• Skip to primary navigation
  • Skip to main content

臨床分子栄養医学研究会

あなたのサプリが効かない理由教えます

  • コース一覧
  • もう一本読む?
    • 分子栄養学基礎マスターコース 食事とサプリメント編
    • 分子栄養学の基礎 検査と根本原因
    • 分子栄養学アドバンス・コース
    • まごめじゅんの栄養講座
  • サクセスパス
    • 治療方針を決める
    • 必要な治療と順番を決める
    • 検査を行って確認する
    • 治療の実際
  • ごあいさつ
  • 受講者の声
    • 医療関係者
    • 一般の方
  • クリニック紹介
    • 分子栄養学の検査・治療を受けられるクリニック
    • 指導認定医・認定医一覧
    • 認定指導カウンセラー
    • 認定カウンセラー
    • PNTトレーナー
  • 会員サイト
    • 総合案内
    • 研究会会員サイト
    • 第26期会員サイト
  • Show Search
Hide Search
現在の場所:ホーム / アーカイブサプリと食事

サプリと食事

血糖値が安定し、炎症を抑え、カンジダが増えない食事法

安保 結花 · 2021年5月25日 ·

治療には順番が大切で、ついつい腸の病原菌対策を早くやってしまいたい衝動に駆られますが、最初にやるべきことは腸の炎症を抑える事です。そのためには副腎疲労を先にケアする必要があります。だからこそ低血糖を治し、腸の炎症を抑える食事を先にすべきなのです。ここでは、血糖値が乱高下しない食べ方や、脳のパフォーマンスを最大限にあげるための脂質の種類の選び方と調理方法、腸の炎症をとり疲れ知らずになる食事メニューなど、誰もが目指すべき食事内容について学んでください。目標は自宅で調理する場合でも、外食でメニューを見る時にも自分に最適な食事を選べるようになることです。

1. 血糖値が乱高下しない食べ方 

血糖を安定的に供給するためには、一日三食の食事を摂ることは大前提です。しかし、一日三食を食べても血糖値の調節がうまくできず、血糖値が乱高下してしまう人が少なくありません。集中力の低下、眠気、イライラ、うつ症状、不安、頭痛、疲れなどの症状が慢性的にある場合は、食後に血糖値の急上昇や急降下があるかもしれません。食後に高血糖がある場合は、食べ方の順番を工夫したり、食後に運動を取り入れることで対処することができます。夜間低血糖がある場合は、就寝前や日中の食間に補食を摂るようにすると良いでしょう。また、食間に血糖値が低下する場合は、糖質量が少なすぎないか食事内容を振り返ってみるとともに、食間に補食を摂るようにすると良いでしょう。

1-1. 血糖値の乱高下が不調を引き起こす

多くの人が一日三食の食事を摂っているかと思いますが、それは血糖を安定的に供給するために理にかなっていることです。食事から摂取した糖質はブドウ糖に分解され、血糖値を上昇させます。血糖値が上昇すると私たちは満足感を感じることができます。しかし、食後2,3時間が経つと小腹が空いてきて、また次の食事を摂ることで血糖値が上昇する、というように血糖値は常に一定になるよう調節されています。しかし、この血糖調節がうまくいかず血糖値が急激に上がったり下がったりしてしまう人が少なくありません。

このような症状はありませんか?
該当項目が多い場合は、血糖値の乱高下があるかもしれません。

  • 甘いものやジュースをほぼ毎日摂っている
  • 空腹感を感じておやつを食べることが多い
  • 食後に強い眠気を感じる
  • イライラ、不安感、恐怖心などがある
  • 集中力が低下している
  • 動悸や頭痛がある
  • 肩こり、筋肉痛がある
  • 安定剤や抗うつ剤を使用しても症状が改善しない
フリースタイルリブレ

該当項目が多かった場合は、”フリースタイルリブレ”という血糖測定器をAmazonで購入して血糖値をモニタリングしてみると良いでしょう。あなたの血糖値が80~140の範囲になっているか確認してみてください。もしその範囲を上回っていたり、下回っていた場合は、次にご紹介する対処法を実践してみてください。

1-2. 食後に高くなりすぎる場合

食後に血糖値が140を超えている場合は、血液中には食事から摂取したブドウ糖はたくさんあるのに、細胞内に取り込むことができないため、高血糖になっている状態です。その原因は、インスリン抵抗性があるからです。インスリン抵抗性は「インスリンの効き具合」を意味します。 つまり、膵臓からインスリンが分泌されているにもかかわらず、インスリンに対する感受性が低下し、その作用が鈍くなっている状態を意味しています。

このような場合、血糖値を急上昇させない食べ方のコツがあります。
「サラダ(食物繊維)」→「おかず(タンパク質)」→「ごはん(糖質)」の順番で食べてみましょう。野菜や海藻、キノコに含まれる食物繊維には糖の吸収をゆるやかにする効果があります。さらに、オリーブ油や亜麻仁油などをドレッシングとしてサラダにかけて食べると食物繊維と油の影響で血糖の吸収はよりゆるやかになります。その後に、肉や魚などタンパク質がメインのおかず、そして最後に、ごはんやパンなどの主食を食べます。このような食べ方をすることで糖質の吸収がゆるやかになり血糖値の急上昇を防いでくれます。

また、運動不足はインスリン抵抗性の原因になりますので、運動習慣をつけると良いでしょう。今日からできる方法としては、食後に軽めの運動(スクワットや足踏み運動など)をすると、筋収縮が刺激となり、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むのを促すことができますので血糖値を下げることができます。

このように、食後に高血糖がある人は、食べ方の工夫と食後の運動を取り入れてみてくださいね。ただし、食後血糖値が200を超える場合は糖尿病の可能性が考えられますので、自己判断せずに受診をするようにしてください。

1-3. 夜間や食間に低下する場合

これは私がリブレで測定した血糖値の推移です。夜間に血糖値が低下していますので、「夜間低血糖」をきたしていることがわかります。夜間低血糖とは、その名の通り、夜間(寝ている間)に血糖値が80を下回り、低血糖を引き起こしている状態です。夜間低血糖を起こしている人は、歯ぎしりや食いしばり、中途覚醒、肩こり頭痛などがあることが多いです。
対策は、日中に補食を摂ることで低血糖を起こさせないようにすることが夜間低血糖の防止になります。また、就寝前にも軽めの補食(ハチミツ、スープ、MCTオイルなど)を摂ることで夜間低血糖を防ぐことができます。

それでは、食間に低血糖が起きている場合はどうでしょうか。これは食事の糖質摂取量が少なかったり、食間が長く空きすぎていることが考えられます。例えば、下の図のように7時に朝食、12時に昼食、19時に夕食をした場合で考えてみましょう。それぞれ食事の間が5時間空いています。食事由来の糖質は、食後2,3時間も経つと底をついてしまいますので、食間が5時間以上空くと血糖値がどんどん低下していき、低血糖を起こしてしまいます。

このような人は、食間に補食を摂るようにしてみてください。補食のタイミングは、朝食と昼食の間の10時頃、日内変動で血糖値が最低値となる午後16時前の午後15~16時の間に摂ると良いと思います。補食にオススメなのは、ミニおにぎり、さつまいも、甘栗、スープ、ゆで卵、ヨーグルト、枝豆、煮干し、するめ、鯖缶などです。

2. 炎症を抑えて疲れ知らずになる食事

体内に炎症が生じると、副腎から抗炎症作用のあるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは血糖値や血圧を最適範囲内に維持する働きや抗ストレス作用があるため、慢性炎症があるとコルチゾールがどんどん動員されてしまうため、血糖値や血圧が低下したときに最適範囲内に維持することができなくなったり、ストレスを打ち消すことができなくなってしまいます。
その結果、引き起こされるのが低血糖や低血圧、うつ症状などの副腎疲労です。副腎疲労は体内の炎症が引き起こしたコルチゾールの慢性的不足とも言えます。この状況を打破するためには、根本原因である炎症を突き止め、炎症を抑制することが重要になります。ちなみに、ストレスや不規則な食生活なども脳は同じ炎症として認識するため、コルチゾールを過剰に分泌させてしまいます。

炎症は一つ一つの細胞の細胞膜から発生しますので、細胞膜を安定させて炎症が起こらないようにする。もしくは、炎症が起きたとしても初期炎症の段階で炎症を抑えることが重要です。豚レバーや卵黄に含まれるアラキドン酸は炎症を助長させるため、控えることが望ましいです。一方、亜麻仁油や荏胡麻油に含まれるα-リノレン酸や魚に含まれるEPAは炎症を抑制する働きがありますので積極的に摂取すると良いでしょう。

炎症によって傷ついた腸粘膜の修復には、ボーンブロスがオススメです。ボーンブロスには、グルタミンやグリシンなど腸の粘膜を修復して炎症を抑えるアミノ酸が豊富に含まれています。他にも、亜鉛やビタミンAも腸粘膜の修復には必要不可欠な栄養素ですので、意識して摂るようにしてください。

2-1. 隠れた炎症

腸、喉、歯。

この三つは、体内の隠れた炎症の三大要因ですが、特に腸は自覚症状がないので自分では炎症があることに気づくことが難しいです。

炎症を抑制するホルモンは副腎から分泌されるコルチゾールが有名です。その炎症を抑える働きから、ステロイド系抗炎症薬として皮膚科などの治療にも広く使われているのは皆さんもご存知だと思います。コルチゾールはストレスを受けた時に、その分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれており、生命維持にもっとも重要な役割を果たすステロイドホルモンです。

 コルチゾールの主な働きは、炎症抑制の他にも血糖値を最適範囲内に維持することや、血圧上昇作用、ストレスを打ち消すなどの作用があります。このように生体にとって重要なコルチゾールですが、体に隠れた炎症があると、ステロイド薬を使うように炎症を抑制するためにコルチゾールが慢性的に分泌されてしまいます。

先述した通り、コルチゾールの役割は炎症抑制以外にも重要な働きがたくさんあるので、炎症抑制のためにコルチゾールが使われてしまうと、血糖値や血圧が低下したときに最適範囲内に維持することができなくなったり、ストレスを打ち消すことが困難となってしまいます。その結果、引き起こされるのが低血糖や低血圧、うつ症状などの副腎疲労です。

隠れた炎症がある限り、どんなに高価なサプリメントを摂っても根本的な治療にはなり得ません。副腎疲労の症状がある場合、まずは隠れた炎症がないか疑ってみてください。隠れた炎症の場所は、腸、喉、歯でしたよね。それぞれ、まずは専門医を受診してみると良いと思います。

2-2. 腸の炎症を抑える食事

ところで、炎症はどこから起こるかわかりますか?
細胞レベルで考えると炎症の初期段階は「細胞膜」から起こります。火災の場合、発生から2分以内の初期消火がカギとなるそうですが、体内の炎症も初期段階で収束させることが炎症抑制のカギとなります。要するに、細胞膜を安定させて炎症が起こらないようにする。もしくは炎症が起きたとしても初期炎症の段階で炎症を抑えることがとっても重要です。

まず、腸に炎症をきたす食品を避けることが大前提です。腸に炎症をきたす食品はグルテン、カゼイン、白砂糖(果糖ブドウ糖液糖)、加工食品、トランス脂肪酸の5つです。これらの食品はできる限り食べないようにしてください。

腸の粘膜細胞に炎症が起こると、細胞と細胞の間に隙間ができてしまいます。すると、隙間から本来は漏れ出ないはずの細菌や毒素、未消化のたんぱく質などが腸の外へ漏れ出してしまいます。これをリーキーガット症候群と言います。

炎症を抑制するには食事の「油」の摂り方が大変重要です。細胞膜は脂質二重層という脂質で構成されていますが、これは食事の影響を100%受けます。卵黄や豚レバーに多く含まれるアラキドン酸は、代謝の過程でプロスタグランジン2という炎症物質に変換されますので控える必要があります。一方、亜麻仁油や荏胡麻油に含まれるα-リノレン酸や魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は炎症を抑制する働きがありますので、細胞膜が安定し、炎症の予防に役立ちます。

アラキドン酸を多く含む食品ランキング
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html

2-3. 腸の粘膜を修復する食事

腸の粘膜を修復するには、ボーンブロスという鶏や豚、牛、魚などから煮出したスープがオススメです。煮出したタンパク質がグルタミンやグリシンなどのアミノ酸の状態になっているため、消化に負担がかからない上に腸の粘膜を修復して炎症を抑えるのに役立ちます。

ボーンブロスはその名の通り、鶏や牛などの骨から煮出しているので、カルシウムやマグネシウムなど体の機能を整えてくれるミネラルや、皮膚や髪、爪などを構成するコラーゲンも豊富に含まれています。ミネラルたっぷりのお塩「ぬちまーす」で味付けをして美味しく腸粘膜を修復しましょう。
また、ビタミンAや亜鉛も腸の粘膜を修復するのに必要な栄養素です。ビタミンAが豊富な食品はうなぎやレバーなどですが、豚レバーはアラキドン酸が多く含まれるので鶏レバーが良いでしょう。亜鉛が豊富な食品は、牡蠣、あわび、牛肉、カツオ、煮干し、するめなどです。

2-4. 副腎ケアも大切に

最後に忘れてはいけないのが副腎ケアです。副腎疲労があると炎症を抑えるコルチゾールの分泌が不十分になるため炎症体質を助長してしまいます。ですので、消化に負担をかけずにすぐエネルギー源となり、低血糖の防止にもなるココナッツオイルを加熱調理に使用すると良いでしょう。

3. カンジダ菌を増やさない食事

カンジダは常在菌ですので、私たちの皮膚や粘膜の上に存在していますが、それだけでは問題になりません。カンジダが問題になるのは、カンジダが過剰に増殖してコロニーを形成し、全身症状を引き起こしてしまうことです。カンジダ治療をされた方もいるかと思いますが、カンジダは常在菌なので、治療したからと言ってゼロにすることはできません。
まず、現状を知るために「カンジダ菌チェックリスト」であなたのカンジダ危険度を調べてみてください。

カンジダ菌チェックリスト
□ 抗生剤、ピル、ステロイド剤を複数回使用した(または使用中)
□ 慢性の前立腺炎、膣炎など生殖器の感染症がある
□ 化学物質過敏症(香水、たばこ、殺虫剤など)がある
□ パンや甘いものが無性に欲しくなる
□アルコールをほぼ毎日飲む
□ 疲れている、消耗している
□ 集中力や記憶力の低下がある
□ 胸やけ、腹部膨満感、下痢や便秘がある
□ 生理不順、月経痛が強い
□ 手先が冷たい
□ イライラしやすい
□ 頭痛持ちである
□ 慢性鼻炎、副鼻腔炎がある

いかがでしたか?
2つ以上チェックがつく場合は、カンジダ菌によって健康が害されている可能性が高いといえます。「カンジダが増殖しているなんて最悪!」そう思った方も多いと思いますが、慌てることはありません。カンジダを増やさないためには、食生活がとても大切なんです。これから教える6つのコツさえ心がければ、私たちはカンジダが悪さをしないように自分でコントロールすることができるのです。これから先のあなたの人生で、カンジダを増殖させない術を教えます。さぁ、メモのご準備を忘れないでください。

3-1. 安易に抗生物質は飲まない

抗生物質の使用はカンジダ増殖を引き起こす一番の要因です。

もし、あなたが6ヵ月以内に抗生物質を服用していたら、体内でカンジダが過剰増殖している可能性が十分にあります。なぜなら、抗生物質の効果は広範囲に渡るため、病原菌だけでなく、腸内の善玉菌をも死滅させてしまうからです。

腸内環境は、善玉菌が豊富にあることでカンジダなどの悪性細菌の繁殖を防いでいます。正常な腸内環境が崩壊してしまうと、空いた腸内スペースにカンジダが入り込み、短時間のうちに腸内pHをカンジダが好むアルカリ環境に変化させてしまいます。すると、あっという間に腸管組織を占領し、様々な症状を引き起こします。

すでに抗生物質を使用しているのであれば、一刻も早く乳酸菌などのプロバイオティクスを摂ることが重要です。プロバイオティクスの摂取が抗生物質の効き目を阻害することはありません。プロバイオティクスの効果を最大限に引き出すためには、抗生物質の開始前に服用をすることです。そうすることで、腸内フローラを最高のコンディションに持っていくことができ、早い段階からプロバイオティクスの効果を実感することができます。

もちろん手術後の感染防止など抗生物質が必要な場合もありますので、主治医とよく相談し、患者と医師の双方が納得した上で治療を進めていくことが大切です。

3-2. カンジダに栄養を与えない 

カンジダは主に砂糖などの単純糖質を好んで取り入れるため、宿主である人は糖分の渇望症状がしばしば見られます。チェックリストの「パンや甘いものが無性に欲しくなる」に該当しませんでしたか?

カンジダ菌が単純糖質を好む理由は、砂糖のような単純糖質は面倒な代謝を必要とせず、すぐにエネルギーに変えることができるからです。カンジダ菌を増やさないために、お菓子、ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、清涼飲料水などの甘いものはすべて控えるようにしましょう。

「な~んだ!ヘルシー志向の私はお菓子なんて食べないから大丈夫ね」

そう思った方には残念なお知らせですが、実は果物に含まれる果糖も単純糖質なのでカンジダを増殖させます。さらに、果物はアルカリ性食品のため、カンジダを悪性度の高い菌糸形に変化する最適な腸内環境を与えることになってしまうんです。

あなたがさっき食べたスイーツや果物でお腹の中のカンジダを餌付けして、どんどん増殖を促してしまっているんです。そうなると無性に甘いものが食べたくなって、ますますカビが増えていくという悪循環に陥ってしまいます。カンジダのエネルギー源である砂糖や果糖を断ち切ることで、カンジダが増殖し、菌糸形へ変化するのを防ぐことができます。

料理では、照り焼きソースやチリソース、すき焼き、味噌煮などの甘辛いタレにも意外とお砂糖が含まれているので要注意です。これらの甘いたれは避けて、塩コショウでシンプルに味付けにしたものや柚子胡椒、ハーブ、スパイスなどを使ったお料理がおすすめです。料理に使う砂糖の代用品には羅漢果や本みりん、ステビアなどがオススメですが、使いすぎには注意してくださいね。

一つ注意して頂きたいのは、すべての糖質をやめる必要はない、ということです。ごはんなどの炭水化物の摂取を極端に控えてしまうと低血糖を助長し、副腎疲労を悪化させてしまう恐れがあるためです。お米やイモ類、お蕎麦などの複合糖質はカンジダのエサにもなりにくいので、適量をよく噛んで食べるようにしてください。

3-3. カビが生えやすい食品は避ける

食品にカビを生やしてしまったという経験をされた方も多いと思います。パンやお餅に生えてしまったカビを取り除いて食べている……なんて人もいるのではないでしょうか。

しかし、それは絶対にNG

目に見えるカビは氷山の一角なので、いくらきれいに取り除いたつもりでも、カビ毒や菌糸が足を延ばして食品の中にたくさん残っています。それらを食べることは、カビそのものを体内に取り入れていることになるので自殺行為です。絶対にやめるようにしましょう。

それなら加熱しちゃえばいいじゃん!そう思った方はいませんか?ところがどっこい、カビ毒は、通常の調理や加工の温度(100℃~210℃)や時間(60分以内)では、完全に分解することはできません。カビが生えたら潔く捨てましょう。

また、カンジダは真菌類ですので、同じ真菌類であるカビが生えやすい食品はできるだけ避けるようにしましょう。具体的に言うと、トウモロコシ、コーヒー、小麦、大麦、ナッツ類、豆類、乾燥果実、バナナなどの外国産の果物などです。カビを避ける一番簡単な方法は、とにかく新鮮な食品を選んで早めに食べるようにすることです。例えば、トウモロコシやバナナも購入してすぐに食べる分にはカビが生えるリスクは少ないです。また、ナッツ類などは常温保存ではなく、冷凍庫に保存するだけでカビの発生を抑制することができます。

気を付けて欲しいのが、納豆、味噌、麹、甘酒、酒粕、キムチなどの発酵食品です。これらはカンジダがお腹にいる人にとっては悪い方向に発酵を助長してしまうことがあるようです。ですので、発酵食品は慎重になる方が良いかと思いますが、個人差があるので医師に相談したり、様子を見ながら調整するようにしてください。

3-4. 腸内環境を酸性に保つ

私たちの腸内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の三種類の腸内細菌がいます。日和見菌とは、悪玉でも善玉でもない中立な菌のことです。からだが元気な時は無害ですが、疲労やストレスなどで免疫力が低下したときや悪玉菌が増殖したときに身体に悪影響を与えるようになります。

カンジダ菌はヒトの腸内にいる常在菌で日和見菌です。健康なときはカンジダによる症状はありませんが、腸内環境が悪化すると過剰に増殖し、全身症状を引き起こします。カンジダを暴走させないためには、腸内環境を整え、カンジダが過剰増殖しない腸内環境にすることが重要なんです。その鍵を握るのが、腸内で起こる「乳酸発酵」です。

カンジダは酸性環境に弱い
乳酸発酵は、腸内で乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が働くことで起こります。乳酸発酵が進むと、腸は自然とビタミン群やアミノ酸、短鎖脂肪酸などの栄養素を合成するようになります。短鎖脂肪酸が作られることで、腸内環境が酸性に傾き、酸性環境に弱いカンジダなどの悪玉菌が減り、結果として腸内環境が整うことになります。

それでは、善玉菌に乳酸発酵を起こさせ、腸内環境を整えるためにはどのような食材を選べば良いのでしょうか?

その答えは、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維とオリゴ糖を積極的に摂ることです。食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があり、善玉菌の増殖に特に効果的なのは水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維を多く含む食品
こんにゃく、舞茸、もずく、玉ねぎ、ごぼう、オクラ、かぼちゃ、モロヘイヤ、アボカド、ワカメ、めかぶ、とろろ昆布、アボカド、キウイ、プルーンなど

オリゴ糖を多く含む食品
大豆(豆類)、玉ねぎ、ネギ、ニンニク、ゴボウ、アスパラガス、トウモロコシ、ブロッコリー、カリフラワー、アボカド、バナナ、リンゴなど

これらの食品を毎日の食卓に取り入れて、善玉菌の働きを活発にし、腸内環境を整えることでカンジダ菌の増殖を抑制することができます。

3-5. 抗菌作用のある食品やハーブを活用する 

食品やハーブなどの中に、天然の抗菌作用を示すものがあるので、それらを活用すると良いでしょう。カンジタに有効性のある代表的なものは、グレープシードオイル、オレガノ、ローズマリー、ココナッツオイル、MCTオイル、リンゴ酢、ニンニクなどです。カンジタは抗菌剤だけでなく、ハーブなどにも耐性をつくることが知られています。3種類以上のハーブを併用するか、ローテーションで使用して耐性化を避けるように使用してください。

副腎ケアのところでオススメしたココナッツオイルは加熱ができるので、調理で使用することができます。さらに、カンジダに対する抗菌作用もあるし、低血糖の防止にもなりますのでキッチンにあると重宝しますよ。

3-6. シュウ酸は茹でて排出せよ

お腹でカンジダが増殖している場合、有機酸検査でシュウ酸が高く出ていることが多いです。「じゃあ、シュウ酸が多く含まれている食品は控えよう」と思うかと思いますが、シュウ酸は様々な食品に含まれているので、低シュウ酸ダイエットをしてしまうと食べるものが少なくなってしまいます。

シュウ酸はいわゆるアクの成分ですので、特にシュウ酸を多く含むホウレンソウ、バナナ、芽キャベツ、レタス、ブロッコリー、キャベツ、ココア、紅茶などの摂取には注意が必要です。シュウ酸は「水に溶ける」という特徴がありますので、シュウ酸を多く含む食材は、茹でることで茹で汁にシュウ酸が溶け出るため、食材の中に含まれるシュウ酸を減らすことができます。ほうれん草はシュウ酸が特に多い食品ですが、茹でるとシュウ酸の半分以上は流れ出てしまいます。ほうれん草はサラダではなく、お浸しがオススメです。

シュウ酸はカルシウムと結びつく
シュウ酸は腸内でカルシウムと結びつき、シュウ酸カルシウムとして便に排出されます。すると、腸で吸収されるシュウ酸が少なくなるのでシュウ酸値は下がります。ですので、シュウ酸の多い食品を食べるときは一緒にカルシウムを摂ると良いでしょう。例えば、ほうれん草のお浸しにかつお節をかけるのは非常に理にかなっていることなんです。なぜなら、かつお節にはカルシウムが多く含まれていますので、腸内でほうれん草のシュウ酸とかつお節のカルシウムが結合してシュウ酸カルシウムとなり、便として排出されるからです。

ミネラルの吸収と生体利用性

宮澤賢史 · 2020年1月24日 ·

今回は、ミネラルの吸収と生体利用性に関する話です。

水溶性ビタミンはとにかくたくさん摂ればいいです。ビタミンは受動拡散と言って、濃度を上げれば濃度差で、濃度の高いところから低いところに浸透して吸収されていきます。

しかし、ミネラルは生体利用性を上げてやる必要があります。

亜鉛・鉄・マグネシウムはもともと吸収があまりよくありません。

ミネラルを吸収するためには、腸内環境が大切

ミネラルは細胞の中にイオン化、もしくは有機酸によってキレート化されないと入れないので、吸収されるためには腸内環境を整えなければいければいけません。

炎症があると動きが止まってしまいます。

代表的なのは鉄です。炎症がある人は、鉄をたくさん入れても吸収利用できません。肝臓からヘプシジンという物質が出て、鉄の吸収を止めるからです。(それでもヘム鉄なら少し入っていってしまいます)

ミネラルの生体利用が難しい理由

  • 吸収が悪い
    ビタミンは受動拡散で吸収されていく
    ミネラルは腸内環境、有機酸によるキレート、イオン化環境が必要
  • 炎症で動きが止まる
    鉄は炎症では吸収、利用が止まる
    炎症があるとデトックスが止まる
  • 生体内にあっても利用できない場合
    異所性石灰化など

本来、炎症がある時には鉄を入れてはいけません。

炎症に火を注ぐことになるからです。炎症を止めてあげて、ミネラルの代謝を正常化すると、鉄サプリメントがなくても鉄の数値は上がってきます。

上咽頭炎をきちんと治療するとフェリチン値が上がっていく人は多くいました。

重金属が出るのも同じです。

炎症があるとデトックスが止まってしまいます。抱合するためのグルタチオンが消費されてしまうからです。

ですから、必要なミネラルを体内に取り入れるのにも、悪いものをデトックスするのにも、環境を整えてあげることが必要です。

カンジダに鉄サプリは禁忌

腸内環境治療で1番やっかいなのはカンジダです。

理由は「カンジダは人に近い」ということがあげられます。カンジダは細菌というより、人に近いのです。

人とカンジダは鉄を取り合います。カンジダがある人は鉄サプリメントは禁忌です。

カンジダは糖質も鉄も大好きですから、鉄があるとどんどん成長して増殖します。鉄サプリを摂ってお腹の膨満感が強くなる方がいらっしゃいますが、そのような場合は鉄を使えないように、抗菌用の乳性タンパク質であるラクトフェリンを使用しています。

ビタミンとミネラルの性質の違い

水溶性ビタミンは、使用量によって効果が変わります。

極端なことを言えば、水溶性ビタミンは効かなければ量を増やせばいいのです。

わりと吸収がいいのでたくさんあれば体にある程度吸収させることができます。

また、水溶性ビタミンは有機物ですから、体内で作られるものもあります。(腸管でビタミン B、K、日光を浴びる事でビタミンDが生成される)

それに対してミネラルは生体利用率とバランスが命です。

マグネシウムは単純に増やしても下痢をするだけです。また無機物ですので体内で作られることはありません。

ビタミンとミネラルは全く異なる物質だと言うことです。

ビタミン:易吸収性であり有機物
ミネラル:難吸収性の無機物

ミネラルは体内では作れません。

ビタミンは腸内細菌でまかなえたりしますが、ミネラルはそれができません。ミネラルを作れたら錬金術になってしまいます。

水溶性ビタミンはドーズレスポンスですから、効かなければ、基本的には量を増やせばいいです。何度も言いますが、ミネラルは生体利用性とバランスが命です。

マグネシウムは、吸収が良くないことを利用して、下剤として使われます。

他のミネラルとのバランスを考えなければいけません。

相互作用があるため、1つのミネラルを多く入れると、対抗するミネラルが枯渇することがあるためです。ですので、ビタミンよりもミネラルの方が難しいのです。

ミネラルがうまくいかなくてミトコンドリアが回っていない人も多いです。

ミネラルのバランスは周期表を見る

ミネラルのバランスは、周期表にエッセンスが閉じ込められています。

周期表は、原子の電子配列を集めたものです。

原子があって、その周りを電子がグルグル回っています。電子がまわっている軌道には定員があります。一番内側は2個、その外側は8個、8個、18個、18個となっています。原子の外側の電子軌道をあらわしたものが周期表です。

なぜこんな並べ方をするかというと、最外殻の電子の数が、ミネラルの性質を決めているからです。

例えば1番左側のアルカリ金属を例に取りましょう。

リチウム・ナトリウム・カリウムは、それぞれ内側の電子の数は異なりますが、最外殻の電子の数は1個です。リチウムとナトリウムとカリウムは同じ性質を持っています。同じように動くし、体内で反発しあいます。

それをうまく表して、きちんと見られるようにしているのが毛髪ミネラル検査です。

この方の場合は、ほとんどのミネラルは左側、不足を表しています。

ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウムは右側を向いています。同じような性質を持つので、体内で同じように動くんですね。ビタミンB12が足りない人、働かせたい人はリチウムを摂取するといいですが、入れすぎると逆にビタミンB12が枯渇してしまいます。

またこの方の場合は、コバルトが最下段になっています。

体内でコバルト、というとビタミンB12(コバラミン)のことを表しています。この方の場合はリチウムが余っていて、ビタミンB12が足りていないので、ビタミンB12をほどよく足してあげたらいいです。

但し、リチウムを摂りすぎると、カリウムが下がってきます。

拮抗ビタミンなので、リチウムとカリウムは一緒に入れてあげなければなりません。(ナトリウムはたくさんあるので例外)

リチウムとカリウムを入れすぎると、今度はルビジウムが下がってきます。ルビジウムが足りなくなると、攻撃性が高まります。ですから、ミネラルの場合はバランスがとても大切なのです。

ミネラルの生体利用率に関わる腸の問題

これは宮澤医院の患者さんの初診時のアンケートです。

宮澤医院では慢性疲労外来を行っていますから、当然ながら一番多い主訴は倦怠感、慢性疲労です。しかし、意外なことに慢性疲労の次に多い主訴は、腹部膨満感です。慢性疲労の人はお腹が悪いという傾向があることがわかります。

腹部が膨満する原因は様々です。

悪性細菌が増えすぎるとそれらがガスを産生するので膨満が起こります。また、消化酵素が足りなくてタンパク質が未消化になってもやはり膨満が起こってきます。そこで、実際に150名の慢性疲労の患者さんに腸内環境検査を行ったので、その検査を解析しました。すると、77%の人に乳酸菌が少なく、腹部膨満感、炎症、免疫異常がありました。腸の炎症を自覚できる人は少ないです。

副腎疲労外来の患者150名の
総合便検査結果の統計

  • 乳酸菌が少ない(77%) 
  • 腹部膨満感が強い(59%) 
  • 悪性細菌が多い(25%) 
  • 炎症を起こしている(64%)
  • 免疫異常がある(65%) 
  • カンジタ感染(65%) 
  • 短鎖脂肪酸不足(30%)

腸の自覚症状は当てにならない

腹痛、もしくは腹部膨満感が半年以上前からあるというのは、過敏性腸炎の診断基準です。一般的には下痢・便秘など様々な症状があっても、腸を調べると何ともない、というのが過敏性腸炎です。

しかし、実際に腸内細菌を調べてみると、大いに狂っています。症状がある人は自覚できるのでいいのですが、症状がない人もたくさんいます。統計上、実際に炎症があって、かつ自覚症状がある人は、40歳以上だと3人に1人という計算になります。

バナナのような便が毎日出ていてもそういうことがあります。バナナのような黄褐色で無臭の便が毎日1~2回出ることが最低限のラインです。

そうなっていない人は、まずそこからやっていったらいいと思います。腸内環境を治すことは、ミネラルの吸収のためにとても重要です。

過敏性腸炎の診断基準
腹痛もしくは腹部不快感が半年前からあり、かつ最近3か月の中で月に3日以上あり、さらに下記の項目のうち2つ以上を満たす。
・排便により軽快する。
・症状の有無と排便頻度が関連している(例:腹痛があるとき排便回数が増える)
・症状の有無と便の状態が関連している。(例:腹部不快感があるとき下痢状便になる)

リゾチーム高値のうち、過敏性腸炎症状がある人の割合

ミネラル吸収のポイントは土壌

今は、畑を耕すのに農薬をたくさん使います。すると、微生物がいなくなって、野菜が栄養的にすかすかになってしまいます。窒素を入れると大きくはなるんですが、すかすかになります。今、畑の野菜に足りない栄養素はマグネシウムなんだそうです。野菜のミネラルは減ってきています。ミネラルを吸収させるための微生物がいなくなっているからです。微生物が作り出す有機酸が、野菜にミネラルを吸収させます。

これは腸内にもあてはまり、腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り出すと、その短鎖脂肪酸がミネラルを吸収させてくれるんです。だから、健全な発酵が必要です。そのためには食物繊維と乳酸菌です。だから僕の場合は、ミネラルの吸収が悪い人に対しては便検査で短鎖脂肪酸をチェックしています。

サプリの量と反応の関係

宮澤賢史 · 2020年1月21日 ·

栄養療法やサプリメントを推奨する会でよく聞く話なんですけれど、

・ 現代は食生活が変化して必要な栄養素を摂れなくなっている。
・ 付き合いで飲みすぎることも多いし、不摂生している。
・ 現代では農薬の使いすぎで、畑がやせて野菜に含まれるビタミンの量が減っている

ですからサプリメントで必要な栄養素を補いましょうというものです。このような、不摂生を補ってくれる商品としてのサプリメントも否定はしません。しかし、それなら食事をきちんと摂ったほうがよいでしょう。サプリメントを摂る本当の意味は効率化です。栄養素が濃縮して入っており食事では取りきれない医学的な量の栄養を摂ることができます。

例えば、豚肉にはビタミンBが多く含まれていると言われていて、ブタヒレ肉100gには1.34mgのビタミンB1が含まれています。確かに、これは1日の厚労省の推奨量1mgよりは多いです。しかし、栄養療法で神経の再生のために使うビタミンB1は1日150mgです。

これは、ブタ肉11.2kgに相当します。これを1日で食べるのはいかに大食いの人でも無理ですよね。同様に、風邪の予防に必要な3000mgのビタミンCはレモン150個分です。

栄養素は単に欠乏症を補うだけでなく、量を多くとることで様々な医学効果が期待できます。しかし、その量を確保するためには栄養素を濃縮して摂ることが不可欠なのです。

副作用をモニターしながら進める

ところで、「第6次改定日本人の栄養所要量について」をご覧頂くと分かりますが、多くの栄養素に関して、厚労省は上限を設けています。サプリメントの副作用を懸念しての事です。

サプリメントは高容量を摂ると、副作用が生じる可能性があります。(もちろん、薬よりも圧倒的に少ないですが)ビタミンCを高用量とれば、胃への刺激が出る場合もあるし、下痢をする事もあります。

だから、初めに検査をして栄養素の過不足を判断する事が必要になってきます。もちろん、治療開始後も時々検査をして、栄養が十分かどうか評価を行います。栄養療法では、モニターをしながら、医学的効果が得られる量のサプリメントを使用します。

歩行とふらつき、意識障害をもつ45歳男性

5日前から独り言が多くなり、会話が成り立たなくなった。また歩行がふらつくため、自宅内を這って移動していた。本日からほぼ寝たきり。既往歴なし。喫煙歴20本x25年。飲酒ビール2.5リットル毎日。食事は不規則。バイタルサインほぼ安定。 診断と治療はなんでしょうか?

5日前からおかしくなって、すぐに寝たきり。普通は脳卒中などを考えますよね。でも、特記すべきは1日ビール2.5リットル、食事は不規則でおつまみ程度というところです。検査結果は、肝機能はお酒のせいで悪いですが、特に生命に関わるようなところはありません。

今も存在するビタミン欠乏症

この方の脳のMRIを撮ったら、まんなかのところに少し炎症が見られました。これは、ウェルニッケ脳症という極端なビタミンB1不足を原因とする中枢性障害です。眼球運動麻痺、歩行失調、意識消失をきたします。

脚気、ウェルニッケ脳症、壊血病は昔の病気ではありません。現在でもあるんです。現代の脚気は、こういったアルコール中毒か、子供の清涼飲料水の飲みすぎなどが主な原因です。 脚気心といって、動悸が激しくなって運ばれ、救急外来で肺高血圧症と診断されるも、最終的に脚気による心不全だということがわかる、ということはよくあります。清涼飲料水は異常に糖質が多いので、それによってビタミンB1が消耗してしまうんです。拮抗栄養素の過剰な摂取によって、対立する栄養素が失われてしまうというのがポイントです。

脚気はビタミンB1の欠乏症です。厚労省の勧めるビタミンB1の推奨量は1日1.1mgですが、いったんこうなったら、数百mgのビタミンBが必要です。これは食事はもちろん、サプリでも不十分なので、点滴でビタミンB1を大量に入れます。

量と反応の関係(ドーズ・レスポンス)

ビタミンBが枯渇する脚気や、他にもビタミンC欠乏の壊血病などは、大量に栄養を補給する必要があるのは理解できたけど、じゃあ重症の欠乏症じゃなければ、ビタミン大量補給の必要もないでしょ。と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ここからは、欠乏症以外にビタミンを大量に使う意味を説明します。例えば、ビタミンCを25g点滴すると、血中濃度が経口で摂取する場合の70倍になります。レモン1250個分です。

これは僕がビタミンC点滴を習ったリオルダン・クリニックの、リオルダン先生が2000年に発表したビタミンCの血中濃度が400mg/dを超えるとがん細胞が死ぬ、という論文です。2005年にWHOが追加実験を行うと、本当にがん細胞がなくなったので、そこから一気に広まりました。

これはビタミンCを経口摂取した場合と点滴した場合の、血中濃度のグラフです。400mg/dというのは結構な濃度で、経口摂取では絶対にたどりつけない濃度なんです。点滴でしかこの濃度に達することはできません。抗がん作用を期待するなら、点滴しなければなりません。例えば、これがビタミンの欠乏症でない人に大量にビタミンを使う例です。

ビタミンCの至適量は状況や目的によって変わる

ビタミンCの最適な量は、状況や目的によって変わります。怪我を治りやすくする、コラーゲンを作る(100mgで大丈夫)、壊血病を予防する、風邪の予防ではグラム単位で必要です。副腎疲労は風邪と同じように、数十g摂るといいです。ビタミンCを点滴すると、てきめんにいいです。

ビタミンCサプリメントは頻回摂取が有効

サプリメントを摂るなら、1gずつ1時間ごとの頻回摂取が有効です。ビタミンCは一度に大量に摂ると、吸収が落ちます。60mgだと100%、100mgだと90%、1000㎎だと75%、2000㎎だと44%と、どんどん減っていきます。ですから、1000mgが最もコスパが良いですね。

30分で血中濃度は上がりますが、4時間で下がります。4時間おきだと血中濃度が上がったり下がったり、血中濃度が安定しません。ですから、1時間おきに、血中濃度が下がっていないうちに次々入れていくと、どんどん上がっていきます。ビタミンCの効果は血中濃度に比例しますから、ビタミンCを1時間おきに摂るだけで、効果が3倍近くなります。

ビタミンCを自分で作れる動物

ビタミンCを自分で作れるものもいます。左側が作れないグループ、右側が自分で作れるグループです。犬と猫も作れますが200mg程度だそうです。自分で作れるとはいえ、少ないですね。動物病院ではビタミンC点滴はよくやることです。ストレスが多くて全然足りないからです。

野生のヤギは14mg/日ですが、病気になると100mg/日です。需要に応じて産生量が増すのです。自分で作れない動物は、状況に応じて摂取量を増やした方がいいのではないか、という話です。

ビタミンDの血中濃度と効果

同様に、ビタミンDにもドーズレスポンスがあります。ビタミンDの血中濃度が20ng/mlと低くても、くる病は予防できます。様々ながん、糖尿病、多発性骨髄腫などはだいたい40~60ng/mlで予防できます。ほとんどの疾患ではこの濃度にしておくと、いいことがおきるということです。

日本人の平均ビタミンD血中濃度は20程度と言われています。日焼けしていて、すごくビタミンDがありそうに見えても血中濃度が低い人もいます。逆の人もいます。ビタミンDの体内合成力によります。低い人は、サプリメントを摂ると、確実に上がっていきます。血中濃度を上げるためには、できれば1日2000IU以上摂ると良いでしょう。

しかし、ビタミンDはビタミンAと同じく脂溶性ビタミンなので、1日5000IU以上摂取する場合は血中濃度を測定しながらやることが重要です。ビタミンDサプリメントを毎日摂っていて腎不全を起こしたという症例報告があります。

栄養は体内で偏って存在する

宮澤賢史 · 2020年1月17日 ·

同位同食という中国の考え方では、肝臓が悪い場合は鶏レバーを食べればいい、と言われます。同様に、副腎の機能が落ちている人は、牛や豚の副腎をすりつぶしたものをサプリメントとしてとるという考え方があります。細胞レベルのでの場合も同じように、細胞膜が悪かったら、細胞膜の原料をたくさん摂ったらいいです。

副腎を治したかったら副腎に多く存在する栄養素を摂ればいいです。ビタミンCが体内で最も多いのは副腎、ついで脳です。何故多いかというと、需要が多いからです。何故需要が多いのかを考えると、ビタミンCがどんな働きをしているかということがわかってきます。日本の厚生労働省が指示しているビタミンCの摂取量は、レモン5個分です。レモン1個分は20mgと規定されているので、ビタミンCの標準摂取量は100mg、壊血病を予防するためには大人の場合100mgだと言っているということです。アメリカのNational Academy of Scienceは、最低のビタミンC摂取量を60mg(現在は75mg)だと言っています。

ビタミンC標準摂取量の根拠となる実験

ではなぜ、100mgや60mgなのかというと、囚人を使った実験がもとになっています。 まず、ビタミンC欠乏食を2週間食べさせて、ビタミンCを完全に欠乏させます。それからビタミンCを5mg、10mgと毎日増やしていって、どれくらい摂ったら尿中に出てくるかというのを調べたところ、60mgだったそうです。ということは、60mgで体内で飽和したんだろう、という根拠なんだそうです。

でももし人間がそんな単純なバケツのような構造をしているのであれば、ビタミンCを大量にとっても、60mg以上は尿中に排泄されてしまうので無駄になるはずです。

ビタミンC排泄量の比較実験

これは、実際にビタミンCを1000mg摂った場合と、2000mg摂った場合の尿中の排泄量の比較です。もし60mg以上が尿に排泄されるなら、1000mgだと940mg出るはずですね。2000㎎だと1940mg排泄されるはずです。しかし、実際には1.5倍しか出ませんでした。ですから、この説は間違っているだろうということです。では、その差はどこに消えたのでしょうか?

ビタミンCの局在

これはモルモットです。モルモットは人間と同様に体内でビタミンCを作ることができない、数少ない動物のうちのひとつです。人間は進化の過程で、ビタミンCを体内で作る能力を失いました。ビタミンCを果実などで豊富に摂れる環境があったからだと思われます。

進化の過程で、周囲から豊富に摂れる栄養は、自分で作る能力が退化していきます。必須脂肪酸、必須アミノ酸、摂らなければばならないビタミンが多すぎますね。人は、外から摂取しなければいけない栄養だらけです。ビタミンCの実験には一般的にモルモットが使われます。外から入れたビタミンCがどこに行くのか見るのには、モルモットが最適だからです。

これは1950年頃のビタミンCの実験の写真です。摂ったビタミンCは、体内に均等に分布しているわけではありません。需要が高い臓器に集まっているのがわかると思います。ビタミンCの需要がどこで多いかというと、目玉、副腎、脳です。

分子栄養学の生みの親のひとり、ライナス・ポーリング博士の実験は、ハエを使ったものでした。1日で死んでしまうハエでしたが、死ぬときには白内障になっているそうです。でも、ビタミンCを摂らせた場合は、死んだときにも白内障になっていませんでした。

水晶体にはビタミンCがたくさん含まれていて、抗酸化の働きで白内障になるのを予防しています。同様に、副腎、脳での蓄積が高い理由もあると考えることができますね。ビタミンCが脳脊髄内に少ない人は、うつ病の発症率が高いんです。副腎では、ビタミンCはコルチゾールの合成に関与しています。

血中のビタミンCを1とすると、脳には20倍、白血球中には80倍、副腎には150倍存在しています。風邪にビタミンCが聞く理由は、白血球の遊走性を上げる働きがあるからです。免疫が上がります。副腎疲労の人はビタミンCを摂ったほうが良い、というのはこれだけでもわかりますね。

副腎から出るコルチゾール合成の、おおもとの命令は脳の下垂体から出ています。この副腎皮質刺激ホルモンを出す下垂体のビタミンC濃度は、非常に高いです。

脳・副腎・肝臓には優先的に供給されています。同じくモルモットで、ビタミンCをたくさん撮ると、臓器別の濃度がどうなるかを調べた論文があります。ビタミンCは副腎とか肝臓や脳に多いですが、投与量を増やしていくと、どんどん上がっていきます。ビタミンCの投与量が減ると、どんどん減るかと思いきや、ぎりぎりまで脳と副腎、肝臓の濃度は保たれます。他を差し置いても優先的に供給されているということです。

ちなみに、濃度別で考えた時に一番濃度が高いのは副腎・脳下垂体ですが、総量として一番多いのは、肝臓です。肝臓ではビタミンCは解毒に使われます。解毒のフェーズ1、活性化のところで使われています。お酒を飲んだ次の日、ちょっとボーっとしているときにビタミンC点滴をやるとリセットされます。僕はよくやります(笑)

亜鉛の局在

亜鉛が一番多いのは、膵臓です。亜鉛は細胞分裂のキーミネラルです。膵臓は消化酵素を大量に作るので、細胞がたくさん分裂するのに亜鉛が使われます。肌もそうです。ですから、アトピー性皮膚炎には絶対必要です。腸粘膜の修復にも大事です。人間の体内で細胞分裂が一番早いのは腸粘膜です。骨髄もそうですね。白血球が2週間毎に入れ替わります。

口腔粘膜もターンオーバーが早いです。修復に必要な、細胞分裂に関わる亜鉛やビタミンAが豊富です。ですから、効かせたい場所に元から多く存在する栄養を多く摂ることを意識してください。どこの臓器にどんな栄養が多いのかはご自分で調べてみてくださいね。

小胞体ストレスをなくす方法

宮澤賢史 · 2020年1月14日 ·

小胞体というのは核の周りにある、うにゅうにゅした形の器官のことです。核ではタンパク質を作れないので、小胞体の中のこの粒々したリボゾームというところでタンパク質を作ります。作ったタンパク質はそのままこの小胞体の中に保存します。

1. 小胞体の役割

つまり小胞体はタンパク質の製造と倉庫の役割です。作ったタンパク質を、必要に応じて出荷します。タンパク質を作るにはまず、核内の遺伝子をRNAでコピーして、リボゾームに持ってきます。そこから転写(翻訳)して、設計図に沿ってアミノ酸を1つずつ紡いでいきます。数珠状になったアミノ酸をタンパク質にするためには、これを折りたたんでいくことが必要です。折りたたむことをフォールディングといいます。

この折りたたみ方が雑だと正しいタンパク質ができません。折りたたみを助けてくれるのが分子シャペロンです。シャペロンというのは執事、という意味です。シャペロンが正しく機能すると、正しい折り目で折りたたまれて、正しいタンパク質ができます。

タンパク質は非常に精巧な作りをしていて(多少大丈夫な部分はありますが)、一点構造が変わってしまうと働かないポイントがあります。特に酵素の場合は、構造が少し変わってしまうと全く働かなくなることがあります。ですから、フォールディングはとても重要です。

タンパク質が正しく作られると、必要に応じてどんどん出荷されていきますけれども、不良品だと出荷停止になります。小胞体の中に、不良在庫がどんどん積みあがっていきます。すると、小胞体がせまくなってきてお手上げになってきて、小胞体の機能が低下します。これを小胞体ストレスといいます。

タンパク質が正しく作られない理由は様々です。うまくDNAのコピーができなかったのかもしれないし、翻訳がうまくいかなかったのかもしれないし、フォールディングに問題があったのかもしれません。細胞膜が固すぎて出荷できなかったのかもしれません。

様々な要因でできそこないのタンパク質が増加すると、小胞体ストレスがどんどんたまってきます。小胞体とミトコンドリアは一心同体なので、どちらかにストレスがあると両方とも機能しなくなります。ミトコンドリア対策をいくら頑張っても、小胞体ストレスがあるとうまくいきません。ですから、小胞体ストレスをなくすようにしなければなりません。転写がうまくいくように活性酸素をなくすことも大事ですが、特に大事なのは、フォールディングを助ける分子シャペロンをちゃんと働かせることです。

2 小胞体ストレスを防ぐには

ではいったい、どうすれば小胞体ストレスを防げるのでしょうか。

2-1.動物性タンパク質の過剰摂取を制限する

肉は必要ですが、食べ過ぎはダメです。食べ過ぎるとタンパク質を作らなくていいのかな、と体が勘違いして在庫が増えてしまうそうです。

2-2.ミトコンドリア機能を上げる

小胞体の機能を上げるには、一心同体であるミトコンドリアの機能をあげてやるのもいい手です。ミトコンドリア機能を上げるために、運動するのが良いでしょう。

2-3.ヒートショックプロテイン

先程出てきた分子シャペロンは、ヒートショックプロテインのことだと思って構いません。ヒートショックプロテインとは、刺激によってつくられるタンパク質です。どんな刺激かというと、朝日を浴びる、熱いお風呂に入る、息を1分間とめる、寒中水泳をする、高地トレーニング、断食をする、ということです。

ヒートショックプロテインを刺激すると、分子シャペロンがうまく働くようになって、フォールディングがうまくいきます。断食をした方がいい理由の一つはこれです。時々短期の刺激を与えてあげることで、タンパク質の不良在庫を一掃してください。

2-4.寝る前にオメガ3脂肪酸やナイアシンを摂取する

細胞膜を柔らかくすることも必要ですから、オメガ3サプリメントを摂ることもいいと思います。遺伝子の修復をする、ナイアシンを寝る前に摂ることもいいでしょう。小胞体ストレスをなくして、小胞体とミトコンドリアの動きを良くしましょう。

ここまでで、細胞の4つの働きは終わりです。イメージができてきたでしょうか?自分の細胞を動かすイメージがとても大切です。自分の今の細胞はどうなっているかということをイメージして、根本治療ピラミッドを作ってみてください。

  • « Go to Previous Page
  • ページ 1
  • ページ 2
  • ページ 3
  • ページ 4
  • ページ 5
  • Go to Next Page »

臨床分子栄養医学研究会

Copyright © 2026 臨床分子栄養医学研究会

  • プライバシーポリシー
  • 会員規約および会員規定
  • 利用規約
  • 特定商取引法に基づく表記