。

食物アレルギー検査は腸のバリア機能を調べる事ができるよい検査です。多くの項目が陽性であればそれは、バリア機能低下(リーキーガット症候群)を意味します。
しかし、陽性となった食物を制限するだけでは根本解決にはなりません。バリア機能低下の原因を調べ、それに見合った対処をすることが重要なのです。
総合便検査はバリア機能低下の根本原因を見つけるのに欠かせない検査です。

ペプチド(カゼイン・グルテン)検査

尿中のペプチド(カソモルフィン・グリアドルフィン)を調べる検査です。この場合のペプチドとは未消化のタンパク質のことで、乳製品由来、小麦由来のタンパク質です。
尿中に未消化のペプチドが検出されるということは、血液中にも未消化のペプチドがあることを意味します。未消化のペプチドはモルヒネ成分と同じ作用があり、これが血液を介して脳に伝わると麻薬や覚せい剤と同じ症状が出ます。音への過敏性、話すことの障害、知覚機能に影響が及んだり、集中力の低下、多動症状の原因になります。

葉酸代謝遺伝子検査

葉酸の代謝に関係する酵素の遺伝子に変異があるかどうか調べます。遺伝子変異があると、酵素の働きが低下するため葉酸が不足しやすくなります。
葉酸が不足すると解毒にも影響します。また、血中ホモシステインが上昇しやすい傾向になり、動脈硬化、高血圧症、認知症などのリスクが高まります。

メチレーション検査

メチレーションとはすべての細胞の中で行われている体の基本反応の一つです。メチレーション回路は、遺伝子の調節や、化学物質や毒素の解毒、神経伝達物質の合成、ホルモンの代謝、エネルギーの合成、DNA・RNAの合成に関わっています。メチレーション検査では、回路の中の物質の過不足を調べます。

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