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一般

セロクエル離脱と栄養でつくる「薬に頼りきらない脳」

冨田のぞみ · 2026年1月22日 ·

こんにちは、宮澤です。

この前、夜中に配信で昔の映画を流し見していたら、登場人物が「眠れないから」と軽く睡眠薬を増やしていくシーンがあって、妙にリアルだな…と感じました。
現場でも「ちょっと寝たいだけなんです」「不安が消えればいいんです」と言いながら、いつの間にか抗精神病薬(その一つがクエチアピン=セロクエル)を長期で飲み続けている方は少なくありません。

Diane Ridaeusによれば、セロクエルは本来、統合失調症や双極性障害の躁・うつ発作、うつ病の補助療法のための抗精神病薬ですが、実際には不眠や不安、PTSDなど「オフラベル」で広く使われています。そして、数カ月〜年単位で飲み続けると、脳が薬に“慣れる”ことで身体的依存が起こり、急にやめると反跳性の不眠・躁状態・離脱性の精神症状(元々なかった精神症状が出ることさえある)、自律神経症状(動悸、発汗、めまい、吐き気など)が一気に噴き出す「セロクエル離脱症候群」が起きやすくなる、というのがこの記事のポイントです。
離脱はだいたい
→ 最初の数日〜4週間の「新しい離脱」
→ もともとの症状より強く出ることもある「リバウンド」
→ 数週間〜数カ月続く「PAWS(遷延性離脱症候群)」
という3フェーズで語られていて、だからこそ「いきなり中止(コールドターキー)はほぼNG。超ゆっくりの減薬+栄養・運動・デトックスなどの自然療法を組み合わせて、脳と体の回復を支えよう」というメッセージでした。長期的には、抗精神病薬を続けた人より、早めに減薬・中止した人のほうが回復率が高かったという20年追跡研究も紹介されていて、「薬だけに頼らない選択肢を準備しておこう」という流れになっています。

僕自身、昔は睡眠不足が続くと、とりあえずカフェインでごまかして、結果的にもっと眠れなくなる…というしょうもない悪循環をよくやっていました。
人間って、「いま苦しい」を消してくれるものがあると、それが長期的に自分を縛る鎖になっていても、なかなか気づけないんですよね。

—

## 映画や日常から見える「ちょっとだけ薬に頼りたい」心理

例えば、こんな人って多いです。

– 仕事のストレスで眠れなくなったAさん
→ 心療内科で「少し楽になりますよ」とセロクエルを25mg処方
→ よく眠れるので「助かった」と思う
→ 3カ月後、「飲まないと眠れない気がする」
→ やめようとすると眠れない・イライラ・動悸で、「やっぱり自分は薬がないとダメ」と思い込む

– 子育てと仕事のダブルワークでパンク寸前のBさん
→ 不安とイライラが強くて、夜になるとスマホで「不安 薬」「セロクエル 安全」と検索
→ 「依存性はない薬」と見て、少し安心して飲み始める
→ でも体はちゃんと“存在”を記憶するので、やめるときにツケがくる

多くの人の頭の中は、だいたいこんな感じになっています。

> 「今すぐ眠れないと明日の仕事が終わる」
> 「とりあえず今日を乗り切りたい」
> 「ネットには“安全”って書いてあるし、先生も『大丈夫』って言ってたし…」
> 「減らすのが怖い。悪化したらどうしよう」

ここでポイントなのは、

– 「薬が悪い」「飲むな」という話ではなくて
– 「短期の“楽”を買うために、長期の“回復力”を売ってしまっていないか?」
– 「薬をやめるシナリオ(出口)を最初から設計しているか?」

という視点なんです。

—

## 僕のフランクな自己開示から言うと…

僕、もともとメンタルがめちゃくちゃ強いタイプではなくて、寝不足と栄養の乱れでメンタルが一気に崩れる体質です。
だからこそ、自分自身も「薬を足す前に、どこまで土台を整えられるか」をかなりシビアに見ています。

– 睡眠
– 血糖値(甘いもの・精製炭水化物の量)
– 炎症(腸、食品添加物、アルコール、タバコ)
– 運動量と日光
– 重金属や化学物質への暴露(職場、住環境)

ここがガタガタのまま、「とりあえずセロクエルで寝ておきましょう」とやると、たしかに一時的には楽なんだけど、
→ 「自分の脳の回復力」を鍛えるチャンスを逃してしまう
→ そして、減薬するころには「薬なしの自分」がすごく不安に感じられてしまう

ってことになりやすい。

特に、離脱のタイミングでよく出るのが、

– 眠れない
– 食欲がなくなる
– 不安・焦燥感が強くなる
– 「これ、もとの病気が戻ってきただけじゃない?」という恐怖

なんですけど、ここで多くの方は

> 「あ、やっぱり自分は一生薬が必要なタイプなんだ」

と結論づけてしまう。

でも実際には、

– 脳が「薬あり前提の設定」から「薬なしモード」への再調整をしている途中だったり
– ドーパミンやセロトニンの受容体が“揺り戻し”を起こしていて
– 栄養や睡眠・運動でサポートすれば、もう一段階落ち着いたところまでいける

ってケースがかなりあるんです。

—

## 栄養療法の視点でセロクエル離脱を見ると…

ここが本題です。

セロクエル離脱の背景には、ざっくりいうと、

– ドーパミン・セロトニンなどの神経伝達物質のバランス変化
– それに対する受容体側の「慣れ(=過敏化)」
– 自律神経の揺れ(交感神経優位へ)

があって、それを支えているのが

– 栄養状態(タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、マグネシウム、オメガ3など)
– 炎症レベル(腸内環境や血糖値)
– ミトコンドリアのエネルギー産生

なんです。

離脱症状がきつい人ほど、

– 朝はパンとコーヒーだけ
– 昼はコンビニ弁当+甘いドリンク
– 夜は炭水化物+アルコール
– 野菜と魚の摂取はかなり少ない

みたいなパターンが多い。
これだと、そもそも神経伝達物質を作る「材料」が足りないんです。

僕から見ると、セロクエル離脱の栄養療法は大きく分けてこの3本柱になります。

1. **「脳の材料」をしっかり入れる**
– 毎食、手のひら1枚分くらいのタンパク質(肉・魚・卵・大豆)
– ビタミンB群、マグネシウム、亜鉛を意識(サプリも選択肢)
– オメガ3(青魚、亜麻仁油、サプリ)で神経の膜を安定させる

2. **血糖値ジェットコースターをやめる**
– 白パン・白米・砂糖たっぷりのお菓子を「普段使い」から外す
– 主食は玄米・雑穀・全粒粉パンなど、“ゆっくり効く炭水化物”へ
– おやつはナッツ+高カカオチョコなど、血糖が乱高下しにくいものに

3. **炎症と毒素を減らして、神経のノイズを下げる**
– アルコール、加工食品、添加物の多いスナックをしばらく本気で絞る
– 腸内環境を整える(発酵食品、食物繊維、必要に応じてプロバイオティクス)
– 場合によっては、重金属や環境毒を検査して、段階的にデトックスする

これをやると何が起こるかというと、

– 離脱の「波」はゼロにはならなくても
– 波の高さと幅がだんだん小さくなって
– 「揺れても戻ってこれる自分」ができてくる

ってことなんです。

—

## 臨床経験から言うと…

臨床経験から言うと、セロクエルをはじめとした抗精神病薬の減薬・離脱でいちばん大事なのは、

– 「減薬スピード」より「準備」と「土台作り」
– 「薬をどれだけ抜いたか」より「日常生活の質がどれだけ上がったか」

なんです。

よくある失敗パターンは、

– 医師「そろそろ減らしてみましょうか」
– 本人「はい」
– → いきなり半分、あるいは中止
– → 1〜2週間は意外と平気
– → そのあと一気に不眠・不安・動悸・思考の暴走
– → 「やっぱりダメだ」と元の量に戻す(もしくは増量)

これを何回も繰り返すと、

> 「減薬=怖い」
> 「自分の脳は壊れている」

というイメージがどんどん強化されてしまう。

なので僕は、

– 減薬を始める前に、最低でも1〜3カ月は「栄養・睡眠・運動」の土台作りをやる
– 減らす量は“本人がほぼ気づかないくらいの差”から始める
– 波がきたら「失敗」ではなく、「体の反応を観察する期間」として扱う
– メンタル症状だけでなく、食欲・排便・体温感覚・エネルギー量も一緒に観察する

という進め方をおすすめしています。

栄養療法は「魔法のサプリを飲めば離脱が一切なくなる」という話ではありません。
でも、

– ただ我慢する
– とりあえず他の薬を足してしのぐ

だけよりも、

> 「自分の体と脳がちゃんと回復する方向に向かっている」

という実感を持ちやすいのが大きな違いです。

僕の感覚としては、

– 減薬そのもの →「ブレーキをゆるめる作業」
– 栄養療法 →「エンジンのパワーを上げる作業」

で、この両方がそろってはじめて、

> 「ゆっくりだけど、そのうち薬なしでも走れる車になるよね」

っていう現実的なイメージが持てるんだと思っています。

—

## だから「栄養でメンタルを支える」という発想を学ぶべき

ここまでをざっくりまとめると、

– セロクエルは短期的には眠りや不安の軽減に役立つことがある
– でも、数カ月〜年単位で続けたあとに急にやめると
→ 強い離脱症状
→ 反跳性の精神症状
→ 長引く不調(PAWS)
につながりやすいってこと
– 離脱のつらさには「脳と身体の栄養状態」や「炎症」がかなり関わっていて
– 減薬前から、タンパク質・ビタミン・ミネラル・オメガ3・腸内環境・デトックスなどを整えておくと
→ 波はあっても「戻ってこられる自分」になりやすいってこと
– そして、薬の量だけじゃなくて
→ 睡眠
→ 食欲
→ エネルギー
→ 人間関係
といった“生活そのもの”が回復しているかを一緒に見ていく必要があるってこと

です。

だから、もしあなたが

– セロクエルを飲んでいて、いつかは減らしたいと思っている
– すでに減薬にチャレンジして、離脱で挫折したことがある
– 自分や家族が、薬ありきのメンタルケアに不安を感じている

なら、

> 「栄養でメンタルを支えるって、具体的にどうやるのか?」

をちゃんと学んでおく価値はかなり大きいと、僕は思っています。
減薬を急ぐ前に、「自分の体を味方につける」という発想を持てるかどうかで、その後の数年〜数十年が変わってくるからです。

また書きますね!

—

参考にした記事:
[Seroquel Withdrawal: Symptoms, Timeline, and Support](https://www.alternativetomeds.com/blog/seroquel-withdrawal/)

AI時代の卵巣若返りと栄養でつくる新・女性寿命

冨田のぞみ · 2026年1月21日 ·

こんにちは、宮澤です。

この前読んだ、Dr. Kara Fitzgerald と Vittorio Sebastiano 博士の対談がめちゃくちゃおもしろくて、今日はそこから「栄養療法 × 卵巣の若返り × AI」という、ちょっと未来っぽい話をしたいと思います。ざっくり言うと、
– 加齢で変化した細胞の「エピジェネティクス(遺伝子のスイッチ)」をリセットして若返らせる「ERA」という技術が出てきていて、
– そのターゲットの1つが「卵巣の若返り(ovarian rejuvenation)」で、閉経のタイミングや女性の寿命全体に大きく関わるかもしれない、
– さらに、その研究開発をとんでもないスピードで加速させているのがAIで、膨大な論文・データから有望な分子や経路を一気に絞り込んで、薬や自然素材の候補を爆速で見つけている、
…という話です。これが単なる「若返りバイオテク」の話じゃなくて、女性の健康寿命や栄養療法に直結してくるのがポイントなんです。

—

僕、映画を見るのが好きなんですけど、SF系って大体「冷凍睡眠から目覚める」とか「若返りカプセル」とか出てきますよね。
あれを見ていつも思ってたんです。

「いやいや、まずは夜ふかしとジャンクフードどうにかしたほうが早いでしょ」って。

でも最近の老化研究を追っていると、SFの世界が一気にこっち側に近づいてきている感覚があります。
しかもそれを押し上げているのが
→ AI(人工知能)と
→ エピジェネティクス(遺伝子スイッチのオン・オフ)
という、まさに「見えない世界」の話なんです。

そんな中で僕が一番ワクッとしたのが、卵巣の若返りの話。

映画だと「いつまでも若くてキレイな主人公」ってさらっと出てきますけど、現実世界では
– 閉経年齢
– ホルモン環境
– 骨粗しょう症
– 心血管疾患
– 認知機能
とかと全部つながっている。

つまり、卵巣の状態って「女性の全身の老化スピードのメーター」みたいな位置づけなんです。

—

私から見ると、今回の「卵巣若返り × AI」の流れって、栄養療法やライフスタイル医学をやっている人たちにとってはむしろ追い風だと感じています。

AIはたしかに
– 分子標的
– 新薬候補
– 自然素材の成分候補
を見つけるのがめちゃくちゃ得意です。

でも、臨床経験から言うと、実際の現場で起きているのはもっと泥くさい世界です。

たとえば、40代女性の頭の中ってこんな感じになりがちで:

– 生理が乱れてきた(イライラ・のぼせ・動悸)
– でも仕事も家のことも止められない
– 「婦人科行くほどじゃない気もするし、薬もあまり飲みたくない」
– とりあえずサプリと市販の漢方試す
– 夜はスマホ見ながら寝落ち
→ 気づいたら検診で「骨密度低めですね」「コレステロール高めですね」って言われ始める

こういう人にいきなり
「卵巣若返りの再生医療が○年後に実用化されます」
って話をしても、ほとんどの人にとっては
→ 「それより、今の不調どうにかしたいんだけど」
なんですよね。

だから僕は、こう整理して考えています。

– 再生医療(ERAなど)
 → 「設計図レベル」で細胞を若返らせる“外科的アプローチ”

– 栄養療法・生活習慣
 → 既にある設計図を「読ませ方&使わせ方」を整える“環境アプローチ”

どちらか一方ではなくて、本来はセット。

で、AIがやってくれるのは
「設計図と環境の両方について、どこをいじると一番効くかの仮説を出してくれること」なんです。

でも、その仮説を
– その人の生活背景
– メンタル
– 家族関係
– 仕事のストレス
の中に落とし込んで、続けられる形に翻訳するのは、人間(臨床家)の仕事だと僕は思っています。

—

じゃあ、僕らが“今”できる栄養療法って何?というと、すごくシンプルなところが多いです。

卵巣やホルモンの「若さ」に直結するポイントは、ざっくりこう。

– 血糖の乱高下を減らす
 → インスリンと炎症が落ち着く
 → 卵巣への負担が減る

– 炎症を下げる
 → オメガ3脂肪酸・ポリフェノール・野菜のフィトケミカル
 → 卵巣・卵子の“サビ”を減らす

– ミトコンドリア(エネルギー工場)を守る
 → タンパク質・鉄・B群・マグネシウム
 → 細胞のエネルギー不足を防ぐ

– ストレスホルモン(コルチゾール)の暴走を止める
 → 睡眠・休息・呼吸・日中の光
 → 副腎と卵巣のホルモンバランスを守る

つまり、
「AIで卵巣が若返る薬が出るから、それまで何もしなくていい」
ではなくて、

「AIや再生医療が最大限に効く“土台のカラダ”を、今から作っておく」

ってことなんです。

未来の治療は“仕上げ”であって、“土台作り”はどうしても自分の生活の中でしかできない。
ここを人任せにしたまま最先端医療だけ受けても、リバウンドしやすいのはダイエットと同じです。

—

だから、これからの栄養療法で大事になるのは

– 「何を食べるか」だけじゃなく
– 「自分のからだの設計図(エピジェネティクス)に、日々どんな指令を送り続けているか」

を意識することだと僕は思っています。

映画みたいな卵巣若返り技術が本当に来るかもしれない。
AIが治療法やサプリ設計を一緒に考えてくれる時代も、ほぼ現実になっている。

でも、
– 夜ふかし
– 過食とストレス食い
– 座りっぱなし
– 「自分の不調を無視する」クセ

このあたりを放置したまま、未来の医療だけに期待するのは、
→ 最新のスマホにしたのに、ずっと電波のない地下にいるようなものなんです。

だから僕は、
「AI時代にこそ、栄養と生活習慣を自分で学ぶべき」
だと思っています。

自分のからだの“設計図”に、毎日どんなメッセージを送るか。
それを選べるのは、結局、自分だけだからです。

また書きますね!

参考にした記事:
[Ovarian Rejuvenation & AI: How Aging Science Is Accelerating](https://www.drkarafitzgerald.com/2026/01/20/ai-ovarian-rejuvenation-longevity/)

老化は脂肪じゃない、失われた筋肉だ

冨田のぞみ · 2026年1月20日 ·

こんにちは、宮澤です。

先日、夜中にAmazonプライムで昔のアクション映画をぼーっと見てたんですが、若い頃にカッコよく走り回ってた俳優が、最新作ではちょっと動きが重くなってるのを見て、「あ、これって単に太ったんじゃなくて“筋肉が減った”だけなんだよな」と妙に腑に落ちたんです。
街を歩いてても同じで、体重はそこまで重そうじゃないのに、階段でゼーハー言ってたり、荷物を持つとすぐ腰をさする人って多いですよね。あれ、体脂肪よりも「筋肉の質と量」が落ちてるサインなんです。

—

### Kara Fitzgerald, NDによれば…

今回読んだ
**「Why Aging Is Not a Fat Problem — A Muscle-Centric Approach to Longevity」**
(Kara Fitzgerald, ND が Gabrielle Lyon, MD をインタビューしている記事)では、

要するにこういう話をしています👇

– 老化や肥満は「脂肪の量」の問題というより
→ **“筋肉の状態”の問題だよね** というパラダイムシフト
– 特に注目すべきは
→ 皮下脂肪ではなく「筋肉の中に入り込んだ脂肪(筋内脂肪:intramuscular adipose tissue)」
– この筋肉の質の低下が
– インスリン抵抗性
– 脂肪肝(NAFLD)
– メタボリックシンドローム
– 加齢に伴う“なんとなくの衰え”
に直結している、という視点
– だから治療の中心を
→「痩せさせる」から「筋肉を強く・賢くする」にシフトすべき
– そのための具体策として
– レジスタンストレーニング(筋トレ)
– 1日トータルで体重1ポンドあたり1g前後を目安とした十分なタンパク質
– 特に1食30〜50gの“ドカッとした”タンパク質摂取
– 高齢者や更年期では“アナボリックレジスタンス(筋肉が刺激に反応しにくい)”を踏まえた設計
– 場合によってはGLP-1やアナボリック薬剤、筋肉への物理的刺激デバイスなど
を組み合わせていく、という“筋肉中心の医学(Muscle-Centric Medicine)”が語られています。

ざっくりいうと、
**「老化=脂肪問題」じゃなくて
「老化=筋肉問題(特に中に溜まった脂肪)」だよ**
ってことなんです。

—

### 僕から見ると:「栄養療法は“筋肉を育てる栄養設計”に変わるべき」

僕が外来で見ていて感じるのは、ほとんどの人が頭の中でこうなってるんです👇

> 「体重を落としたい」
> =「カロリー減らす」
> =「炭水化物と脂質を減らす(ついでにタンパク質も減る)」
> =「なんとなくサラダ中心・パンちょっと・肉は控えめ」

結果どうなるかというと…

– 体重はちょっと落ちる
– でも
– 筋肉も一緒にガッツリ落ちる
– 代謝が下がる
– 疲れやすくなる
– 体型が「小さいけどたるんだ感じ」になる
– リバウンドしやすくなる

つまり
**「脂肪を落としたつもりで、“一番守るべき筋肉”を削っている」**
パターンが本当に多い。

臨床経験から言うと、
栄養療法をやるときに
「腸内環境」「炎症」「ビタミン・ミネラル」
を整えるのはもちろん大事なんですが、

そこにもう1本、ハッキリとした軸として

> **“この人の筋肉をどう守るか・増やすか”**

を最初から設計に入れておくべきだと感じています。

具体的には、栄養療法のプランを作るとき、僕の頭の中はこんな感じで動いています👇

1. **この人の“筋肉レベル”はどのあたりか?**
– 見た目・姿勢・握力・歩き方
– InBodyなどの体組成
– 疲れやすさ、階段のしんどさ

2. **1日のタンパク質は足りてるか?**
– 目安:
– 高齢・運動少ない → 体重1kgあたり1.5g近くあっていい
– 中年・そこそこ運動 → 1.2〜1.5g
– でも重要なのは「トータル量」よりも
→ **1食あたり30〜50gの“筋肉が反応する塊”があるかどうか**

3. **筋トレ or 抵抗運動の習慣があるか?**
– 「歩いてます」だけで終わってないか
– 太もも・お尻・背中みたいな“大きい筋肉”に、ちゃんと負荷がかかってるか

4. **血糖・脂肪肝・メタボの指標**
– 実はこれらは
→「筋肉が糖や脂肪をさばききれてないサイン」
– だから
→ 糖質削るだけじゃなくて、“筋肉の受け皿”を広げる発想が必要

5. **更年期・高齢者・GLP-1使用中の人は“筋肉ロスリスク高”として扱う**
– 「痩せたけどフラフラ、階段が怖い」は完全にアウト
– 体重の数字より
→ **筋肉量と筋力が維持できているか** を最優先

僕の中では、栄養療法って

– 腸を整えて
– 炎症を抑えて
– ミトコンドリアを元気にして

…**それを全部「筋肉という器官に流し込むプログラム」**
というイメージなんです。

つまり

> ・血糖コントロール
> ・脂肪肝
> ・更年期太り
> ・メタボ
> ・なんとなく疲れやすい

こういう悩みのかなりの部分は、

→「脂肪をどう減らすか」ではなく
→「筋肉をどう育てるか」

を学んだ方が、実は近道になることが多いんです。

だからこそ、
サプリメントや腸内環境の前に、

– 1食あたり30〜40gのタンパク質を“ちゃんと噛んで食べる”
– 週2〜3回でもいいから“脚とお尻と背中に負荷をかける”

この二つを「栄養療法のコアメソッド」として
きちんと設計できるようになるべきだと、僕は思っています。

—

「脂肪をどう減らすか」より先に
**「筋肉をどう守り・どう増やすか」**。

ここを軸にした栄養療法を組めるようになると、
ダイエットも、血糖コントロールも、更年期ケアも、
ぜんぶストンと一本の線でつながって見えてきます。

だから、栄養を学ぶときは
**“筋肉の視点”をセットで学ぶべき**なんです。

また書きますね!

—

参考にした記事:
**Why Aging Is Not a Fat Problem — A Muscle-Centric Approach to Longevity**
(Dr. Kara Fitzgerald)

Why Aging Is Not a Fat Problem — A Muscle-Centric Approach to Longevity

バレずに老化ケアする“こってり系ごはん”の作り方

冨田のぞみ · 2026年1月16日 ·

こんにちは、宮澤です。

先日読んだ記事で、寒い日に食べたいビーフチリを、いわゆる“アンチエイジング仕様”にチューニングしたレシピが紹介されていました。

ひき肉と豆、トマトという定番に、カリフラワーライスをこっそり混ぜて、スルフォラファンなどの抗がん・抗炎症成分を追加。さらに玉ねぎやパプリカ、チポトレ(燻製唐辛子)からは、フィセチン、ルテオリン、アピゲニンといったエピジェネティクス(遺伝子の働き方)をサポートする「エピニュートリエント」をプラスして、ただ美味しいだけじゃなく「長く元気でいるための一杯」に仕上げている、という内容です。

—

僕、冬になるとついNetflixつけて、なんとなくカップラーメンに手が伸びるタイプなんですけど。
ある日ふと、「これ毎冬やってたら、5年後の自分どうなってるんだろう…」と怖くなったことがあって。

そのときに気づいたのが、

– 寒い
– 疲れた
– なんかモヤモヤする

みたいな時って、

「長期の健康」より「今この瞬間、あったかくてウマいもの」が、頭の中で100対1くらいで勝ってるってことなんですよね。

でもこの記事のチリは、その“欲望の勝ちパターン”をうまく逆手に取っていて、

– 見た目→ふつうのビーフチリ
– 味→しっかりコク・スパイシー
– 裏側→遺伝子の働きをいい方向に調整してくれる栄養がゴロゴロ

っていう、「バレない健康仕様」になっている。
この発想、日常で使える栄養療法のヒントとして、かなり優秀だなと感じました。

—

私から見ると、このレシピのポイントは「栄養療法=サプリ」ではなく、「いつもの料理の中身をちょっと入れ替えるだけで、遺伝子レベルのサポートができる」というメッセージなんです。

臨床経験から言うと、多くの人は「糖質オフ」「サプリで補う」までは頑張れても、長続きしない。

でも、このチリみたいに、 ①ひき肉料理にカリフラワーライスを混ぜる(かさ増し+ファイトケミカル) ②スパイスを“風味づけ”じゃなく“機能性食材”として多めに使う ③トッピングにアボカド・パクチー・青ねぎをのせて、脂溶性ビタミンやフィトケミカルを足す みたいな「普段のレシピの小さなチューニング」なら、ストレス少なく続けられる人が多いです。

結局、遺伝子の働きも腸内環境も、「毎日なにを食べているか」の総量で決まるので、極端な我慢より“おいしく続けられる工夫”こそが、栄養療法のリアルな成功パターンなんです。

—

■ 顧客の頭の中(たぶんこう思ってません?)

– 「健康にいいのは分かるけど、味が薄くて物足りないのはイヤ」
– 「難しい栄養学はいいから、とにかく簡単に作れてほしい」
– 「家族には“健康料理っぽい”ってバレたくない」

この3つ、ほぼ全員が抱えてる前提だと思うんですよね。

この記事のチリレシピは、ここをまるっとカバーしていて、

→ 味の満足度はそのまま
→ 材料をよく見ると「抗炎症」「抗酸化」「エピジェネティック」成分だらけ
→ 作り方は、一皿鍋で完結

っていう設計になっている。
つまり、

「いつもの“こってり系おかず”を、レシピをまるごと変えずに“中身だけグレードアップする”」
これが、これからの栄養療法の現実的な形なんです。

—

■ 実生活に落とし込むと…

たとえば、こんなアレンジも全部「栄養療法」ってことです。

– ハンバーグのタネに
→ 玉ねぎ+みじん切りカリフラワー+きのこを混ぜる
– カレーを作るときに
→ 仕上げにターメリック・クミン・パプリカを“追いスパイス”
– ミートソースに
→ レンズ豆やミックスビーンズを少し足す

見た目はほぼ一緒。
でも栄養の“中身”は

– 食物繊維↑
– ファイトケミカル↑
– 炎症を抑える成分↑
– 血糖値の急上昇↓

こうやって、じわじわと「体の設計図(遺伝子)の読み方」を、良い方向にチューニングしていくのがエピジェネティック栄養療法の発想なんです。

—

だから僕は、「食事療法を学ぶ」というときに、
いきなり難しい栄養学の本を開くよりも、

– いつものお気に入りレシピを1つ決める
– そこに「隠し栄養」を足す工夫を3つ考える
– 家族にバレずに“健康仕様”にできるかチャレンジする

こういうところから始めるべきだと思っています。
栄養療法って、実はこのレベルの「生活の設計」がいちばん効いてくるからです。

また書きますね!

参考にした記事:
Younger You Beef Chili with Smoky Chipotle

「ちょっとだけ生活改善」でメンタルを安定させる方法

宮澤賢史 · 2026年1月15日 ·

こんにちは、宮澤です。

このあいだ久しぶりに昔の友人と会ったんです。
昔は毎晩のように飲み歩いてたメンバー。
ところが今回は、彼がノンアルコールビールを飲みながら、夜10時には帰るって言う。
理由を聞いたら「睡眠と腸内環境を整えたら、メンタルが安定してさ。薬の量も減ったんだよね」とサラッと言うわけです。
昔の彼しか知らない僕からすると、ほぼ別人。
でも、よくよく話を聞くと、やってることはすごく地味でシンプルなんです。

・夜更かしをやめて、同じ時間に寝る
・朝、10分だけ散歩
・白いパンとお菓子を減らして、野菜と魚を増やす
・お酒は週1に
・寝る前スマホはやめて、湯船につかる

「え、それだけ?」って思うかもしれませんが、まさにこういう生活の組み立てをメンタル治療に本気で取り入れよう、という流れが世界的に出てきていて、その一つが「ライフスタイル精神医学」。
Meredith Dunnによれば、栄養・運動・睡眠・依存のコントロール・ストレスマネジメント・人とのつながり・生きがいといった要素を、薬物療法やカウンセリングと同じくらい“主役”として扱うべきだ、という考え方です。
B12や葉酸、ビタミンD、鉄、オメガ3、マグネシウム、亜鉛みたいな栄養欠乏が、気分の落ち込みや不安、集中力低下、睡眠の質に直結していること。運動がBDNFという脳の成長因子を増やして、うつや不安、ADHDの症状をやわらげること。睡眠を整えることが、毎晩脳をリセットする作業になっていること。アルコールやネット・ゲームなどの依存行動が、ストレスや孤立感を増やしてメンタル不調を長引かせること。こういったエビデンスをベースに、薬だけに頼るのではなく、「生活を整えること」そのものを治療として組み込んでいこうという流れなんですね。

で、ここからが本題。
僕が栄養療法やライフスタイル介入をやっていてつくづく感じるのは、みんな「薬 VS 生活改善」みたいな二択で考えがちだけど、現実はぜんぜん違うってことです。
多くの人の頭の中って、たぶんこんな感じなんですよね。

– できれば薬は飲みたくない
– でも、生活を変える自信もない
– だから、とりあえず今のままで様子見…

→ そのまま数ヶ月〜数年たって、「やっぱりつらいまま」というパターン。

でも、臨床経験から言うと、いちばん結果が出やすいのは
「薬 + 生活の“ちょっとだけ”改善」
の組み合わせなんです。

例えばうつっぽさや不安が強い人には、いきなり
「砂糖やめましょう」
「毎日30分運動してください」
なんてまず言いません。
それ、ほぼ挫折するコースなので。

代わりにやるのは、こんな感じの“超ミニマム設計”。

– 朝:水をコップ1杯だけ必ず飲む
– 昼:白いパンを2日に1回、玄米おにぎりかそばに変えてみる
– 夜:寝る90分前からスマホはベッドに持ち込まない
– サプリ:血液検査で鉄やビタミンDが低ければ、そこだけピンポイントで補う
– 運動:1日トータル10分のゆっくり散歩(分割OK)

これくらいの「ハードルの低さ」だと、メンタルがしんどい時期でもなんとか続けられる。
そして、2〜3週間くらいすると

「朝のダルさがちょっとマシかも」
「イライラの波が少しゆるやか」
「午後の頭のボーッと感が減った」

みたいな“わかりにくいけど、じわっと効いてる変化”が出てきます。
ここで初めて、「もうちょっとやってみようかな」という気持ちが生まれる。
この小さな成功体験を積み重ねていくと、薬の量を減らせたり、ときには中止できたりするケースも出てきます。

僕から見ると、栄養療法って「根性で食生活を変える話」じゃなくて、
・脳の燃料(糖質の質や量)
・脳の材料(脂質・アミノ酸・ビタミン・ミネラル)
・脳のメンテナンス時間(睡眠)
・脳にかかるノイズ(アルコール・スマホ・ストレス)
を、できる範囲で調整していく「環境設定」なんです。

つまり、
気合いでメンタルを立て直すんじゃなくて、
「立て直せる土台を、身体側からちゃんと用意してあげる」ってこと。

だから、もし今あなたが
「カウンセリング受けてるけど、もう一歩スッキリしない」
「薬は効いてる気がするけど、だるさやモヤモヤは残ってる」
「頑張ろうと思っても、そもそも頑張るエネルギーが湧かない」
という状態なら、メンタル面だけを責めるんじゃなくて

→ 栄養 → 睡眠 → 運動 → 依存的な習慣

このあたりを“治療のど真ん中”として見直してみる価値がある、ってことなんです。
そして、それを自己流の根性論ではなく、「エビデンス+小さな習慣設計」として学ぶのが、これからの時代のメンタルケアだと僕は思っています。

だからこそ、僕は栄養療法やライフスタイル精神医学を「オプション」ではなく「必須科目」として学ぶべきだと考えています。
まずは今日の食事と睡眠、ちょっとだけ振り返ってみてください。そこが変わると、意外なくらい心が変わります。

また書きますね!

参考にした記事:
What is Lifestyle Psychiatry?

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