• Skip to primary navigation
  • Skip to main content

臨床分子栄養医学研究会

あなたのサプリが効かない理由教えます

  • コース一覧
  • もう一本読む?
    • 分子栄養学基礎マスターコース 食事とサプリメント編
    • 分子栄養学の基礎 検査と根本原因
    • 分子栄養学アドバンス・コース
    • まごめじゅんの栄養講座
  • サクセスパス
    • 治療方針を決める
    • 必要な治療と順番を決める
    • 検査を行って確認する
    • 治療の実際
  • ごあいさつ
  • 受講者の声
    • 医療関係者
    • 一般の方
  • クリニック紹介
    • 分子栄養学の検査・治療を受けられるクリニック
    • 指導認定医・認定医一覧
    • 認定指導カウンセラー
    • 認定カウンセラー
    • PNTトレーナー
  • 会員サイト
    • 総合案内
    • 研究会会員サイト
    • 第27期会員サイト
  • Show Search
Hide Search
現在の場所:ホーム / アーカイブサプリと食事

サプリと食事

分子栄養学のロードマップ

宮澤賢史 · 2021年7月15日 ·

ロードマップというのは、実践講座で紹介している分子栄養学の勉強の順番を示した道案内の役割をする地図です。膨大な分子栄養学の世界を一段ずつ確実に上がっていけるために作りました。もうすでに分子栄養学マスターの方は、自分の抜けている場所のチェックリストとして使ってください。

ステップ1:基本的な考え方を身につける

まずは体の仕組みを知ることから始めてください。これを理解しないことには体の不調に対処できないからです。

例えば、エネルギーが生まれる仕組みを知らずに慢性疲労に対処することはできないし、炎症を起こす仕組みと抑える仕組み、両方を知らずして慢性炎症を治すことは難しいでしょう。

ビタミンとミネラルは似ているようで全く異なる性質を持っています。それを知って実際にサプリメントを試すところから始めましょう。

モジュール1 分子栄養学の基本的な考え方

どのような状況で、どのくらいの量のサプリを摂ったら良いか理解していますか?栄養素は摂る量により効果が異なる事を理解してください
必要な栄養の量が人によって異なることを知っていますか?なぜある人にとっての栄養になるものが他の人にとって毒になるのか、その仕組みを知りましょう
なぜ栄養が不足するのか、理解できていますか?根本原因の定義を知り、どのようなものが当てはまるかを考えてみましょう
ある人にとってその栄養素が必要かどうか疾患の場所から推定できますか?栄養素の局在について理解してください

モジュール2 細胞について理解する

人がエネルギーを生み出す仕組みと必要な栄養素を理解していますか?ミトコンドリアの構造とエネルギー産生の仕組みを知りましょう
情報のやり取り、炎症を起こしたり静めたりする機序を知っていますか?細胞膜とそれを構成する栄養素、その代謝を押さえてください
栄養、食事をはじめとした環境で作られるタンパク質が変わってくる仕組みをご存知ですか?体内でタンパク質が作られる仕組みとそれにメチル化が及ぼす影響をマスターしましょう
無駄なタンパク質を作らない方法、ミトコンドリアを若返らせる方法をマスターしていますか?小胞体とミトコンドリアの関係を学び、小胞体ストレスを軽減させる方法を習得してください

モジュール3 ビタミン、ミネラル、アミノ酸の使い方

水溶性ビタミンの性質を踏まえた効果的な摂り方を実践していますか?ビタミンCを効果的な方法で摂ってみましょう
脂溶性ビタミンの使い方をマスターしていますか?ビタミンAを摂ってドライスキンの改善を体験します
ミネラルがどのような効果をもち、どのように人体に貢献するかご存知ですか?マグネシウム・亜鉛の効果的な摂取方法について学び、実際に使ってみましょう
アミノ酸をうまく使う方法をマスターしていますか?グルタミンやBCAAの体内での働きを知り、実際に摂ってみましょう

第21期実践講座の実施概要はこちら

ステップ2:サプリと食事の基本をマスターする

次に目指すのはフードマスターです。

ビタミンやミネラルは三大栄養素の調整を行っていますが、食事の量や質が悪ければ、効果は期待できません。血糖値が乱高下しない食べ方や、脳のパフォーマンスを最大限にあげるための脂質の種類の選び方と調理方法、腸の炎症をとり疲れ知らずになる食事メニューなど、誰もが目指すべき食事内容について学んでください。症例検討会参加までにここまではマスターしておかれると話がスムーズになります。

モジュール4 三大栄養素の代謝をマスターする

食事を摂っていない時に血糖値が保たれる仕組みを理解していますか?解糖系・糖新生について理解しましょう
血糖値が乱高下しない糖質の種類や摂り方を知っていますか?補食の摂り方(タイミング、量、質)について学んでください
体内でタンパク質が作られる機序を理解していますか?タンパク質の作られ方について復習しましょう
体内のタンパク質の種類が頭に入っていますか?(機能性タンパク質と構造タンパク質)特に機能性タンパク質の種類と働きについて一通り押さえてください。
摂るべき油と避けるべき油の区別がつきますか?油の構造式から性質が読み取れるようになりましょう。
コレステロールが体内でどのような働きをしているか知っていますか?コレステロールの生成、コレステロールを原料にして作られるものを押さえます。
中性脂肪とリン脂質の違い、働きを理解していますか?中性脂肪がエネルギーに使われる機序、リン脂質の細胞膜における代謝を学んでください

モジュール5食事療法の基本をマスターする

引き算の栄養学を体験しましたか?カゼイン・グルテン・カフェイン・アルコールフリー生活を2週間やってみましょう
カンジタを減らす食事をマスターしていますか?カンジダ除菌中に摂るべきものと控えるものを知りましょう
グルテンとは何か?どのような影響を体に与えるかご存知ですか?グルテンの性質、交差反応について学びましょう
食物アレルギーと過敏症、不耐症の違いを理解していますか?それぞれの対処法についても理解してください
食事への依存はないですか?食事制限がうまくいかない場合は考えるべきです。

ステップ3:個体差を見極め対処する Personalize

ある人にとっての薬は他の人にとって毒になり得ますが、サプリや食事にも同じことが言えます。ここでは自分にあったサプリや食事を検査データから見分ける方法を学びます。結果を元にして必要なサプリメントと食事を細かく選んでいきます。

まずは足りない栄養素の補給法、そして次に体が受けているダメージをデータから読み取り、その対策をしていきます。血液検査だけでもわかることはたくさんあります。

モジュール6 足りない栄養素を知って補充する

自分に足りない栄養を把握できていますか?栄養素別のアンケートにチェックをして、どんな栄養が足りないのかあたりをつけましょう
自分に足りない栄養を検査したことがありますか?既定の血液検査を受けましょう
検査結果で足りないビタミン・ミネラルをチェックしてくださいVB3,B6,B12,Mg,Zn,Fe,K,Dなどのチェックを行いましょう
糖質代謝は問題なかったですか?低血糖のチェックにはALT,TGが特に有用です。
エネルギー状態はどうでしたか?ミトコンドリアが動いていない場合、代償的に解糖系が亢進します。

モジュール7体のダメージを知って対策する

体に起こっているダメージを把握していますか?活性酸素、炎症、インスリン抵抗性、タンパク異化の状態とその対応
炎症マーカーは上昇していますか?対策としてはCRPだけでなく、フェリチンや血小板、ガンマグロブリンなどもチェックしてください
インスリン抵抗性はありましたか?たとえ痩せていてもインスリン抵抗性は存在します。もれなくチェックしてください。
タンパク異化はどうですか?その程度は?データチェックと体感から読み取り対策しましょう
自律神経の緊張度はどうですか?自覚のない緊張にも注意しましょう。低血糖と合わせて理解してください。

ステップ4:根本原因にアプローチ1 Rootcause

問診と検査結果から自分にどのような根本原因が潜んでいるかを知り、それをどのような順番で対処するか計画を立てて実行します。

ここで重要なのはアプローチの順番です。人がどのように病気になるかを理解することで、アプローチの方法が見えてきます。まずは副腎、神経、ミトコンドリアを同時にケアすることで気分、体調を上げましょう。

モジュール8 病気になる順番、直す順番を理解する

頭の中に自分の治療モデルが描かれていますか?モデルの雛形に沿って自分のを作りましょう
多くの人が病気になる流れを掴んでいますか?全体像を学びましょう(生活習慣、腸内環境、ホルモンバランス、解毒)
多くの人に有効な治療の順番を知っていますか?自分の順番を組み上げましょう

モジュール9 副腎疲労の原因と対策

低血糖症状はないですか?リブレと合わせて低血糖の有無を確認し、あれば補食から始めましょう
自分のストレスを把握していますか?ストレス問診と唾液、血液検査結果、から自分のストレスタイプを決定し、対処法を考えます
睡眠は良好ですか?炎症と低血糖、ストレス状態を確認します
副腎ホルモンは低下していませんか?コルチゾール検査で日内リズムと覚醒反応を確認し、それに応じたサプリケアを始めましょう

モジュール10 神経伝達物質とミトコンドリアケア

気分の落ち込み、不安などの神経症状がありますか?検査と症状からセロトニンレベルを推定し、対策しましょう。(程度により病院受診が必要)
やる気の低下、もしくはイライラが強いなど症状がありますか?検査と症状からドーパミンレベルを推定し、対策しましょう
疲れやすさがありますか?ミトコンドリアの状況を有機酸検査から把握し、それに応じた対策を取りましょう

ステップ5:根本原因にアプローチ2Rootcause

副腎やミトコンドリアケア、抗炎症アプローチを終え、やっと腸内環境をきちんと治療する準備が整いました。いよいよ最終的な根本原因にアプローチしていきます。

感染症や毒素などの重大な根本原因は腸や肝臓などに存在しています。ここでもプロトコールに沿って順番に進めていきます。

モジュール11 腸内環境の改善

自分の腸内環境を知る方法を知っていますか?腸内環境検査をオーダーし、結果を解析しましょう
腸内環境は良好でしたか?結果に応じてサプリと食事内容で対処しましょう
消化不良はありませんか?採血検査と自覚症状から確認の上、サプリケアをしましょう
リーキーガット(腸漏れ)は起きていませんか?リーキーガットの程度に応じてケアを行います
腸にカンジダや悪性菌が増殖していませんか?便検査や有機酸検査で確認し必要に応じて対処しましょう。

モジュール12 解毒、ファスティング

検査で重金属が蓄積していましたか?毛髪検査で体内毒素の排泄力を推測します
問診で体内にカビが蓄積していそうですか?体内のカビ毒蓄積を確認して対処します
検査で毒素が溜まっていそうですか?セルフデトックスをしましょう
一通りデトックスが終わりましたか?デトックス体質に変換していきましょう
ファスティングをしたことがありますか?ファスティングにトライしてみましょう

体の中のたんぱく質

小池雅美 · 2021年5月26日 ·

たんぱく質について、全体をしっかりと眺めたことがありますか?

実は、栄養学を習い始めた初期の頃にたんぱく質について学んだけれど、それ以降はあまり…という人が多いのではないでしょうか。

そのような人向けに、あらためて「体の中のたんぱく質」について、たんぱく質にはどのような種類があるのか、たんぱく質はどのように消化され、再合成・再利用されるのか、低たんぱくはどのように改善するのか、低たんぱくの指標となるアルブミンの働きと欠乏についてなどをお話ししていきます。

あまりマニアすぎない程度に、でも所々はマニアックに学ぶことで、たんぱく質の重要性について、さらに理解を深めていきましょう。

1. たんぱく質とは

たんぱく質は、英語では「プロテイン(Protein)」といいます。この「プロ(Pro)」は、「第一となるもの、まず最初に必要なもの」という意味で、ギリシャ語の「プロテイオス(Proteios)=第一となるもの、まず一番最初に必要なもの」からきています。
まだたんぱく質の存在が明らかになっていない時代に、窒素を含む何か大切なものがあるらしいという認識の下で、オランダの化学者ムルダーが、スウェーデンの理学博士ベルセリウスの提唱をもとに使い始めた言葉といわれています。漢字では、「蛋白質」と表記します。この「蛋」は卵を意味する文字のため、たんぱく質というと卵というイメージが強くなるのです。

2. からだとたんぱく質

2-1. お出汁やお味噌汁を活用しよう

たんぱく質は、体を作る重要な要素です。
60%が水分、たんぱく質が18%くらいです。同じく脂肪が18%くらい、残りの約3%がミネラルです。たんぱく質は、基本的に食べ物からからだに入ってきます。なぜなら、人間には空気や土の中から窒素を取りだしてたんぱく質を作ることができないからです。では、どのような食べ物からたんぱく質をとるのが効率的でしょうか。

まずは、「お出汁」。お出汁に入れる「煮干し」には、100gあたり65gのたんぱく質が、「鰹節」には77gが入っていて、たんぱく源としてとても優秀です。どちらも一度煮て干してあるので、そのままの状態よりもずっと消化しやすくなっています。特に、鰹節の良いものはカビをつけて何度も燻製しているので、たんぱく質よりアミノ酸に近くなっています。

乾燥重量を見ると、煮干しも鰹節も100g中15gが水分量になります。これが、生になると、カツオであれば100g中72g、イワシは64gが水分になります。調理スプーン換算にすると、大さじ2杯の煮干しの粉で約10gのたんぱく質、Sサイズの卵2個分のたんぱく質をとることができます。これをお出汁にしたり、煮物に入れたり、ふりかけにしたり、卵焼きに入れたりすると、結構使いきれてしまいますし、たんぱく質を効率的にとることが可能です。もしこの量のたんぱく質を生のイワシでとろうと思ったら、約5匹を食べなくてはならないので、結構お腹がいっぱいになってしまうと思います。

かんたん!栄養andカロリー計算 https://www.eiyoukeisan.com/
煮干し粉大さじ2杯は煮干し5本分と同じたんぱく質量。これを生のイワシで食べるとかなりの分量になります。 

お味噌汁をつくるときには、お味噌汁1杯分に大体小さじ1杯の煮干しの粉を使います。これに、お味噌大さじ1杯(約10g)を入れると、具のないお味噌汁を朝昼晩飲むだけで、卵2個分のたんぱく質をとることができます(*)。

ここに例えば、豚肉や豆腐、揚げ、好みに合えば納豆などを入れて具にすると、それだけでかなりの量のたんぱく質をとることができますから、できれば有効に使ってください。朝、コーンフレークだけよりもお味噌汁1杯のほうが効率がいいです。

もし今、煮干しの粉ではなく、市販の出汁パックを1袋だけ使って家族分のお味噌汁を作ってる方がいたら、それだけでは栄養価的に心もとないので、2パックか3パック使ってみてください。(*)ここではアミノ酸スコアは考慮していません。

2-2. たんぱく質の豊富なたべもの

お出汁以外のたんぱく質豊富な食材は、「卵」。そして、「肉」「納豆を含む大豆類」「魚」「牛乳」です。「エビ」や「イカ」「タコ」「カニ」などは、たんぱく源として忘れてしまいがちですが、スルメやオキアミなどもうまく使っていくと、たんぱく質がしっかりととれます。また、運動系の部に入っている人や、ジムに通っている方などは、「プロテイン」もうまく取り入れていけばたんぱく質が十分にとれるようになります。

2-3. 栄養としてのたんぱく質

農林水産省の「実践食育ナビ」というサイトには、3色の食品群が並べてあります。
体の素になるもの、エネルギーの素になるもの、あと体の調子を整える素になるものです。 たんぱく質は一番上、体を作る素になるものになります。

実践食育ナビ 農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/

さらに、同じサイトにある「料理グループと食材、栄養素の関係」でみると、たんぱく質は主菜、メインのおかずと牛乳、乳製品にあたります。基本的には、「おかずが、たんぱく質にあたる」と考えればよいと思います。

実践食育ナビ 農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/

けれども、主菜がコロッケや、肉が少ししか入っていない肉じゃがの場合は、主菜の役割を果たせているかどうかは疑問です。

また、「昨夜何を召し上がりましたか?」と聞いたときに、まず「サラダ」や「ご飯」という方はあまりたんぱく質を食べていないことが多い。主菜を答えないということ自体が、たんぱく質を大事だと思っていない、そういう潜在意識があると考えてほぼ間違いがありません。そういった場合には、まずそこから意識を変えていくと、体調が上向きになってきます。

たんぱく質は、炭水化物・脂質と並んで3大栄養素の一つです。炭水化物と脂質は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)でできていますが、たんぱく質は、この炭素(C)・水素(H)・酸素(O)に窒素(N)が入るのが特徴となります。そのため、血液検査で尿素窒素を見ると、間接的にたんぱく質の量を反映していることになります。たんぱく質は大体どれを食べても、窒素分が16%くらいになっています。また、たんぱく質の種類によってはリンや硫黄が入っています。例えば、ゆで卵をしっかり茹でると、少し温泉の香りがしますが、あれは卵のたんぱく質の中の硫黄の香りになります。

3. からだの中にあるたんぱく質とその役割

3-1. からだをつくる「構造たんぱく質」

たんぱく質は、体のどのようなところで使われているのでしょうか。髪の毛、爪、皮膚、眉毛、目、唇、その他全身。そう、身体の形を作る重要な要素としてたんぱく質は、ありとあらゆる部位で使われています。そして、こういったたんぱく質は、「構造たんぱく質」と呼ばれます。

実は、この中で意外と忘れられやすいのが「骨」。骨というとカルシウムでできていると思う人がかなり多いのですが、もし骨がカルシウムだったら、チョークと同じでパキパキ折れるはずです。また、豚骨スープの上に浮かんでいるものはカルシウムではなく、脂とたんぱく質が合成されたものです。つまり、脂とたんぱく質がたくさんあるという証拠でもあり、この膜がコラーゲンなのです。

骨の内訳をみると、リン酸カルシウムは7割だけで、残りの2割がコラーゲンというたんぱく質、1割が水でできています。

ネスレヘルシーキッズ 骨の大図鑑 https://nestle.jp/healthy-kids/bone/ehon/naze/index.html#contents-4

骨の中のコラーゲンの役割は、鉄筋コンクリートの建物で言えば、鉄骨と同じ。コラーゲンがあって、そこにカルシウムがついて、はじめてしっかりとした骨になります。コラーゲンというのは、構造的には、細い3本の細い繊維がより合わさって丈夫なコラーゲン繊維となっています。そして、コラーゲンは、拡大してみると、3つのアミノ酸-グリシンと、多くの場合、ブロリンとヒドロキシブロリンーからできています。この場合、ブロリンがまず初めにできて、ビタミンCからOH基をもらうことで、ヒドロキシブロリンができます。

コラーゲンの構造

この反応を手伝うのが鉄です。つまり、丈夫なコラーゲンを作るには、鉄とビタミンCが必須。例えば、腎疲労でビタミンCが足りない、もしくは鉄欠乏があるといった場合には、コラーゲンができないため、肌の調子が悪くなります。

また、コラーゲンの素になるたんぱく質ができない状態のときには、カルシウムをとっても骨は強くなりません。骨密度をあげるために処方される薬は、コラーゲンとは関係なく、カルシウムだけをつける薬なので、骨密度は上がりますが、何かあったら骨は折れてしまいます。また、この薬は、炎症のあるところにカルシウムをどんどん溜めるので、歯の根の部分に炎症があったりすると、そこの骨が腐ってしまうこともあります。

たんぱく質とビタミンC、鉄以外では、クエン酸回路のところにもある「α-ケトグルタル酸」や「酸素」が、コラーゲンの生成には必要となります。酸素があると、細胞と細胞をくっつけるためのコラーゲンができます。そのため、コラーゲンが足りないと小じわが増え、乾燥肌にもなりますし、当然、骨折にもなります。

体の全部のたんぱく質の30%がコラーゲンです。体の18%がたんぱく質ですから、体全体でいうと6%がコラーゲンです。コラーゲンcollagenの由来は、ギリシャ語の「kolla」。これは、糊という意味です。コラーゲンはゼラチンですから、ベトベトして糊の代わりになるーつまり、たんぱく質は体を作る重要な要素になります。体を作る重要な要素であるたんぱく質からつくられるものには、髪の毛と爪があります。これは、ケラチンと呼ばれるたんぱく質です。

内臓も、たんぱく質。なので、胃袋を使った料理やモツ鍋もたんぱく質料理になります。骨もたんぱく質ですから、骨をしっかり煮込んだスープでいうのはたんぱく質のスープになります。実際、骨をしっかり煮込んでスープを取ったあとの骨は、指で簡単にもろもろ崩れます。このように体を作るたんぱく質には、コラーゲン、エラスチン、ケラチンがあります。これら体を形作るたんぱく質を「構造たんぱく質」といいます。

筋肉もたんぱく質。ここに使われるたんぱく質は、アクチンとミオシンが主なもので、この2つが伸びたり縮んだり、滑り込んだり広がったりして筋肉を動かしています。これは、形を作る要素でもありますが、動かすという大事な機能もあります。

3-2. からだの機能を司る「機能たんぱく質」

たんぱく質には、体の機能を司るという要素もあります。体の形を作っているわけではなく、仕事をするたんぱく質のことを「機能たんぱく質」といいます。例えば、赤血球中の「ヘモグロビン」も、その1つ。ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。「免疫グロブリン」も同じ仲間です。体内に入った敵を見つけて、捕まえて、白血球の標識となることで、からだを守る機能を果たしています。触媒作用のあるたんぱく質である「酵素」も、機能たんぱく質の一種です。例えば、おにぎりを食べて血糖値が上がった時に脾臓の後方からでる「インスリン」、肉を食べたときに、膵臓の前方かでる消化酵素「トリプシン」などが、それにあたります。

そして、細胞にもたんぱく質がたくさん使われています。細胞膜はリン脂質が向かい合っていて、ほとんどが脂でできていますが、その上に浮いているレセプターもたんぱく質の塊です。レセプターは、ピタッと適合するホルモンが来ると反応して、細胞の中に何かを出したり、動いたりして、さまざまな仕事をしています。イオンチャンネルという違うものもあります。イオンチャンネルにATPがやってきて、エネルギーを一つ使って入り口ができます。この入り口ができるとナトリウムイオンとカリウムイオンが入れ替わります。これがナトリウム-カリウムチャンネルです。つまり、ナトリウムとカリウムを入れ替えるのにはATPが必要でで、エネルギーを使って、わざわざ門を開けたり閉めたりします

細胞膜の上というのはいろいろなたんぱく質が浮いていて、それぞれいろいろな仕事をしています。細胞膜には必ずたんぱく質があります。

植物には、たんぱく質があまりないというイメージがあるかもしれませんが、植物も細胞でできているのでたんぱく質はあります。ただ、細胞膜の上に細胞壁がもう1周あるために、たんぱく質割合が相対的に少なくなっているだけなのです。だから、レタスにもたんぱく質は含まれてます。そして、大豆のようにたんぱく質が豊富な植物もあります。乾燥した大豆ですと、約3割がたんぱく質になるので、プロテインとして使えるということになります。これは空気中の窒素を取り入れてアミノ酸を作る根粒バクテリアが、根の部分に住んでたんぱく質を作ってくれていることによります。

3-3. 体に必要なたんぱく質量

では、からだには、どれくらいの量のたんぱく質が必要なのでしょうか。

たんぱく質の必要量は、体重1kgにつき、目安として1g。体重50kgの人なら、50gとなります。けれども、成長期には、維持分と成長分で大人の倍量のたんぱく質が必要となります。例えば、体重がお母さんの半分の子どもだったら、お母さんと同じ量のたんぱく質が必要です。また、成長期で運動している、部活をしているような子たちの場合は、維持分と成長分と運動分で、体重1kgにつき3gくらいが必要になってきます。筋肉もどんどん増えていくタイミングなので、たんぱく質を入れても入れても足りなくなる時期です。

一方、病気や怪我のときは、体重1kgにつき2g、そして病気に合わせてプラスαが必要になります。このような時は、消化機能が落ちますし、食欲も落ちます。怪我の場合は皮膚を治すために、骨折では骨のコラーゲンを作るために、病気の場合は免疫力を上げるためにもたんぱく質が必要です。回復にはたくさんの栄養が必要になりますが、回復力の基本は、まずたんぱく質です。ストレスがかかっているときも、同じだけの量が必要となります。ストレスで痩せてしまう、お腹の機能が止まって吸収ができない、コルチゾールで筋肉が落ちてしまう。そんなときこそ、しっかり食べなければなりません。

たんぱく質を含む食品量の簡単な目安は、1食あたり、片手1杯分。例えば、少し豪華な旅館の朝ごはんででるメニューの豆腐と卵と焼き魚と味噌汁、または冒頭でお話しした鰯5匹、これでだいたい片手1杯程度かそれ以上になります。子どもの場合は成長分があるので、両掌が目安になります。ただし、これはあくまでも1日3食とるときの目安なので、お腹の力、消化力に合わせて、回数を増やしたり減らしたりしてみてください。

基本的には、中肉中背の方の場合、とりあえず1食あたり片手1杯分くらい食べてくださいという指導をします。けれども、実際には、痩せている方もいれば、ふくよかな方もいますし、マッチョな方もいます。この方たち、みんな、一律に手の平1杯分でいいのかどうかということです。

日本人の食事摂取基準の概要では、大体1日に50g食べてくださいと書いてあります。しかし、これは身長、体重、労働を考えていません。あくまでも目安であって、自分に合うかどうかはまた別です。この基準を出したとき、人の試験において、92.2%~94.5%くらいの消化率があるという前提で設定して、さらにそれの90%として算出されたものです。そもそもこういう実験に参加できる方は元気な方だと思うので、ちょっと弱っている方、疲れている方はこの基準が合わなくなります。なによりも消化率、これが全国一律だったら楽です。ここには、かなり個人差があります。

4. たんぱく質の消化

4-1. たんぱく質は、どのように消化されるのか

では、たんぱく質はどのように消化されるのでしょうか?

例えば、肉を食べるとき、口で噛んだ肉は、食道を通って、胃に入ります。胃袋の中ではペプシノーゲンという酵素が出て、さらにそこに胃酸が出ることで、ペプシノーゲンがペプシンという酵素に変化して、たんぱく質をペプトンに分解します。ペプトンというのは、アミノ酸がたくさんつながった比較的大きな塊です。
分泌される胃酸はpH1~2で、レモンよりもすっぱいです。食べ物が入るので、実際にはレモンよりも少しすっぱくないくらいにはなっていますが、かなり酸度が高く、このくらいでないとペプシノーゲンはペプシンになりません。

そして、ここで大事なのは、消化する場所の胃袋も、消化する酵素であるペプシノーゲンもペプシンもたんぱく質だということ。つまり、たんぱく質不足だとたんぱく質の消化ができないということになります。もちろん、胃袋が元気でないと、胃酸は出ません。ということは、たんぱく質不足の人はたんぱく質の消化ができないということになります。ですから、数字だけを考えて、朝からステーキ食べなさいといったら、大抵調子が悪くなります。噛み砕いて噛み砕いて渡してあげないといけません。

胃が元気でないパターン

  • 萎縮性胃炎の場合
    粘膜が荒れてツルツルになっている。
  • ピロリ菌感染がある場合
    胃の中でアンモニアを作ってしまう。すると、その場所がアルカリ性になるので、胃の中でもピロリ菌は死なず、免疫反応を起こすため胃の粘膜も荒れていく。
  • 胃酸抑制剤を飲んでいる場合
    胃酸を止めてしまう薬を使うと、当然胃酸は効果なくなる。胃酸をきっちり止めてしまうものやアルカリ性にして胃酸の効果をなくしてしまうものが使われるが、食道に炎症があるときとか胃潰瘍のひどいときにのみ短期的に使うようにすること。長期服用で食欲がどんどん落ちてしまい、炭水化物ばかり食べている場合には薬を見直してみる。
  • がんや胃潰瘍で胃を切除している場合
    胃自体が少なくなっているため、胃酸が十分に出ない。胃を切るときに自律神経も切っってしまうので、胃酸はほとんど出なくなる。
  • お腹のエネルギー不足の場合
    胃酸を出すためにも、胃を動かして蠕動させるためにもエネルギーが必要。胃酸は、胃の細胞膜にある「胃プロトンポンプ」を通じて、カリウム(K)と水素(H)を交換し、別のところでClを出すことで、胃の中でHとClが泳ぎ回る状態がつくられ、結果的にHCl、つまり胃酸となる。この胃プロトンポンプが働くためにはATPが必要なため、ATPが作れない人も胃酸が出ない。例えば、TCAサイクルが回らない人、鉄不足の人、カンジダがいたり慢性炎症があったりする人も、胃酸が出ないことになる。
胃酸分泌を担う胃プロトンポンプの構造を解明 ~胃酸抑制剤結合構造と強酸に対してプロトンを吐き出す仕組み~(プレスリリース)
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2018/180405/
  • 緊張して交感神経優位の場合
    副交感神経がお腹を動かすので、リラックスしないと消化機能は上がってこない。いつも交感神経が高ぶっていると、お腹の動きが止まり、胃酸分泌が不安定となり、胃の粘液が減る、胃の壁の再生が低下する、胃の運動が落ちるということが起こる。いつも胃もたれする人というのは、交感神経優位なことが多い。
    運動中も交感神経が働いて、たんぱく質の吸収率は低くなるため、こういう時にはアミノ酸を使う、逆に炭水化物で回してあげるという方法のほうがよい場合がある。

さて、胃で肉から変化したペプトンは、十二指腸に入ると、すい臓から出るトリプシンやキモトリプシンという消化酵素によって、さらに小さなペプチドというものに変わります。小腸では、絨毛にある消化酵素によって、ペプチドがもっと小さなアミノ酸に変わります。このアミノ酸は、小腸の壁にある細胞の中を通過して、向こう側の血管、門脈に入ります。門脈に入ったアミノ酸は肝臓の中に取り込まれていきます。

4-2. たんぱく質とアミノ酸

分解されたたんぱく質はアミノ酸に変わります。アミノ酸は、アンモニアの形に近い「アミノ基」と、酢酸に近い形の「カルボキシル基」、そしてアミノ酸の個性をつくる「側鎖(R)」でできています。

https://en.wikipedia.org/wiki/Amino_acid

N、C、Oと書いてある部分がアミノ酸の証拠になる部分です。青色の部分は「アミノ基」といわれていて、NにHが2つ付いて、アンモニアに近い形になっています。尿素窒素になる部分です。反対側の緑色の部分は、酢酸に近い形の「カルボキシル基」です。
ですから、アミノ酸というのはアンモニアとお酢がくっついている状態で、酸の部分とアルカリの部分の両方を持っていることになります。

黄色い部分が、アミノ酸である証拠となります。アミノ酸には、身体で作りだすことのできない「必須アミノ酸」と、作りだすことができるけれど外からとらないと足りなくなる「非必須アミノ酸」というものがあります。非必須アミノ酸はいらないと思っている人が結構いますが、必要だから体の中でも作っているだけで、必要量としては非必須アミノ酸のほうがたくさんいることが多いといえます。

健やかに 2014年4月号 https://www.bee-lab.jp/health/201404/index.html

4-3. たんぱく質は、どのように作られるのか

分解・消化されてアミノ酸になったたんぱく質は、再びどのようにタンパク質になるのでしょうか。その情報はDNAに入っています。DNAの情報は、アデニン、チミン、グアニン、シトシンという4つの塩基でプログラミングされています。そして、そこから転写されたRNAの情報を、リボゾームというたんぱく質が読み解き、バラバラだったアミノ酸をつなげて、紐状のペプチド(1次構造)を作っていきます。もう少し長いものは、ポリペプチドといいます。

そして、これが組み合わさって、らせん状になったり、シート状になったり(2次構造)していきます。さらに、それらが組み合わさって、立体的になったものが、たんぱく質(3次構造)です。こうなって初めて、からだに必要なさまざまな機能を果たすことができるようになります。これがさらに組み合わさって、もっと機能的になったものが4次構造のたんぱく質、赤血球中のヘモグロビンなどがこれにあたります。ヘモグロビンは、4つのグロビンというたんぱく質がそれぞれヘム鉄を抱え、さらにその4つが組み合わさった構造になっています。

4-4. シャペロンとオートファジー

体の中のたんぱく質に「シャペロン」というものがあります。

アミノ酸がたくさんつながった、ポリペプチドがあります。これはただつながっているだけで、全く機能がありません。このままでは機能がないのですが、折りたたんで立体構造を作ると、その形に意味が出てきます。
この長いペプチドを、正しく折りたたんでたんぱく質を作る酵素を「シャペロン」といいます。シャペロンとは「介添え役」という意味で、たんぱく質を作るたんぱく質になります。

ヒートショックプロテインという言葉を聞いたことがあると思います。これはお風呂に入ったときなどすごく暑いときやストレスを受けたときに、からだの中で作られるたんぱく質で、変性したたんぱく質をもとに戻す役割を果たします。実は、まさに、これがシャペロンです。シャペロンがあると、からだの中でたんぱく質のリサイクルができます。自分の中のいらなくなったたんぱく質を食べて、もう一度たんぱく質に作りかえることができる。これを「シャペロン介在性オートファジー」と呼びます。

体内でたんぱく質をリサイクルする方法は、他にもあります。「マクロオートファジー」とよばれるものは、ダメになったたんぱく質を膜内に取りこみ、閉じ込めておいて、リソゾームがここに消化酵素を入れることによって、たんぱく質をアミノ酸に分解し、もう一度使えるようにするというもの。

「ミクロオートファジー」というものもあります。ダメになってしまったたんぱく質をリソソームが取り込んで、潰して、分解する。これもやはり、ダメになったたんぱく質をアミノ酸に分解する役割を果たします。

実は、もしこのオートファジー機能がしっかりとしていたら、体重1kgにつき1gが目安と言われるたんぱく質は、そんなにとらなくても大丈夫ということになります。それほどたんぱく質をとらなくても、筋肉がしっかりついてくる人というのは、オートファジーがうまくいっていることが多いのです。逆に言うと、ロスの多い人は、オートファジーがうまくいっていないのかもしれません。こういったことも考えあわせると、今後、必要たんぱく質量の概念がどんどん変わっていく可能性があると思います。

5. たんぱく質不足で起こる不調と改善方法

5-1. からだの各所で起こる様々な不調

たんぱく質が不足すると、どんなことが起こってくるでしょうか。基本的には、たんぱく質を使っているところの機能が落ちるとイメージすれば大丈夫です。脳や心臓など生命に影響があるところに優先的にたんぱく質を回したいので、以下のような優先順位の低いところから削っていくことになります。

  • 筋肉が落ちる
  • 肌が荒れる
  • 食欲低下
    胃や腸、消化酵素もたんぱく質なので、食べても吸収できなくなり、食欲が落ちます。
  • メンタル不調
    神経伝達物質もアミノ酸から作られるため、気持ちが落ち、メンタルの症状が出てきます。
  • 免疫が落ちる
    免疫の抗体もたんぱく質なので、感染症やガンが増えます。
  • 痛みが出る
    骨や筋肉にも支障が出て、痛みが出ます。

このように、いろいろな不調が出てきます。なので、不調の大部分は、もしかすると低たんぱくが原因の可能性があります。

5-2.たんぱく質とむくみの関係

たんぱく質は、むくみにも関係します。
左の写真(改善前)は、足がぱんぱんにむくんでいます。

①改善前
②改善後

この方の血液検査データを見てみると、アルブミンという血中たんぱく質の数値が2.7。基準値の一番下が3.8なので、かなり低い状態です。ちなみに3を切った場合、肝不全であれば特別な治療をしなくなりますし、心臓の手術をなかなかしてもらえません。どうしてかというと、切った場所がつながらないからです。 腹水が出たり、胸水が溜まったりしやすくなります。血液の主成分であるヘモグロビンの数値も、女性の場合の基準値の一番下11.5を下回るだけでなく、10を切っています。

ということは、この方は低栄養で、貧血がひどいということ。このような低たんぱくで貧血の状態だと、以下のようなことが起こってきます。

  • 血管の中から、その主成分であるアルブミンと赤血球がどんどん減っていく
  • 血管中に水を保持する機能が落ち、血管の中に水を溜めておけなくなる
  • 血管の外にどんどん水が抜けていき、身体がむくむ

こういった状態の場合、血管もぺちゃりとつぶれていくので、相対的にアルブミンやヘモグロビン濃度が高くなって、採血でも異常が出なくなってくることがあります。低たんぱくの状態を改善してあげると、右の②写真(改善後)のようにむくみが取れます。利尿剤も必要ありません。「私は、太っています」と本人がいうときには、本当に太っているのかむくみなのか、この鑑別が必要です。

低たんぱくがひどいと、消化機能は低下し体の筋肉も壊れていき、異化が亢進します。消化機能が落ちて異化が亢進すると、体はさらに低たんぱくになります。低たんぱくであれば、プロテインを飲ませてステーキを食べればいいじゃないという、とにかくたんぱく質を食べろという発想、指導をされてきた方も多いと思います。単純に考えればそうなのですが、もうお腹が受け付けません。消化機能がない場合には違う方法を考えなければいけません。おそらく消化できないまま、たんぱく質をとったら体調を崩す方がほとんどということになってしまいます。

5-3.低たんぱくの改善方法

では、低たんぱくの状態は、どのように改善していけばよいのでしょうか。

まず、「消化機能の改善」。お腹を丈夫にして、たんぱく質を消化できるようにする必要があります。そして、「自律神経の安定」。交感神経優位状態を改善してあげないと、お腹が動きません。いつもつらい思いをしている、痛みがひどい、カフェインをとっている、極端な貧血がある、低血糖があるなどの原因を取り除いていきます。仕事を休む、家族との関係を見ていくことが大切になる場合もあります。

あとは、「たんぱく質の種類の選択」。肉などは細かく切ったものにする、よく煮込むことで唾液や胃液がなくても消化できるようにするなどです。そういう意味では、お出汁はとても使いやすいたんぱく源です。「炎症やストレスの改善」も大切です。原因を見つけて、対策をとっていく必要があります。

5-4.低たんぱくの指標、アルブミン

最後に、低たんぱくの指標となる「アルブミン」について。アルブミンの「アルブ」の語源は「卵白(albumen)」で、卵の白身から摂ったたんぱく質だからです。このアルブミンをよく見ると白っぽくウニョウニョっとしたものが混ざっています。これはリノレン酸とかアラキドン酸といった脂肪酸で、アルブミンは脂肪酸を運ぶ仕事をします。こういう形のぐるぐる曲がったところに、いっぱい脂肪酸が引っかかる専用の場所があります。

白い部分が脂肪酸


アルブミンは、下図のような形と構造をしています。アミノ酸が集まり立体構造になって機能する3つの「ドメイン」、そしてそれぞれの中にある2つの「サブドメイン」。これらは、すべて同じたんぱく質の中にありますが、それぞれ仕事が違い、捕まえるもの、運ぶものが変わってきます。

オレンジがドメイン、黄色がサブドメイン

アルブミンが運ぶのは、まず「脂肪酸」。そして、「カルシウム」や「亜鉛」。低たんぱくでアルブミン不足の人は、カルシウムや亜鉛の数値が上がりませんから、亜鉛の値とアルブミンの値は割と相関します。「間接ビルビリン」、ホルモン「グルココルチコイド」も運びます。

「イブプロフェン」「ワルファリン」といった薬剤も運びます。痛み止めを飲んでも効かないという人は、大抵アルブミン不足です。また、血中の薬剤濃度は高くなるので、副作用を起こりやすくなります。アルブミンがものを運ぶ機能、ドラッグ・デリバリー・システムを使った薬があります。抗癌剤のアブラキサンです。これは、細胞分裂の早いところでその分裂を止めてしまうパクリタキセルという抗がん剤を人の血清アルブミンにくっつけていっぱい集めてギュッとまとめたものになります。そして、目的の場所を運ばせよう、目的の場所で効かせようとい仮説でつくられた薬というわけです。

そして、「毒素」。腸の中で異常発酵したインドキシル硫酸をアルブミンが捕まえて運び、肝臓で解毒します。つまり、アルブミンが足りないと、解毒もできないということになります。アルブミンは運送屋さんなので、アルブミンが少なすぎても運べないし、運ばないといけないものが多すぎても破綻しますから、バランスが必要です。

アルブミンの仕事は浸透圧の維持と物を運ぶことで、普段はこの仕事だけです。けれども、栄養不足になったとき、アルブミンをどんどん壊してエネルギーに変えないといけない、栄養に変えないといけないときがあります。そうすると血中のアルブミンはどんどん減っていきます。

6.まとめ

体の中で使われているたんぱく質は、初期に学ぶと思いますが、改めて全体を眺めてもらえたらと思います。

  • 英語で「プロテイン(Protein)」といい、「プロ(Pro)」は、ギリシャ語で「第一となるもの、まず最初に必要なもの」という意味。
  • 体を作る重要な要素で、約18%をたんぱく質が占めています。
  • 基本的には、食べものからとりいれますが、煮干しや鰹節などのお出汁をうまく活用することで、効率よくとることができます。
  • たんぱく質が豊富な食材は、卵、肉、大豆類、魚、牛乳、エビ、イカ、タコ、カニなど。
  • 体を作る「構造たんぱく質」と、体の機能を司る「機能たんぱく質」の2種類のたんぱく質があります。
  • 1日に必要な摂取量は、基本、体重1㎏につき1g。ただし、成長期の子どもは大人の倍量、さらに運動していれば体重1㎏につき3gを目安にします。また、病気やケガのとき、ストレスがかかっているときにも摂取量が増えますが、一人ひとりの消化力に合わせて、取り方を工夫する必要があります。
  • たんぱく質は胃酸によって消化されますが、胃が元気でないと消化できません。
  • 分解・消化されてアミノ酸になったたんぱく質は、DNAの情報によって、あらたな機能をもったたんぱく質がつくられます。
  • 体の中では、いらなくなったたんぱく質をリサイクルすることができます。
  • たんぱく質が不足すると、さまざまな不調が起きてきます。これは、命に影響しない部分から起こっていきます。
  • たんぱく質は、むくみにも関係しています。
  • 低たんぱくの改善には、消化機能の改善、自律神経の安定、たんぱく質の種類と選択、炎症やストレスの改善などが大切になるので、原因をみつけて対策をとっていく必要があります。

血糖値が安定し、炎症を抑え、カンジダが増えない食事法

安保 結花 · 2021年5月25日 ·

治療には順番が大切で、ついつい腸の病原菌対策を早くやってしまいたい衝動に駆られますが、最初にやるべきことは腸の炎症を抑える事です。そのためには副腎疲労を先にケアする必要があります。だからこそ低血糖を治し、腸の炎症を抑える食事を先にすべきなのです。ここでは、血糖値が乱高下しない食べ方や、脳のパフォーマンスを最大限にあげるための脂質の種類の選び方と調理方法、腸の炎症をとり疲れ知らずになる食事メニューなど、誰もが目指すべき食事内容について学んでください。目標は自宅で調理する場合でも、外食でメニューを見る時にも自分に最適な食事を選べるようになることです。

1. 血糖値が乱高下しない食べ方 

血糖を安定的に供給するためには、一日三食の食事を摂ることは大前提です。しかし、一日三食を食べても血糖値の調節がうまくできず、血糖値が乱高下してしまう人が少なくありません。集中力の低下、眠気、イライラ、うつ症状、不安、頭痛、疲れなどの症状が慢性的にある場合は、食後に血糖値の急上昇や急降下があるかもしれません。食後に高血糖がある場合は、食べ方の順番を工夫したり、食後に運動を取り入れることで対処することができます。夜間低血糖がある場合は、就寝前や日中の食間に補食を摂るようにすると良いでしょう。また、食間に血糖値が低下する場合は、糖質量が少なすぎないか食事内容を振り返ってみるとともに、食間に補食を摂るようにすると良いでしょう。

1-1. 血糖値の乱高下が不調を引き起こす

多くの人が一日三食の食事を摂っているかと思いますが、それは血糖を安定的に供給するために理にかなっていることです。食事から摂取した糖質はブドウ糖に分解され、血糖値を上昇させます。血糖値が上昇すると私たちは満足感を感じることができます。しかし、食後2,3時間が経つと小腹が空いてきて、また次の食事を摂ることで血糖値が上昇する、というように血糖値は常に一定になるよう調節されています。しかし、この血糖調節がうまくいかず血糖値が急激に上がったり下がったりしてしまう人が少なくありません。

このような症状はありませんか?
該当項目が多い場合は、血糖値の乱高下があるかもしれません。

  • 甘いものやジュースをほぼ毎日摂っている
  • 空腹感を感じておやつを食べることが多い
  • 食後に強い眠気を感じる
  • イライラ、不安感、恐怖心などがある
  • 集中力が低下している
  • 動悸や頭痛がある
  • 肩こり、筋肉痛がある
  • 安定剤や抗うつ剤を使用しても症状が改善しない
フリースタイルリブレ

該当項目が多かった場合は、”フリースタイルリブレ”という血糖測定器をAmazonで購入して血糖値をモニタリングしてみると良いでしょう。あなたの血糖値が80~140の範囲になっているか確認してみてください。もしその範囲を上回っていたり、下回っていた場合は、次にご紹介する対処法を実践してみてください。

1-2. 食後に高くなりすぎる場合

食後に血糖値が140を超えている場合は、血液中には食事から摂取したブドウ糖はたくさんあるのに、細胞内に取り込むことができないため、高血糖になっている状態です。その原因は、インスリン抵抗性があるからです。インスリン抵抗性は「インスリンの効き具合」を意味します。 つまり、膵臓からインスリンが分泌されているにもかかわらず、インスリンに対する感受性が低下し、その作用が鈍くなっている状態を意味しています。

このような場合、血糖値を急上昇させない食べ方のコツがあります。
「サラダ(食物繊維)」→「おかず(タンパク質)」→「ごはん(糖質)」の順番で食べてみましょう。野菜や海藻、キノコに含まれる食物繊維には糖の吸収をゆるやかにする効果があります。さらに、オリーブ油や亜麻仁油などをドレッシングとしてサラダにかけて食べると食物繊維と油の影響で血糖の吸収はよりゆるやかになります。その後に、肉や魚などタンパク質がメインのおかず、そして最後に、ごはんやパンなどの主食を食べます。このような食べ方をすることで糖質の吸収がゆるやかになり血糖値の急上昇を防いでくれます。

また、運動不足はインスリン抵抗性の原因になりますので、運動習慣をつけると良いでしょう。今日からできる方法としては、食後に軽めの運動(スクワットや足踏み運動など)をすると、筋収縮が刺激となり、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むのを促すことができますので血糖値を下げることができます。

このように、食後に高血糖がある人は、食べ方の工夫と食後の運動を取り入れてみてくださいね。ただし、食後血糖値が200を超える場合は糖尿病の可能性が考えられますので、自己判断せずに受診をするようにしてください。

1-3. 夜間や食間に低下する場合

これは私がリブレで測定した血糖値の推移です。夜間に血糖値が低下していますので、「夜間低血糖」をきたしていることがわかります。夜間低血糖とは、その名の通り、夜間(寝ている間)に血糖値が80を下回り、低血糖を引き起こしている状態です。夜間低血糖を起こしている人は、歯ぎしりや食いしばり、中途覚醒、肩こり頭痛などがあることが多いです。
対策は、日中に補食を摂ることで低血糖を起こさせないようにすることが夜間低血糖の防止になります。また、就寝前にも軽めの補食(ハチミツ、スープ、MCTオイルなど)を摂ることで夜間低血糖を防ぐことができます。

それでは、食間に低血糖が起きている場合はどうでしょうか。これは食事の糖質摂取量が少なかったり、食間が長く空きすぎていることが考えられます。例えば、下の図のように7時に朝食、12時に昼食、19時に夕食をした場合で考えてみましょう。それぞれ食事の間が5時間空いています。食事由来の糖質は、食後2,3時間も経つと底をついてしまいますので、食間が5時間以上空くと血糖値がどんどん低下していき、低血糖を起こしてしまいます。

このような人は、食間に補食を摂るようにしてみてください。補食のタイミングは、朝食と昼食の間の10時頃、日内変動で血糖値が最低値となる午後16時前の午後15~16時の間に摂ると良いと思います。補食にオススメなのは、ミニおにぎり、さつまいも、甘栗、スープ、ゆで卵、ヨーグルト、枝豆、煮干し、するめ、鯖缶などです。

2. 炎症を抑えて疲れ知らずになる食事

体内に炎症が生じると、副腎から抗炎症作用のあるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは血糖値や血圧を最適範囲内に維持する働きや抗ストレス作用があるため、慢性炎症があるとコルチゾールがどんどん動員されてしまうため、血糖値や血圧が低下したときに最適範囲内に維持することができなくなったり、ストレスを打ち消すことができなくなってしまいます。
その結果、引き起こされるのが低血糖や低血圧、うつ症状などの副腎疲労です。副腎疲労は体内の炎症が引き起こしたコルチゾールの慢性的不足とも言えます。この状況を打破するためには、根本原因である炎症を突き止め、炎症を抑制することが重要になります。ちなみに、ストレスや不規則な食生活なども脳は同じ炎症として認識するため、コルチゾールを過剰に分泌させてしまいます。

炎症は一つ一つの細胞の細胞膜から発生しますので、細胞膜を安定させて炎症が起こらないようにする。もしくは、炎症が起きたとしても初期炎症の段階で炎症を抑えることが重要です。豚レバーや卵黄に含まれるアラキドン酸は炎症を助長させるため、控えることが望ましいです。一方、亜麻仁油や荏胡麻油に含まれるα-リノレン酸や魚に含まれるEPAは炎症を抑制する働きがありますので積極的に摂取すると良いでしょう。

炎症によって傷ついた腸粘膜の修復には、ボーンブロスがオススメです。ボーンブロスには、グルタミンやグリシンなど腸の粘膜を修復して炎症を抑えるアミノ酸が豊富に含まれています。他にも、亜鉛やビタミンAも腸粘膜の修復には必要不可欠な栄養素ですので、意識して摂るようにしてください。

2-1. 隠れた炎症

腸、喉、歯。

この三つは、体内の隠れた炎症の三大要因ですが、特に腸は自覚症状がないので自分では炎症があることに気づくことが難しいです。

炎症を抑制するホルモンは副腎から分泌されるコルチゾールが有名です。その炎症を抑える働きから、ステロイド系抗炎症薬として皮膚科などの治療にも広く使われているのは皆さんもご存知だと思います。コルチゾールはストレスを受けた時に、その分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれており、生命維持にもっとも重要な役割を果たすステロイドホルモンです。

 コルチゾールの主な働きは、炎症抑制の他にも血糖値を最適範囲内に維持することや、血圧上昇作用、ストレスを打ち消すなどの作用があります。このように生体にとって重要なコルチゾールですが、体に隠れた炎症があると、ステロイド薬を使うように炎症を抑制するためにコルチゾールが慢性的に分泌されてしまいます。

先述した通り、コルチゾールの役割は炎症抑制以外にも重要な働きがたくさんあるので、炎症抑制のためにコルチゾールが使われてしまうと、血糖値や血圧が低下したときに最適範囲内に維持することができなくなったり、ストレスを打ち消すことが困難となってしまいます。その結果、引き起こされるのが低血糖や低血圧、うつ症状などの副腎疲労です。

隠れた炎症がある限り、どんなに高価なサプリメントを摂っても根本的な治療にはなり得ません。副腎疲労の症状がある場合、まずは隠れた炎症がないか疑ってみてください。隠れた炎症の場所は、腸、喉、歯でしたよね。それぞれ、まずは専門医を受診してみると良いと思います。

2-2. 腸の炎症を抑える食事

ところで、炎症はどこから起こるかわかりますか?
細胞レベルで考えると炎症の初期段階は「細胞膜」から起こります。火災の場合、発生から2分以内の初期消火がカギとなるそうですが、体内の炎症も初期段階で収束させることが炎症抑制のカギとなります。要するに、細胞膜を安定させて炎症が起こらないようにする。もしくは炎症が起きたとしても初期炎症の段階で炎症を抑えることがとっても重要です。

まず、腸に炎症をきたす食品を避けることが大前提です。腸に炎症をきたす食品はグルテン、カゼイン、白砂糖(果糖ブドウ糖液糖)、加工食品、トランス脂肪酸の5つです。これらの食品はできる限り食べないようにしてください。

腸の粘膜細胞に炎症が起こると、細胞と細胞の間に隙間ができてしまいます。すると、隙間から本来は漏れ出ないはずの細菌や毒素、未消化のたんぱく質などが腸の外へ漏れ出してしまいます。これをリーキーガット症候群と言います。

炎症を抑制するには食事の「油」の摂り方が大変重要です。細胞膜は脂質二重層という脂質で構成されていますが、これは食事の影響を100%受けます。卵黄や豚レバーに多く含まれるアラキドン酸は、代謝の過程でプロスタグランジン2という炎症物質に変換されますので控える必要があります。一方、亜麻仁油や荏胡麻油に含まれるα-リノレン酸や魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は炎症を抑制する働きがありますので、細胞膜が安定し、炎症の予防に役立ちます。

アラキドン酸を多く含む食品ランキング
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html

2-3. 腸の粘膜を修復する食事

腸の粘膜を修復するには、ボーンブロスという鶏や豚、牛、魚などから煮出したスープがオススメです。煮出したタンパク質がグルタミンやグリシンなどのアミノ酸の状態になっているため、消化に負担がかからない上に腸の粘膜を修復して炎症を抑えるのに役立ちます。

ボーンブロスはその名の通り、鶏や牛などの骨から煮出しているので、カルシウムやマグネシウムなど体の機能を整えてくれるミネラルや、皮膚や髪、爪などを構成するコラーゲンも豊富に含まれています。ミネラルたっぷりのお塩「ぬちまーす」で味付けをして美味しく腸粘膜を修復しましょう。
また、ビタミンAや亜鉛も腸の粘膜を修復するのに必要な栄養素です。ビタミンAが豊富な食品はうなぎやレバーなどですが、豚レバーはアラキドン酸が多く含まれるので鶏レバーが良いでしょう。亜鉛が豊富な食品は、牡蠣、あわび、牛肉、カツオ、煮干し、するめなどです。

2-4. 副腎ケアも大切に

最後に忘れてはいけないのが副腎ケアです。副腎疲労があると炎症を抑えるコルチゾールの分泌が不十分になるため炎症体質を助長してしまいます。ですので、消化に負担をかけずにすぐエネルギー源となり、低血糖の防止にもなるココナッツオイルを加熱調理に使用すると良いでしょう。

3. カンジダ菌を増やさない食事

カンジダは常在菌ですので、私たちの皮膚や粘膜の上に存在していますが、それだけでは問題になりません。カンジダが問題になるのは、カンジダが過剰に増殖してコロニーを形成し、全身症状を引き起こしてしまうことです。カンジダ治療をされた方もいるかと思いますが、カンジダは常在菌なので、治療したからと言ってゼロにすることはできません。
まず、現状を知るために「カンジダ菌チェックリスト」であなたのカンジダ危険度を調べてみてください。

カンジダ菌チェックリスト
□ 抗生剤、ピル、ステロイド剤を複数回使用した(または使用中)
□ 慢性の前立腺炎、膣炎など生殖器の感染症がある
□ 化学物質過敏症(香水、たばこ、殺虫剤など)がある
□ パンや甘いものが無性に欲しくなる
□アルコールをほぼ毎日飲む
□ 疲れている、消耗している
□ 集中力や記憶力の低下がある
□ 胸やけ、腹部膨満感、下痢や便秘がある
□ 生理不順、月経痛が強い
□ 手先が冷たい
□ イライラしやすい
□ 頭痛持ちである
□ 慢性鼻炎、副鼻腔炎がある

いかがでしたか?
2つ以上チェックがつく場合は、カンジダ菌によって健康が害されている可能性が高いといえます。「カンジダが増殖しているなんて最悪!」そう思った方も多いと思いますが、慌てることはありません。カンジダを増やさないためには、食生活がとても大切なんです。これから教える6つのコツさえ心がければ、私たちはカンジダが悪さをしないように自分でコントロールすることができるのです。これから先のあなたの人生で、カンジダを増殖させない術を教えます。さぁ、メモのご準備を忘れないでください。

3-1. 安易に抗生物質は飲まない

抗生物質の使用はカンジダ増殖を引き起こす一番の要因です。

もし、あなたが6ヵ月以内に抗生物質を服用していたら、体内でカンジダが過剰増殖している可能性が十分にあります。なぜなら、抗生物質の効果は広範囲に渡るため、病原菌だけでなく、腸内の善玉菌をも死滅させてしまうからです。

腸内環境は、善玉菌が豊富にあることでカンジダなどの悪性細菌の繁殖を防いでいます。正常な腸内環境が崩壊してしまうと、空いた腸内スペースにカンジダが入り込み、短時間のうちに腸内pHをカンジダが好むアルカリ環境に変化させてしまいます。すると、あっという間に腸管組織を占領し、様々な症状を引き起こします。

すでに抗生物質を使用しているのであれば、一刻も早く乳酸菌などのプロバイオティクスを摂ることが重要です。プロバイオティクスの摂取が抗生物質の効き目を阻害することはありません。プロバイオティクスの効果を最大限に引き出すためには、抗生物質の開始前に服用をすることです。そうすることで、腸内フローラを最高のコンディションに持っていくことができ、早い段階からプロバイオティクスの効果を実感することができます。

もちろん手術後の感染防止など抗生物質が必要な場合もありますので、主治医とよく相談し、患者と医師の双方が納得した上で治療を進めていくことが大切です。

3-2. カンジダに栄養を与えない 

カンジダは主に砂糖などの単純糖質を好んで取り入れるため、宿主である人は糖分の渇望症状がしばしば見られます。チェックリストの「パンや甘いものが無性に欲しくなる」に該当しませんでしたか?

カンジダ菌が単純糖質を好む理由は、砂糖のような単純糖質は面倒な代謝を必要とせず、すぐにエネルギーに変えることができるからです。カンジダ菌を増やさないために、お菓子、ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、清涼飲料水などの甘いものはすべて控えるようにしましょう。

「な~んだ!ヘルシー志向の私はお菓子なんて食べないから大丈夫ね」

そう思った方には残念なお知らせですが、実は果物に含まれる果糖も単純糖質なのでカンジダを増殖させます。さらに、果物はアルカリ性食品のため、カンジダを悪性度の高い菌糸形に変化する最適な腸内環境を与えることになってしまうんです。

あなたがさっき食べたスイーツや果物でお腹の中のカンジダを餌付けして、どんどん増殖を促してしまっているんです。そうなると無性に甘いものが食べたくなって、ますますカビが増えていくという悪循環に陥ってしまいます。カンジダのエネルギー源である砂糖や果糖を断ち切ることで、カンジダが増殖し、菌糸形へ変化するのを防ぐことができます。

料理では、照り焼きソースやチリソース、すき焼き、味噌煮などの甘辛いタレにも意外とお砂糖が含まれているので要注意です。これらの甘いたれは避けて、塩コショウでシンプルに味付けにしたものや柚子胡椒、ハーブ、スパイスなどを使ったお料理がおすすめです。料理に使う砂糖の代用品には羅漢果や本みりん、ステビアなどがオススメですが、使いすぎには注意してくださいね。

一つ注意して頂きたいのは、すべての糖質をやめる必要はない、ということです。ごはんなどの炭水化物の摂取を極端に控えてしまうと低血糖を助長し、副腎疲労を悪化させてしまう恐れがあるためです。お米やイモ類、お蕎麦などの複合糖質はカンジダのエサにもなりにくいので、適量をよく噛んで食べるようにしてください。

3-3. カビが生えやすい食品は避ける

食品にカビを生やしてしまったという経験をされた方も多いと思います。パンやお餅に生えてしまったカビを取り除いて食べている……なんて人もいるのではないでしょうか。

しかし、それは絶対にNG

目に見えるカビは氷山の一角なので、いくらきれいに取り除いたつもりでも、カビ毒や菌糸が足を延ばして食品の中にたくさん残っています。それらを食べることは、カビそのものを体内に取り入れていることになるので自殺行為です。絶対にやめるようにしましょう。

それなら加熱しちゃえばいいじゃん!そう思った方はいませんか?ところがどっこい、カビ毒は、通常の調理や加工の温度(100℃~210℃)や時間(60分以内)では、完全に分解することはできません。カビが生えたら潔く捨てましょう。

また、カンジダは真菌類ですので、同じ真菌類であるカビが生えやすい食品はできるだけ避けるようにしましょう。具体的に言うと、トウモロコシ、コーヒー、小麦、大麦、ナッツ類、豆類、乾燥果実、バナナなどの外国産の果物などです。カビを避ける一番簡単な方法は、とにかく新鮮な食品を選んで早めに食べるようにすることです。例えば、トウモロコシやバナナも購入してすぐに食べる分にはカビが生えるリスクは少ないです。また、ナッツ類などは常温保存ではなく、冷凍庫に保存するだけでカビの発生を抑制することができます。

気を付けて欲しいのが、納豆、味噌、麹、甘酒、酒粕、キムチなどの発酵食品です。これらはカンジダがお腹にいる人にとっては悪い方向に発酵を助長してしまうことがあるようです。ですので、発酵食品は慎重になる方が良いかと思いますが、個人差があるので医師に相談したり、様子を見ながら調整するようにしてください。

3-4. 腸内環境を酸性に保つ

私たちの腸内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の三種類の腸内細菌がいます。日和見菌とは、悪玉でも善玉でもない中立な菌のことです。からだが元気な時は無害ですが、疲労やストレスなどで免疫力が低下したときや悪玉菌が増殖したときに身体に悪影響を与えるようになります。

カンジダ菌はヒトの腸内にいる常在菌で日和見菌です。健康なときはカンジダによる症状はありませんが、腸内環境が悪化すると過剰に増殖し、全身症状を引き起こします。カンジダを暴走させないためには、腸内環境を整え、カンジダが過剰増殖しない腸内環境にすることが重要なんです。その鍵を握るのが、腸内で起こる「乳酸発酵」です。

カンジダは酸性環境に弱い
乳酸発酵は、腸内で乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が働くことで起こります。乳酸発酵が進むと、腸は自然とビタミン群やアミノ酸、短鎖脂肪酸などの栄養素を合成するようになります。短鎖脂肪酸が作られることで、腸内環境が酸性に傾き、酸性環境に弱いカンジダなどの悪玉菌が減り、結果として腸内環境が整うことになります。

それでは、善玉菌に乳酸発酵を起こさせ、腸内環境を整えるためにはどのような食材を選べば良いのでしょうか?

その答えは、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維とオリゴ糖を積極的に摂ることです。食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があり、善玉菌の増殖に特に効果的なのは水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維を多く含む食品
こんにゃく、舞茸、もずく、玉ねぎ、ごぼう、オクラ、かぼちゃ、モロヘイヤ、アボカド、ワカメ、めかぶ、とろろ昆布、アボカド、キウイ、プルーンなど

オリゴ糖を多く含む食品
大豆(豆類)、玉ねぎ、ネギ、ニンニク、ゴボウ、アスパラガス、トウモロコシ、ブロッコリー、カリフラワー、アボカド、バナナ、リンゴなど

これらの食品を毎日の食卓に取り入れて、善玉菌の働きを活発にし、腸内環境を整えることでカンジダ菌の増殖を抑制することができます。

3-5. 抗菌作用のある食品やハーブを活用する 

食品やハーブなどの中に、天然の抗菌作用を示すものがあるので、それらを活用すると良いでしょう。カンジタに有効性のある代表的なものは、グレープシードオイル、オレガノ、ローズマリー、ココナッツオイル、MCTオイル、リンゴ酢、ニンニクなどです。カンジタは抗菌剤だけでなく、ハーブなどにも耐性をつくることが知られています。3種類以上のハーブを併用するか、ローテーションで使用して耐性化を避けるように使用してください。

副腎ケアのところでオススメしたココナッツオイルは加熱ができるので、調理で使用することができます。さらに、カンジダに対する抗菌作用もあるし、低血糖の防止にもなりますのでキッチンにあると重宝しますよ。

3-6. シュウ酸は茹でて排出せよ

お腹でカンジダが増殖している場合、有機酸検査でシュウ酸が高く出ていることが多いです。「じゃあ、シュウ酸が多く含まれている食品は控えよう」と思うかと思いますが、シュウ酸は様々な食品に含まれているので、低シュウ酸ダイエットをしてしまうと食べるものが少なくなってしまいます。

シュウ酸はいわゆるアクの成分ですので、特にシュウ酸を多く含むホウレンソウ、バナナ、芽キャベツ、レタス、ブロッコリー、キャベツ、ココア、紅茶などの摂取には注意が必要です。シュウ酸は「水に溶ける」という特徴がありますので、シュウ酸を多く含む食材は、茹でることで茹で汁にシュウ酸が溶け出るため、食材の中に含まれるシュウ酸を減らすことができます。ほうれん草はシュウ酸が特に多い食品ですが、茹でるとシュウ酸の半分以上は流れ出てしまいます。ほうれん草はサラダではなく、お浸しがオススメです。

シュウ酸はカルシウムと結びつく
シュウ酸は腸内でカルシウムと結びつき、シュウ酸カルシウムとして便に排出されます。すると、腸で吸収されるシュウ酸が少なくなるのでシュウ酸値は下がります。ですので、シュウ酸の多い食品を食べるときは一緒にカルシウムを摂ると良いでしょう。例えば、ほうれん草のお浸しにかつお節をかけるのは非常に理にかなっていることなんです。なぜなら、かつお節にはカルシウムが多く含まれていますので、腸内でほうれん草のシュウ酸とかつお節のカルシウムが結合してシュウ酸カルシウムとなり、便として排出されるからです。

ミネラルの吸収と生体利用性

宮澤賢史 · 2020年1月24日 ·

今回は、ミネラルの吸収と生体利用性に関する話です。

水溶性ビタミンはとにかくたくさん摂ればいいです。ビタミンは受動拡散と言って、濃度を上げれば濃度差で、濃度の高いところから低いところに浸透して吸収されていきます。

しかし、ミネラルは生体利用性を上げてやる必要があります。

亜鉛・鉄・マグネシウムはもともと吸収があまりよくありません。

ミネラルを吸収するためには、腸内環境が大切

ミネラルは細胞の中にイオン化、もしくは有機酸によってキレート化されないと入れないので、吸収されるためには腸内環境を整えなければいければいけません。

炎症があると動きが止まってしまいます。

代表的なのは鉄です。炎症がある人は、鉄をたくさん入れても吸収利用できません。肝臓からヘプシジンという物質が出て、鉄の吸収を止めるからです。(それでもヘム鉄なら少し入っていってしまいます)

ミネラルの生体利用が難しい理由

  • 吸収が悪い
    ビタミンは受動拡散で吸収されていく
    ミネラルは腸内環境、有機酸によるキレート、イオン化環境が必要
  • 炎症で動きが止まる
    鉄は炎症では吸収、利用が止まる
    炎症があるとデトックスが止まる
  • 生体内にあっても利用できない場合
    異所性石灰化など

本来、炎症がある時には鉄を入れてはいけません。

炎症に火を注ぐことになるからです。炎症を止めてあげて、ミネラルの代謝を正常化すると、鉄サプリメントがなくても鉄の数値は上がってきます。

上咽頭炎をきちんと治療するとフェリチン値が上がっていく人は多くいました。

重金属が出るのも同じです。

炎症があるとデトックスが止まってしまいます。抱合するためのグルタチオンが消費されてしまうからです。

ですから、必要なミネラルを体内に取り入れるのにも、悪いものをデトックスするのにも、環境を整えてあげることが必要です。

カンジダに鉄サプリは禁忌

腸内環境治療で1番やっかいなのはカンジダです。

理由は「カンジダは人に近い」ということがあげられます。カンジダは細菌というより、人に近いのです。

人とカンジダは鉄を取り合います。カンジダがある人は鉄サプリメントは禁忌です。

カンジダは糖質も鉄も大好きですから、鉄があるとどんどん成長して増殖します。鉄サプリを摂ってお腹の膨満感が強くなる方がいらっしゃいますが、そのような場合は鉄を使えないように、抗菌用の乳性タンパク質であるラクトフェリンを使用しています。

ビタミンとミネラルの性質の違い

水溶性ビタミンは、使用量によって効果が変わります。

極端なことを言えば、水溶性ビタミンは効かなければ量を増やせばいいのです。

わりと吸収がいいのでたくさんあれば体にある程度吸収させることができます。

また、水溶性ビタミンは有機物ですから、体内で作られるものもあります。(腸管でビタミン B、K、日光を浴びる事でビタミンDが生成される)

それに対してミネラルは生体利用率とバランスが命です。

マグネシウムは単純に増やしても下痢をするだけです。また無機物ですので体内で作られることはありません。

ビタミンとミネラルは全く異なる物質だと言うことです。

ビタミン:易吸収性であり有機物
ミネラル:難吸収性の無機物

ミネラルは体内では作れません。

ビタミンは腸内細菌でまかなえたりしますが、ミネラルはそれができません。ミネラルを作れたら錬金術になってしまいます。

水溶性ビタミンはドーズレスポンスですから、効かなければ、基本的には量を増やせばいいです。何度も言いますが、ミネラルは生体利用性とバランスが命です。

マグネシウムは、吸収が良くないことを利用して、下剤として使われます。

他のミネラルとのバランスを考えなければいけません。

相互作用があるため、1つのミネラルを多く入れると、対抗するミネラルが枯渇することがあるためです。ですので、ビタミンよりもミネラルの方が難しいのです。

ミネラルがうまくいかなくてミトコンドリアが回っていない人も多いです。

ミネラルのバランスは周期表を見る

ミネラルのバランスは、周期表にエッセンスが閉じ込められています。

周期表は、原子の電子配列を集めたものです。

原子があって、その周りを電子がグルグル回っています。電子がまわっている軌道には定員があります。一番内側は2個、その外側は8個、8個、18個、18個となっています。原子の外側の電子軌道をあらわしたものが周期表です。

なぜこんな並べ方をするかというと、最外殻の電子の数が、ミネラルの性質を決めているからです。

例えば1番左側のアルカリ金属を例に取りましょう。

リチウム・ナトリウム・カリウムは、それぞれ内側の電子の数は異なりますが、最外殻の電子の数は1個です。リチウムとナトリウムとカリウムは同じ性質を持っています。同じように動くし、体内で反発しあいます。

それをうまく表して、きちんと見られるようにしているのが毛髪ミネラル検査です。

この方の場合は、ほとんどのミネラルは左側、不足を表しています。

ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウムは右側を向いています。同じような性質を持つので、体内で同じように動くんですね。ビタミンB12が足りない人、働かせたい人はリチウムを摂取するといいですが、入れすぎると逆にビタミンB12が枯渇してしまいます。

またこの方の場合は、コバルトが最下段になっています。

体内でコバルト、というとビタミンB12(コバラミン)のことを表しています。この方の場合はリチウムが余っていて、ビタミンB12が足りていないので、ビタミンB12をほどよく足してあげたらいいです。

但し、リチウムを摂りすぎると、カリウムが下がってきます。

拮抗ビタミンなので、リチウムとカリウムは一緒に入れてあげなければなりません。(ナトリウムはたくさんあるので例外)

リチウムとカリウムを入れすぎると、今度はルビジウムが下がってきます。ルビジウムが足りなくなると、攻撃性が高まります。ですから、ミネラルの場合はバランスがとても大切なのです。

ミネラルの生体利用率に関わる腸の問題

これは宮澤医院の患者さんの初診時のアンケートです。

宮澤医院では慢性疲労外来を行っていますから、当然ながら一番多い主訴は倦怠感、慢性疲労です。しかし、意外なことに慢性疲労の次に多い主訴は、腹部膨満感です。慢性疲労の人はお腹が悪いという傾向があることがわかります。

腹部が膨満する原因は様々です。

悪性細菌が増えすぎるとそれらがガスを産生するので膨満が起こります。また、消化酵素が足りなくてタンパク質が未消化になってもやはり膨満が起こってきます。そこで、実際に150名の慢性疲労の患者さんに腸内環境検査を行ったので、その検査を解析しました。すると、77%の人に乳酸菌が少なく、腹部膨満感、炎症、免疫異常がありました。腸の炎症を自覚できる人は少ないです。

副腎疲労外来の患者150名の
総合便検査結果の統計

  • 乳酸菌が少ない(77%) 
  • 腹部膨満感が強い(59%) 
  • 悪性細菌が多い(25%) 
  • 炎症を起こしている(64%)
  • 免疫異常がある(65%) 
  • カンジタ感染(65%) 
  • 短鎖脂肪酸不足(30%)

腸の自覚症状は当てにならない

腹痛、もしくは腹部膨満感が半年以上前からあるというのは、過敏性腸炎の診断基準です。一般的には下痢・便秘など様々な症状があっても、腸を調べると何ともない、というのが過敏性腸炎です。

しかし、実際に腸内細菌を調べてみると、大いに狂っています。症状がある人は自覚できるのでいいのですが、症状がない人もたくさんいます。統計上、実際に炎症があって、かつ自覚症状がある人は、40歳以上だと3人に1人という計算になります。

バナナのような便が毎日出ていてもそういうことがあります。バナナのような黄褐色で無臭の便が毎日1~2回出ることが最低限のラインです。

そうなっていない人は、まずそこからやっていったらいいと思います。腸内環境を治すことは、ミネラルの吸収のためにとても重要です。

過敏性腸炎の診断基準
腹痛もしくは腹部不快感が半年前からあり、かつ最近3か月の中で月に3日以上あり、さらに下記の項目のうち2つ以上を満たす。
・排便により軽快する。
・症状の有無と排便頻度が関連している(例:腹痛があるとき排便回数が増える)
・症状の有無と便の状態が関連している。(例:腹部不快感があるとき下痢状便になる)

リゾチーム高値のうち、過敏性腸炎症状がある人の割合

ミネラル吸収のポイントは土壌

今は、畑を耕すのに農薬をたくさん使います。すると、微生物がいなくなって、野菜が栄養的にすかすかになってしまいます。窒素を入れると大きくはなるんですが、すかすかになります。今、畑の野菜に足りない栄養素はマグネシウムなんだそうです。野菜のミネラルは減ってきています。ミネラルを吸収させるための微生物がいなくなっているからです。微生物が作り出す有機酸が、野菜にミネラルを吸収させます。

これは腸内にもあてはまり、腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り出すと、その短鎖脂肪酸がミネラルを吸収させてくれるんです。だから、健全な発酵が必要です。そのためには食物繊維と乳酸菌です。だから僕の場合は、ミネラルの吸収が悪い人に対しては便検査で短鎖脂肪酸をチェックしています。

サプリの量と反応の関係

宮澤賢史 · 2020年1月21日 ·

栄養療法やサプリメントを推奨する会でよく聞く話なんですけれど、

・ 現代は食生活が変化して必要な栄養素を摂れなくなっている。
・ 付き合いで飲みすぎることも多いし、不摂生している。
・ 現代では農薬の使いすぎで、畑がやせて野菜に含まれるビタミンの量が減っている

ですからサプリメントで必要な栄養素を補いましょうというものです。このような、不摂生を補ってくれる商品としてのサプリメントも否定はしません。しかし、それなら食事をきちんと摂ったほうがよいでしょう。サプリメントを摂る本当の意味は効率化です。栄養素が濃縮して入っており食事では取りきれない医学的な量の栄養を摂ることができます。

例えば、豚肉にはビタミンBが多く含まれていると言われていて、ブタヒレ肉100gには1.34mgのビタミンB1が含まれています。確かに、これは1日の厚労省の推奨量1mgよりは多いです。しかし、栄養療法で神経の再生のために使うビタミンB1は1日150mgです。

これは、ブタ肉11.2kgに相当します。これを1日で食べるのはいかに大食いの人でも無理ですよね。同様に、風邪の予防に必要な3000mgのビタミンCはレモン150個分です。

栄養素は単に欠乏症を補うだけでなく、量を多くとることで様々な医学効果が期待できます。しかし、その量を確保するためには栄養素を濃縮して摂ることが不可欠なのです。

副作用をモニターしながら進める

ところで、「第6次改定日本人の栄養所要量について」をご覧頂くと分かりますが、多くの栄養素に関して、厚労省は上限を設けています。サプリメントの副作用を懸念しての事です。

サプリメントは高容量を摂ると、副作用が生じる可能性があります。(もちろん、薬よりも圧倒的に少ないですが)ビタミンCを高用量とれば、胃への刺激が出る場合もあるし、下痢をする事もあります。

だから、初めに検査をして栄養素の過不足を判断する事が必要になってきます。もちろん、治療開始後も時々検査をして、栄養が十分かどうか評価を行います。栄養療法では、モニターをしながら、医学的効果が得られる量のサプリメントを使用します。

歩行とふらつき、意識障害をもつ45歳男性

5日前から独り言が多くなり、会話が成り立たなくなった。また歩行がふらつくため、自宅内を這って移動していた。本日からほぼ寝たきり。既往歴なし。喫煙歴20本x25年。飲酒ビール2.5リットル毎日。食事は不規則。バイタルサインほぼ安定。 診断と治療はなんでしょうか?

5日前からおかしくなって、すぐに寝たきり。普通は脳卒中などを考えますよね。でも、特記すべきは1日ビール2.5リットル、食事は不規則でおつまみ程度というところです。検査結果は、肝機能はお酒のせいで悪いですが、特に生命に関わるようなところはありません。

今も存在するビタミン欠乏症

この方の脳のMRIを撮ったら、まんなかのところに少し炎症が見られました。これは、ウェルニッケ脳症という極端なビタミンB1不足を原因とする中枢性障害です。眼球運動麻痺、歩行失調、意識消失をきたします。

脚気、ウェルニッケ脳症、壊血病は昔の病気ではありません。現在でもあるんです。現代の脚気は、こういったアルコール中毒か、子供の清涼飲料水の飲みすぎなどが主な原因です。 脚気心といって、動悸が激しくなって運ばれ、救急外来で肺高血圧症と診断されるも、最終的に脚気による心不全だということがわかる、ということはよくあります。清涼飲料水は異常に糖質が多いので、それによってビタミンB1が消耗してしまうんです。拮抗栄養素の過剰な摂取によって、対立する栄養素が失われてしまうというのがポイントです。

脚気はビタミンB1の欠乏症です。厚労省の勧めるビタミンB1の推奨量は1日1.1mgですが、いったんこうなったら、数百mgのビタミンBが必要です。これは食事はもちろん、サプリでも不十分なので、点滴でビタミンB1を大量に入れます。

量と反応の関係(ドーズ・レスポンス)

ビタミンBが枯渇する脚気や、他にもビタミンC欠乏の壊血病などは、大量に栄養を補給する必要があるのは理解できたけど、じゃあ重症の欠乏症じゃなければ、ビタミン大量補給の必要もないでしょ。と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ここからは、欠乏症以外にビタミンを大量に使う意味を説明します。例えば、ビタミンCを25g点滴すると、血中濃度が経口で摂取する場合の70倍になります。レモン1250個分です。

これは僕がビタミンC点滴を習ったリオルダン・クリニックの、リオルダン先生が2000年に発表したビタミンCの血中濃度が400mg/dを超えるとがん細胞が死ぬ、という論文です。2005年にWHOが追加実験を行うと、本当にがん細胞がなくなったので、そこから一気に広まりました。

これはビタミンCを経口摂取した場合と点滴した場合の、血中濃度のグラフです。400mg/dというのは結構な濃度で、経口摂取では絶対にたどりつけない濃度なんです。点滴でしかこの濃度に達することはできません。抗がん作用を期待するなら、点滴しなければなりません。例えば、これがビタミンの欠乏症でない人に大量にビタミンを使う例です。

ビタミンCの至適量は状況や目的によって変わる

ビタミンCの最適な量は、状況や目的によって変わります。怪我を治りやすくする、コラーゲンを作る(100mgで大丈夫)、壊血病を予防する、風邪の予防ではグラム単位で必要です。副腎疲労は風邪と同じように、数十g摂るといいです。ビタミンCを点滴すると、てきめんにいいです。

ビタミンCサプリメントは頻回摂取が有効

サプリメントを摂るなら、1gずつ1時間ごとの頻回摂取が有効です。ビタミンCは一度に大量に摂ると、吸収が落ちます。60mgだと100%、100mgだと90%、1000㎎だと75%、2000㎎だと44%と、どんどん減っていきます。ですから、1000mgが最もコスパが良いですね。

30分で血中濃度は上がりますが、4時間で下がります。4時間おきだと血中濃度が上がったり下がったり、血中濃度が安定しません。ですから、1時間おきに、血中濃度が下がっていないうちに次々入れていくと、どんどん上がっていきます。ビタミンCの効果は血中濃度に比例しますから、ビタミンCを1時間おきに摂るだけで、効果が3倍近くなります。

ビタミンCを自分で作れる動物

ビタミンCを自分で作れるものもいます。左側が作れないグループ、右側が自分で作れるグループです。犬と猫も作れますが200mg程度だそうです。自分で作れるとはいえ、少ないですね。動物病院ではビタミンC点滴はよくやることです。ストレスが多くて全然足りないからです。

野生のヤギは14mg/日ですが、病気になると100mg/日です。需要に応じて産生量が増すのです。自分で作れない動物は、状況に応じて摂取量を増やした方がいいのではないか、という話です。

ビタミンDの血中濃度と効果

同様に、ビタミンDにもドーズレスポンスがあります。ビタミンDの血中濃度が20ng/mlと低くても、くる病は予防できます。様々ながん、糖尿病、多発性骨髄腫などはだいたい40~60ng/mlで予防できます。ほとんどの疾患ではこの濃度にしておくと、いいことがおきるということです。

日本人の平均ビタミンD血中濃度は20程度と言われています。日焼けしていて、すごくビタミンDがありそうに見えても血中濃度が低い人もいます。逆の人もいます。ビタミンDの体内合成力によります。低い人は、サプリメントを摂ると、確実に上がっていきます。血中濃度を上げるためには、できれば1日2000IU以上摂ると良いでしょう。

しかし、ビタミンDはビタミンAと同じく脂溶性ビタミンなので、1日5000IU以上摂取する場合は血中濃度を測定しながらやることが重要です。ビタミンDサプリメントを毎日摂っていて腎不全を起こしたという症例報告があります。

  • « Go to Previous Page
  • ページ 1
  • ページ 2
  • ページ 3
  • ページ 4
  • Interim pages omitted …
  • ページ 6
  • Go to Next Page »

臨床分子栄養医学研究会

Copyright © 2026 臨床分子栄養医学研究会

  • プライバシーポリシー
  • 会員規約および会員規定
  • 利用規約
  • 特定商取引法に基づく表記