非常事態宣言下、どうお過ごしですか?
僕は毎日結構忙しく過ごさせてもらっています。
宮澤医院はコロナの診療に直接関わっていません。今日も待合室は閑散としており、今まで不急の患者さんがいかに多かったかを物語っています。
しかし、それでも、今日は一日中診察室を離れる暇がありませんでした。コロナ下で急激に増えた栄養療法の遠隔診療の患者さんに追われていたからです。
栄養療法は遠隔診療との相性が抜群に良いです。尿検査や毛髪検査など、郵送で済む検査もたくさんあるし。
初診の時に来院して頂き、きっちりと診察すればある程度は遠隔で診療を進めることができます。
このような状況ですから、おそらく栄養療法は今後クリニックへの導入が増え続けるでしょう。
栄養療法クリニックの先生方にご質問です。
・栄養外来は繁盛していますか?
・サプリや検査は売れていますか?
クリニックという中小企業の運営の立場から考えると、栄養外来の売り上げが伸びないのは切実な問題ですよね。
検査やサプリが売れないということは、患者さんがサプリや検査の重要性を理解していないということです。
売り上げは、患者の教育度に比例します。患者教育というのはつまり「なぜこのサプリメントが必要なのか」を患者さんに理解してもらうことです。
血液検査結果から必要なサプリの解析を外注した結果の用紙を読み上げるだけでは絶対にうまくいきません。必要なのはコミュニケーションです。
検査やサプリを患者さんに勧める時、生活習慣を指導する時に特に必要になるのがコミュケーション能力です。
栄養療法をうまくいかせるためには、臨床スキルにもましてコミュニケーションスキルが大切です。
超重要なんだけど、あまり取り上げられることがないので、ここでお話しします。
サプリを処方する際に必要な3つのコミュニケーション。
この3つがサプリの売り上げを左右するので心してみてください。
一つ目。メカニズムを説明しましょう。
最初に行うのは、症状のメカニズムを説明することです。例えばこのようなかんじ。
「胸焼けは胃酸が多すぎる時だけに起こるわけではありません。検査ではあなたの胃酸量はむしろ低下していました。胃酸が足りないと胃内で食物の消化不良が起こり、それが胸焼けの原因になることもあります。」
説明はなるべく簡潔が良いです。
「だからこの症状が起きていたのか!」
このセリフが患者さんから聞かれたら、ここはクリアです。次に、サプリを摂るとそれがどのように改善されるかのメカニズムを説明しましょう。
2つ目。どのようにサプリを摂るかを説明すること。ここを説明しておかないと、患者さんは後から山ほど質問メールを送ってきます。
多くの人の懸念点は共通していますから、前もってまとめたものを用意しておいてください。特にこれらのポイントを欠かさずに。
・食前?食後?食間?
・万が一摂り忘れたら後から摂った方がいいのか?
・副作用はあるか?
・どのくらいの期間摂り続ける必要があるか?
それとも一生続ける?
・体感が良くなるのにどのくらいかかる?
後から患者さんが「ナイアシン サプリ 副作用」とググって、そこに書いてあることを見て心配して電話をかけてくるのは最悪です。
その内容を前もって説明することで、信頼関係は逆に強くなります。(←ここポイント)
3つ目。サプリメントの質を選ぶ必要性について説明すること。
栄養療法医は、患者さんが、効果の薄い粗悪なサプリを摂っている事を放置すべきではありません。
ネットの書き込みなど、中途半端な情報を持っている人は医療機関専用サプリとドラッグストアのサプリはまったく別物だという認識がない傾向があります。そのような人には特に
・サプリの製造環境は法律で規制されていない
・市販のサプリの4割は吸収すらされない
ことを説明する義務があります。
わざわざ先生のところを尋ねる患者さんは、多少高いサプリメントでお金を失うよりも、効果のないサプリを飲み続け、辛い症状に耐えることを心底避けたいと思っています。
僕のいつもする説明は大体こんな感じです。
「分子栄養学におけるサプリの目的は、根本原因に対処することです。サプリメントは栄養が詰まった効率化の道具です。
食事や生活習慣の改善に加えてサプリを使用する事で、改善スピードを飛躍的に高めることが可能です。つまり、治療のブースターの役割です。
根本原因が改善すればサプリを減量、中止することができます。それにかかる期間は大体○○ヶ月です。」
よかったら参考にしてください。
最後に
サプリを売るのをすごく苦手に感じている先生もいらっしゃるでしょう。
僕もそうでしたからよくわかります。
何が邪魔しているのでしょうか?
自身の欠如と拒否への不安ですよね。
僕も昔は6800円のビタミンBを売るのにすごく躊躇いがありました。
でも、今は55000円のサプリを売るのに一切不安に思う気持ちはありません。
患者さんが最短期間でよくなるために必要なものしか売ってきていないと自身を持って言えるからです。ビジネスではなく、患者への貢献という意識の下で自分の専門性を磨き、経験をつめばあなたも必ずそうなります。
実践講座の講義後のディスカッションにぜひ参加してください。これは講座の第1回からお話ししている事ですが、3ヶ月間ディスカッションに参加し続ける事で、3年分の臨床経験に匹敵する生の話を聞けます。
3つのコミュニケーションどうでしたか?
サプリのメカニズムや処方の注意などは実践講座を受講頂ければ、程なく理解できるでしょう。
でも、栄養療法を始めたいドクターは、ぜひディスカッションにご参加いただき、栄養療法をすでに実践している人の生の声を聞いてください。
どんなサプリをどのように工夫して摂っているのか、食事はどうしているのか、どのようなネットワークから情報を得ているのか。
僕はこの講座の真髄は人とのコミュニケーションにあると考えています。